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第2回 ぐんま子ども・若者未来県民会議会議結果の概要

更新日:2019年12月17日 印刷ページ表示

1. 日時

2019(令和元)年11月11日(月曜日) 14時00分~16時10分

2. 場所

県庁7階審議会室

3. 出席者数

委員15名、事務局等17名(計32名)

4. 審議事項及び会議結果

(1) 前回会議の意見と対応状況について

ぐんま子ども・若者未来ビジョン2020に係る第1回会議(令和元年7月8日)での意見について、計画素案への反映状況等について質疑等を行った。

(2) ぐんま子ども・若者未来ビジョン2020の素案について

素案について意見交換を行った。

5. あいさつ(吉田こども未来部長)

  • 山本新知事の「県民幸福度の向上」「外国人との共生」「世界の潮流を踏まえた県のあり方」というコンセプトを踏まえ、次期総合計画を検討している。
  • 幼児教育・保育の無償化がスタートし、今後も、改正児童福祉法の施行や子どもの貧困対策に関する大綱の改正等が予定されている。
  • ぐんま子ども・若者未来ビジョン2020は、妊娠・出産期から社会的自立まで、子ども・若者のライフステージに沿った切れ目ない支援を行うための羅針盤にしたい。

6. 委員の主な意見等(要旨)

(会長)

  • 国においては、全世代型社会保障制度改革として、高齢者に手厚かった社会保障給付を子ども・現役世代・子育て世代などにも恩恵を及ぼすよう、負担と給付のあり方の見直しが進められている。
  • 令和元年度の概算要求でも、若い世代に対する事業への予算が増額されている。子ども・若者に対する支援が、我が国の最重要課題となっており、ぐんま子ども・若者未来ビジョン2020の役割は大きい。
  • 委員の皆様から御意見をいただき、実効性のある計画としていきたい。

(1) 前回会議の意見と対応状況について

切れ目のない支援、ワンストップでの支援

(会長)

  • 切れ目のない支援について、計画上は、こども未来部が中心となって取り組むとされているが、地域において切れ目ない相談体制ができるかどうかは難しいところ。

(委員)

  • 行政では、業務に精通し相談対応にあたっている職員が、人事異動等により数年で交代してしまう。

(会長)

  • 実際の地域の相談支援の現場は縦割りになっており、一つの窓口で全て対応することは難しい。代わりに的確な相談場所への繋ぎが担保されるかどうかが課題。
  • 国でも地域共生社会の構築として、全ての相談を断らないワンストップでの対応を重点として取り組んでいる。

(事務局)

  • 誰かが困っているという情報を、一人が聞くのではなく、いろいろな人が受け止めることで、一箇所で人が代わっても、その問題に引き続き対応できる。
  • 例えば、医療機関と市町村の間での妊産婦支援連絡票を使った情報のやりとりがあるが、誰かが掴んだ情報をできるだけ多くの機関が知ることができる体制づくりが重要と考えている。

(委員)

  • それぞれの機関は、それぞれ良い取組をしているが、本当に連携が取れているのか。地域社会との連携を含め、もう少し連携を強化してもらいたい。

(委員)

  • 発達障害の子どもの祖母が相談しようとしたところ、親でないと相談できないと言われたという事例を聞いた。相談者が誰であるかに関わりなく、総合的に相談できる場所があるとよい。

(委員)

  • 県内6箇所の子ども家庭総合支援拠点を全市町村に整備していくとのことだが、どのような機能を持つ機関なのか。

(事務局)

  • 子ども家庭総合支援拠点は、児童福祉に係る問題を、ワンストップ、又は必要な部署を紹介していくための拠点として、各市町村での設置を推進していく。

(委員)

  • 相談者が、抱えている悩みをどこに相談するか、自分で調べて判断することは困難。そこに行けば問題が解決する、又はその先を教えてくれるという場所を作るのは重要。有効な機関として、設置が進むことを期待する。

(委員)

  • 県社会福祉協議会の主導で実施している「なんでも福祉相談」という制度では、登録している社会福祉法人で受けた相談は、断らずに次につなげることを原則としている。

(会長)

  • 県内約500法人のうち約180法人が加入しているが、実績がまだ少ない。

(委員)

  • 私自身も「なんでも相談員」を引き受けているが、とても良いネットワークだと思っている。社会福祉法人に限らず、県、市町村を含めたネットワークとして取り組めればよい。
  • 勇気を出して相談しても、断られたら気の毒。もっと知ってもらいたい。

(会長)

  • 児童、高齢者、障害者等、それぞれの専門性の高い人たちに「なんでも相談員」を引き受けていただき、専門の幅を広げて対応いただいているところ。

(2) ぐんま子ども・若者未来ビジョン2020の素案について

SDGsへの対応及び評価について

(会長)

  • SDGsについては、達成度を評価していくのか。それとも、内閣府の優れた取組としての選定を目指す項目の一つとなるのか。

(事務局)

  • 企画部において、県全体としての評価方法等を検討しているところ。
  • 子ども関係については、国が示すローカル指標リストの中から、関係する項目を洗い出しているところであり、本計画の目標数値とは別に、本計画が所管する範囲の指標について進捗を把握していく予定としている。

施策体系について

(副会長)

  • 資料3の施策体系に係る事業をどのように具体的な施策として下ろしていくのか。

(事務局)

  • (施策体系と計画本文の対応関係について説明)

(委員)

  • 施策体系に計画本文のページを付したらどうか。

(事務局)

  • ページ数が固まった段階でページを付すことを検討したい。

子どもの居場所に係る目標数値について

(委員)

  • 全市町村に子ども食堂があることを目標としているが、上野村や南牧村などの小規模町村については、日常的に住民同士の助け合いや連携が行われており、子ども食堂の需要は少ないと思う。

(事務局)

  • 子ども食堂というと貧困対策を連想するが、本県では、子どもの居場所として、親以外の地域の大人との関わりを持ち、自己肯定感、自立心、基本的な生活習慣が身につけられる場と考えている。

(会長)

  • 別の目標数値として設定されている学習支援を含めて、子どもの居場所としたらどうか。

(事務局)

  • 国から求められている子どもの貧困対策事業として、生活困窮者等への学習支援は抜き出している。
  • 子ども食堂は、貧困対策だけではなく、子どもの居場所の広がりとして、食事の提供、学習支援、遊び等を含めた子どもの成長を願う場として広げていきたい。
  • 人口の多い・少ないにかかわらず、各地域で必要と考えている。目標数値の考え方の説明が必要であれば、計画本文中への記載を検討したい。

(会長)

  • 生活困窮世帯等への学習支援事業は厚生労働省の事業だが、文部科学省の同種事業を実施している市町村もあり、どちらかを実施していればよいのではないか。

(事務局)

  • 文部科学省の事業として学習支援を実施している市町村も含めてカウントする。
  • 残り2自治体のうち、一つは来年度から、もう一つは、時期は未定だが、国の補助事業を使わずに実施を検討していると聞いている。

(会長)

  • 子ども食堂の実施状況を把握するのは困難ではないか。市町村でも全て把握できていないのではないか。

(事務局)

  • 市町村が把握している数を報告いただき、データを整理している。

(委員)

  • 子ども食堂が必要と感じていない町村長もいるのではないか。

非認知能力、自己肯定感

(委員)

  • 自立に向けた基礎の必要性について、自己肯定感を育むためには、幼児期の愛着形成があると、より効果的と言われている。計画文中に加えてもらいたい。

(委員)

  • 幼児期の愛着形成は是非、書き加えていただきたい。
  • 森のようちえんの活動を行う中で、親子での参加が増えている。子どもの居場所は重要だが、親も居場所を求めている。親を支えるためのコミュニティや仕組みづくりもあるとよい。

(委員)

  • 自己肯定感を育む取組みとして、自然体験を特に抜き出しているが、国立青少年教育振興機構の調査では、自己肯定感のベースとなる自己有用感の形成プロセスとして、地域活動が重要であるとしている。お世話したり・されたりという斜めの関係が自己有用感につながる。
  • 生活体験や社会体験が自然体験と比べて効果が低いとは言えない。県の青少年基本調査でも地域活動についての項目があり、指標としてあげることもできる。
  • 地域のあり方が変化する中で、意識的に地域活動を考える必要がある。

(委員)

  • 自然体験が有効な理由としては、自己選択の力が育つことがある。
  • 自然体験は手段としては有効だと思うが、そこには、高校生や大学生がボランティアとして関わっており、彼ら自身が子どもたちや他の世代の人との関わりや活動を通じて成長している。「自分がしてもらったことを、次の子どもたちにもしてあげたい」と考える学生たちも沢山見てきた。
  • 自然体験だけでなく、ボランティア体験などの社会体験や生活体験も含め、全てが絡まり合って効果があると思う。ボランティア体験がもう少し深まるとよい。

(委員)

  • 最近、「非認知能力」と表現する場合が多いが、もう少し分かりやすくしていただきたい。自己肯定感や自己有用感ほど一般的でない言葉だと思う。

(事務局)

  • OECDは「社会的情動スキル」と表現し、もっと分かりやすく「生きる力」と表現している文献もあり、まだ固まっていない表現だと考えている。
  • 非認知能力に対応する認知能力は、基礎学力、知識、技能であるが、その獲得を下支えするの非認知能力の例示として、忍耐力、社会性、自信・楽観性を挙げている。

(委員)

  • 我々が認知できる子どもの力が「認知能力」、我々が測ることができない子どもが持っている力が「非認知能力」ということ。用語の注釈が必要。

(会長)

  • 自然体験活動への参加率が下がっているようだたが。幅広く参加してもらうことが課題ということか。

(委員)

  • 自然学校など、自然体験を行う団体は増えているが、リピート率が高く、全く参加しない人と何度も参加する人に2極化していると感じる。

子ども・若者支援の担い手としての企業

(委員)

  • 県青少年健全育成審議会の委員の意見として、警察で実施している企業の防犯CSR活動についての言及があった。
  • 子ども・若者支援の担い手として、企業も重要である。活動主体として、又は親育ちを支援している主体としての企業、事業所についての言及が薄い気がする。

(事務局)

  • 企業も巻き込んだ取組についての記載を検討したい。

母子保健対策について

(委員)

  • 市町村の規模にかかわらず、県内どの地域で生まれても、一定の質の母子保健サービスが受けられるというのは、難しいがとても大切なこと。
  • 母子保健、妊娠・出産支援、虐待予防について、県が中心になって様々な健診・検査のシステムづくりや精度向上が図られ、他の都道府県に比べて、新たな制度導入も早く、精度も高い。今後もとりまとめ等をお願いしたい。
  • 目標数値項目の中に、母子保健に関する項目がないのが気になる。本計画とは別に評価していくのか。

(事務局)

  • 母子保健は、市町村が実施主体であり、県はマニュアル等、全市町村で取り組んでもらえるよう体制整備を担っている。
  • 市町村で実施していて県が推進している項目があれば、目標数値に加えることを検討したい。

(会長)

  • 子ども医療費の無料化の部分は入っているか。

(事務局)

  • 「教育・子育てに係る経済的負担の軽減」の中に記載している。

虐待防止

(副会長)

  • 乳幼児健康診査未受診者やハイリスク児の把握は、児童虐待死亡件数をなくすため、児童相談所や市町村で行う虐待のおそれのある子どもたちの早期発見とつながると思うが、そちらの目標数値項目はどのように考えるのか。

(事務局)

  • 各児童相談所では、24時間以内の安全確認、365日24時間体制の相談窓口の設置、及び警察との連携等を行っている。
  • どの項目を目標数値とするかは難しい。相談件数の場合は、件数を増やすことが虐待防止につながる。そこで、絶対になくさなければならない児童虐待死亡件数を目標数値項目としている。

(事務局)

  • 虐待の予防と防止体制の整備のところに、母子保健によるハイリスク児の把握が密接に関係していることが分かるよう、「主な連動施策」として表記したい。

(会長)

  • 実際の虐待事案は増加しているのか。

(事務局)

  • 統計としては、虐待が表面化した場合の件数を捉えて把握している。虐待そのものの増減の把握は困難。相談件数が増えることは、我々が情報をキャッチする機会が増えることであり、積極的に評価している。

(委員)

  • 虐待の相談が来る前に、保健師が訪問して目を届かせることが大事。
  • 出産後は、周りに相談できる人がいない。保健師、助産師の人数を増やして、相談の前に発見することが大事だと思う。

(会長)

  • 乳幼児健康診査の未受診者数や訪問指導件数は、目標数値項目にはできないのか。

(事務局)

  • 出産後には、市町村で新生児訪問を行っている。乳児期には、家庭訪問により、お母さんを支援し、赤ちゃんの発育を確認している市町村もある。
  • 保健活動として、心配なことを早めにサービスにつなげるため、保健師が対応している。目標数値については、検討したい。

(委員)

  • 健診に来ない人もおり、こちらから働きかける体制を作れればよい。
  • できれば、妊娠期から数多く訪問できることが理想。

(事務局)

  • 乳幼児健診未受診者は、市町村ごとに対応し、保育所等とも連携して把握している。
  • 市町村が設置する子育て世代包括支援センターでは、妊産婦に対して手厚く支援を行うこととしており、市町村と連携をとりながら進めていきたい。

合計特殊出生率

(事務局)

  • 現行のぐんま子育て・若者サポートヴィジョン2016では婚姻数を、総合計画では出生数を目標数値としている。
  • 今回、合計特殊出生率を目標数値項目として設定し、目標数値を1.49としたが、適正か。

(会長)

  • 国は希望出生率1.8を目標値としている中で、県の合計特殊出生率の目標が1.49でよいのか。

(委員)

  • 平成16年には何かあったのか。

(事務局)

  • 下がり続けていたのが、一旦底を打った年であった。

(委員)

  • 県の人口ビジョンとの整合性が必要。2030年に県民希望出生率である1.89を達成するとしている。そこに合わせていくのでよいのでは。

(事務局)

  • 県民希望出生率は、県民意識調査での結婚や子どもを持つ希望を踏まえて算出している。今回の算出によると、前回よりも低くなっている。国の希望出生率も下がっている。
  • 総合計画の見直しの中で、どういう取り扱いになるかは、見えていない。考え方とすると県民希望出生率が上限になるのかと思う。

(委員)

  • 子どもを産んでも、国で面倒をみるような体制ではない。育てるのが難しい人が子どもを産んだときに、子どもが幸せに育つのか。

(委員)

  • 若年で子どもを産んだ若いお母さんも多い。子育てが一段落して働き始めるときに、出来る職業が限られる。
  • お母さんに対する支援が必要な家庭が多いと感じている。母親の学び直し支援は子どもの教育や貧困対策にもつながる。出産を先にしても、腰を据えて学び直す環境、困難な状況の中で出産を選択した方の将来が描ける支援があるとよい。

(会長)

  • 出生率を目標にするよりは、出生率が高まる子育て支援が必要ということか。パブリックコメントでは、1.49という数値に対しては、厳しい意見が出ると思われる。

(事務局)

  • 本計画策定の前提として、県民意識調査結果で、結婚及び子どもを持つ希望が低下しているという現実があり、どうしたら結婚したくなるのか、どうしたら子どもを持ちたいと思えるのかを、本計画で取り組みたいと考えている。

(会長)

  • 1.49のままパブリックコメントに出し、その結果を踏まえて、再度、次回会議の中で議論することとしたい。

キャリア教育

(委員)

  • 生産年齢人口がさらに減少するという推計がある中、県外進学者のうち7割が群馬に帰ってこない。
  • 小・中学校でのキャリア教育全体指導計画が100%になっている一方で、ビジネスマッチングフェアに来場した高校生アンケート結果によると、地元に就職したいという高校生は2割しかいない。
  • 産業界としては、人手不足が深刻な中、群馬で育った若者が群馬で就職することが、本当のキャリア教育であると考えている。結婚や子育ての希望に関しても、しっかりとした働く場がないと定着できない。
  • 桐生、みどりの公立高校を中心に、生徒と保護者に地元就職を働きかける取組をしているが、保護者が県内就職を望まず、給料の高い東京で就職させたいという意向が強い。
  • その辺りにも着目して、計画への書き込みをお願いしたい。

外国人の子どもへの対応

(委員)

  • 計画本文中に、外国人への対応についての記載がないようだが。

(事務局)

  • 「配慮が必要な子ども・若者への支援」の中で、記載している。
  • 先日、不就学の外国人の子どものデータが公表され、どのような施策で対応していくかを検討しているところ。
  • 保育所の中には、園児の3割が外国人という園もあり、就学前においても、日本への理解を深める必要があると考えている。

まとめ

(会長)

  • 計画はあくまでもスタート段階で、実効性のあるものにしなければならない。
  • 次回の会議では、来年度当初予算の状況等についても事務局から説明をお願いしたい。

7. 閉会のあいさつ(吉田こども未来部長)

  • 非認知能力は子どもたちの発達にとって重要であると考えている。
  • 体験活動を通して、自分で判断して行動・決断できることが、やがては、自分で就職、結婚、子どもを持つ持たないの選択ができる大人になることにつながる。そのことを、本計画の柱として盛り込んでいきたい。
  • 今後も、皆様から御意見をいただき、より良い計画にしていきたい。

8. ダウンロード

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