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群馬県防災ヘリコプター墜落事故
知事コメント
昨日、本県の防災ヘリコプター「はるな」が中之条町の山中に墜落するという、大変、痛ましい事故が発生しました。
この事故により、文字通り身命を賭して数多くの人命を救ってきた群馬県防災航空隊員4名及び吾妻広域消防本部職員5名の尊い命が失われたことは、誠に痛恨の極みであります。
お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、御遺族並びに関係者の皆様に、心からお悔やみを申し上げます。
また、二度とこの様な事故が起きないよう隊員の安全確保を図るとともに、県民生活の安全・安心のために、しっかりと取り組んでまいります。
平成30年8月11日
群馬県知事 大澤正明
墜落事故の概要
1 当日の運航計画
(1)目的
「ぐんま県境稜線トレイル」全線開通に伴う救助体制整備のための視察
(2)タイムスケジュール
平成30年8月10日(金曜日)
9時15分 群馬ヘリポート離陸
9時35分 西吾妻福祉病院着陸(吾妻広域消防本部5名搭乗)稜線トレイルコースを上空から視察
10時25分 西吾妻福祉病院着陸(吾妻広域消防本部5名降機)
10時45分 群馬ヘリポート着陸
2 機体発見までの経過
平成30年8月10日(金曜日)
9時13分 群馬ヘリポート離陸
10時40分 動態管理システムのデータ通信が10時01分で途絶えていることを覚知(以降、防災ヘリに無線連絡するも応答なし。搭乗隊員の携帯電話に連絡するも応答なし)
12時50分 県警ヘリ「あかぎ」出動
13時40分 栃木県防災ヘリ出動(以降、埼玉県・新潟県・東京消防庁防災ヘリ出動)
13時30分 群馬DMAT(前橋赤十字病院)第1班出動(以降、第2班、第3班出動)
13時43分 自衛隊に災害派遣要請
14時20分 「群馬県防災ヘリコプター遭難事故対策本部」設置
14時30分 埼玉県防災ヘリが中之条町横手山付近でヘリコプターとみられる機体の一部を発見
3 救助活動の状況
(1)平成30年8月10日(金曜日)
16時00分 航空自衛隊ヘリが2名収容
18時00分 県内消防27名、警察11名、陸上自衛隊10名、長野県消防6名、消防団5名(計59名)が渋峠から入山
21時47分 降雨により進入路が悪路で危険なため撤収し渋峠に下山
(2)平成30年8月11日(土曜日)
5時00分 東京消防庁防災ヘリ出動(以降、栃木県・埼玉県・新潟県防災ヘリ出動)
5時15分 陸上自衛隊89名、消防45名、警察30名、(計164名)が渋峠北西の「横手山・渋峠スキー場」から入山
6時51分~6時58分 航空自衛隊ヘリが2名収容
9時34分 航空自衛隊ヘリが3名収容
11時11分 新潟県防災ヘリが2名収容
4 死傷者の状況
死亡9名(搭乗員及び同乗者全員)
- 防災航空隊 4名(機長、整備士、隊長、隊員)
- 吾妻広域消防本部 5名
防災航空体制のあり方検討委員会の設置について
防災ヘリの安全管理体制を全面的に検証するとともに、今後の防災航空体制を検討するため、平成30年9月20日(木曜日)に検討委員会を設置しました。
本検討委員会では、ヘリ工学の専門家や他県ヘリ関係者等8名を委員とし、消防庁、県警、前橋赤十字病院、消防本部の職員等をオブザーバーに迎え、全4回にわたって開催され、以下の内容について検討が行われました。
- これまでの運航、安全管理体制の検証
- 今後の運航、安全管理体制の構築に向けた提言
- 防災ヘリ活動再開に向けた留意点
これらの検討を踏まえて報告書がとりまとめられ、平成31年1月23日(水曜日)に知事へ提出されました。
防災航空体制のあり方検討委員会報告書(PDFファイル:997KB)
防災航空センターの設置について
「防災航空体制のあり方検討委員会」での検討状況を踏まえ、二度と事故を起こさないよう安全管理体制を強化するとともに、防災ヘリの運航再開に向けた取り組みを進めていくため、平成31年4月1日に群馬ヘリポート内に設置しました。
当面は、他県防災ヘリの支援を受けながら、本県の防災航空体制を維持して参ります。