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令和3年度精度管理結果

更新日:2022年3月31日 印刷ページ表示

1.目的

 本精度管理は、水道事業者及び登録検査機関における水質検査の正確さや検査結果の信頼性を確保することを目的に、複数の検査機関が同一の共通試料を測定し、その結果を基に、個人差、品質管理、誤差要因などの解析を行うために「群馬県水道水質管理計画」に基づいて実施するものである。
 令和3年度は、「全有機炭素(TOC)」を対象項目とした。

2.参加機関

 参加機関は、水道事業者5機関、水道用水供給事業者1機関、水道法第20条に基づく登録検査機関5機関の計11機関であった。

令和3年度精度管理参加機関一覧
参加者分類 機関名
水道事業者 前橋市水道局
桐生市水道局
安中市上下水道部
富岡市公営企業
群馬東部水道企業団
水道用水供給事業者 群馬県企業局水質検査センター
登録検査機関 一般社団法人群馬県薬剤師会
株式会社江東微生物研究所
株式会社群馬分析センター
株式会社環境技研
株式会社総合環境分析北関東支社

3.実施方法

3-1.分析方法

 群馬県衛生環境研究所の協力を得て、令和3年12月13日に試料配付を実施した。
 配付試料の調製及び容器への分注は関東化学株式会社に依頼した。
 フタル酸水素カリウム(Cat.No.32311-00、規格:特級、純度100.0%)を使用した。フタル酸水素カリウム106mgを超純水2Lに溶かしてTOC濃度が25mg/Lの溶液を調整し、50mLのガラス瓶に分注したもの配付試料とした。関東化学株式会社が実施した確認試験の結果、調製時の濃度は25.6mg/Lであった。
 配付試料を各機関で10倍希釈した溶液を測定試料とした。したがって、測定試料の濃度(設定濃度)は2.56mg/Lである。分析は、通常の業務において対象項目の分析を担当する者が各機関の標準作業手順書による方法で5回の併行試験を実施した。

mg/L(ミリグラム毎リットル)

3-2.評価方法

 本調査では、厚生労働省の水道水質精度管理調査(令和2年度厚生労働省水道水質検査精度管理のための統一試料調査結果)を参考に、測定値が中央値±20.0%の範囲内であることを評価基準とした。なお、今年度は参加機関が11と少数であったため、zスコアは算出しなかった。

4.測定結果について

 設定濃度(2.56mg/L)に対する各機関の測定結果の中央値(2.59mg/L)の割合は101%であった。各機関の測定値と中央値のずれは、最も大きい機関でも-5.7%であり、すべての期間が評価基準である±20.0%の範囲内に収まる結果となった。以上のことから全有機炭素(TOC)測定の精度管理に問題のある機関はないと判断した。

mg/L(ミリグラム毎リットル)

5.分析

5-1.分析経験

 分析担当者の経験年数は、最小の1年未満が3機関、最長の10年が1機関、中央値は1年であった。分析実績は最小が35検体、最大が254000検体、中央値が1000検体と幅広く、測定結果との相関は見られなかった。

5-2.測定方法

 配布試料を受け取ってから測定を行うまでの保存期間は、8機関が1日以内であり、2日間、4日間、29日間がそれぞれ1機関ずつであった。水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)では、「速やかに試験できない場合は、冷暗所に保存し、72時間以内に試験する」とあるが、保存期間4日及び29日の測定結果からは、長期保存による影響は確認されなかった。
 測定方法については、1機関が差し引き法であり、他の機関は前処理法であった。酸化方法についても、1機関が湿式酸化法であり、他の機関は燃焼酸化法であった。

6.まとめ

 今回は各機関の測定値と中央値のずれは、すべての機関が有機物の評価基準である測定値が中央値±20.0%の範囲内であったため、全有機炭素(TOC)測定の精度管理に問題のある機関はないと判断できる。

令和3年度群馬県水道水質管理計画に基づく精度管理(PDFファイル:423KB)

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