本文
群馬県で働くベトナム高度人材コーナーvol.4
群馬県にある株式会社栄光製作所で活躍しているグエン・ティ・イエン・ニーさんについて紹介します。
彼女は、大学３年生だった2019年に株式会社栄光製作所でインターンシップをするために、来日しました。３ヶ月のインターンシップを通じて、会社の働く環境や群馬県での生活を気に入ったので、この会社で就職することにしました。彼女の群馬県での生活や仕事についての記事をぜひご覧ください。
グエン・ティ・イエン・ニー（ベトナム・ドンナイ省出身）
2016年：ホーチミン市工科大学・工業メンテナンスセンター入学
2019年1月：株式会社栄光製作所でのインターンシップ開始
2019年11月：ホーチミン市工科大学・メンテナンス工業センター卒業
2022年3月：株式会社栄光製作所に入社
日本に来たきっかけ
大学3年生の時、卒業に必要なインターンシップの単位を取得するため、インターンシップ先の企業を探し始め、ベトナム国内の企業や海外の企業など様々な企業について応募を検討しました。そうした中で、大学の先生から株式会社栄光製作所を紹介してもらい、大学での専攻内容を生かせると思い、インターンシップに応募しました。応募後、社長がベトナムに来て、直接面接をしてくれました。その後、インターンシップへの参加が決定し、2019年１月から日本で３か月間のインターンシップを始めました。
日本に来たばかりの頃の写真
日本でのインターンシップ経験
インターンシップ期間中、会社の生産工程について勉強するために、各部署を見学しました。また、部品の溶接（半田付け）や前加工などの実際の作業も経験させてもらいました。
その他、群馬県での生活も体験することができました。会社がアパートや家具などを用意してくれ、ごみの出し方などの日本での生活の注意点を丁寧に教えてくれたので、日本での生活にスムーズに適応できました。
インターンシップで見た会社の機械システムが動く姿は、脳裏に焼き付いており、その機械についてもっと勉強し、いつかその機械と関わる業務をやりたいと思うようになりました。また、インターンシップ期間中は、日本語が話せなかったので、英語で同僚とコミュニケーションをとりましたが、丁寧に指導したり、サポートしたりしてくれ、働く環境の良さも感じることが出来ました。
ベトナムへの帰国後、将来の進路について検討する中で、会社の働きやすい環境や群馬県の暮らしやすさが決め手となり、この会社に就職することにしました。しかし、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大があったため、すぐには日本への渡航手続きが進められず、2年程度ベトナムで待機する必要がありました。2022年にようやく来日できましたが、インターンシップの時と変わらず暖かく迎えいれてくれました。
日本語の勉強法
大学卒業後、ホーチミンにあるドンズー日本語学校で日本語の勉強を開始し、１年後に日本語能力試験Ｎ３に合格しました。その後、ベトナムでの新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化していたので、ドンズー日本語学校で授業を受けるのは難しくなり、独学で日本語の勉強を続けました。独学で勉強を継続するのは大変ですが、会社の担当者が毎週オンラインでの会話練習や作文のチェックなど日本語学習をサポートしてくれたので、モチベーションを維持出来ました。
日本語を勉強する時、漢字を覚えるのが難しいと思っている外国人が多いと思いますが、私は漢字の勉強が好きです。自分の漢字勉強のコツは毎日練習することと書き順を守ることです。そうすると漢字を長く覚えられるし、書くスピードも速くなります。
ドンズー日本語学校での書道のクラスの様子
日本に初めて来た時の印象
日本に初めて来たのはインターンシップのときです。当時、ちょうど桜が咲く時期でしたので、桜の色に染まる素晴らしい景色を見ることができました。桜はベトナムにはないので、日本に来て初めて見て、その美しさに驚きました。
日本では、桜が咲く時期は毎年３月頃から５月頃までです。桜が満開の期間は、１週間程度と短いですが、桜の花房を遠くから見ると雲のように見え、とても奇麗です。日本では、多くの場所に桜の木が植えられているので、どこでも桜の美しさを楽しめます。ぜひ機会があれば、日本に桜を見に来てください。
会社の同僚と花見に行った時の写真
日本の好きなところ
日本の治安の良さが好きです。例えば、日常生活において「物が盗まれる」という心配がほとんどないと思います。以前、買い物に行った時、スマートフォンを自転車のフロントバスケットに置いたことを忘れて、スーパーに入ってしまったことがありました。そのことに気づき、スマートフォンが盗まれたことを予期しながら自転車に戻ると、スマートフォンは、そのまま置いてありました。盗難の心配がほとんどないことだけではなく、世界各国と比べて、日本の犯罪率はかなり低いので、安心して生活することができます。
群馬県の好きなところ
現在、群馬県富岡市に住んでいます。富岡市は、全体的に落ち着いた街並みで自然が多く残っています。静かなところが好きな私にとって、富岡市はぴったりです。周りにはスーパーやコンビニや駅があるので、普段の生活もとても便利です。また、群馬県は山が多いところとして有名です。家の周りをジョギングする時、群馬県の山々の景色を見て、その壮大さに驚きました。
UNESCOの世界遺産に登録されて、群馬県富岡市の代表的な観光地とされている富岡製糸場を訪問したことがあります。富岡製糸場で絹の生産工程を見学できました。小さい蚕から奇麗な絹を作れるのはとても素晴らしいと思います。
群馬県在住歴が短い私は、まだ県内の観光地へあまり行ったことがありませんが、群馬県は温泉王国として人気なところなので、今後草津温泉や伊香保温泉など県内にある有名な温泉に行ってみたいと思っています。
富岡製糸場を訪問した時の写真
今の仕事について
2022年3月に株式会社栄光製作所に入社しました。株式会社栄光製作所は、電子機器の基板の表面実装・組み立てなどを手掛けている会社で、私は、基板実装をする機械のプログラミングを担当しています。入社当初は、分からないことがたくさんありましたが、社長と同僚が積極的に指導してくれましたので、スムーズに仕事に慣れることができました。
機械が好きなので、毎日楽しく仕事に取り組んでいます。また、お客様の要望に応じて、正しく機械のプログラミングができると、嬉しくて、やりがいを感じています。
入社した時の写真
会社の働く環境への印象
会社の同僚は、いつもフレンドリーで、色々なサポートをしてくれます。インターンシップの時、日本語が話せなかったので、同僚とのコミュニケーションが難しかったですが、通じない言葉があったら、グーグル翻訳などを使って、私がわかるまで丁寧に説明してくれました。仕事だけではなく、生活の面でも色々とサポートしてくれ、「部屋は寒いですか？」や「暖かい服が足りてますか？」などの気遣いをしてくれたり、買い物に連れて行ってくれたりします。
また、時間がある時は、社長が直接指導をしてくれます。仕事の指導だけではなく、日本文化や日本での生活についても様々な知識を教えてもらっています。
その他、会社がアパートを借り上げたり、家賃も一部負担したりしてくれます。行政手続きの案内や体調不良の場合には、病院への付き添いをしてくれるなど、安心して働ける環境を作っています。
当社をはじめ、群馬県には外国人材にとって魅力的な企業がたくさんありますので、日本での就職を希望する方は、是非自分に合った会社を探してみてください。
プログラミングをしている様子
将来の目標
まず、今担当している業務のスキルアップをしたいので、機械のプログラミングについての知識をもっと身に付けたいです。また、仕事をする時、日本語でのコミュニケーションがとても大切だと思っていますので、日本語の学習も頑張っています。直近の目標としては、今年12月に行われる日本語能力試験Ｎ２に合格することを目指しています。
＜外部リンク＞
＜外部リンク＞
