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決算特別委員会議事録(その2)(平成27年10月23日)

1.開催日時

平成27年10月23日(金曜日)10時00分開始 15時11分終了

2.開催場所

本会議場

3.出席議員

委員長:関根圀男、副委員長:織田沢俊幸
委員:中沢丈一、委員:腰塚誠、委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:松本耕司、委員:星野寛、委員:須藤昭男、委員:福重隆浩、委員:橋爪洋介、委員:岩上憲司、委員:萩原渉、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:あべともよ、委員:水野俊雄、委員:後藤克己、委員:中島篤、委員:岸善一郎、委員:大手治之、委員:臂泰雄、委員:井下泰伸、委員:酒井宏明、委員:金井康夫、委員:原和隆、委員:金子渉、委員:安孫子哲、委員:清水真人、委員:藥丸潔、委員:小川晶、委員、高橋正、委員:金井秀樹、委員:本間惠治、委員:伊藤清、委員:山崎俊之、委員:荒木恵司、委員:大和勲、委員:川野辺達也、委員:本郷高明、委員:穂積昌信、委員:井田泰彦、委員:加賀谷富士子

4.欠席議員

なし

5.議事(その2)

総括質疑

萩原委員

 ぜひお願いします。群馬県の県債の状況ということで、平成13年からの臨財債を除いた県債残高は確実に減っているわけですが、この部分がどんどん延びて1兆円を超えていますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、群馬県経済の活性化のために、景気浮揚のために、県財政出動の役割と実行についてお聞きします。平成26年度における県内景気の状況は、消費増税の影響もみられたが、自動車関連産業を中心に輸出の増加が続いており、その他の電気産業や化学産業においても生産は緩やかに改善しています。回復基調が続いているとしています。このことは、県内金融機関の貸出金状況や、有効求人倍率等の指標からも伺えます。さらに観光産業も、世界遺産に富岡製糸場と絹遺産群が登録されたことからも、県内の主な観光施設や温泉地の入り込み状況、宿泊客数も大幅に増加するなど、好調に推移しています。しかしながら、いまだに景況感に至らない地域や産業があるのも実態で、県内の隅々に至るきめの細かい経済と財政対策が必要であり、予算の適正な執行が求められています。財政の健全化と適正な予算執行が求められる中で、この県内経済活性化の牽引役としての積極的財政出動を行うことは相反する施策と考えられますが、これを実行して成し遂げられるかで、財政担当者の力量が試されていると私は考えます。そのためには、まさに知事の政治的判断による施策の実行にあたり、これを具現化する執行部の力の発揮どころであると思います。県経済活性化のための財政の役割についての見解を求めます。

深代総務部長

 平成26年度は、景気回復の動きを県内隅々にまで行き渡らせ、本県が将来にわたって持続的に発展していけるよう、「景気回復・成長予算」を編成し、効果的な予算執行に努めました。その上で、その時々の県内景気や雇用等の状況を見極め、国の経済対策を活用した補正予算なども編成しながら、県内経済の活性化に向け、時機を捉えて対応してきたところであります。
 人口減少・超高齢社会を迎え、今後、社会保障関係費がさらに増加していく見込みであることを踏まえると、福祉や教育などの県民サービスの確保に加え、本県の経済や雇用を支えている県内産業の活性化に、国が行う経済対策なども積極的に活用しながら、引き続きしっかりと取り組んでいくことが重要な課題であると認識しています。
 また、その際には、真に効果が高いと見込まれる、必要な事業に対して、限られた財源を重点的・効果的に配分していく必要があると考えています。今後も、将来負担にも配慮しながら、県経済の活性化にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

萩原委員

 今が経済の折り返し地点、大変重要なところだろうと思いますので、先ほども申したように、ぜひメリハリの付いた財政出動をお願いしたいと思います。やはり知事の言う「人づくり、暮らしづくり、街づくり」、これに対してやはり突っ込むところはぜひ突っ込んでいただきたい。これが総務部長の力の試しどころだと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
 そういった意味で今回のコンベンション、大変注目されるところだろうと思います。コンベンション施設の整備は、まさに県の財政出動により県内経済を刺激して成果を出すべき具体的な対象事例だと考えます。コンベンション事業への投資が群馬県全体の将来にとって、どのような社会経済的開発効果をもたらすのか。これは実証すべき最大のテーマと考えますが、企画部長の見解をお伺いします。

笠原企画部長

 今お話のコンベンション施設ですが、これからの人口減少による労働力の減少、また経済需要の縮小により経済の後退が懸念される中で、本県の将来を見据えて、人、モノ、情報の交流を促し、新たな活力を生み出す、これから50年の群馬県を牽引する社会インフラとして整備しようと考えています。
 コンベンション施設での展示会、学術会議、コンサートなどが開催されることにより、参加者、主催者、出展者など多くの関係者が来場することに伴う飲食、宿泊、交通などの経済効果とともに会場の設営やイベントの開催に伴う経済効果も期待されることから、コンベンション施設の運営が将来に渡って県内に大きな経済効果をもたらすものと考えています。例えば、展示会においては開催前に製品等を出展する企業の展示ブースが設営され、展示会終了後は直ちに撤去作業が行われますが、これには建築や電気、水道、装飾など、数多くのスタッフが関係しています。また開催中に使われるパンフレットなどのデザインや印刷、イベントを運営する人員の確保や警備、清掃など数多くの業種も関わり、アフターコンベンションの観光なども含めて幅広いコンベンション関連産業への経済効果が期待できるものと考えています。さらに展示会出展を通じた企業のビジネスチャンスの拡大やコンベンション関連産業の創出などにより、若者や女性が活躍する新たな就業の場を含めた雇用の創出をもたらすものと考えています。事業を進めていく上で最も基礎となる需要調査ですが、平成26年度に専門の調査機関に委託し実施したところ、こうしたコンベンション施設がもたらす経済効果について、イベント開催による経済効果を年間51億円、参加者、主催者、出展者等がコンベンション施設へ来場することによる経済効果を年間77億円、あわせて年間約128億円の経済効果が見込まれ、1,483人の新たな就業者増に繋がると試算されています。こうしたコンベンション施設整備による経済波及効果を、温泉等も含めた県内各地と連携しながら全域に効果を及ぼしていくことが極めて大切と考えています。そうしたことをしっかりと踏まえながら、事業を進めたいと考えています。

萩原委員

 私ども特別委員会でビッグサイトへ視察に行きました。ちょうど展示の切り替え時期で、展示場を造るのに3,000人の職方が入って3日間で仕上げ、またそれを壊す。また次の週には展示をするためにまた3,000人の人達が入ってブースを造っていく。これはすごいことなんだな、目に見えない効果もあると思いますので、ぜひその辺をしっかりと捉えて、今後の計画を進めていただきたいと思います。
 財政出動のひとつの例として、県出資法人の決算の状況について伺います。観光物産国際協会への県の補助金が減額されています。観光振興は県経済活性化のための重点施策であり、そのためには減額ではなく増額の必要があると考えます。世界遺産に登録されて、観光振興をひとつの群馬県発展の起爆剤にしようということで議会も含めて取り組んでいるわけですが、その先頭に立っている出先機関への補助金が減額されている。この実態はいかがかと思います。その見解について観光局長にお聞きします。

戸塚観光局長

 委員ご指摘のとおり、県から公益財団法人群馬県観光物産国際協会に対する平成26年度の補助金は、4,478万5千円と平成24年度と比較して10.5パーセントの減少、前年度との比較では7.1パーセントの減少となっています。その主な理由ですが、同協会職員の人件費等を対象とする運営費補助金や事業実績に応じて支払う外国人未払医療費対策事業補助金が減額となったことなどに伴うものであります。なお、運営費補助金については、平成25年度に341万円減額となったものの、平成26年度は3,829万円と前年度と同額を確保しています。
 同協会の運営の基本的な部分は、県からの運営費補助金、市町村からの会費、公益財団法人として許されている範囲内、これは公益目的外事業が50パーセント未満ということですが、収益事業として実施している物産販売事業などの事業収益等で賄うこととしています。しかし、事業収益も安定していないことから、役員報酬の10パーセント削減や管理職の昇給停止、管理事務経費の削減などに取り組んでいるものの、財務的には厳しい状況にあると認識しています。
 本県の更なる観光振興を図っていく上では、同協会の役割が非常に重要であると考えておりまして、同協会の適切かつ効率的な運営への取組を支援するとともに、必要な予算の確保に努めたいと考えています。

萩原委員

 ぜひ、よろしくお願いします。ググっとぐんま観光キャンペーン、デスティネーションキャンペーン等色々ありますが、旅館組合青年部からは、どうしても予算が足らない、やっていきたいがなかなか出来ない実情があるということです。観光を推進していくという我々の立場からも、その辺の面倒をしっかりみていただきたいということを要望します。
 第14次総合計画についてお聞きします。「はばたけ群馬プラン」の進捗状況は27年5月時点で、約9割の指標が「達成・前進」でした。全体的に順調に計画が進んでいるとみられています。この総合計画の進捗状況についての見解はいかがでしょうか。

笠原企画部長

 第14次群馬県総合計画「はばたけ群馬プラン」の進捗状況についてですが、この計画内容については、部局横断的な施策テーマを15の重点プロジェクトとして位置づけ、計画の進捗管理を行うため、プロジェクトごとに目標・指標を設定しており、重複を除く56項目について直近の数値を把握しています。
 今年5月現在で見ると、「達成」が24項目で42.9パーセント、「前進」が28項目で50.0パーセント、「横ばい」が2項目で3.6パーセント、「後退」が同じく2項目となっています。議員ご指摘のとおり、56項目中52項目、目標全体の約9割、92.9パーセントが「達成」又は「前進」という状況であり、着実な進捗が図られていると認識しています。
 ただ、残念ながら計画策定時から「後退」している2項目を見ますと、まず「消防団員の充足率」については、中山間地域を中心に若年層の減少などにより厳しい状況にありますが、市町村等と一層連携し、若者向けの広報を積極的に進めるとともに、女性の消防団への参画や、災害時のみの活動等を前提とする機能別団員制度等の導入を促進し、さらに団員確保に努めたいと考えております。また、「森林整備面積」については、路網整備や機械化による搬出間伐の効率化と、昨年度から導入したぐんま緑の県民税を活用し、条件不利地の森林整備を積極的に進めたいと考えております。
 今年度は計画の最終年度であることから、全庁一丸となって施策に取り組み、計画に掲げた目標・指標の前進・達成と、県勢のさらなる発展に向けて取り組んでいるところです。さらに、現在策定中の次期総合計画の中でも、関連する施策をしっかりと位置づけ、来年度以降も取り組んで参りたいと考えております。

萩原委員

 森林整備の面積は今後なんとかなるんじゃないかと思いますが、いかんせん消防団員の充足については大変難しい問題であるので、きちんと力を入れて対応していただきたいと思います。
 これまで各部局から、県民の命を守る災害対策、また平成26年度当初予算編成の基本的考え方と予算執行状況及び決算の結果、また総合計画を含めた全体的な説明がございました。知事におかれては平成26年度が2期目の最後となりました。知事がよく言われていた、1期目はリーマンショックからの立ち直り、2期目は東日本大災害の復興と、そういう中で総合計画もほぼ9割のものが達成できたということであります。3期目は大いにやっていただきたいと、我々も期待しています。これらの全体評価についての所見について伺います。

大澤知事

 平成26年度は、何と言っても、県民にとって長年の悲願でありました「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録が実現し、さらには「富岡製糸場」が国宝に指定されたところであります。また、ぐんまちゃんが、ゆるキャラグランプリで日本一になるなど、群馬の歴史に新たなページを刻むことができた年であったと思っております。
 当初予算においては、総合計画「はばたけ群馬プラン」の着実な推進を図るとともに、景気回復の動きを県内隅々まで行き渡らせ、群馬県が将来にわたって持続的に発展していけるよう「景気回復・成長予算」と名付けた積極型の予算を編成いたしまして、各種施策を推進し、また、補正予算においては、平成26年2月に発生した大雪被害への対応など、喫緊の課題に取り組んできたところであります。
 その主な成果を、総合計画の3つの柱に沿って申し上げます。
 まずは、1つめの柱、「人づくり」であります。特別支援学校の整備を進めまして、今年4月に「吾妻特別支援学校」を開校いたしました。これにより、県内すべての地域に特別支援学校を設置することができ、児童生徒や保護者の大幅な負担軽減につながったものだと考えております。
 また、今年1月から2月には、本県で第70回冬季国体が開催されました。競技を安全かつ円滑に実施するため、県有施設の整備を行ったほか、選手強化を支援いたしまして、男女総合成績で前回大会を上回る5位という結果を残すことができたところであります。
 2つめの柱の「安全・安心な暮らしづくり」であります。大雪被害への対応について、農業用施設の撤去及び復旧・再建に対する補助など、本県農業の復興に向けまして、国や市町村と連携いたしまして、農家の経営再建を支援したところであります。あわせて、救急・災害医療体制の確保・充実、県立がんセンターの緩和ケア病棟の開棟、有害鳥獣対策の強化を行ってきたところであります。また、ゲリラ豪雨や台風等による災害の未然防止や被害軽減を図るための治水・土砂災害対策など、県民生活の安全・安心を守る施策に取り組んできたところでございます。
 3つめの柱の「産業活力の向上・社会基盤づくり」であります。「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録を最大限活用いたしまして、観光誘客に取り組み、観光入込客数の増加につなげることができました。また、高速交通網の効果を県内すべての地域や産業の発展に活かすため進めてまいりました7つの交通軸の整備については、長年の懸案であった東毛広域幹線道路を全線開通させまして、さらに国道120号椎坂バイパスを開通させたところであります。これにより、県民生活の利便性向上と経済・産業活動の基盤強化を図ることができたところであります。以上は、平成26年度に実施した事業の成果の一例でありますが、このほかにも幅広い政策課題に取り組み、総合計画に掲げた目標の達成に向けて、施策を着実に推進することができたと考えております。
 振り返れば、知事に就任した直後の平成19年には、台風9号による土砂災害、20年のリーマンショック、23年の東日本大震災や、26年の記録的な大雪など、歴史的な大規模災害、経済危機に直面をしたところであり、このような状況にありましても、県民一人一人の力を結集いたしまして、市町村や関係団体等が連携し、その都度、群馬県は危機的な状況を乗り越え、新たな飛躍を遂げることができたと思っております。
 これからも、県民が安心して幸せが実感でき、将来にわたって住み続けたくなるような魅力あふれる群馬を実現するため、オール群馬で取り組んで参りたいと考えております。

萩原委員

 これから第15次群馬県総合計画が始まります。ぜひ、これまでの経験を生かし、思い切った施策に取り組んでいただきたいと思います。
 総合計画の具体的プロジェクトの状況について、(1)7つの交通軸の問題と、八ッ場ダムの2つについて、見解の程よろしくお願いします。

倉嶋県土整備部長

 まず7つの交通軸についてですが、県民生活の向上と県内の経済産業の発展には、道路を中心とした社会基盤の整備が不可欠であるとの思いから、「7つの交通軸」の整備を進めております。その進捗状況ですが、平成26年度に東毛広域幹線道の全線開通や国道120号椎坂バイパスの開通、国道122号昭和橋が完成しました。また現在は、東毛広域幹線道路の4車線化、上信自動車道、西毛広域幹線道路や国道122号渡良瀬道路などの主軸の整備を進めております。今後は主軸の整備促進に努めるとともに、主軸の効果をより一層なものとするため、交差軸の整備も計画的に進めて参りたいと考えております。主軸と高速道路インターチェンジや工業団地、観光地などを結ぶ交差軸の整備、軸の強化を図り、地域が連携してオール群馬体制で群馬の未来創生に繋がる土台作りと、人口減少対策に取り組んで参りたいと考えております。
 八ッ場ダムについてであります。まず、ダムの建設状況については、ダム本体工事の起工式を本年2月に行い、現在は掘削工事が4割程度進捗しております。平成28年6月にはダム本体のコンクリート打設を開始する予定であります。また、コンクリートの材料となる骨材を製造する設備なども同時に実施しております。平成31年度完成となっておりますが、県としては一日も早いダムの完成を、引き続き国に求めて参りたいと考えております。
 次に生活再建事業についてですが、水没地の代償としての家屋の移転、道路や鉄道の移設、田畑の補償などに加え、集会所や町営住宅などの地域活性化の振興施設などもありますが、それらについて、例えば平成26年度であれば、鉄道・道路に関してはJR吾妻線が平成26年10月に新線に切り替わり、付け替え国県道も総延長24.4キロメートルの計画のうち約96パーセントにあたる23.4キロメートルが供用されました。また、地域振興施設に関しては、川原畑地区の滞在型農園「クラインガルテンやんば」や、「王湯会館」、「八ッ場ふるさと館」などが完成し、最近では8月に長野原草津口駅の西側に「長野原・草津・六合ステーション」がオープンしました。今後とも平成31年度のダム完成を見据えて上信自動車道などの幹線道路整備をしっかり進めていくとともに、地元住民の声をよく聞き、より生活に密着した町道や上下水道などの生活基盤施設や、関係住民の交流拠点となる住民総合センターなどの地域振興施設の整備を行うなど、ダム湖を中心とした地域発展に向け、町、国及び下流都県と連携し、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

萩原委員

 八ッ場ダムの完成を遅らせるわけにはいきません。できれば上信道もそれに合わせて開通してもらいたいし、上信道の大津以西もよろしくお願いします。要望して終わります。
 CO2削減と地球温暖化対策と再生可能エネルギーの積極的整備を図ることについての状況と、今後の対応についてお聞きいたします。

青木環境森林部長

 地球温暖化は、地球規模の問題ではあるが、その対策は家庭における省エネや企業の取組の積み重ねが基本であり、地域における具体的な取組を着実に実施していくことが、極めて重要であると考えております。県では、本年3月に「群馬県地球温暖化対策実行計画」を改定し、2020年を目標に、各分野ごとに推進すべき具体的な対策を定め、県民、事業者、市町村等と協力して、取組を進めている状況であります。特にその中でも、再生可能エネルギーの普及については温暖化対策にも極めて有効であり、県では、平成25年1月に「電源ぐんまプロジェクト」を立ち上げ、太陽光発電や小水力発電、バイオマス発電などの導入に取り組んでおります。平成26年度末の導入量は、73万9千キロワットと、プロジェクト設置前の平成24年度に比べ約4倍に伸びています。
 本年7月に、国が「エネルギー基本計画」に基づき、2030年における電源構成、いわゆるエネルギーミックスでありますが、それを決定し、その中で再生可能エネルギーの比率を22から24パーセントと大幅に引き上げる方向が示されました。県としても、今後、県内に豊富に存在する再生可能エネルギー資源を最大限活用できるようにしていくことが重要であると考えており、今年度、市町村等、関係者と協力して、まだ仮称でありますが、「群馬県再生可能エネルギー推進計画」を策定することとし、現在作業中であります。今後この計画を踏まえ、中長期的な視点に立って、本県における再生可能エネルギーの普及が効果的に推進できるよう努めて参りたいと考えています。

萩原委員

 国連のCOP21もまた開催されます。この災害が色々出ている原因は、やはり地球温暖化であろうと推測されますし、その大元であるCO2を削減していかなければいけないということで、この問題は少し身近ではないですが、真剣に取り組んでいかなければならないことだと思いますので、よろしくお願いします。また畜産バイオマス断念という新聞記事が出ましたけれども、これは県民がみな誤解をしています。あくまでも実証実験の低温ガスの畜産バイオマスについて断念したんでしょうけれども、一般的なメタンガス発酵の畜産バイオマスについては今後も色んなところでプロジェクトがありますので推進していくと思いますが、このことについてお願いします。

青木環境森林部長

 委員ご指摘のとおり、畜産バイオマスについては、本県は畜産県でもありますので、この推進については今後とも引き続きしっかりと取り組んでいく考えでおります。

萩原委員

 平成26年度の農畜産物出荷額の目標については達成されています。特に輸出については大幅な伸びであるとのことですが、そういったことと、平成26年度は大雪被害対策がありました。これについては27年度に持ち越していますが、この反省も含め、一連について部長の見解をお願いします。

宮崎農政部長

 まず農畜産物の輸出に関してですが、平成26年度の本県産農畜産物等輸出の実績は、前年度のおよそ2倍の約6億1,800万円となり、「ぐんま農業はばたけプラン」における平成27年度の輸出目標金額をすでに達成したところであります。本年度はシンガポールを中心に輸出促進に取り組むとともに、今月末にはミラノ国際博覧会に出展し、上州和牛やこんにゃくの販路拡大に取り組むこととしています。今後も、現地の実情や県内の要望等を踏まえ、総合的に農畜産物等の海外販路拡大に取り組んで参りたいと考えております。
 続いて大雪被害に関してですが、昨年2月の記録的な大雪は、被害棟数3万2千5百棟、面積にして760ヘクタールに達し、本県農業に甚大な被害をもたらしました。県では、農業用施設の早期復旧を図るため、再建で最大9割の補助率となる「被災農業者向け経営体育成支援事業」を柱に、国や市町村、JA等の関係団体と一丸となって取組を進めてきたところであります。中でも、園芸用施設の被害は、関東一円にまで及び、資材や施工業者の作業員等が不足したことから、県では、関係団体とプロジェクトチームを設置し、再建に向けたきめ細かな支援に取り組みましたが、26年度の事業執行は、事業全体の約2割に留まり、約8割、184億円を27年度に繰り越したところであります。そういった点を踏まえ、今年度も市町村や関係団体との連携を強化し、取組を進めた結果、本年9月末の園芸用施設の再建率は、88パーセントまで進んできております。年度内の事業完了に向け、引き続きしっかり支援をして参りたいと考えております。

萩原委員

 今年も突風被害や雹被害がたくさん出ていますので、災害対策にも十分対応していただきたいと思います。ありがとうございました。

関根委員長

 以上で、萩原委員の質問は終了いたしました。

関根委員長

 次に、大手治之委員、質問者席へ。

大手委員

 まず最初に、富岡製糸場と絹産業遺産について知事にお伺いします。
 自民党の大手でございます。平成26年度は、先ほどもお話がありましたように、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産登録決定となりました。知事ご自身も、国民の代表として、カタールのドーハで歓喜していただいたわけであります。そして今、群馬県にとってこれを起爆剤として、平成26年度は富岡製糸場に133万人の見学者、他の構成資産にも、4倍以上のお客さんが訪れております。こういったものを踏まえながら、富岡市では来年3月まで水曜日を休んでいたわけでありますが、開場するという話であります。そういったものを踏まえながら富岡製糸場と絹産業遺産群について、十分に取り組めたと考えていること、また今一歩であったことなど、自己評価についてのご所見をお伺いします。

大澤知事

 早いもので「富岡製糸場と絹産業遺産群」が、世界遺産に登録されて1年4か月が経過しました。先日は富岡製糸場で世界遺産登録1周年記念式典が開催されました。改めて登録の喜びとその価値を後世に伝える責任を実感したところでございます。
 登録以後、連日多くの方々に各構成資産を訪れていただきました。平成26年度は、各資産とも、ご指摘があったように前年度の4倍を超える来訪者がありました。大きな混乱もなく、受入れ、おもてなしができたのは、地元市町やボランティア団体を始め多くの関係者の献身的な取組があったものと考えております。
 資産の適切な保存管理については、県と4市町の他に本庄市なども構成員となっている世界遺産協議会の場で、緩衝地帯も含めて情報や課題を共有し協力して取り組んでいます。各資産については、富岡製糸場では西繭倉庫、高山社跡では風呂場や台所として利用された焚屋などの保存修理事業に着手し、田島弥平旧宅、荒船風穴では整備基本計画の策定に取り組むなど、各市町において着々と進められているところであります。一方、来訪者が富岡製糸場へ集中していることはひとつの課題であります。他の3資産や日本遺産を含むぐんま絹遺産、県内観光地への周遊を促す取組をさらに進めていく必要があると考えております。また、世界遺産の拠点施設、いわゆる世界遺産センターについては、現在、富岡市が設置した富岡製糸場整備活用実行委員会で、西繭倉庫などの具体的な整備活用方針を検討しているところであり、その検討状況に合わせて、今後整備方針を適切に判断していきたいと考えております。
 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」でも、富岡製糸場の歴史的価値や群馬の絹産業全体が紹介されスポットが当たっております。関心の高まりが期待されており、今後とも、世界遺産の保存管理にしっかりと取り組むとともに、世界遺産を核として地域を活性化させ、本県のさらなる発展につなげていけるようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

大手委員

 先ほども、一番肝心な世界遺産センターについて毎回質問させていただいているわけでありますけれども、やはりこういった遺産を保存し、また後世に伝えていくということは、これをまた利活用しながら県民の皆さんにお伝えするということは、一番関心の高いところでありまして、地域の人達からは色々な提言等が出されているわけでありまして、今後についても知事にしっかりと対応していただければ有り難いと思います。
 世界遺産を核とした外国人誘客について、どのようにお考えか、お答えいただければ有り難いと思います。

戸塚観光局長

 「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録は、国内の観光誘客に大きな効果をあげておりますが、外国人観光客誘客にあたりましても、本県の温泉、自然など既存の観光資源に加え、新たな観光のセールスポイントとして積極的に活用しているところであります。まず取組の概要ですが、昨年11月の台湾における知事トップセールスにおきまして、国際旅行博会場の特設ステージで、知事が世界遺産を核とした本県周遊観光の魅力をPRしたほか、本年7月のシンガポールにおけるトップセールスにおいても旅行会社等に対して、本県の温泉や自然、世界遺産を結ぶ周遊観光についてPRを行い、誘客促進に努めております。また、議員からお話がございました「富岡製糸場とぐんま周遊観光ガイドブック」など観光に関する外国語のパンフレットを作成し、海外の旅行博等で配布しているほか、外国人観光客が多く立ち寄る国内の観光案内所にも配布し周知に努めております。このほか、外国メディアや旅行会社を招聘し、富岡製糸場や県内の観光地を取材してもらうことを通じて、海外メディアでの露出度を上げることにより観光誘客を図る取組や、旅行コースに取り込んだ商品造成を働きかける取組も行っています。
 次に、事業の効果ですが、円安、格安航空の普及などの後押しもありまして、昨年の本県の外国人宿泊者数は、10.2万人と最高を記録し、県計画も目標数値を1年前倒しで達成しております。県が高崎駅に設置している観光案内所では、富岡製糸場への交通手段を尋ねる外国人観光客も増加しており、今年度から外国人の入場者数を調査している富岡製糸場では、今年度上期に1,400人を超える外国人の入場者があったとのことであります。
 今後の課題としましては、国内外における外国人向けの継続的な誘客活動が重要であるほか、外国人に分かりやすい案内標記、通信環境等の整備充実など、一層の環境整備が必要であると考えています。市町村や観光関係団体等と連携して、誘客活動や受入体制の整備に取り組んで参りたいと考えております。

大手委員

 知事のトップセールスが大きいというお話でございます。そして外国人メディア、旅行会社等の周知をしていただいているということであり、引き続き、ぜひそういった諸々、使えるものは全て使って、先ほどもお話がありましたように、富岡製糸場を核とした群馬県の周遊をしていただくということなので、その辺を踏まえながらよろしくお願いしたいと思います。そして2020年のオリンピックがもうそこまで来ていますので、ぜひそういったものも踏まえながら、今後の取組をお願いしたいと思います。我々、観光・世界遺産に関する特別委員会で来月中旬に台湾を訪れて、我々自体も外国人誘客に向けて頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 環境森林部長にはきのこの安全性確保について、3点お伺いしようと思います。まず、原木・ほだ木の安全性確保に対する支援ときのこの安全性の周知について、お伺いします。

青木環境森林部長

 きのこの安全性確保についてでありますが、県では、原発事故発生後速やかに、県内の林業試験場と管内にきのこ生産者が大変多い富岡森林事務所に放射性物質検査器を配置し、原木やほだ木、きのこについて安全性のチェックを行っています。平成26年度は原木258本、ほだ木321本について検査を行い、いずれも問題がないという状況を確認しています。きのこについては、毎週、食品モニタリング検査を実施し、結果を公表しております。これまでの検査結果はすべて基準値以下で問題がない状況となっています。また、汚染されたほだ木等については、国の「特用林産施設体制整備事業」がございまして、また、これに県も単独補助を行うなどして、汚染の無いものへの入れ替え支援を行っております。平成24年度から26年度の3年間で、県内で423万5千本のほだ木の植菌が完了し、安全な原木しいたけを生産するための体制も整ってきております。県では引き続き、検査をしっかりと行って、その結果を公表するとともに原木しいたけの安全性を積極的にPRして消費の拡大に努めて参りたいと思っております。

大手委員

 今、お話がありました、福島の第一原発の事故からもう4年7か月経ちますが、いまだにおいて原発の影響があるという答弁をいただきましたが、甘楽富岡地域の人は本当に難儀をしているところでありまして、ぜひ、やる気を出す意味においてもしっかりとした対応をお願いできれば有り難いと思います。
 続いて、東京電力に対する損害賠償請求について、きのこほだ木等の損害賠償請求に対する東京電力からの支払状況と取組、また、しいたけの出荷自粛解除についてお伺いします。

青木環境森林部長

 東京電力からの支払についてですが、ほだ木については、昨年、東京電力から団体請求を行っていたものを、今後は個別請求に切り替えたいと提案がありましたが、個別請求というのはきのこ生産者にとっては大変な労力と事務量になりますので、県としても東京電力に対して強く働きかけを行っております。その結果、団体請求が維持されることになり、請求支払は今順調に進んでいます。
 昨年の時点では、乾しいたけの支払が若干遅れていましたが、これも順調に進んでおり、今年の8月末時点での支払状況は原木については84.2パーセント、ほだ木99.0パーセント、乾しいたけ89.4パーセントということで、全体で98.1パーセントの支払状況となっています。県としては今後とも、全ての賠償金が速やかに支払われるよう、東京電力に対しては働きかけをしっかりと行う考えであります。
 2点目の乾しいたけの出荷自粛の現状、解除の状況でありますが、現在、乾しいたけについて出荷自粛が行われているのが県内8市町村であります。この8市町村においては、これまで乾しいたけの出荷自粛以降は生産そのものがほとんど行われておらず、検査も行われないということで、解除の取組が進んでこなかったわけですが、先ほど申し上げたように24年度からほだ木の入れ替えを行っており、今後、生しいたけの生産が増加に転じる状況になってきたので、今後は乾しいたけの生産も再開が見込まれるということであります。県としては生産者の協力もいただいて、試験的に乾しいたけを生産して、解除に向けた安全検査を行うための準備を進めており、9月に生産者、関係団体、該当市町村を対象に説明会を開催したところであります。今後、国とも協議を行うことになりますが、安全を確認して一日も早く出荷自粛が解除できるように取り組んで参りたいと思っております。

大手委員

 原木しいたけが無くなるということは、きのこの命に関わることでもありますので、だいぶ前進してほぼ100パーセントに近づいていることで安全は確保できたということで安心しましたが、ぜひ引き続きのご努力ご指導をお願いしたいと思います。
 続いて、「緑の県民基金」について伺います。群馬県は、皆さんご存じのように県土の3分の2が森林であり、水源かん養や防災防止など様々な部分について広く使われているということで、そういった中で「ぐんま緑の県民基金事業」がスタートしましたが、初年度である平成26年度の状況についてお伺いします。

青木環境森林部長

 「ぐんま緑の県民基金事業」についてですが、議員ご指摘のとおり、県民共通の財産である本県の森林環境を保全して、水源かん養などの公益的機能を維持・向上することを目的に、県民の皆さま、事業者の皆さまのご理解をいただいて、平成26年度からスタートしました。平成26年度の実施状況ですが、県が直接執行する「水源地域等の森林整備事業」については、これまで放置され荒廃した奥山の森林等について、森林所有者や市町村、森林組合等の関係者の協力をいただいて、約400ヘクタールの間伐や植栽を実施しました。これまで林道から遠い所で、採算性も合わないということで放置されていた、人の手が入っていなかった森林に、この事業によって整備の手が入り始めたことの意義は大変大きいと思っております。
 2点目として、里山・平地林の整備等、地域の実情に合わせて市町村が主体となって実施する「市町村提案型事業」では、地域住民やNPO・ボランティア団体等の協力を得て、平成26年度は約100ヘクタールの荒廃した里山・平地林の整備を行うことができました。特徴的なものとしては、世界遺産に登録された荒船風穴の周辺の森林整備や、豪雪時の雪折れによる被害を未然に防止するための生活道路沿線の森林整備などが行われたほか、貴重な自然環境を保全する活動や、森林環境教育が各地域で行われました。また、「市町村提案型事業」の推進に当たっては、住民の皆さんに参加を勧めていく体制づくりが大変重要であり、平成26年度に、県に「森林ボランティア支援センター」を設置し、機材の使い方を含めた実践的な活動支援も行っています。平成27年度は、昨年度を上回る規模の事業が県内全域で現在実施されており、「ぐんま緑の県民基金事業」は順調に推移してきていると考えております。
 今後とも、市町村等、関係者の協力をいただきながら制度を適切に運用し、成果をしっかりと出して行きたいと思っております。

大手委員

 市町村提案型ということで頑張っていただいているようですが、その中で竹林整備がまだまだ遅れているような感じがいたします。そういった点について、やはり竹が森林を脅かすなど色々な部分があります。そして動物の住みかになるということで、そういった整備についてどのように取り組んでいるか、お伺いします。

青木環境森林部長

 竹林の整備でありますが、ご指摘のとおり竹は成長が早いものですから、県内各地域で竹林がはびこっており、有害鳥獣の住みかになったり、また地域の景観などにも支障が出てくるなどの問題が生じていたわけですが、「ぐんま緑の県民基金事業」の市町村提案型事業により、この荒廃した竹林にも整備の手が入ってきています。平成26年度は県内で28か所、面積にして約40ヘクタールの竹林整備が行われました。そのほかにも伐採した竹を粉砕するための粉砕機も10市町村で15台導入されたところであります。この竹林整備が行われた地域では、イノシシなどの移動を遮る緩衝帯ができ、獣害対策としても目に見える効果があったとの評価もいただいております。
 これまでは間伐だけが対象でしたが、実際に事業を行ってみて、今年度は全伐も必要ということで、これを新たなメニューに加え制度の充実を図ったところであります。今年度は県内で40か所、面積にして約30ヘクタールで竹林整備が行われている状況であります。

大手委員

 「ぐんま緑の県民基金事業」がしっかりと執り行われているということであります。やはり竹林がだいぶはびこっているということで、これから有害鳥獣について質問しますが、そういった点も踏まえながら引き続きのご指導をお願いして終わります。
 県内では有害鳥獣による農林業被害が依然として多く発生しているわけですが、せっかく作った作物がイノシシなどに食べられてしまうということで、有害鳥獣による農林業被害と捕獲の現状について、あわせて被害軽減の成果をあげたものについてお伺いします。

須川鳥獣被害担当参事

 平成26年度における有害鳥獣による農林業被害額は、総額8億3千8百万円で、前年度に比べ1億5千4百万円ほど減少しております。これは県として対策を強化した平成19年度以降の8年間で最も少ない金額であります。
 また主な有害鳥獣の捕獲頭数ですが、近年8年間で最も多い16,081頭でありました。昨年度は野生動物管理と被害対策を鳥獣被害対策支援センターに一元化したこと、また群馬県鳥獣被害対策本部を設置するといった体制面の充実を図りました。この体制のもと、県の組織を挙げて地域・市町村の取組を支援した結果、捕獲や侵入防止柵の設置が進み、農業ではカモシカ等による野菜の食害が減少し、また
林業ではクマによる皮剥ぎが減少するなどの成果が出たと考えております。

大手委員

 体制の面で動物管理と被害対策を鳥獣被害対策支援センターに一元化し、実績も1億5千4百万円減少、全庁挙げて取り組んでいるということで感謝いたします。やはりクマやシカ、カモシカによる被害等々あるわけで、鳥獣害はまだまだ増えているわけであります。先ほども体制ということで、捕る、守る、知るということを重視して取り組んでいただいてるとのことで、こういった面についても一元化して連携をとり、大型のわなを使ったり、色々なものを使いながら皆さんとともにしっかり取り組んでいる成果が現れているのかなと感じています。
 続いて、捕獲の方法、状況について具体的にどのような取組をされているのか、お伺いします。

須川鳥獣被害担当参事

 捕獲に関わる具体的な取組についてですが、大型囲いわなによる安全で効率的な捕獲実証のほかに、わな設置箇所の検討、また痕跡やセンサーカメラ調査による行動状況等の情報提供など、市町村に対し技術的支援を行っているところであります。それに加え、市町村の捕獲体制の整備、また広域の捕獲体制整備についても市町村等と連携を密にしながら進めております。
 特に、先ほどご指摘のあった、カモシカによる農林業被害が深刻です。カモシカは特別天然記念物に指定されていますが、「守る」対策の強化にも関わらず被害が減少しない地域においては、生息や被害状況等を把握した上で、文化庁の許可を得て、市町村計画に基づいて捕獲を進めています。またシカによる生態系への被害が見られる尾瀬や赤城山においても、捕獲を強化しているところであります。いずれにしても鳥獣被害対策は「守る」対策を基本に「捕る」対策を強化することにより一層の効果があることから、県はこれまで実施してきた地域ぐるみの「守る」対策の充実に加え、10年後にシカ、イノシシの生息頭数を半減させるという国の目標を踏まえ捕獲の強化に努め、農林業被害を更に減少させたいと考えております。

大手委員

 答弁の中で、捕獲頭数16,081頭とのことでした。平成26年度はシカが6,713頭、イノシシが8,013頭ということで、捕獲をして大きな被害を食い止めていると思います。捕獲方法でご答弁ありましたが、こういった連携に基づきながらも、カモシカが非常に多く見られるということであります。特別天然記念物なので難しいと思いますが、現実的な被害対策について具体的にどのようなことが行われているのか。その中でも尾瀬の方にシカが多いということで、大自然に被害が拡大し、また農林業でも8億円に及ぶ大きな被害が出ているということであります。これらに加え、色々な方と連携をとっていただくということで、カモシカ対策についてもう一度ご答弁をお願いします。

須川鳥獣被害担当参事

 カモシカにおいては、群馬県で特に農作物の被害の約4割がカモシカによる被害と示されております。したがってカモシカについても守る対策だけでなく、捕る対策ということで、先ほども申し上げましたが、特別天然記念物になっていますので、市町村の細かな生息や被害状況を調査の上で、市町村計画を作っていただき、そしてそれに基づいて県計画を作り、文化庁と協議をしながら許可を得て、現在捕獲に取り組んでおります。捕獲については効果測定も検討委員会で評価をしながら、また次年度の計画に反映させていくというかたちをとって、県、市町村、県の中でも部局を横断してカモシカ対策に取り組んでいるところであります。

大手委員

 この中にはサルの被害もあるわけで、その現状はどのようになっていますか。

須川鳥獣被害担当参事

 サルについても非常に多い被害金額があがっています。さらに、群れで行動するため、現在県内に80の加害している群れがありますので、10年後を目指して、そのうち非常に加害の激しい30群を排除しようということで、群れ単位で管理すべく、どの群れをどのように排除していこうか、市町村と計画の戦略を練っているところであります。

大手委員

 しっかりと取り組んでいただいていることに感謝いたします。その流れの中で、「捕る」「守る」「知る」ということで、多くの被害を減らすには「捕る」という部分についても力を入れていただきながら引き続きのご支援をいただきながらお願いしたいと思います。

関根委員長

 以上で、大手委員の質問は終了いたしました。

休憩

関根委員長

 暫時休憩いたします。午後1時20分から再開いたします。

 (午後0時17分休憩)
 (午後1時20分再開)

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