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本文

決算特別委員会議事録(その2) 平成28年10月31日(月曜日)

1.開催日時

平成28年10月31日(月曜日)10時00分開始 15時35分終了

2.開催場所

本会議場

3.出席委員

委員長:南波和憲、副委員長:岸善一郎
委員:関根圀男、委員:中沢丈一、委員:腰塚誠、委員:黒沢孝行、委員:松本耕司、委員:久保田順一郎、委員:須藤昭男、委員:織田沢俊幸、委員:狩野浩志、委員:新井雅博、委員:福重隆浩、委員:岩上憲司、委員:萩原渉、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:あべともよ、委員:水野俊雄、委員:後藤克己、委員:中島篤、委員:大手治之、委員:臂泰雄、委員:井下泰伸、委員:酒井宏明、委員:金井康夫、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:安孫子哲、委員:清水真人、委員:藥丸潔、委員:小川晶、委員:高橋正、委員:金井秀樹、委員:本間惠治、委員:伊藤清、委員:山崎俊之、委員:荒木恵司、委員:大和勲、委員:川野辺達也、委員:本郷高明、委員:穂積昌信、委員:井田泰彦、委員:加賀谷富士子

4.欠席委員

なし

5.議事(その2)

総括質疑

萩原委員
 このプロジェクトの目標達成率は素晴らしいのではないかと思います。ただ、重点プロジェクトの中で、安全な暮らし実現、そして災害に強い県土を築く、また環境を守り未来へ継承する、これらが後退しているということです。いずれにしても県民の暮らしにとって、我が県の取り組みの課題としても、大変重要なプロジェクトであるので、この推進をしっかりと見極めることを要望いたします。
 環境森林部長においては、この主要事業の中で、第14次群馬県総合計画の評価について、そして再生可能エネルギーによる成長戦略について、そして林業の成長産業化に向けた出口対策について。この3つについてお聞きします。
 最初に、第14次群馬県総合計画の達成評価、今、企画部長からもありましたが、「環境を守り、未来へ継承する」のうちの、「森林整備面積」が後退の評価だが、これについて伺います。

井田環境森林部長
 森林整備面積が後退しているというご指摘であります。第14次群馬県総合計画では、森林の有する多面的機能を向上させるために、切り捨て間伐を中心とした「森林整備面積」を計画目標に設定いたしました。その後、本県では、林業県ぐんまの実現に向け、切り捨て間伐から搬出間伐への転換を図り、林業の再生を目指すことといたしました。
 搬出間伐は、切り捨て間伐に比べ労力を要し、対象となる森林も奥地化するなどの制約を受けることから、「森林整備面積」が目標に達しなかったものと考えております。
 現在、搬出間伐の推進により、素材生産量は着実に増加しており、引き続き、木材の安定供給体制の構築に取り組み、林業県ぐんまの実現に向けて努めてまいりたいと考えております。
 なお、搬出間伐が困難である条件不利地の森林については、「環境を守り、未来へ継承する」ため、平成26年度から「ぐんま緑の県民基金」を活用して、その整備に努めております。

萩原委員
 続いて、再生可能エネルギーによる成長戦略についてお願いします。

井田環境森林部長
 本県は豊富な再生可能エネルギー資源を有しており、地域に根ざした再生可能エネルギーの活用は、地域経済の活性化に寄与するものと考えております。
 県では、本年3月に「群馬県再生可能エネルギー推進計画」を策定し、再生可能エネルギー電力の県内自給率を、26%から平成42年度には42%まで高め、再生可能エネルギーの導入を最大限進めることとしております。再生可能エネルギーについては、その地産地消の取り組みにより、これまで化石燃料の購入により地域外へ流出していた富を地域で循環させることになり、経済活動の活性化につながると考えております。
 さらに、再生可能エネルギー事業は、地域に新たな産業や雇用を生み出し、活力ある地域づくりに資するものであり、今後とも導入促進を積極的に進めてまいりたいと考えております。
 県としては、推進計画に基づき、太陽光や小水力、木質バイオマスをはじめとする再生可能エネルギーの導入可能性を調査・検討するとともに、その導入促進にしっかりと取り組み、地域経済の活性化につながるよう努めてまいりたいと考えております。

萩原委員
 26%から42%という目標をぜひ達成していただきたいと思います。ひとつ電力関係で大きな課題がありますが、東電の接続問題、これがなかなか解決されておりません。発送電分離ということで、2020年には全体が自由化、分離化されることを目前に控えている現在ですので、ぜひ、一生懸命つくってもその電力を接続できないという事態は、民間・公ともに大変厳しい状況であると判断いたしますので、ぜひここのところをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、林業の成長産業化に向けた出口対策について、これらへの取り組みについてお聞きいたします。

井田環境森林部長
 県産材の最大の利用先は木造建築であることから、県としては需要拡大対策として、主に住宅と公共建築物に対し、施策を実施してきました。
 昨年度の住宅需要対策としては、「ぐんまの木で家づくり支援事業」を実施し、対前年度比13%増に当たる866戸の構造材補助を行いました。また、公共建築物では、国庫事業を活用し「つきよのこども園」など5箇所の木造施設の整備について助成するとともに、市町村と連携し、「公共施設等県産材活用推進事業」により、公共施設の内装の木質化等に取り組んだところであります。
 しかし、住宅における県産材利用を拡大するためには、現在多く利用されている外材や県外材を、県産材へ転換する取り組みが必要であると考えております。また、木造公共施設の整備については、工事を実施する上で、必要な材の調達において対応が遅れるなど、県産材の需要に対する安定供給や加工流通の柔軟性に欠けるという課題も出てきているところであります。
 そのため木造住宅については、「ぐんまの木で家づくり支援事業」で開拓した県産材需要の定着を図るため、プレカット工場を中心とした県産材のサプライチェーンの構築にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。また、公共建築物については、需要に応じた原木の供給体制の構築に取り組むとともに、文部科学省が進める、木造校舎の建築において、工事に先立って材料を分離して発注する制度の普及にも努めてまいりたいと考えております。
 いずれにしても、林業の成長産業化に向けて、住宅政策部局や市町村等と連携し県産材利用の拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

萩原委員
 「つきよのこども園」を見ましたが、9割が県産材ということです。柱・梁は集成材でつくってありますが、この集成材は群馬県では作ることができないといことで、県産材をわざわざ県外へ持っていき、集成材にして運び入れて、県産材9割という、大変割高なものになっているわけです。この辺が問題だろうと思います。
 今、住宅政策とのリンケージということもお話にありました。やはり出口戦略として、それは内装や色々な物で使っていく部分もあるでしょうが、やはり大きな部分は、住宅として県産材が使われるようやっていけば、おのずとその間に需要が出ますので、集成材やCLTの活用も出来るのではないかと思います。この辺は特別委員会でも議論したいと思います。
 いま、国会でTPPについては議論されています。TPPは農業構造改革を成長戦略として捉えて、農業構造政策課を設置されたわけです。その目的やこれらへの取り組みについてお聞きします。また、ミラノ国際博覧会への出展を含めた輸出実績等についてもお聞きします。

宮崎農政部長
 TPPをはじめとするグローバル化の進展など、農業・農村を取り巻く環境が大きく変化する中、本県農業が持続的に発展できるよう、農業の体質強化に向けた施策を一元的に所管し、強力に推進するため、「農業構造政策課」を今年度、新たに設置したところであります。
 この農業構造政策課を中心に、本県農業の将来を担う新たな担い手の確保・育成のための、就農相談から定着までの一環した支援をはじめ、経営の体質強化を図るための、機械・施設の導入支援や農地中間管理機構を活用した担い手への農地集積促進、そして地域農業の維持・発展のため、その将来ビジョンとなる「人・農地プラン」の話し合いの促進、さらには地域を牽引するリーダーの育成等の取り組みを、一体的に進めているところであります。
 次に、農畜産物等の輸出についてでありますが、県では、日本で初めて欧州への輸出が実現した上州和牛と、日本一の生産量を誇る蒟蒻を中心に、昨年10月にミラノ国際博覧会に出展するとともに、欧州で知事のトップセールスを行ったところであります。その結果、新たな取扱業者が増えるなど、上州和牛の輸出が順調に増加し、欧州における平成27年度の和牛の輸出量は、前年の約1.8倍となる約34トンとなり、農畜産物等全体では、輸出額ベースで前年の約1.4倍の約8億5,800万円となったところであります。
 今後の取組についてでありますが、欧州においては、上州和牛の新たな部位の利用拡大を図るほか、蒟蒻については、フランスにおいて、健康をテーマとした書籍の中で、活用法を紹介するなど、さらなる販路開拓を目指すこととしております。
 また、東アジア・ASEANにおきましても、農産加工品や青果物を中心とした輸出促進に取り組むなど、平成31年度の輸出目標額10億円を目指し、計画的かつ総合的に農畜産物等の輸出促進に取り組んで参りたいと考えております。

萩原委員
 我々自民党も出前政調会ということで、先日、新田みどりJAに出向き、色々議論しました。大変、TPPに関しても厳しいお言葉をいただきました。ぜひとも、農業構造政策課、このTPPをはじめ、この群馬県の農業構造改革について、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。また農産物の輸出に関しては、国も6千億、1兆円を目指すということなので、もう少し高い目標を挙げても達成できるのではないかと期待しておりますので、よろしくお願いします。
 先ほど、知事からも、成長戦略としての観光というお話が出ました。世界遺産やラムサール条約など、様々な部分で群馬県が脚光を浴びるチャンスが拡大していると思いますので、ぜひ、更なる観光振興策を展開していただきたいと思います。国際観光への対応・DCへの誘致、観光施策の実行部隊である群馬県観光物産国際協会の活用と更なる支援、各プロジェクトの確実な推進が、群馬県経済の発展につながると考えるが、具体的な対応についてお聞きします。

塚越観光局長
 ご指摘のとおり、観光振興は地域の経済活性化に大きな役割を果たしていると考えており、市町村や観光関係団体、近隣県等と連携して取り組んでいるところであります。
 まず、国際観光への対応では、27年度はシンガポール旅行博での知事のトップセールスや、近県との連携による海外旅行業者及びメディアの招請事業、旅行商品造成支援などにより東アジアやASEAN諸国からの誘客を図りました。これらの取り組みにより、平成27年の外国人宿泊者数は、前年に比べ約4万7千人泊増の14万8千人泊となりました。
 次に、平成27年度のググっとぐんま観光キャンペーンでは、JR東日本の重点販売地域指定を受け、誘客のメインターゲットとしている首都圏や新幹線が開業した北陸地域を中心に市町村や観光協会など関係者と連携してオール群馬で取り組んでおります。また、ぐんまプレミアム宿泊券を発行し、誘客に務めたところであります。この結果、ググっとぐんま観光キャンペーン期間中の観光入り込み客数は、前年に比べ約53万人増の1,655万人となりました。
 DCはJR各社が優先的に宣伝や送客を行い、経済波及効果も非常に高いため、最速となる平成31年夏の誘致に向け、JR東日本高崎支社と連携して今年12月に控える申請の準備を行っているところであります。
 また、群馬県観光物産国際協会は、観光情報発信、物産振興など本県の観光に大きな役割を担っております。今後も、県域DMOを担う同協会との連携を強化し、魅力ある観光地域づくりや食の開発、東京オリンピック・パラリンピックを見据えたインバウンド対策などに取り組み、宿泊や県内周遊観光の促進に努めてまいりたいと考えております。

萩原委員
 よろしくお願いします。以上です。

南波委員長
 以上で、萩原委員の質問は終了いたしました。

休憩

南波委員長
 暫時休憩いたします。5分後に再開いたします。
(午前11時31分休憩)
(午前11時36分再開)

再開

南波委員長
 休憩前に引き続き決算特別委員会を再開し、総括質疑を続行いたします。

南波委員長
 岸善一郎委員、質問者席へ。

岸委員
 ぐんま暮らし支援について伺います。本格的な人口減少社会を迎える中、全国の自治体において、人口ビジョンと地方総合戦略が策定され、全国的に移住促進の取り組みが活発化しています。内閣官房調査によると、東京在住者の約4割が、地方への移住を考えているなど、都会の生活を見つめ直し、自分らしいライフスタイルを求め、地方への移住指向が高まっております。このような状況の中で、県内でも多くの市町村が人口減少対策として移住促進に取り組む流れにあります。このため県では、東京圏との近接性や豊かな自然環境など、本県の魅力を紹介し、ぐんまでの暮らし方について情報発信するとともに、移住相談に積極的に取り組んできました。この取り組みにおいて、本県への移住、U・Iターンの希望者に対して、都内にぐんま暮らし支援センターを開設し相談会を実施していますが、平成27年度の取り組み状況と成果について、伺います。

向田企画部長
 人口減少社会にあって、本県では、人を呼び込み、新しい人の流れをつくるため、群馬の魅力ある暮らしの情報発信により、移住促進に取り組んでいるところであります。
 平成27年4月に、東京・有楽町に開設した「ぐんま暮らし支援センター」においては、専任の相談員が県内の市町村から寄せられた情報をもとに移住希望者からの相談に応じ、相談者の情報を市町村へつなぐ橋渡しを行っております。
 「ぐんま暮らし支援センター」を開設したことで、移住希望者にとっては、県内すべての市町村の情報をはじめ、本県の移住に関する情報をワンストップで得ることが出来るようになったほか、年に数回行う移住相談会以外でも、年間を通じて相談が出来るようになるなど、移住希望者からの相談に常時対応する体制が整えられました。
 「ぐんま暮らし支援センター」や、センターが入居する「ふるさと回帰支援センター」で行う移住相談会などに寄せられた相談件数は、平成27年度は651件となっており、センター開設前の平成26年度の207件を大きく上回っております。
 なお、「ぐんま暮らし支援センター」では、今年度から、移住に関する暮らし全般の相談だけでなく、就職相談にも対応出来るよう相談員を増員し、機能を拡充したところであり、今後も移住相談にしっかりと対応していきたいと考えております。

岸委員
 27年度は飛躍的に件数が伸びたということで、大変な活気を帯びていると受け止めました。
 続いて移住相談会について伺います。移住相談会は各市町村が参加して行われているが、平成27年度における相談会は、市町村とどのように連携して実施されたか、伺います。

向田企画部長
 県では市町村と移住希望者とのマッチングを図る場として、都内で年間複数回の「移住相談会」を開催しております。
 平成27年度は、ふるさと回帰支援センターやぐんまちゃん家で「ぐんま暮らし相談会」を4回開催したほか、市町村はもとより、就職や住まい、農業や林業への就業相談も含めたオール群馬の大規模な相談会である「ぐんま暮らしフェア」や、「新潟・福島・茨城・栃木・群馬5県合同移住相談会」を開催するなど、様々な機会を設けているところであります。
 移住相談会は、市町村と連携して実施することが非常に重要であると考えており、移住相談会の来場者からも「地域の生の声を聞きたい」という要望があることから、市町村に対して移住相談会への積極的な参加を呼びかけ、参加市町村数は平成26年度は9市町村であったが、27年度は22市町村へと大幅に増加しました。
 移住相談会では、参加市町村から居住環境や移住に関する支援策等についての紹介を行うとともに、市町村ごとに個別の相談ブースを設けて移住相談にあたっております。また行政の職員だけでなく、移住コーディネーターや移住を支援する民間団体のほか、地域おこし協力隊も参加して、移住者の目線からその地域をPRする機会なども設けているところであります。
 県では、今後も引き続きこうした機会を設け、市町村と連携をとりながら東京圏からの移住促進にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

岸委員
 全国的に人口減少が取りざたされている中で、平成27年度は前年度に比べ移住相談会における参加市町村数が大幅に増えたとのことで、多くの市町村が取り組んでいるのかなと思いました。
 続いて、子どもの医療費補助・第3子以降3歳未満児の保育料免除について伺います。本県では、安心して子どもを産み育てやすい環境の整備を図るため、全国に先駆けて平成21年10月から県内全市町村において、入院通院とも中学校卒業までの医療費無料化を実現しています。今日においても全国トップレベルの手厚い制度であると言えるが、平成27年度の実績と課題について伺います。

塚越健康福祉部長
 ご指摘のとおり、本県の子ども医療費助成制度は、市町村の協力と理解を得ながら、平成21年10月から対象範囲を拡大し、入院通院ともに中学校卒業までの医療費無料化という、全国トップレベルの手厚い制度となっております。
 平成27年度の実績でありますが、対象者数は、247,124人、県の市町村への補助額は約38億円でありました。少子化の影響により、平成26年度と比較した対象者数は約4千人、率にして1.61%減少し、補助額も約1千3百万円、率にして0.33%減少しております。
 この制度は、県内のどこに住んでいても子ども達が安心して必要な医療を受けられると、保護者から高い評価を得るとともに、小児科医からは子どもが早期受診、定期受診することで重症化の防止に役立っているとの評価を得ており、今後も安定的で持続可能な制度として運営していくことが重要であると考えております。
 一方、本県の制度は、医療機関窓口での支払いを必要としない現物給付方式であることから、国はこのような助成方法は安易な受診を助長し、医療費の増加につながるとして、市町村国民健康保険の国庫負担金等を削減する措置を講じております。この結果、平成26年度における削減額は約2億1千万円にも及び、県は、翌27年度にこの半額を市町村に補助したところであります。県としてはこれまでも減額調整措置の廃止について、あらゆる機会を捉えて国に要望しており、引き続き早急な廃止を強く要望していきたいと考えております。
 この制度は本県の特色ある事業の一つであり、今後とも、市町村や医療機関等と連携して、県民の皆さんの意見もいただきながら、継続した実施に努めてまいりたいと考えております。

岸委員
 色々な方から、この制度は素晴らしいと言われますし、私も誇りに思っております。国からは、減額調整措置などもありますが、真摯に受け止めながら、また国へもしっかりと要望していただきたいと思います。
 国における多子世帯軽減制度は、同時に3人が保育所に入所している場合、3人目の保育料が免除されるものであり、子どもが3人居ても対象にならない世帯も多いと聞いております。同時に入所していなくとも子育てにかかる費用は同じであり、多子世帯の経済的負担は大きく、この負担を少しでも軽くすることが少子化問題の改善につながると考えます。県では有効な人口減少対策として、子育てする多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、第3子以降3歳未満児の保育料の無料化を行っているが、実施状況について伺います。

中村こども未来部長
 県では、少子化、人口減少対策の観点から多子世帯いわゆる子だくさん家庭の経済的負担を軽減するための支援策として、平成27年度から、保育所に同時に入所していなくても、第3子以降の3歳未満児については、保育料を無料とする事業を開始しました。
 これにより、未実施であった8市町村を含めた県内全ての市町村で第3子以降3歳未満児保育料が無料化されるとともに、すでに実施していた6市町村においても対象要件が緩和されるなど、改善が図られたところです。
 平成27年度の実績としては、保育料が全員無料となっている3市町村を除く32市町村で、実児童数3,190人、延べ児童数34,231人を対象に事業を実施しました、
 今後とも、県としては、国に対して多子世帯の保育料軽減対象の拡大及び幼児教育の無償化についても働きかけていくとともに、県と市町村が連携、協力をしながら、たくさん子どもを育てたいと願う県民の後押しが出来るよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。

岸委員
 群馬県における多子世帯で、子どもの人数が9人や10人という子だくさん家庭は何世帯くらいありますか。

塚越健康福祉部長
 何人目かという統計は持っていないが、児童相談所などで、10人子どもが居る家庭の話は聞いたことがあります。

岸委員
 テレビなどを観ていると、そういった子だくさん家庭もあるわけです。県にも働きかけて、よろしくお願いしたいと思います。
 医師確保対策について伺います。安心できる暮らしの実現には、県内どこに住んでいても質の高い医療サービスを受けられる体制づくりが重要であり、そのためには地域医療を支える医師の確保の取り組みを推進する必要があると考えます。一方、全国的に医師の不足や偏在が深刻化しており、本県においても産科や小児科をはじめとし、病院勤務医の不足が問題となっております。その原因は何か、また平成27年度の医師確保対策の取り組みと成果について、伺います。

塚越健康福祉部長
 病院勤務医の不足については、医療の専門化や診療科目の細分化に伴う医師需要の拡大、平成16年度の医師臨床研修制度見直しによる大学の医師派遣機能の低下、女性医師の割合の増加、夜間・休日の患者集中等による勤務環境悪化等が原因として考えられております。
 全ての県民が、質の高い医療を切れ目なく受けられる医療提供体制の整備は、県民の安全・安心な暮らしの実現のため、大変重要であると考えております。そのため県では、病院勤務医を中心とした医師確保対策を進め、医師の県内定着、研修医確保、特定診療科対策、女性医師支援の、4つの柱に沿って総合的に取り組んできたところであります。平成27年度における具体的な取組としては、群大医学部の地域医療枠の学生に対する修学資金貸与、レジデントサポート協議会による臨床研修病院合同説明会の開催や県外説明会への参加、小児科医や産婦人科医等を確保するための医師確保修学研修資金貸与、県医師会が実施する保育サポーターバンク事業への支援等を行いました。
 平成27年度のみの成果ではないが、群大の地域医療枠卒業医師については、現在20名が県内10か所の病院で臨床研修を受けており、平成37年度までに約170名の医師を確保する予定であります。また、特定診療科対策では、修学研修資金貸与制度の創設以降、小児科、産婦人科ともに病院勤務医が増加しております。さらに、保育サポーターバンクの利用者も増加しており、女性医師の離職防止に一定の成果を上げています。
 しかし、今年度の医師臨床研修マッチングの結果は、昨年度に比べ4名増加したものの、87名に留まっており、依然として厳しい状況が続いております。これまで以上に県内医療関係者と連携、協力し、オール群馬の体制の下、医師総数の確保と診療科偏在・地域偏在の是正に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

岸委員
 医師確保は大変難しいことでありますが、引き続きよろしくお願いします。
 続いて看護師確保対策について伺います。超高齢化社会が進展する中、全国的に看護師不足の状況が続いています。県では看護師確保対策として、県内定着や新人看護職員の離職防止、資質向上のため、どのような対策をとっているか、取り組み及び成果について、伺います。

塚越健康福祉部長
 平成27年度における看護職員確保対策として、養成力の充実、県内就労の促進、離職防止、資質向上の、4本の柱を中心に取り組みました。
 具体的には、看護師等養成所の運営費に対する補助などを通じて、養成力の充実を図ったほか、修学資金貸与等により県内就労・定着を促進するとともに、離職率の高い新人看護職員を対象とした研修への補助や、各病院による勤務環境改善の取組への支援等を通じて、離職防止対策を実施いたしました。また、資質向上対策として、水準の高い看護が提供できる認定看護師の養成支援や、訪問看護師等を対象とした各種研修を実施いたしました。
 このような取組により、今年4月には修学資金貸与者のうち90%が県内に就職しております。また、平成27年度における新人看護職員や看護職員全体の離職率も全国を下回る状況になっており、一定の成果が上がっているものと考えております。さらに、潜在看護職員等への復職支援を通じて、平成27年度は179人が再就業したところであります。
 今後、在宅医療や地域包括ケアの重要性が高まっていく中で、幅広い分野で活躍する看護職員のニーズがますます高まることから、引き続き医師会や看護協会等、関係者と連携して、看護職員確保対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

岸委員
 看護師は非常にきつい職業で3Kと言われていますが、引き続き、手厚い待遇をよろしくお願いします。
 特別支援学校職業自立推進事業について伺います。平成27年度、群馬県の決算で示されているとおり、特別支援学校高等部の生徒は、職場での体験実習をしたり、会社に対して障害のある人を雇い入れることへ丁寧な説明を行うことで、本県の特別支援学校高等部生徒の一般就労率は全国的に高いと聞いております。生徒が卒業後、就職し、働き続けることを育成するためには、職業教育の充実を図るとともに、企業の理解や、生徒の障害特性と仕事内容のマッチングが必要と考えます。就労支援の取り組みとその成果について伺います。

笠原教育長
 特別支援学校高等部生徒が、学校を卒業したあとに地域で自立した生活をしていく上で、就労を促進することはとても大切なことと考えております。そのためには、県庁内の関係各課が連携して就労支援に取り組み、生徒の就労意欲の向上や、就労に必要な技能及び態度を育成するとともに、企業関係者が障害のある生徒に対する理解を深め、学校と企業が連携して生徒の特性に応じた仕事のマッチングを図ることが重要であると考えております。
 県教育委員会では、特別支援学校職業自立推進事業において、早い段階から就労に対する関心・意欲を高めるため、高等部1年生とその保護者を対象に、企業関係者や卒業生を講師に招いた講演会等を開催する「1年生進路ガイダンス」や、県庁内及び地域機関において体験実習を行う「職場体験ファーストステップ事業」に取り組みました。
 また、5名の就労支援員を知的特別支援学校9校に配置し、企業を訪問して就業体験実習先の開拓や雇用先の確保に努めるとともに、「企業採用担当者学校見学会」を開催し、実際に生徒たちの作業学習の様子を見学したあと、障害者の雇用に実績のある企業担当者とこれから採用を考える企業関係者との情報交換を実施することで、採用担当者への理解啓発を図ってきたところであります。
 その結果、会社における就業体験実習を経て、一般就労先として製造分野や卸売・小売分野等への就労につなげることが出来ました。
 平成27年度における特別支援学校高等部卒業生の一般企業への就労率は35.3%で、全国平均の28.8%を上回ったところであります。
 今後も、関係各課や経営者団体等と連携し、企業への理解啓発にさらに努めるとともに、生徒の特性に応じた仕事のマッチングを進め、高等部生徒の就労支援のより一層の充実を図りたいと考えております。

岸委員
 大変なお骨折りをいただき、ありがとうございます。今後も引き続きよろしくお願いします。
 続いて、児童生徒の心のケアシステムについて伺います。小・中・高等学校に配置されているスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの、平成27年度の取り組み状況と成果について伺います。

笠原教育長
 子どもたちの心の問題が複雑化、深刻化していることから、本県では全国に先駆けて、平成25年度から県内全ての公立小・中学校、県立高等学校にスクールカウンセラーを配置し、平成27年度も引き続き全校配置を行いました。
 スクールカウンセラーは、子どもたちや保護者の悩みや不安、不登校、いじめなどの問題について相談対応を行っており、平成27年度の相談受理件数は前年度を千件上回る約3万件にのぼり、課題解決に向けてひとつひとつの相談に丁寧に対応し、一定の成果を上げているものと考えております。またスクールカウンセラーは教職員へ専門的な助言を与えたり、校内の研修会の講師などを務めたりしており、その結果、各学校で教職員の子どもへの理解や相談技能が高まってきたものと考えております。
 県教育委員会としては、引き続きスクールカウンセラーの全校配置を継続し、カウンセラーと教職員が協働して、子どもたちの心の問題への早期対応や早期解消に努めたいと考えております。
 あわせてスクールソーシャルワーカーについてですが、子どもたちを取り巻く家庭や社会経済環境がますます多様化、複雑化している中で、子どもたちに関わる課題に対応していくために、教育事務所に5名のスクールソーシャルワーカーを配置し、県内の学校や市町村教育委員会からの要請に応じて派遣を行っております。
 スクールソーシャルワーカーは社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持ち、虐待や経済的困窮、保護者の精神疾患などの問題に対し、福祉の視点から支援を行っております。平成27年度は前年度を38件上回る162件の事案、児童生徒数にして前年を37人上回る67人の事案について児童相談所、医療機関、警察、市町村福祉部局などの関係機関と情報共有を図り、多様な解決策を探りながら支援を行ってきました。
 県教育委員会としては、さらに市町村と緊密な連携を図りながら、福祉的な援助が必要な子どもたちを迅速かつ確実に支援してまいりたいと考えております。

岸委員
 スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの方から相談を受けたことがありますが、ひとつよろしくお願いします。
 7つの交通軸を強化する道路整備の推進について伺います。群馬県では、今年度スタートした「はばたけ群馬プラン2」において、群馬が羽ばたくための7つの交通軸構想の推進を位置づけています。この整備により、県内各地の移動時間の短縮や、観光地へのアクセス性の向上などの効果が見込まれるが、道路はつながって初めて効果を発揮すると考えています。ついては平成27年度の開通において、部長に伺います。

上原県土整備部長
 7つの交通軸を強化するため、平成27年度は、約261億円を投入し、計画的・重点的に道路整備を進めてまいりました。
 主な事業として、県事業では「東毛軸」の東毛広域幹線道路、「吾妻軸」の上信自動車道、「西毛軸」の西毛広域幹線道路や国道254号富岡バイパスなど、国事業では「県央軸」の国道17号上武道路などの整備を実施しました。
 平成27年度に開通した路線であるが、「東毛軸」の東毛広域幹線道路について4車線化を進め、今年7月には残る「玉村伊勢崎バイパス」の約1キロメートルを供用開始し、高崎駅から板倉町までの延長53.9キロメートルの4車線化が完了したところであります。
 次に「西毛軸」の西毛広域幹線道路については、昨年9月に「前橋工区」と「元総社蒼海工区」の2区間1.8キロメートルが4車線で開通いたしました。
 また、国道254号富岡バイパスについては、今年3月に「福島跨線橋北」交差点から「造石」交差点までの延長1.1キロメートルを4車線で供用開始しました。
 東毛広域幹線道路では、全線が4車線で完成したことにより、暫定2車線のときに比べ本線の交通量が約6,000台増加するなど、並行する既存道路などからの交通転換が順調に行われ、円滑な通行が確保されたところであります。
 また、西毛広域幹線道路では昨年9月に、前橋市千代田町の国道17号からイオンモール高崎までの所要時間が約5分短縮されました。
 引き続き、移動時間の短縮や観光地へのアクセス性の向上、物流の効率化などの効果が早期に発現できるよう、7つの交通軸の整備・強化を推進してまいりたいと考えております。

岸委員
 全部通ったわけではありませんが、ずいぶん進捗しているなと感じております。道路はつながってなんぼですから、今後もよろしくお願いします。
 続いて西毛広域幹線道路の進捗状況についてですが、我が地元を通ります西毛広域幹線道路は、周辺の渋滞緩和や物流の効率化、生活圏の拡大など、西毛地域の産業、経済、観光の発展を担うものとして大いに期待されている道路であり、一日も早い開通が望まれております。そこで平成27年度の西毛広域幹線道路の進捗状況について伺います。

上原県土整備部長
 平成27年度の進捗状況については、「前橋工区」及び「元総社蒼海工区」の開通のほか、「高崎工区」についてはルートの一部を変更する案で現地立ち入りの了解を得て、3月から現地測量及び道路予備設計などを進めているところであります。設計が完了後、地元説明会を開催し、道路計画を提示する予定であります。次に「高崎西工区」については、用地買収や軟弱地盤対策工事及び小堀川橋梁の下部工事などを実施したところであります。平成27年度末までの進捗率は、事業費ベースで約60%、用地買収は面積ベースで約71%となっております。
 「安中工区」については、用地買収や九十九川橋梁の下部工事及び秋間川付近のボックスカルバート工事などを実施したところであります。平成27年度末までの進捗率は事業費ベースで約47%、用地買収は面積ベースで約75%となっております。今後は早期の全線開通を目指し、事業の進捗を図りたいと考えております。

岸委員
 西毛広域幹線道路は、地元住民の期待も大きく、西毛地区の方のためにも早期の完成をよろしくお願いします。
 第7回国分寺祭りでは大変ご苦労様でした。
 本県は、古代東国文化の中心地として栄え、当時の東日本をリードする先進的な地域であります。上野国分寺跡、太田天神山古墳など、全国に誇る魅力的な東国文化遺産が数多く存在するところであり、近代では富岡製糸場と絹産業遺産群が平成26年に世界遺産として登録され、昨年9月には「上野三碑」がユネスコ「世界の記憶」の国内候補に決定され、本県の魅力が全国にクローズアップされております。今後の地域振興や観光振興につなげていくためにも、本県が全国に誇る歴史文化遺産の魅力や価値を多くの人に知っていただく必要があると考えます。平成27年度に行った歴史文化遺産の周知、活用の成果と今後の対応について伺います。

佐藤生活文化スポーツ部長
 「上野三碑」については、上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会を中心に、三碑の世界的価値の周知を図り、ユネスコ「世界の記憶」の登録を目指して活動を行った結果、平成27年9月に、国内候補2件のうちの1件に決定を受けることができました。また、シンポジウムや講演会等を実施し、価値の普及啓発に努めたところであります。「東国文化」の周知については、4回目となる「古代東国文化サミット」を北毛の利根沼田文化会館で開催するとともに、「上野国分寺まつり」では、天平衣装行列を200人と前年の倍の規模で開催しました。
 また、「東国文化副読本」については、モデル授業や自由研究の募集等を実施した結果、県内中学校における副読本の利用率は68%と、最初の年に比べ25%アップとなり、活用拡大が図られました。
 改修工事を行っていた歴史博物館については、平成27年度に本体工事を終了し、本年7月にリニューアルオープンしました。「東国古墳文化展示室」を新設するなど、本県の歴史文化遺産の情報発信拠点として機能を強化し、7月23日のオープンから8月末の40日間で約4万人の方々にお越しいただきました。
 今後の対応として、「上野三碑」については、平成29年のユネスコ「世界の記憶」登録に向けて、世界的な価値の発信や県民運動の推進に取り組んでいくほか、県内各地の歴史文化遺産に足を運んでいただけるよう、歴史博物館を拠点として、その充実を図るとともに、価値や魅力を広く県内外に発信していきたいと考えております。

岸委員
 世界に通用する群馬になるのではなかろうかと思っております。よろしくお願いします。
 県教育委員会では平成24年度より群馬を代表する歴史文化遺産である古墳について、総合的な調査を進めてきました。この調査により本県古墳文化の特徴を明らかにし、群馬の持つ歴史力を県内外に広く発信することが出来るものと期待しております。実質的な調査は平成27年度で終了したとのことだが、その具体的な内容と成果、今後の活用について伺います。

笠原教育長
 古墳総合調査は、昭和10年の調査に続き、今回ボランティアの県民161名にご協力いただき実施しました。成果ですが、本県には東日本最大の規模を誇る太田市の天神山古墳をはじめ、13,000基を超える古墳が造られていたことが判明しました。群馬県が、質、量ともに東日本随一の古墳大国であることを裏付ける調査成果と言えるかと思います。
 調査成果については、リニューアルオープンした県立歴史博物館で一部公開している他、今年度中の調査報告書の刊行にあわせて、県民の皆さんに成果をわかりやすくお知らせするイベントを開催する予定でいます。
 すでに学校においては、東国文化副読本を用いた授業等を通して、群馬の古墳を代表する文化財を素材にして子供達の郷土への誇りと愛着を育む取組を行っており、今回の調査成果も活用し、より一層の充実を図りたいと考えております。
 あわせて「古代東国文化」をアピールする素材として積極的に活用し、県内外に情報発信していきたいと考えています。

岸委員
 以上で終わります。

南波委員長
 以上で、岸委員の質問は終了いたしました。

休憩

南波委員長
 暫時休憩いたします。午後1時30分から再開いたします。
(午後0時22分休憩)
(午後1時30分再開)

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