ページの先頭です。
現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成29年5月25日~平成30年5月25日特別委員会記録 > 決算特別委員会議事録(その2) 平成29年10月24日(火曜日)

本文

決算特別委員会議事録(その2) 平成29年10月24日(火曜日)

1.開催日時

平成29年10月24日(火曜日)午前10時00分開始 15時35分終了

2.開催場所

本会議場

3.出席委員

委員長:腰塚誠、副委員長:大手治之
委員:関根圀男、委員:中沢丈一、委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:久保田順一郎、委員:星野寛、委員:須藤昭男、委員:岩井均、委員:狩野浩志、委員:新井雅博、委員:福重隆浩、委員:岩上憲司、委員:伊藤祐司、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:水野俊雄、委員:後藤克己、委員:中島篤、委員:岸善一郎、委員:臂泰雄、委員:井下泰伸、委員:酒井宏明、委員:金井康夫、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:安孫子哲、委員:清水真人、委員:藥丸潔、委員:小川晶、委員:高橋正、委員:金井秀樹、委員:本間惠治、委員:伊藤清、委員:山崎俊之、委員:荒木恵司、委員:大和勲、委員:川野辺達也、委員:本郷高明、委員:穂積昌信、委員:井田泰彦、委員:加賀谷富士子、委員:泉澤信哉、委員:多田善洋

4.欠席委員

なし

5.議事(その2)

総括質疑

再開

(午前11時26分再開)

腰塚委員長
 それでは休憩前に引き続き、決算特別委員会を再開し、総括質疑を続行いたします。
 井下泰伸委員、質問者席へ。

井下委員
 自由民主党の井下でございます。政調会長に続き、総括質疑をさせていただきます。
 冒頭、先の台風21号で亡くなられた方々、また被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。
 生活文化スポーツ部長には、本県のジュニア選手の育成について伺います。
 ご案内のとおり、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。2028年には本県における2巡目の国体が開催される見通しとなりました。県は競技力の向上における目標を、3年後の平成32年度国民体育大会の総合成績15位以内としております。この目標達成や11年後に本県で開催される国体を見据えて、有望なジュニア選手を早期に発掘し、適切な指導体制のもとで育成強化を図っていくことが重要であると考えていることから、平成23年度からジュニア選手の発掘育成を目的とした、群馬スーパーキッズプロジェクト事業を実施し、長期的な視点でジュニア選手の強化を行っていますが、事業の実施状況や成果、今後の事業見通しはいかがでしょうか。

五十嵐生活文化スポーツ部長
 群馬スーパーキッズプロジェクトについては、小学校4年生から6年生を対象とし、運動能力に優れたジュニア選手を早期に発掘し、長期的な視点で日本・世界に通用するトップレベルの選手を育成する取組であります。事業がスタートして6年目となる平成28年度は、選考会を通過して新たに認定された70名の小学4年生を加えて、合計164名がスケート、スキー、陸上棒高跳び、水球、レスリング、空手道、ボーリング、ゴルフの8競技において活動を行いました。プロジェクトでは競技種目ごとの定期的な練習会で県内トップレベルの指導者による質の高い技術練習のほか、発達段階における基礎トレーニングを行いました。保護者を交えた栄養についての勉強会を実施して、食事の重要性を学ぶ機会も設けました。
 事業の成果については、28年度にはボーリング競技において、全国小学生競技大会で優勝したり、ゴルフ競技では世界ジュニア大会に出場したほか、プロジェクトの卒業生がスキー競技においてインターハイや国体で入賞したり、陸上棒高跳びにおいては全国中学校体育大会で優勝するなどの成果が出ています。先日開催された愛媛国体でも、高校生になった第1期生が陸上棒高跳び、水球などで活躍しました。またこのプロジェクトを実施することを通して、競技団体のジュニア選手育成に対するが意識が向上するといった効果も現れています。今後もオリンピックなどの世界大会や11年後の国体で、本県選手が活躍できるよう、引き続きジュニア選手の育成にしっかりと取り組みたいと考えています。

井下委員
 国際的なスポーツ大会が目白押しですし、10年後の国体も迫っています。なるべく早くに、いろんな形で取組を進めていただきたいと思います。また、他県でも同様の取組をしているところは多々あると思いますので、それも十分に意識して頑張っていただきたいと思います。
 健康福祉部長には、看護職員の確保について伺います。
 看護職員の離職防止対策について、伺います。高齢化社会を迎え、医療や介護人材の確保と質の向上が大変重要になっているが、本県の看護職員は不足している状況であると認識しています。その原因の大きなひとつに介護職員の離職があると思うが、離職防止に向けてどのように取り組んでいるのか、伺います。

川原健康福祉部長
 看護職員の離職防止対策について、本県の看護職員の現状ですが、平成28年末における就業看護職員数は常勤換算で2万4,430人であり、年々増加しているものの県が推計した利用数を満たしていない状況です。また医療関係者からも、看護職員が不足しているという声を聞いており、県全体では看護職員が不足している状況にあると考えています。また平成27年度の本県看護職員の離職率は8.5パーセントであり、離職は看護職員不足の原因のひとつと認識しています。離職防止の対策を講じるために実施した県のアンケート調査では、離職理由として多いものは、人間関係、出産・育児、結婚、本人や家族の健康問題、介護等でありました。この結果を踏まえ県ではこれまで、院内保育所への補助を通じ、出産後の育児を支援するほか、医療勤務環境改善支援センターを設置し、医療機関で行う勤務環境改善の自主的な取組を支援してきました。特に、新卒看護職員の定着支援が重要なことから、技術の向上や不安の解消を図るため、新人看護職員や研修責任者に対する研修を実施しています。こうした取組により、平成27年度の県新卒採用者の離職率は6.8パーセントと、全国平均の7.8パーセントを下回っており、離職防止に一定の効果を上げているものと考えています。

井下委員
 看護職員不足の取組について、さらに対策を強化すべきと考えるが、いかがでしょうか。

川原健康福祉部長
 今後、在宅医療や地域包括ケアの重要性が高まる中で、看護職員は医療機関のみならず訪問看護や福祉施設等、幅広い分野から必要とされており、誰もが安心安全に暮らしていくためには看護職員確保は重要な課題のひとつと認識しています。県ではこれまで、看護職員確保対策として、養成力の充実、県内就労の促進、離職防止、資質向上の4本の柱を立て、様々な施策を実施してきました。さらに今年度は、勤務環境改善に対する個別の医療機関での取組を一層促進していくため、フォローアップ研修を開始するほか、訪問看護に従事する看護職員の確保を推進するため、看護師等修学資金の返還免除要件を緩和するなど、対策の強化を図っているところです。
 また、潜在看護職員の活用も重要であることから、今後も現場の声をよく聞き、関係機関と連携しながら復職支援対策にも力を入れ、看護職員確保にしっかりと取り組みたいと考えています。

井下委員
 関係団体から話を聞く出前政調会を看護協会で行いました。看護師不足という話の中で、なにが最重要かとたずねたら、いま勤めている方が辞めることが一番問題だ、ということでした。風船に空気を入れても、穴が空いていては漏れてしまう。それと同じで、問題部分の対策を練ることが大切であるという意見を伺いました。
 これから高齢化が待ったなしで進み、介護や介護人材の確保は喫緊の重要問題であるので、30年度予算編成に向け、効率的かつ十分な予算が組まれるよう、よろしくお願いします。
 環境森林部長には、大口径ライフル射撃施設整備について伺います。
 平成25年12月定例会、鳥獣害対策特別委員会の鳥獣害対策に関する提言を受けて計画されている、群馬県クレー射撃場における大口径ライフル射撃施設の新設を含む施設整備の現在の状況についてですが、過日、開催された環境農林常任委員会での質疑では、基本設計はすでに設計会社から提出されているとの説明でしたが、基本設計に基づく施設整備の概要を伺います。

須藤環境森林部長
 本年3月から実施してきた基本設計の概要であるが、ライフル射撃施設は、現在安中市にある群馬県クレー射撃場内西側に配置し、防音効果に優れた鉄筋コンクリートによる覆道式の構造で、延べ面積約1,500平方メートルの規模、施設内部は5射座で射程100メートルとし、50メートルと100メートルの地点に標的を設置することとしています。
 次に、クレー射撃場の環境対策でありますが、新たに整備する防音壁は防音効果の高い金属製で、高さ8メートル、総延長400メートル超としており、この整備にあたっては野球場に接する西側にも新設するとともに、クレーの射台に近い場所に設置するなど、防音効果をさらに高める工夫も図っています。加えて、今後、容易に鉛弾回収ができるよう、鉛弾が多く堆積する場所を中心に簡易舗装を施すこととしています。なお、基本設計に盛り込まれた整備を行うためには、14か月程度の工期が必要とされています。

井下委員
 続いて開設時期について伺います。平成29年2月に出された、大口径ライフル射撃施設整備にかかる基本構成で示される整備スケジュールでは、平成29、30年度に基本設計や実施設計、建築工事等を実施し、平成31年度に開設予定とされています。5月定例会で実施設計補正予算が議決されましたが、その後、31年度開設に向けた実体的な計画概要の説明や報告がないが、どうなっているのでしょうか。この状況でスケジュールどおり開設できるのか、伺います。

須藤環境森林部長
 既設のクレー射撃場に新たにライフル射撃施設を併設することから、クレー競技に支障が出ないよう、また、クレー射撃場利用者の安全確保に万全を期するため、現在、場内の施設配置について再度慎重に検討を行っているところです。今後のスケジュールについては、基本設計にこの検討結果を反映させ、地元や関係者等に説明を行った後、速やかに実施設計に着手し、基本構想に掲げた平成31年度中の開設に向けて取り組みたいと考えています。

井下委員
 予定どおり、平成31年度開設予定とのことであります。これは長年に渡っての関係者の要望、あるいは周辺の理解の末、ようやく新設されることになった施設なので、整備される内容や今後の計画など、情報の共有を通して、関係団体や機関が密接に連携を図れるよう努力していただきたいと思います。
 農政部長には、野菜振興について伺います。
 平成28年度から、新たな野菜推進計画である、「野菜王国・ぐんま」推進計画に取り組んでいるが、成果はどうか。また、さらなる生産振興はどのように進めていくつもりか、伺います。

澁谷農政部長
 「野菜王国・ぐんま」推進計画では、重点8品目や地域推進18品目を中心に、「産地対策」、「販売・消費対策」、「セーフティーネット」を3本柱として生産振興に取り組みました。産地対策としては、各種補助事業を活用した生産基盤の強化をはじめ、担い手の確保や育成、収量・品質の向上を目的とした新技術の開発普及等を進めました。
 また、市場における知事のトップセールス等による販売・消費対策や、価格が下落したときのセーフティーネットとして、野菜価格安定制度への加入促進も積極的に取り組みました。特に28年度にはJA佐波伊勢崎において、県内初となる「なす・きゅうり選果場」の整備や、JAにったみどりの集出荷場の再編整備などを実施し、さらなる産地強化を進めました。
 その結果、平成28年度における重点8品目の作付面積は、約9,900ヘクタール、前年比101パーセントであり、出荷量は、約41万5,000トンで前年比106パーセントになりました。いずれも前年を上回る実績となりました。さらに出荷量は、夏秋ナスでは4年ぶり、キャベツでは12年ぶりに全国1位となったところであります。今後の生産振興については、栽培技術や経営面での支援に加え、各種補助事業の活用により、生産基盤の整備を推進したいと考えています。
 現在、重点プロジェクトとして日本一を目指して取り組んでいるきゅうりでは、収量1.5倍の目標達成に向けて、環境制御技術の一層の開発を進めていくこととしています。また、なすでは、生産拡大セミナーの実施やパイプハウスの導入を支援することで、日本一となった露地栽培に加え、施設なすの生産拡大を進め、産地基盤を強化したいと考えています。
 県としては、「担い手が育ち儲かる野菜経営と活力ある野菜産地の実現」に向け、きゅうり、なすはもとより、他の品目でも関係者が一丸となって日本一の野菜産地を目指すとともに、関連施策を講ずることにより産地をしっかりと支援してまいる所存であります。

井下委員
 目指せ日本一、という目標は旗印なのでしょうが、非常に分かりやすい。生産者や団体、産地にとっても、非常に意気が上がると同時に、ブランドイメージが作りやすくなると思います。もし、一時的に結果が伴わなくても、2番目3番目になったとしても、常に日本一を目指して挑み続ける姿勢に価値が出てくると思うし、また生産者を応援し続ける県の姿勢に対しても、信頼関係が出てくるのではないかと思います。
 続いて、県産農畜産物ブランド力強化対策について伺います。
 ぐんま県産農畜産物の統一ロゴマーク「GUNMA QUALITY」ですが、県産農畜産物の認知度の向上とブランド力の強化を目指して、戦略的な広報PRの一環として統一ロゴマークを導入しました。これまでの活用実績と、今後の認知度向上をどのように進めていくのか伺います。

澁谷農政部長
 現在推進している群馬県農業農村振興計画において、目標年である平成31年度までに70品目への導入を目指しています。現在31品目まで活用が広がっています。具体的には、JA嬬恋村のキャベツ箱1,730万ケースすべてに付けていただいたり、JA佐波伊勢崎のなす・きゅうり・こねぎ等の出荷箱や包装資材、さらに県内小中学校約250校に供給している群馬牛乳協業組合の牛乳パックや、民間の加工食品などにも活用していただいてます。
 今後も、JA等の生産者団体や市町村等とも連携し、様々な品目にロゴマーク活用を呼びかけるとともに、イベントやパブリシティに活用し、本県産農畜産物のクオリティの高さ、魅力を多くの消費者に伝えていきたいと考えています。

井下委員
 統一しているということが大事なんですね。群馬県は非常に恵まれており、70品目もの生産するような野菜があります。絞ることも、消費者に対して、分かりやすいのではないかと思います。ぜひともしっかりと完成させ、肉も野菜も、どこの売り場に並んでいても、ロゴマークさえ見れば群馬県産の物だと分かり、消費者も手が伸びるようにしていきたいと思います。
 続いて、その中の野菜や肉3品を使って「ぐんま・すき焼きアクション」を展開しているが、県産農畜産物ブランド力強化事業として、本県特産の県産食材で全ての具が賄える「すき焼き」をピックアップして内外に向けたキャンペーンを行っています。「ぐんま・すき焼きアクション」の実績と今後の取組について伺います。

澁谷農政部長
 平成28年度はプロモーション映像の制作と首都圏でのテレビ放映、また「ぐんま・すき焼き弁当コンテスト」などを実施しました。弁当コンテストの入賞作品は実際に商品化されたところもあり、売れ行きも非常に好調でありました。また、すき焼きアクションに賛同していただいている企業・団体は、平成26年度末は134でしたが、平成28年度末には217となり、本年9月末には376まで伸びており、運動の広がりを感じています。
 今後の取組については、すき焼きに関する様々なアイデアを募集するコンテストを現在実施、また都内での老舗すき焼き店での県産食材100パーセントでのすき焼きを期間限定で販売するとともに、11月26日の日曜日に、県民の方々にすき焼きを楽しんでいただく「オールぐんまdeすき焼きまつり」の開催などを予定しています。
 県としては引き続き、賛同企業・団体など民間の力もお借りし、「ぐんま・すき焼きアクション」がさらに大きなムーブメントになるよう、県民の皆様にも参画いただきながら取組を進め、「すき焼き」を通じて県産農畜産物のブランド化や魅力の発信に努めたいと考えています。

井下委員
 とかく群馬の名産や特産がないと言われている中で、すき焼きは我々が日常的に食し、また県産品が全て入っているということで、非常に良いPRの題材だと思います。そして賛同企業・協力企業も当初の134社から376社と3倍増、非常に良い広がりになっていると思います。ぜひとも県民運動に発展するように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 続いて教育長には、「ぐんまの家庭教育応援条例」の実施状況について伺います。この条例は平成27年5月に設置された、家庭教育の支援・こどもの未来に関する特別委員会で検討され、平成28年3月に委員会提案条例として本会議に提出、可決成立し、同年4月から施行されました。
 現代社会では、子育てに対する悩みや不安を抱え孤立している親が増えており、家庭の教育力全般も低下していると言われています。このような家庭を社会全体で応援し、子どもの健全育成を目指すという趣旨で制定されたこの条例は、そういう意味では大変意義の深いものだと考えております。
 条例では、家庭教育を社会全体で応援していくために、県市町村、保護者、祖父母の世代、学校、地域住民、事業者それぞれについて役割が指定されているほか、県の責務については「第1条 親としての学びの支援」から「第6条 広報及び啓発」まで、具体的に指定されております。先の議会に報告書が提出され、部局横断的に各種施策に取り組んでいると承知していますが、平成28年度における状況について伺います。

笠原教育長
 近年、少子化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化や共働きやひとり親家庭の増加など、家庭をめぐる環境が大きく変化しており、「家庭教育を行うことが困難な社会」と言われています。このような状況の中で、家庭教育を応援していくためには、社会全体で取り組んでいく必要があると認識しており、条例施行初年度である平成28年度は、10月に、学校や地域、企業、行政、関係団体など多くの関係者に結集していただき、「ぐんまの家庭教育応援キックオフ・ミーティング」を開催しました。すべての親に家庭教育について考えてもらうためのツールとして「親の学びプログラム」も作成しました。
 このプログラムは、親同士が子育てや家庭教育について話し合うことで、悩みや不安を解消・軽減することを狙いとしています。子どもの褒め方・叱り方、子ども同士のトラブルの対処法など、子どもの成長段階や日常生活の場面に応じた21種類のプログラムから構成されており、様々な学習機会で活用できるものとなっていると考えています。
 このほか、条例制定を踏まえ、「子育て支援応援フォーラム」、「保育アドバイザー派遣事業」、また、男性の育児参加を促進するための「ぐんまさんきゅうパパプロジェクトセミナー」など、乳幼児から中高生までの子どもを持つ親を対象とした取組を行いました。さらに、将来親となる世代を対象とした「命を育む講座」や「未来の家族への手紙コンクール」など、様々な観点から、庁内各部局が横断的に計45の施策を実施し、県を挙げて幅広く家庭教育支援に取り組んだところであります。

井下委員
 現状を受けて、今後どのように取り組むつもりですか。

笠原教育長
 今後の取組については、まず、親が家庭教育について考えるきっかけとして、多くの子育て世代の方々に「親の学びプログラム」を広く活用してもらいたいと考えています。すでに、県の社会教育主事等を講師として、各地域の公民館での家庭教育講座や、学校で行われる保護者会、PTAセミナーなどで実施しており、参加者からは好評をいただいています。
 今後は、就学時健診、入学説明会など、多くの親が集まるあらゆる機会を利用して、プログラムの実施を働きかけていくこととしています。また今後、県内で幅広くプログラムを活用していただくためには、指導者であるファシリテーターを数多く養成する必要があると考えています。そこで本年度においては、まず市町村の社会教育主事等を対象とした養成講座を実施しており、さらに次の段階として、プログラムを受講した方が、ファシリテーターとして活躍していただけるような流れをつくりたいと考えています。
 一方、家庭教育支援は、身近な地域における取組が重要であり、地域で子育て支援や子どもの健全育成に取り組む団体が、活動の幅を広げ、連携していくことが望まれるものと考えています。そこで、各教育事務所において、地区別家庭教育支援推進会議を開催し、地域団体の連携を推進するとともに、地域をよく知り、団体同士を繋ぐコーディネーターの育成に取り組んでいくこととしています。
 さらに、地域の人材が集まって、家庭教育支援を目的として自主的に活動する「家庭教育支援チーム」の結成も県内各地で始まっていることから、今後はその支援に努め、地域全体で家庭教育を応援する気運をさらに高めたいと考えています。
 今後も、知事部局や市町村との緊密な連携のもと、企業、関係団体などがお互いの垣根を越えて協力し、社会総掛かりで地域の宝である子どもたちの健やかな成長を支援する取組を進めたいと考えています。

井下委員
 この条例が制定された頃、これについて勉強したいからと講演依頼が結構ありました。皆さんの関心の高さに私も驚いた記憶があります。社会総掛かりで、という話がありましたが、いかに広がりを持って、一般の方々も含め家庭の在り方であるとか、家庭に対して目を向ける,光を当てていくということが大事だと思うので、ぜひその方向をしっかりと広がるように、お願いします。
 県立図書館について伺います。先般、県内の図書館の在り方について提言していくために、自民党内に図書館議員振興連盟が設置され、8月2日に県立図書館を視察したほか、9月14・15日は富山市立図書館と石川県立図書館を視察してまいりました。特に石川県では、県民の多様な文化活動・文化交流の場として、県民に開かれた「文化立県・石川」の新たな「知の殿堂」を基本コンセプトとし、新図書館建設基本構想を本年3月にとりまとめています。これによると新図書館の面積は現状の2.2倍、書庫収蔵能力は75万冊から200万冊と、今後50年を見越した拠点施設にする予定ということです。また富山市では中心市街地のシンボルであった老舗デパートが移転した跡地を民間と共同で再開発し、ひとつのビルの中で美術館と図書館を複合的に整備することにより、文化や情報など、豊かな知的資源を享受できる環境が創出され、年間60万人以上が来館しております。少子高齢化や人口減少がますます進む中、図書館を県民市民の多様な文化活動や文化交流の拠点として位置づけ、町づくりや賑わいの創出にも繋げていこうとする流れが全国各地で起きていると感じています。本県の県立図書館においてもこのような役割を果たしていく必要があると考えますが、平成28年度、このような観点からどのような取組をしたか、伺います。

笠原教育長
 県立図書館では、目指す図書館像の一つとして「県民の『さまざまな学び』を支援する図書館」を掲げ、県民のニーズに対応した多分野にわたる資料の収集と発信力の強化、調査相談機能の充実等に努めています。委員ご指摘の、県民の多様な文化活動や文化交流の拠点という観点についても、目指す図書館像実現の一環として、積極的に取り組んでいるところです。平成28年度には、来館者へのサービス向上とともに、文化活動や文化交流への支援も視野に入れ、1階の書庫の公開や展望読書室の整備など、施設面の充実を図りました。
 また、県民の様々な学びや文化活動を支援するため、美術館や博物館と連携した各種の企画展示を行うとともに、自費出版に興味を持つ方を応援する「自費出版応援講座」を実施しました。さらに、子どもの活字離れを防ぎ、読書に興味を持ってもらうため、全国高等学校ビブリオバトル群馬県大会を初めて開催したほか、図書館探検などの各種イベントを盛り込んだ「図書館子どもまつり」を開催するなど、子ども読書活動の推進にも取り組んでいます。今年度は文化交流の場として、県内在住の詩人を囲んで、文学や芸術、人生論など、来館された方々が何でも自由に話し合うことができるサロンを毎月開催しています。このような取組を通して図書館に人が集まることにより、まちの賑わい創出にもつながると考えています。
 一方、現在、県立図書館ではボランティアとして100名近くの方に登録していただいており、「読み聞かせ」や「英語に親しむ会」、「レコードコンサート」など、様々な自主企画活動が展開されています。ボランティアの皆さんが、これらの経験をそれぞれの地域や学校に持ち帰って生かすことにより、県民の多様な文化活動に対する支援にもつながるものと考えています。
 今後も、施設や資料の充実に努めるとともに、県民の多様な文化活動や文化交流の拠点としての取組を推進し、県民の「さまざまな学び」を支援する図書館となるよう努めたいと考えています。

井下委員
 視察をして、図書館は大きく変わったな、と感じました。利用している方は知っているだろうが、多くの方は変化に気づいていないこともあろうかと思うので、新図書館の姿を広くピーアールすることも必要だと思います。
 続いて、産業経済部長。「企業サポートぐんま」の利用状況について伺います。
 県では平成28年度に「群馬県産業支援機構」を群馬産業技術センター内に移転し、技術と経営をワンストップで支援する相談窓口、企業サポート群馬を開設したと聞いております。ロボット技術やIOT技術の進展に代表されるように、社会のニーズが多様化し、ものづくり産業において求められる技術レベルが高まっている昨今、県内企業にとっては技術と経営の問題は表裏一体であり、これらを一元的に相談できる同相談窓口の役割は、大変重要なものであると考えるが、本年3月の開設以降の利用状況と企業からの評価はどのようなものですか。

塚越産業経済部長
 「企業サポートぐんま」は、企業と経営の相談をワンストップで行う県内中小企業の中核的支援窓口として、平成29年3月27日に開設しました。9月末現在までの来所者については、産業支援機構が対前年度比110.3パーセントの1,161人、産業技術センターが対前年度比105.6パーセントの8,120人となるなど、いずれも「企業サポートぐんま」開設以前より増加しています。当窓口を利用した企業の声としては、「両機関に関わる相談がスムーズにできる」、「同一施設内の発明協会とも相談できる」、「インターチェンジが近く、場所もわかりやすい」など、好意的な意見が多く聞かれます。
 今後も、各種広報媒体を積極的に活用した周知広報を通じて「企業サポートぐんま」の知名度を向上させ、利用企業のさらなる増加を図り、県内企業を技術と経営の両面から総合的に支援することにより、本県の産業振興にしっかりと取り組みたいと考えています。

井下委員
 「企業サポートぐんま」の開設は、元々は中小零細企業に対ししっかり支援していくというのが基本コンセプトだと思うので、それを忘れずこれからもよろしくお願いします。
 続いて企画部長には、群馬コンベンションセンターについて伺います。
 昨年度、設計、基金の積立等、建設に向けて具体的な動きを進めたほか、群馬県コンベンションビューローの設立により、全県的なコンベンション誘致の態勢を整えるなど、群馬県としていよいよ本格的にコンベンションを推進する基盤が整備されたと言えます。そこで昨年度の取組を踏まえ、施設整備と誘致活動の現状について伺います。本施設は群馬県経済を将来にわたって牽引する施設であるとともに、万一の災害時等には県民地域社会にとって安全安心を提供する施設でなければなりません。基本設計・実施設計を通じて、施設を地域の防災拠点として整備するとの計画でしたが、先に行われた入札広告にあたり、防災拠点としての機能をどのように反映させたのか伺います。

向田企画部長
 群馬コンベンションセンターについては、基本計画の段階から、「地域防災拠点機能」を有する施設として、設計を進めてきました。去る8月10日に行った本体施設工事の入札公告においても、災害時に県民、地域社会にとって安全・安心を提供する施設となるよう、設計図書に反映させました。
 具体的には、災害発生時に、地域住民、施設利用者、帰宅困難者など計7千人の避難・待機スペースとして、さらに支援物資の仕分け作業が行える物流拠点や自衛隊、警察及び消防の一時集結地として機能できるようにしました。こうしたことから、大規模災害があったとしても継続して施設を使用できるよう、耐震性については、建築基準法で求められている建築強度の1.5倍として設計しています。また、停電時においても非常用発電機を稼働することで、3日間は照明など必要な電力を供給できるほか、マンホールトイレも40基設置し、洗浄水には敷地内の井戸水を使用することで、断水時でも衛生環境の悪化防止に配慮しています。
 今後はさらに、災害時における運用についても検討を進め、本施設が、地域防災拠点としても有効に活用できるよう取り組みたいと考えています。

井下委員
 続いて、誘致活動について伺います。新施設の仮予約はまだ受け付けていないとのことでありますが、先行して既存施設への誘致を積極的に進めることにより、今後のコンベンション推進に一層の弾みがつくものと考えられます。昨年9月に全35市町村、観光団体経済団体等86団体が参加し、県内全域へのコンベンション誘致を目指して設立した「群馬県コンベンションビューロー」について、設立から一年が経過しましたが、誘致活動の実績はどのようなものか、伺います。

向田企画部長
 昨年9月、県内全35市町村や経済団体等86団体の参加により、官民一体の組織として「群馬県コンベンションビューロー」を設立し、県内各地へのコンベンション誘致を目指して活動を進めてきました。コンベンションビューローでは、大手旅行会社から専門人材を受け入れているほか、高崎市からも職員一名の派遣を受けて、積極的に誘致活動や情報発信を行っています。
 具体的には、県内外のコンベンション主催者となり得る企業や大学関係者への訪問、MICEに係る展示商談会に出展・宣伝することを通じて、群馬でのコンベンション開催を提案していこうという取組です。それによって得た開催情報をもとに、市町村や観光協会と連携して誘致活動を行い、また、県内各地のコンベンション施設等の情報を市町村等から収集し、ホームページや冊子で発信することもコンベンションビューローの大きな仕事と認識しています。
 こうした取組を進めた結果、現在までに県内既存施設での開催が決定したイベント・学会等が7件、調整中のものが3件あります。さらに、県内開催が決定した案件については、主催者や参加者に対して、食や物産の紹介、観光マップの提供といった支援も実施して、県内各地への周遊や開催のリピート化につなげたいと考えています。このほか、コンベンション関連産業の支援の一環として、県内企業参入のため、セミナーの開催や学会の現場視察等を実施しています。
 今後は、群馬コンベンションセンターの開所も見据え、様々なコンベンションを群馬に呼び込めるよう、市町村や経済団体等と連携してしっかり取り組みたいと考えています。

井下委員
 人口減少下においての交流人口の増大のために、しっかりと取り組んでください。
 続いて県土整備部長。治水対策について伺います。
 県の防災・減災に関する取組と、その中での八ッ場ダムの治水効果と進捗について、伺います。
 昨日上陸し各地に被害をもたらした台風21号は、県内においても記録的な大雨を降らせ、改めて治水対策の重要性を再認識させられました。近年、全国各地で毎年のように、大規模で局地的集中豪雨や、大型化する台風による災害が頻発していますが、平成28年度事業の防災・減災に対する取組は、鬼怒川の決壊で記憶に新しい平成27年関東東北豪雨を受けたものでありますが、その取組状況と平成31年の完成を目指して八ッ場ダムの工事が進んでいるが、治水状況と進捗状況はどのようなものでしょうか。

中島県土整備部長
 平成29年度の鬼怒川堤防決壊を受け、28年度に群馬県では、緊急防災減災対策事業を新規に立ち上げ、洪水被害のリスク軽減を図るためのハード・ソフト対策に重点的に取り組みました。
 まずハード対策としては、堤防決壊等による壊滅的な被害を防ぐための堤防強化対策、前橋市の桃の木川など約2.1キロメートルで完了し、伊勢崎市の韮川など約4.4キロメートルにおいて事業に着手しました。ソフト対策では、大水害時に住民の避難の遅れを生み出さないよう、想定しうる最大規模の豪雨における洪水浸水想定区域での見直しを行うとともに、河川監視カメラの設置に着手しました。あわせて、県内の全市町村を構成員とする群馬県減災対策協議会を設置し、逃げ遅れゼロ・社会経済被害の最小化という減災の取組を進めました。
 続いて八ッ場ダムの洪水調節容量については、県内ダムで最も大きく、矢木沢ダムや下久保ダムなど利根川上流8ダムの洪水調節容量の45パーセントに相当する6,500万トンを有しています。この効果は県内を始めとして、首都圏における治水安全度に大きな役割を果たしています。現在の進捗状況は、平成31年度完成を目指し、ダム高116メートルに対し4割の高さまでコンクリート打設が進んでいます。

井下委員
 この先もよろしくお願いします。終わります。

腰塚委員長
 以上で、井下委員の質問は終了いたしました。

休憩

腰塚委員長
 暫時休憩いたします。午後1時30分から再開いたします。
(午後0時22分休憩)
決算特別委員会議事録(その3)へ続く
決算特別委員会議事録(その1)へ戻る


現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成29年5月25日~平成30年5月25日特別委員会記録 > 決算特別委員会議事録(その2) 平成29年10月24日(火曜日)