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風水害や土砂災害、地震・噴火による災害、大雪による雪害など、災害はいつどこで起こるか分かりません。降水量が増えるこれからの時季は、特に大雨による災害に警戒が必要です。
災害に備えて、私たちに何ができるかを考えてみませんか。
豪雨で冠水した太田市内の道路
安中市上後閑地区で発生した崖崩れ
新堀川の堤防からの漏水に水防工法を施す館林消防署員・館林消防団員
防災マップ作りに取り組む安中市上後閑地区の人たち
近年、台風や集中豪雨による災害が全国で相次いでいます。27年9月の関東・東北豪雨では、茨城県で鬼怒川の堤防が決壊し、大規模な浸水被害が発生しました。28年8月には、岩手県で高齢者福祉施設の入所者が、河川の氾濫による濁流に巻き込まれました。また昨年7月の九州北部豪雨においても、河川の氾濫や土砂災害が起こりました。
県内でも、19年の台風9号で県西部を中心に大きな被害が発生したのをはじめ、土砂災害や道路の冠水などが毎年のように起こっています。
気象庁が全国の昭和51年以降のアメダス観測値を基に行った分析によると、1時間に50ミリ以上の雨の発生回数が増えています。
1時間に50ミリ以上の雨とは、傘が全く役立たないほどの強さで、天気予報では「非常に激しい雨」(50ミリ以上80ミリ未満)や「猛烈な雨」(80ミリ以上)と表現されます。
また1時間の雨量が20ミリもしくは降り始めからの総雨量が100ミリを超えると、土砂災害の危険性があるといわれています。
さらに最近では、事前に予測することが困難な大雨が頻発したり、長時間続いたりする傾向が見られることから、大雨やそれに伴う災害が起こる可能性を常に考えておく必要があります。
県は、水害や土砂災害を防ぐため、河川改修や土石流を受け止める砂防えん堤の整備などのハード対策に以前から取り組んでいます。しかしハード対策だけでは防ぎきれない災害も想定されます。
そのため県は、住民の迅速な避難行動を促すための情報発信の強化や地域における自主避難ルール策定・「防災マップ」づくりを支援しています。その他、県が管理する全ての河川を対象とした「水害リスク想定マップ」を全国に先駆けて作成し、市町村に提供するなど、ソフト対策にも力を入れています。
そして、これらのソフト・ハード対策を組み合わせて取り組むことで、災害に強い県土づくりを進めています。
また各家庭で非常用の持ち出し品や備蓄品を準備したり、地域で防災訓練を実施したりするなどの取り組みも重要です。一人一人が災害に備えることで、災害の影響を最小限に抑えることができます。
大雨による水害・土砂災害に備える県や地域の取り組みを紹介します。