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災害に強い県土づくり~水害・土砂災害に備える~ 2

更新日:2018年7月3日 印刷ページ表示

県の土砂災害・水害対策~ぐんまちゃんと見てみよう~

県の水害・土砂災害対策の図画像

ソフト対策

  • 土砂災害警戒区域などの指定
  • 自主避難ルール策定・防災マップづくり支援
  • 高齢者福祉施設などにおける避難計画策定・訓練の支援
  • 河川監視カメラの設置…19河川34カ所に設置し、画像を公開しています
  • 水位計の設置…既存の水位計の他、増水時だけ観測を行う水位計を新たに264カ所設置し、情報提供を充実させます
  • 水害リスク想定マップの作成
  • 緊急輸送道路ネットワーク…災害時に円滑な避難や迅速な救命救助などができるよう、防災拠点を結ぶ道路ネットワークを構築します
  • 災害時の救援ルート確保…緊急車両が通行する道路を、迅速に確保します

ハード対策

  • ダム整備…大雨の時に水を貯め、下流の河川の急激な水位上昇を抑えます
  • 河川改修…川幅を広げて、流せる水量を増やします
  • 伐木・堆積土除去…樹木や土砂を取り除き、流せる水量を維持します
  • 堤防の強化…洪水に備えて強い堤防を造ります
  • 崖崩れ対策…土砂を受け止める擁壁などを設置します
  • 土石流対策…土石流を受け止める砂防えん堤を設置します
  • 落石対策…道路への落石や崩落を防ぎます
  • 代替ルートの確保…災害時における代替ルートとして、バイパスを整備します

土砂災害の経験を生かして

 大雨による災害の発生に備え、住民の手で自主避難のルールを定めた「防災マップ」を作成した、安中市上後閑地区の吉澤区長に伺いました。

吉澤恒雄さんの写真
吉澤恒雄さん

地域の力で取り組む

 「上後閑地区を含む後閑地区では、昭和10年の台風による大規模な土砂災害で37人が亡くなりました。その後も土石流や崖崩れを何度も経験しています。
 3年前の台風では、地区内で崖崩れが発生し、道路が寸断されました。幸いけがをした人はいなく、集落が孤立することもありませんでしたが、肝を冷やしました。
 人的な被害が出る前に何か対策をしなければと考えていたところ、昨年、県の事業を利用した『防災マップ』づくりの提案が市からありました。地区のみんなが賛成してくれたので、取り組むことを決めました」

災害の記憶を引き継ぐ

 「マップづくりのため、地区で3回集まり、過去に災害が起きたり災害の予兆現象が見られたりした場所、避難場所などの情報を出し合い、自主避難のルールを定めました。
 話し合いでは、自分の経験に基づく情報だけでなく、各家庭で語り継がれていた災害や予兆現象の記憶も多く寄せられました。おかげで次の世代に残せるマップができました。
 また6月には、自主避難のルールや避難経路を確認するため、完成したマップを使って訓練を行いました。
 今後は、地域のみんなで定期的に訓練を行う他、マップの内容についても見直すことができる体制を整えたいですね」

地域で協力して作った「防災マップ」の写真

地域で協力して作った「防災マップ」

水害から地域を守るために

 水害が起こりやすい低地における消防団の活動や災害への備えについて、館林消防団の野村団長に伺いました。

野村政美さんの写真
野村政美さん

消防団による水防活動

 「館林地区は、以前から水害の多かった地域です。館林市内の防災訓練では、消防団が住民に簡易土のうの作り方を教えることもあります。
 昨年10月の台風21号では、新堀川が増水し、堤防から漏水しました。放置すると堤防が決壊する可能性があるため、消防署と協力して『月の輪工法』という水防工法を用いて約20カ所の応急措置を行いました。
 作業しづらい場所もありましたが、毎年、館林地区の消防団が集まり、技術の習得や向上に努めているので、臨機応変に対応できました」

一人一人が災害に備える

 「3年前、鬼怒川上流の日光市などで記録的な大雨が降り、下流の茨城県で堤防が決壊しました。もし豪雨をもたらした雨雲が数十km西の渡良瀬川上流で発生していたら、下流の館林地区で大きな浸水被害が発生していたかもしれません。
 災害はいつどこで起こるか分かりません。大切なことは、災害が起きてしまったときに、被害を最小限に抑えることです。
 地域の防災を担う消防団は、災害時に全力で対処しますが、皆さんにも『自分たちの地域は自分たちで守る』という意識を持って災害に備えてもらいたいです」

訓練で「月の輪工法」の手順を確認している写真
訓練で「月の輪工法」の手順を確認する

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