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第5回第2期群馬県教育振興基本計画策定懇談会会議録

更新日:2014年2月10日 印刷ページ表示

1 期日

平成26年1月22日(月曜日)午前10時00分~午前11時30分

2 場所

県庁7階 審議会室

3 出席者

委員13名(2名欠席)
石川委員、今井委員、宇敷委員、荻原委員、金澤委員、河本委員、樽井委員、寺澤委員、豊泉委員、長澤委員、野口委員、羽鳥委員、藤井委員

事務局21名
教育委員長、教育委員、教育長、教育次長、教育次長(指導担当)、総合教育センター所長ほか教育委員会事務局各課室長、総務課担当職員

4 あいさつ

座長が開会のあいさつを行った。

5 議事

(1)第2期計画(案)について

(委員)
 パブリックコメントの、カタカナ英語はできる限り日本語で表記すべきとの意見を受けてのことだと思うが、「ウェブページ」という表現を「ホームページ」と置き換えているが大丈夫か。

(事務局)
 委員の言うとおり、正しい表記としては「ウェブページ」であるが、現在一般的に使用されているのが「ホームページ」のため、県民に伝わりやすいと考えて「ホームページ」という表現にした。

(委員)
 最上位計画である教育振興基本計画で「ホームページ」とすると、今後群馬県教育委員会としては「ホームページ」が正しい表記であると表明したと思われるのではないかと不安視している。

(事務局)
 事務局とすると、まだ深く調整しているわけではないので、表記については、もう一度局内で検討したい。

(委員)
 取組14の「大切にする心」について、何を大切にするのかということが伝わらない。「自他を大切にする心」とした方がよいのではないか。

(事務局)
 ここで示した3つの心は、群馬県における道徳教育の柱として使用されている表現である。「大切にする心」が意味することについては、「自他を大切にする」ことも含め、「1 現状」の中で説明している。

(委員)
 地域を大切にするということは、「自然」を大切にするという意味も含まれていると思うので、道徳教育の観点からも地域や自然との関係について触れてもよいのではないか。

(委員)
 取組5について、「1 現状」の部分で「文化歴史」や「歴史文化」という表現があるが、どちらも一般的ではないので、前者については文脈から「歴史」と、後者については「歴史や文化」と修正してはどうか。
 また、現状の「(4)重要文化財等に関する取組」で上野国分寺跡と観音山古墳について触れているが、できれば国の特別史跡となっている多胡碑についても触れてほしい。

(委員)
 概要版の「学校教育では」の部分について、3つある内容をそれぞれ改行した方が見やすいのではないか。また、基本施策の取組で1行に複数の取組が書かれているものがあるが、他の取組と同じように1行に1つずつ記述した方がよい。
 基本施策2の取組9「しっかりとした学習習慣・生活習慣の確立」という表題について、「しっかりとした」という表現よりは「自律的な」といった方が伝わりやすいと感じた。また、「3 取組の方向」と「4 主な取組内容」の中で、「基本的生活習慣」と「基本的な生活習慣」という表現が混在しているので統一した方がよい。

(委員)
 取組6の達成目標「高校生の海外研修者数及び留学者数」及び取組7の達成目標「実用英語検定準2級相当以上の英語力を有する生徒の割合」の目標値の根拠はそれぞれ何か。

(事務局)
「高校生の海外研修者数及び留学者数」は、各学校で実施している短期間の海外研修を体験した学生と、留学を経験した学生の合計数である。今後5年間で説明会等の機会を通じてその数を増やしていきたいと考えている。
「実用英語検定準2級相当以上の英語力を有する生徒の割合」は、準2級合格者とそれに相当する能力を有する生徒の合計数である。目標値は、現状の1.5倍程度ということで60パーセントとした。

(委員)
 目標は、それに近づこうとするものなので、もう少し高い方がよいと感じた。さらに10パーセントくらいは上げてもよいのではないか。

(事務局)
 高等学校には通信制・定時制を含む多様な生徒がいることをかんがみての目標値であるが、今後検討していきたい。

(委員)
 目標の立て方として、努力すれば達成できる目標を掲げて、段階的に着実に進めていくといった考え方もある。

(2)第2期計画を進めていくに当たっての意見について

(委員)
 委員の方々や事務局の熱意ある成果が計画してまとめられたことは非常に価値があると思っている。学校現場だけでこの計画を遂行していくのは難しい。地域・家庭との連携がより大事になってくるので、概要版にもあるとおり、今後の広報・啓発が重要であると思う。
 また、当事者である子どもたちが、この計画に掲載されている様々な体験を通じて、試行錯誤しながら充実感・達成感を得ていくことが何より大事だと思う。5年間の評価の中で、子どもたち自身の声が届くとよりよいと考える。

(委員)
 今回の懇談会に参加し、いろいろ勉強させていただいた。親として、子どもたちにもっと責任・関心を持って接していくことが大事であり、子どもたちの挑戦する姿を見守っていきたいと感じた。

(委員)
 県教育委員会の英知を集めて継続して取り組むべき課題と新たな課題への方向性を示すことができたと思う。市町村教育委員会連絡協議会を代表して感謝申し上げる。今後5年間で取り組むべき課題は、当然ながら県と市町村が連携して対応すべきものである。県の施策の方針に十分留意しながら学校現場や社会教育の現場で支援をしていくことが大事だと改めて感じた。「船頭多くして船山に上る」という言葉があるが、県と市町村の方針が違う方向に向かわないように、県の重点施策に留意しながら教育活動を展開していくことで、教職員が最大限の能力を発揮できるようになるのではないかと思う。

(委員)
 小児科と精神科のカウンセラー及びスクールカウンセラーとしての立場からは、最も関心があるのが引きこもりの問題である。中学校で引きこもりとなった生徒のその後の状況を調べたところ、3分の2の生徒は学校復帰・社会復帰を果たしているが、残り3分の1の生徒がまだ改善していないとの結果が出た。改善していない生徒の一つの特徴として、発達障害傾向にある方が多い。こうした方たちに最も必要なのが、人との関わりをはじめとした社会性である。義務教育の段階から、発達障害傾向にある児童生徒を不登校にしない配慮や、子どもたち全体に対して社会性を意識的に身に付かせていく姿勢が必要だと思う。また、不登校のまま高校に進学しなかった方や高校を中退した方への支援も行われているということを、キャリア教育や道徳教育、就労支援といった中で伝えていくことが必要と思う。

(委員)
 私自身が、現在、フルタイムで働く母親である。共働き家庭での子育て・しつけの問題、学校での学力格差等の問題、職場の中での情報量の多さ・速さなど、生活の変化や考え方の多様性が、巡り巡っている時代の真っただ中にいる状況にある。子どもが3人いるが、上の2人はゆとり教育世代、下の1人は脱ゆとり世代で、子育てについても、大きなうねりを感じている。
 職務を通じて、学校教育については、学力以外のものも多く学校に求められてきていると実感している。児童・生徒に教育の中で、ある程度社会常識的なこともしっかりと身に付けさせて社会に出していくことは良いことである。その中で、今どきの若者である新規採用の教員が、要求の多さに押しつぶされて、メンタル疾患等に陥らないような環境をつくっていくことも大事である。
 もう一つ、県外に出てみると、群馬県の知名度の低さに驚かされる。いわゆる「ザ・群馬」となるような、誇れるようなものを1つでも、子どもたちが感じられるものを持って行けるようにしてほしい。

(委員)
 アベノミクスによって、ようやくデフレからインフレになってきたと感じている。民間の力を引き出していくことで再び日本が一流国になっていく絶好の機会がきているのではないか。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるが、日本人は期限が設定されたときに非常に力を発揮する傾向があるので、それに向けて計画を立てて着実に実行していくチャンスである。
 私は会社経営において、「抽象と具体化」「連続と非連続」「複雑性と不確実性」「スキルとセンス」という4つに分けていろいろなことを考えている。
「抽象と具体化」とは、例えば今回の計画が「抽象」であるとすると、今後実際に教育の現場で「具体化」させていくことが重要となってくるということである。
「連続と非連続」とは、物事はすべて「連続」しているものであるが、マンネリ化を防ぐためにも「連続」「非連続」を交互に使い分けていく必要があるということである。
「複雑性と不確実性」とは、物事には、合意形成ができれば確実に解決していける「複雑性」をもつものと、そうではない「不確実性」をもつものがあるということである。
「スキルとセンス」とは、「スキル」は学校教育等で段階を踏みながら伸ばしていくことができるが、「センス」を磨くのはなかなか難しいものであるということである。「センス」は、ボランティアやインターンシップを通じて磨かれるものであると思っている。人は成人すれば必ず働くので、早い段階からインターンシップ等を経験させて「センス」を磨いてほしい。

(委員)
 県で法律教育を推進していくということだが、こうした活動は歓迎したい。また、規範や決まりで人を導くほかに、自己中心による思考・行動やいじめ、引きこもりへの対応として「社会性」を育むことも重要だと思う。
「社会性」は小さい頃から育てていかないとなかなか育むことができない。学校現場でいじめ、引きこもりが問題となっているが、もっと以前から「社会性」を身に付けさせていく必要があると思う。一方で、成人にも「社会性」が欠けている者が多く見られるので、「社会性」という言葉をキーワードとして教育活動を進めていく必要があるのではないか。

(委員)
 この懇談会に参加して、現場の先生が多忙な状況を感じることができた。本当に切実な問題であり、先生方がゆとりをもって子どもたちに向き合えるよう更なる環境整備を進めていってほしい。
 先ほどの委員もおっしゃっていた法教育に関連して、子どもたちが社会に出たときに自分の身を守れるように、労働法制や各種相談窓口等のサポート体制等、自らの力で困難を乗り越えていくために必要な知識を養っていくことが大事であると考える。
 未来の設計図は、歴史にあると考える。私は両親から戦争体験を聞きながら育った。命を大事にしないような時代には二度と戻らないようにしなければならないが、現在の世界情勢を見ると、子どもたちが争いに巻き込まれないかという危機感を抱いている。一人一人の命を大事にする社会、少人数の意見も尊重するような社会をつくっていく土台は、やはり教育にあると思う。私自身も絵本の読み聞かせを通じて今後とも協力していきたい。

(委員)
 委員の皆さんの意見に深く共感している。今まで、こうした計画があることを知る機会がなかった。細かく、丁寧に、具体的に記述してある。学校現場で先生方が多忙になる理由も分かった。
 社会教育団体の一員として、子どもたちに責任ある社会人になってほしいと思って活動してきた。この懇談会に一年間参加してみて、もっと社会教育はがんばらなければならないと感じた。大人同士の社会性や絆といったものも薄れてきているので、もっと地域社会の中でコミュニケーションを取っていかなければならない。そして、子どもたちには自立性、社会性、そして生産性のある大人になってもらいたい。

(委員)
 こうした計画があることを私立学校では校長クラスでも知らないのではないか。この計画が教員一人ひとりにまで浸透すれば、教員の動きがよりシャープなものになっていくと思う。
 「不易と流行」をしっかり捉えて進める必要がある。教育ではこれまでも何回も流行を繰り返して現場が右往左往してきた。
 また、こうした計画を浸透させるには、我々大人が変わっていく必要がある。「子どもを変えよう」ということではなく、大人の意識改革にも目を向けてもらいたい。
 群馬の幼稚園教育の80パーセント、高等学校の25パーセント、専修・各種学校の90パーセント以上の生徒が私学に通っている。私学を除けば群馬の教育は成り立たない。私学が、公教育と両輪となって群馬の教育を支えているということをもう少しこの計画の中でアピールしてほしかった。群馬の教育をレベルアップさせていくために、今後の取組の中で考えていってほしい。

(委員)
 今まで学校の中において教育について考えていたが、この懇談会に参画することで、視野を広く持って教育そのものを考える良い機会を与えていただき感謝している。
 「連携」、「社会性」といった言葉が多くの委員から語られたが、学校教育と社会教育をつなぐ方策を考えなければならないと感じた。学校教育には指導主事、社会教育には社会教育主事といった指導的な立場の者がいるが、これらをつなげる役割を担う立場の者がほしい。例えば、地域活動推進担当教諭といった職を設けて、さらに学校側から地域社会にアプローチすることが必要である。学校を核として地域のコミュニティを再構築するくらいの視点がほしい。
 また、学校教育においては、一番深刻な問題の一つに学力格差がある。成育環境で人生が変わってしまうように、経済格差が学力格差に直結する、あるいは社会性の乏しさが学力格差につながっていくといった、単に勉強ができるできないといったことではないことが学力格差の背景にはあり、今後の課題であると思う。

(委員)
 最終案を読ませてもらい、改めて充実した内容になったと感じた。それは3・11以降に社会で必要なこと、これから大事にしていかなければならないことを示すキーワードが盛り込まれたからではないかと思う。教育に対する意見は多様なため、計画は総花的になってしまうのではないかと心配したが、今回の計画では「たくましく生きる力」を育むために何を重視すべきかが明確になった。特に、「物事の本質を見極めて自分の行動に結びつけていくこと」「困難に立ち向かって解決する力」、そして「支え合うことの大切さ」の3つが盛り込まれたことがよかったと思う。こうしたことを教育現場で大事にしていってほしい。また、情報リテラシーは今後、更に必要になってくる力であり、これが盛り込まれたのは大きな成果だと思っている。
 しかし、この計画が絵に描いた餅になっては困る。計画の検証を5年ではなく3年くらいで1回してみるというのもよいのではないか。計画は実現できて初めて成果となるので、一年ごとの点検・評価以外にも、外部の意見を聴くなどして、どこまで形にできたか、中間総括できる機会があればよい。

(委員)
 当初、委員を引き受ける時に、この懇談会が計画の策定に対してどれほどの影響力があるか分からなかったが、委員の意見を事務局がうまく消化してよい計画ができたと思う。「これまでの5年間と、これからの5年間は違う」ということを各委員が最初に共有して前に進むことができた。「社会性」、「支え合ってともに生きていく」といった意見が、いろいろな形で最終案に反映されたと思う。
 学問をしていると普遍的なものは本の中にあると勘違いしがちであるが、様々な現場の第一線で活躍している委員の皆さまの話を伺い、普遍的なものは現場にあるということを改めて感じた。
 今後、この計画を実現していくに当たって、課題や計画の内容を教員養成の中でも反映させていく必要性を改めて感じた。現在、教育現場は大変忙しくなっており、現場で生まれる課題を解決できる知性や判断力、行動力を持った教員を育てていくことも大学の仕事だと思っている。この計画の実現の前線に立てるような学生を育てていきたい。

6 教育委員長 謝辞

 最終回となることから、教育委員長が懇談会委員に対して謝辞を述べた。

以上

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