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平成28年5月20日(金曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、眞保智子教育長職務代理者、坂本壽枝委員、天田清之助委員、小池啓一委員、藤原重紀委員
佐藤喜治教育次長、小笠原祐治教育次長(指導担当)、岡島美智子総合教育センター所長、荒井進総務課長、田谷昌也管理課長、小野良之福利課長、野村晃男学校人事課長、三好賢治義務教育課長、山口政夫高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、下田明英生涯学習課長、羽鳥尚之文化財保護課長、高田勉健康体育課長、柴野敦雄総務課次長、根岸政彦総務課行政係長、田中さやか総務課主任
午後1時00分、教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
教育長が今回の会議の会議録署名人に眞保委員を指名。
事務局から傍聴人に対し、傍聴資料を配付した。
次に、教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(教育長)
初めに私から一言申し上げる。
1点目は熊本の地震についてである。
まず、4月14日に発生した熊本地震だが、まだ余震が続いており、これまでの間、多くの方がお亡くなりになった。お亡くなりになられた方におくやみ申し上げるとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げる。
その関係で、今回の熊本地震に関する県教育委員会の対応について御報告する。
始めに、被災児童生徒等の受け入れについてだが、本県では文部科学省からの通知を踏まえ、各市町村教育委員会に対し、被災した児童生徒等から県内の公立学校への受け入れ希望があった場合には、速やかに対応するよう通知したところである。本日時点で、県内の公立小学校に6名の児童を受け入れている。全て学籍を移さない一時避難という形で受け入れている。
次に、県内の県立高校への受け入れについてだが、県立高校に転入学を余儀なくされた生徒に対して、入学する際の受検料、入学料及び授業料の免除や教科書等の現物給付などの経済的支援を講じることを決定し、関係機関あて通知したところである。
最後に、義援金の関係だが、県立図書館や県立生涯学習センターなど県内4カ所の教育機関に義援金募金箱を設置した。当初5月16日までの予定であったが、まだ余震も続き、被害も拡大しているため、6月30日まで延長し、県民の皆様から広く災害義援金を募っているところである。
今後も知事部局と連携をとりながら、被災者支援の対応を進めていきたいと考えている。
2点目、教育委員の主な出席行事について報告する。
前回の教育委員会会議以降の主な行事について報告する。
5月13日には、県高等学校総合体育大会総合開会式が開催され、藤原委員に御出席いただいた。競技は22日まで開催の陸上を含め28競技で熱戦が繰り広げられている。
17日、18日には、埼玉県で開催された1都9県教育委員会全委員協議会に眞保委員、坂本委員、天田委員、藤原委員に御出席いただいた。文部科学省の行政説明の後、4つの分科会に分かれ「これからの教育委員の役割」及び「魅力ある学校づくり」の2つのテーマについて、活発に御議論いただいたと報告を受けている。
17日には、県総合表彰が行われ、教育関係では4名と1団体の方が受賞された。表彰式には、私が出席した。
それでは、教育委員に出席いただいた各行事について、各委員に感想や意見を伺いたい。
1都9県教育委員会全委員協議会の関係で、委員、いかがか。
(委員)
私が1都9県教育委員会全委員協議会に参加するのは4回目である。昨年は群馬県が主催県であり、高崎で開催し、事務局の皆さんには大変お世話になった。今回、その時お集まりになった委員もたくさんいらっしゃったので、協議会の冒頭、自己紹介の際にお礼を申し上げた。
今回、文部科学省による行政説明のテーマは主権者教育であった。私自身も大学で教育をしている。今、大学に投票箱を置いて、不在者投票といった形で投票できるようにしている大学も増えている。大学での投票ということ、主権者教育も注目されてきている。そうした中で大変興味深く文部科学省の行政説明を拝聴した。新たに補助教材が全国に配られていたが、お話を聞く限り大変よくできている。実際にまとまって勉強ができて、かつ実践的な取り組み、先生方の指導書がついていて、無理なくできるような形があった。今回高校3年生が主権者となり投票権を持つことになるので、十分事前に教育をして臨まなければならないと感じた。
行政説明の後、全国都道府県教育委員会連合会の事務局から説明があった。その際に、熊本への教育委員会全体として人を出したといった報告もあり、この点に関しても大変ありがたいと感じた。
分科会では、魅力ある学校作りというテーマで参加した。やはり各県で統廃合など困っている事案も多いようで、その方法には色々なやり方があった。群馬県に関しては地域の声を反映しながら、地域の特色のある学校づくりをしてきていると実感してきた。
(委員)
私も1都9県教育委員会全委員協議会に参加するのは4回目である。この協議会に参加する度に、それぞれの県の教育委員が本当に自分の県の教育の向上を願って一心に考えを出し合っていることに大変刺激を受けた。改めてまたしっかりやらなければという気持ちになった。
全体会で文部科学省の行政説明があり、18歳から選挙権を持てるという事で、特に指導についての話があった。副読本などが出されてはいるが、注意しないと指導が逸脱してしまうという危険性もある。是非学校が組織的に計画的に研修を進めていただいて、先生方が自信をもって子どもの指導に当たれるようにしていただきたいと思った。
分科会は魅力ある学校作りというテーマで参加させていただいた。魅力ある高校というのは県によって捉え方がまちまちだと感じた。それによって施策もみんな違う。そういう意味で、同じテーマでも県によってこんなに違うのだという印象があった。ただ、やはり、高校を卒業したら、大学に行くにしても就職するにしても、社会に出て自立して社会人としてやっていける生徒を育てていくのだという基本は同じであった。群馬県も魅力ある学校づくりについて推進しているが、更に努力していきたいと思った。
(委員)
私からは2つある。
1つは千葉県で行っている県の教育委員会と市町村の教育委員会の合同の会議についてである。教育委員全員を集めて色々な分科会なども行うという会議をしている。10回目と聞いた。県の基本政策を各教育委員の皆さん、地域の教育委員の皆さんに知らせる。たぶん強制するのではないと思うが、各市町村で色々な政策・戦略を立てているが、その基本になる県の政策を全員を集めたところで説明している。群馬県でも今後地域の市町村の教育委員会がかなりバラバラになる可能性があるので、こういった全体調整をする必要があるのでないかと感じた。
もう1つは、静岡県浜松で行っているスポーツの強化についてである。浜松はヤマハの関係など色々あり、ラグビーと陸上を強化していくため、小学校、中学校、高校まで、みんな集めてトータルで強化をしようという事で、県の予算、市の予算、それから民間の例えばヤマハなどからお金をいただきながら強化している。群馬県でも何か良い方法でスポーツの強化が必要だと思う。小学校、中学校、高校と一環で強化することも必要だと思う。
(委員)
私は初めて1都9県教育委員会全委員協議会に参加した。大変良い経験をさせていただいた。
文部科学省からの行政説明では、18歳の選挙権という事で選挙活動ができますよ、選挙についての関心を持たせよう、という内容の工程表が記載されていたが、その内容に比べて逸脱した場合に関する記載が少ないと感じた。以前、私は警察官で、現職の議員を選挙違反で逮捕した、それに関わる周りの人たちも逮捕したという事がある。それも1回や2回ではない。この選挙活動と政治活動の区別が、おそらく教員の方でもわからないのではないかと思う。何をもって、どこの時点でどういう活動をすることが違反になるのか、どういう活動をしないようにし、この時期にこういった活動をするなら違反にならないということに関する記載が教員に対する指導書には少なかったように思う。選挙について関心を大いに持たせることは結構だが、関心を持った故にそういった活動に場合によって、巻き込まれてしまう恐れがあると危惧した。今までは20歳からだったので、大学生が選挙活動を行っていたわけだが、大学生に対してはこれほどの選挙に対する意識を醸成させるという教育は行われていないと思う。したがって、関心のある学生だけが選挙に行く、そのために投票率も極めて低いという事があると思うが、関心を急に持たせるが故に、その反動があっては困る。その辺の指導を県選管の協力を得てよろしくお願いしたい。
2点目は分科会であるが、教育委員の活動そのものについてのテーマであった。それぞれの委員がそれぞれの県の教育行政を「本県が一番だ」とし、しっかりしたものを持っていると感じた。他県に負けないように改めて意識をしていければと思う。
また、県高等学校総合体育大会の開会式に出席をさせていただいたが、これは83校、7477人の見事な行進が行われていた。私が個人的に期待したのは、やはり高校生なので、さわやかな行進である。さわやかな活動と いう言葉の意味で、私が感じているのは、やはり規律があって、堂々として、正しく、というような、やはり若者らしいさわやかさである。それを体現する高校もあったし、そこまではいかなかったのかなという高校も見受けられた。それぞれの教育方針によって、それぞれ異なるとは思う。総じて、この体育大会を楽しんでいる顔をしていた。先ほど言った残り数パーセントはどうかと思う人もいたが、本当に全員に近い人たちが、やらされているのではなく、自分でやっているという気持ちがあった。特にこの体育大会は今までマイナー競技といわれていた競技も参加できる。観覧席を見渡してみると、やはりそこの出身の人が応援に来るとか、もう少し一般人とか、場合によっては企業家などが来ると、もし採用面接等になったときに、もう一発で採用したいと思うような行進をしている生徒さんも随分見受けられた。そういう点では、高校と高校生に関係する人だけの大会にしてしまうのはもったいないという感じがした。これだけ皆さん方が立派に行進をなされて、行進の先頭は校長先生で年齢が高い人も見受けられたが、学校を代表して生徒の前で歩いている。こういった活動を見るだけでも、この学校に自分の子どもを預けておく保護者にとっても安心感が出ると思う。そういった保護者などに対しての案内を、既にしているのかもしれないが、もう少しした方がいいのかなと感じた。そのくらい立派に素晴らしいものを久しぶりに感じた。
(教育長)
ありがとうございました。
委員の皆さんから感想などをいただいたが、私も4月の会議の後、学校訪問をさせていただいたり、議会の関係で教育機関にお邪魔させていただいたり、また、議会の方でも月いち委員会が4月28日にあり、聾学校、二葉特別支援学校を議員の皆さんと御一緒させていただき、現場での色々な課題や問題意識について改めてお伺いをさせていただいた。現場の中に入っていかないと聞けない話、あるいは切実感が、中で実際に係わってみないと感じない事柄が、たくさんあると改めて感じた。行事に関する色々な御意見をいただいたので、事務局内部でいただいた御意見を踏まえて、しっかり検討させていただいて、また意見交換させていただければと思う。
この他の事務報告については、関係所属長から順次報告する。
(学校人事課長)
平成28年度市町村立学校児童・生徒数及び実学級数(平成28年4月7日現在)について、資料1により報告。
(高校教育課長)
平成28年3月公立高等学校等卒業者の進路状況について、資料2により報告。
(総合教育センター所長)
「子ども教育相談カード」の配付について、資料3により報告。
議案審議に先立ち、教育長から第13号議案と第14号議案は議会に提出すべき案件であること、第15議案と第16号議案は人事に関する案件であることから、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
義務教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
ここで、教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
ここで、教育長から、これからの審議は教職員の人事に関わる案件である旨の発言があり、関係者以外は退室した。
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
教育長から本日の議案について次の発言があった。
(教育長)
本日承認いただいた議案に懲戒処分の事案があった。この点については教育委員の皆様に非常にご心配をおかけした。やはり県民の皆さんの教育に対する信頼感を損なう大きな問題であるということで、皆さん方からも強いお話をいただいている。そういう意味では学校現場において、校長先生を通じて改めてそれぞれの職員の自覚を促すよう、教育委員会としても徹底を図らせていただいている。また今後とも日頃の勤務の中で改めてそういう意識を高めてもらうような取組を、教育委員会としてもしっかり学校現場と連携しながら進めさせていただきたいと思う。
午後1時43分、教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。