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平成29年8月21日(月曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、天田清之助教育長職務代理者、小池啓一委員、藤原重紀委員、平田郁美委員、青木章子委員
北爪清教育次長、小笠原祐治教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、田谷昌也管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、小林信二健康体育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課行政係長、宇津木牧子総務課副主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に天田委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から第24号議案・第25議案は議会に提出する案件であることから、また、第26号議案は教職員の人事に関する案件であることから、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
まず、本県の子どもたちに関わる大きな行事について報告する。7月28日に県中学校総合体育大会の開会式が正田醤油スタジアムで開催され、私が出席してきた。郡市の代表の選手である生徒たちが、非常に素晴らしい入場行進を見せてくれた。元気がもらえる開会式であった。翌日からは高校生の総合体育大会と、文化部の全国大会である総合文化祭の激励に行ってきた。
高校総合体育大会、インターハイの関係だが、今年は南東北での開催ということで、山形県天童市にある山形県総合運動公園総合体育館で開会式が執り行われた後、競技が始まった。開会式は中体連と日程が重なり出席できなかったため、代わりに関係課職員が出席した。本県関係の結果について、個人種目では、陸上男子400メートルハードルで農大二高の白尾選手が昨年に引き続き優勝し、連覇を果たした。陸上女子では200メートル、400メートルの競技で共愛学園の奥村選手が準優勝した。私もスタンドから応援していたが、素晴らしい活躍であった。また、新体操男子では、前橋工業の武藤選手が準優勝、ウエイトリフティング男子では105キロ超級クリーン&ジャークで利根実業の原選手が準優勝、空手道男子個人形の部では前橋工業の菊地選手が準優勝した。本当に全国的にも素晴らしい成績を収めてくれた。団体の部でも、前橋育英高校がサッカー男子で3位、市立前橋が弓道男子で3位、渋川女子が登山女子で4位に入賞した。こちらの方も素晴らしい成果であった。
インターハイを応援した後、宮城県で行われた総合文化祭に出席した。7月31日に行われた総合開会式では、秋篠宮様と佳子様が御臨席になった。総合開会式は高校生が主役となって運営されており、大変見応えのある素晴らしい内容だった。県内からもたくさんの高校生が参加していたが、私は館林高校の箏曲と、前女・高崎・桐生が合同チームで出場していた囲碁、新島学園のハンドベル、桐生西の和太鼓などを視察・激励してきた。本県関係では、小倉百人一首かるた部門で本県チームが3位に入賞し、文化でも全国的に素晴らしい成績を収めた。中学生・高校生の、部活動を通した活躍には、我々も元気をもらえるものだと実感した。適切な部活動を運営しながら、子どもたちのこうした面も伸ばしていければと改めて感じたところである。
教育委員の皆様方にもお忙しい中、いろいろな行事に出席いただいた。7月23日には、第4回高校生介護技術コンテストがあり青木委員に、8月7日の太田地区のいじめ防止フォーラムに天田委員、8月9日の渋川地区のいじめ防止フォーラムに平田委員にそれぞれ出席いただいた。
県全体の行事関係になるが、8月15日の終戦記念日には、群馬県戦没者追悼式典が群馬アリーナであり私が出席してきた。その中で、沼田高校と沼田女子高校の2人が、次の世代を担う若者代表として平和の誓いを述べてくれた。子どもたちが戦争の歴史を引き継ぐことを、教育の中でしっかりフォローしていこうと感じた。
それでは、次に教育委員から出席行事について報告をお願いしたい。
(青木委員)
介護技術コンテストについて報告したい。
その前に、まず、会場となった吾妻高校は中之条高校との統合を控えていることから、先に校長先生と話をしたので報告したい。吾妻高校に通う生徒たちは、小学校や中学校で統合を経験しており、高校の統合にさほど違和感はないようだが、学校が無くなってしまうのは寂しいという声も多々聞こえるとのことだった。また、校長先生から、統合により中学校の時に不登校であった子や、女子校を希望して進学してきた子が心配なこと、進学率が高い高校なので、統合により評定や偏差値に変動があったとき、大学が今まで通り受け入れてくれるか心配であることなど、様々な話を聞くことができた。
高校生介護技術コンテストについて報告する。
コンテストは2部門あり、介護部門では、視力を失った介助者の身支度、歩行介助、食事の用意、飲み物を勧めるまでの介護技能7分、アピール3分、審査員からの質問3分で行われた。選手たちは審査員、来賓、マスメディアを前に一生懸命力を発揮しており、会場内は緊迫した雰囲気だった。競技終了後には涙する選手もおり、競技に取り組むそれぞれの想い、姿勢が素晴らしいと感じた。
ベッドメイキング部門は、2人1組のペアでベッドメイキングを行う競技である。わずか5分という短い時間で、シワひとつなく仕上げる作業のスピード感、そして2人の声掛けが素晴らしく、見事な連携に驚いた。
第4回目となる今年度は、県内の福祉科に通う7校33名が参加していた。コンテストの目的は、介護技術を競い合うことで、介護技術を高めるだけでなく、様々な場面において適切で安全に支援できる能力と態度を育成すること。また、県内の福祉を学ぶ高校生が交流を深め、お互いの介護力を高めることにあるとのことだった。
今年度から関東大会が開催されるということで、全国大会につながる重要なコンテストであった。これまでは関東大会がなかったことで代表校は1校しか選ばれなかったが、今回は群馬県から2校が選ばれた。審査の結果、介護技術部門では、最優秀校に吾妻高校、優秀校に伊勢崎興陽高校がそれぞれ選ばれた。8月26日に神奈川県で開催される関東地区大会に参加するとのことであった。
ベッドメイキング部門では、最優秀校に伊勢崎興陽高校、優秀校に吾妻高校と新田暁高校がそれぞれ選ばれた。審査員の総評では、とてもレベルが高くどの高校も甲乙付けがたく、採点が非常に難しかったとのことであった。また、審査員からは、「コンテストの中では福祉の心は育たないので、常日頃の思いやりが必要である。今まで自分がやってきた事に自信を持ち、自らを認めてほしい。」と話があった。その話を聞いている選手達の顔がとても頼もしく見え、将来は福祉の道を歩んでほしいと思った。私も福祉に携わる者であるので、ここまでの学校にするには、先生方の福祉への理解、生徒への指導力、そして学校周辺の地域の皆様の御理解があってこそであろうと感じたところである。
余談だが、このコンテストに参加するために、多くの生徒が電車を利用して最寄り駅まできたが、Suicaに対応していない無人駅だったため、Suicaを使って降りられないというハプニングがあったと聞いた。結果的には学校が鉄道会社に連絡をし、帰りの駅で精算することで決着したそうである。
(高校教育課長)
県内で介護福祉士の養成課程を持っている学校は、吾妻高校と総合学科になるが伊勢崎興陽高校の2校である。介護技術コンテストは今年で4回目になるが、当初、介護部門への参加は吾妻と興陽の2校だけだった。今は5~6校に増えている。特に昨年度からは、高崎高等特別支援学校が参加している。吾妻高校で指導されていた先生が、高崎高等特別支援学校で指導に当たっている。取り組みの裾野が広がってきていると感じている。
(天田委員)
8月7日に、いじめ防止フォーラムの太田地区に参加してきた。全体的な感想としては、第5回目となり、少しマンネリ化していると感じた。4年前から毎年参加しているが、最初の頃は高校生が指導的立場に立って色々な事に取り組んでおり、活性化している印象だった。今回は、地域が違うということもあると思うが、主催者である教育委員会の指導ができてないのではないかと感じた。
原因を自分なりに考えてみたが、PDCAサイクルのC(チェック)が漏れているのではないか。チェックが漏れていると、来年の計画を立てる時に問題があってもそのまま同じ事をしてしまう。運営する高校が毎年変わるのに、引継ぎが出来ておらず、課題がそのままになっているのではないか。4回目と5回目で何が進展したのかまったく分からなかった。もう一度、内容をチェックし、義務教育課や高校教育課、特別支援教育課の皆さんが次回はどういうことをするのか検討していただかないと、問題点が何も見えないまま全体が総花的に進むだけになってしまい、効果が現れない。運営は地区がやるということでよいと思うが、それに対して県教育委員会や各課としてどういう支援をするかもう一度チェックしてほしい。参加している児童生徒は大変一生懸命やっていたが、最後の発表を小学生がやるのでは、問題意識も小学生のそれとなってしまい、感じるところがない。そのあたりも再度検討してほしい。
(平田委員)
私は渋川地区のいじめ防止フォーラムに参加してきた。渋川女子高校の生徒会が運営しており、非常に活発だった。参加者が6つのグループに分けられ、1グループに高校生1人、中学生3人、小学生が2~3人程だった。まず、初対面でいきなり議論というのも難しいだろうと思ったが、生徒会が議論の流れをまとめるシートを作っており、各グループはそれにしたがって進行していた。高校生が中心になって進め、それを中学生が書記を務めたり、積極的に発言するなどして、実によくサポートしていた。小学生も最初はおとなしかったが、後半には物怖じせずに発言しており、世代を超えた協力体制と豊かな議論が行われていた。
渋川女子高校の校長にお話を聞いたところ、生徒会でもそれほど時間を掛けて準備をしたわけではない。けれどもこの1ヶ月間、集中的に運営について議論を交わし、議論用のシートを作成したり、「いじめはだめ」の6文字を使った標語づくりの準備をしたりしていたとのことだった。
標語づくりは高校生らしい発想でおもしろいと思った。「い」はともかく「だ」はどうするのだろうと様子を見ていたが、さすがに頭が柔らかく、実にすてきな標語に仕上げていた。グループによっては沈黙してしまったところもあったが、生徒会が上手にフォローし、活発な議論につながっていた。主催する高校やメンバーによって運営が左右されているのではないかと思う。高校生らに当事者として運営を任せることが良い面もある。上手くいかなそうなところは、当日を迎える前にもっと指導やアドバイスが必要なのではないか。
(天田委員)
渋川地区でまとめの発表を行ったのは誰か。
(平田委員)
高校生が行った。
(天田委員)
それだけで印象が違うと思う。小学生では声も小さく、発言もどうしても単純な内容になってしまう。発表したのは小学生も5~6年生とは思うが、まとめを任せるには無理があるのではないか。
(高校教育課長)
いじめ防止フォーラムは、中学生と高校生の生徒会が集まり様々な課題について検討する「ぐんま中学生・高校生いきいき活動フォーラム」が母体となっている。そこに小学生と特別支援を加える形で、新たに「いじめ防止フォーラム」を始めた経緯がある。
取り組みは地区により特徴があり、渋川地区や伊勢崎地区のように、班別のグループワークを得意とし、伝統的に技術を積み重ねてきた地区がある一方で、いきいき活動フォーラム時代から講師を招くことで対応していた地区もある。こうした過去の経緯から違いがでている面があるのではないか。各地区とよく話し合い、行事の目的がしっかり達成できるよう、しっかり指導していきたい。
(義務教育課長)
私も渋川地区に参加してきたが、高校生らしいアイデアと発想ですごくいい形で運営されていた。標語づくりも、最後に目的があることで話し合いの成果が焦点化されていた。良い取り組みだと思う。一方、天田委員から指摘のあったとおり、5年目となると同じことをやる、維持するという地区もある。そうなると、どうしてもマンネリ化してしまう。各地区には、事務局からこうしろというのではなく、例えば、現在の班別を模擬授業にし、各学校で参加した生徒がリーダーとなって授業を行ってみるといった、体験したことが生きるような新しいアイデアを提供していきたい。
来年に向けて3課(義務教育課、高校教育課、特別支援教育課)でよく問題をチェックし、話し合って準備をしていきたい。
(特別支援教育課長)
私は高崎地区に参加した。高崎高校の生徒が中心になって進めてもらったが、話し合いについては保護者も交えて活発に行われていた。発表については高崎地区も小学生が行った。高校生も一緒に付いてきてフォローしたが、天田委員の指摘のとおり、班では練った話し合いが行われていたものが、発表ではピンポイントの内容だけになってしまっていた。
また、各班にいる特別支援教育学校の生徒たちについては、突然、意見も求められると、話すことが苦手な生徒もいるので、事前に発表したいことを準備して望んでいた。教師も何かあったときのために近くで待機していた。特別支援学校の生徒たちへの配慮は出来ていたと感じている。学校にも話を聞いて、来年に向けて準備したい。
(笠原教育長)
これまで、終了後に全体で振り返りを行うような場は設けていないのか。
(高校教育課長)
現在は行っていない。それも含めて全体の見直しを検討したい。
(笠原教育長)
来年も続けるのであれば、見直すことが大切である。
(天田委員)
テーマをもっとチェックしたほうがよい。総花的だと何をやっているのか分からなくなってしまう。渋川地区が行ったようにメインのテーマを一つ決めれば、議論が活性化するのではないか。
(笠原教育長)
発表を小学生にやってもらうことをダメとまでは思わないが、高校生や中学生のフォローは必要ではないか。
(天田委員)
読み原稿か、せめて箇条書きにまとめたものでもあれば良いが、何もなく小学生に発言させるのは難しい。
(笠原教育長)
工夫してやってみてほしい。
次に各所属長からの報告だが、今回は事前に提出されているものがないことから、「なし」とする。
それでは、教育長事務報告は以上とする。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
文化財保護課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異義なく原案のとおり決定
管理課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は教職員の人事に関わる案件である旨の発言があり、関係者以外は退室した。
学校人事課長、原案について説明
異義なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時06分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。