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平成30年3月19日(月曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、小池啓一教育長職務代理者、藤原重紀委員、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員
北爪清教育次長、小笠原祐治教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、田谷昌也管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、小林信二健康体育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦行政係長、宇津木牧子総務課副主幹
午前10時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に藤原委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から第71号議案から第74号議案は人事に関する案件であることから、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
2月19日に開会した平成30年第1回定例県議会は、明日3月20日に閉会する。
一般質問では、「部活動の安全対策について」や「SNS利用による被害の防止対策について」、「中学校・高等学校の運動部活動の休養日について」、「部活動外部指導員確保の取組」などについて大変多くの質問があった。
5日には、29年度関係の常任委員会が開催され、29年度補正予算案など付託された議案の審査のほか、教職員の多忙化解消の取組、部活動の休養日の設定、藤岡中央高校におけるハンマー投げの事故に対する県教育委員会の対応などについて質疑がなされた。
また、12日には、平成30年度関係の常任委員会が開催され、来年度当初予算案の審査のほか、小学校における道徳の教科化、地公臨職員の正規職員化、県立高校入試におけるインフルエンザ罹患者に対する配慮等、教育放送の見直しの内容などについてさまざまな観点から質疑がなされた。
なお、常任委員会に付託された議案はすべて原案のとおり可決された。
前回の教育委員会会議以降の主な行事について御報告する。
3月1日に県立学校の卒業式、3月12日に特別支援学校の卒業式があり、小池委員に万場高校、藤原委員に桐生南高校、青木委員に大泉高校、武居委員には前橋西高校、平田委員には、あさひ特別支援学校の卒業式に出席いただいた。
3月11日には、群馬県SSH・SGH・SPH等合同成果発表会に藤原委員、武居委員に出席いただいた。
3月17日には、新富岡高校の開設に向けた富岡高校・富岡東高校の「継志式」、吾妻中央高校の開設に向けた中之条高校・吾妻高校の「継志式」があり、それぞれ小池委員、藤原委員に出席いただいた。
この後、それぞれ御出席いただいた行事について、委員から御意見・感想等をいただければと思う。
最初に、小池委員、いかがか。
(小池委員)
万場高校の卒業式に出席した。1学年3コース、48人のこじんまりとしたよい卒業式だった。新入生の数を考えると生徒募集に苦労されている。これから先いろいろな工夫が必要なのではないか。地理的なことを考えると単純に統廃合ではすまない大変大きな問題があると認識してきた。
3月17日に富岡高校と富岡東高校の継志式に出席してきた。大変いい式だった。とてもさわやかだったと思うのは、現在の富岡高校、富岡東高校の1年生、2年生が積極的に式の運営をしていた。両校の同窓会の方々はいろいろ心配をしていたが、新高校の生徒の気持ちは前向きで、たぶん大人の心配よりも、実際の生徒は積極的に対応してもらえると実感して帰ってきた。
(藤原委員)
最初に桐生南高校の卒業式に出席してきた。会場へ向かう際に廊下から教室を見ると、教室は非常に整っており、生徒の皆さんの姿勢と先生方の指導を感じた。卒業式では答辞を述べた生徒が涙声で先生や育ててくれた両親に感謝し、友達との友情の話をしており、それを聞いた生徒が半分までいかないが、それで涙をぬぐっていた。友達と先生と別れることを心から悲しむ気持ちが伝わってくる感動的な卒業式だった。併せて桐生南高校では桐生西高校との統合という問題が控えていて、PTAや同窓会長からどのような話があるかと思って聞いていたが、卒業式の中では話はなかった。待っている間に話をすることができたが、桐生西高校の校舎になるので、移った時に狭くないか心配していた。また、桐生南高校にあって桐生西高校にない部活について、クラブ活動ができるのか心配だと話をしていた。統合そのものよりは統合した後の形のことを心配していた。
続いて、SSH・SGH・SPH等合同成果発表会の関係だが、13校が指定されて取り組んだ成果の発表を、武居委員と一緒に見させてもらった。授業において身につけたことについて、堂々と発表がなされていた。桐生市民文化会館で行われたが、その発表者に対して参加した生徒が手を挙げて質問をしていた。学んだ成果が質疑応答にも現れていた。こうした生徒を指導した先生も立派だと感じた。
この中では部活というとよく保護者が応援に行って、子どもの成長をうかがい知ることができるが、この成果発表会には、保護者の姿は見当たらなかった。生徒と先生方だった。発表の内容や態度も堂々としていたので、そうしたものを保護者が見れば、自分の子どもの成長も先生の指導もよくわかると思う。今、教師が親に尊敬されないと言われているが、そういうものを一つ一つ見てもらえばどのような教育が行われているのかよくわかると思う。一部の先生に聞くと、先生は生徒を教えているのに力を入れているが、その割にあまり生徒に影響は与えていない。先生方は、教育していることについてもう少しアピールしてもよいのではないかと感じた。
吾妻中央高校の継志式についてである。最初に、吾妻郡は管内6町村あり、すべての首長が代理でなく本人が出席しており、それだけ関心の高さがうかがわれた。吾妻高校の女性の同窓会長は、閉校だと思っていたが、継志という言葉があったので、継志というのは先人の心を受け継ぐということで、その言葉を聞いてうれしく思うとともに、吾妻高校と中之条高校の統合が、継志という言葉で進路が明確になったと話しており、継志そのものを評価していた。また、継志という言葉について生徒と話をしたが、吾妻高校、中之条高校がそれぞれの歴史を振り返って、今回の統合は、前例のない挑戦だったけれども、反面この統合によって大きな飛躍となると話していた。生徒の前向きな状況が理解できた。よい継志式で、継志がイメージできた。
(平田委員)
あさひ特別支援学校中等部の卒業式に出席してきた。特別支援学校を訪問するつど思うのだが、それぞれの子どもたちの特性に合わせて、教育の進展の仕方も丁寧に指導していて、まさに教育の原点であると感じた。卒業式の中では、感動した保護者が学校、子どもに対して感謝しているところで、先生方が「旅立ちの日」を合唱してくれた。子どもたちを大事に育ててきたことが伝わってくるような素敵な卒業式だった。先生方、保護者が支援してきたということだけではなく、おそらく子どもの存在自体が支援をしてきた方々の心に響くような、子どもたちが役割を持って生まれてきたというのだということがわかる3年間であったのだろうと思った。
学校評議員、地域の自治会の方も出席していて、送辞のあいさつをした生徒が歩く姿を見て、入学式のときよりもずっと歩けるようになったと話していた。地域との協力関係が非常に密に行われていると感じた。たとえば地域の方から災害時に学校と協力して、学校にも助けてほしいとか、校長先生から発達障害等について、あさひ特別支援学校の持っている知見を地域に役立てたいという発言もあった。地域に支えられるだけではなく、学校が地域の役に立とうという姿が明確に伝わってくる素敵な学校であると思った。
(青木委員)
大泉高校の卒業式に参加した。生徒が大切に育ててきたシンビジュームのコサージュをつけてもらい式に出席した。これまで参加した式では、保護者の出席は女性が多いと感じていたが、大泉高校では両親揃った方、男性の出席も非常に多いように感じた。保護者の視点で感想を言うと、卒業証書授与の時に、卒業生の名前を読み上げる先生が名簿を持たずに、目を閉じ、涙を堪えながら卒業生一人一人の名前を読み上げる姿に、生徒に対する思いが強く伝わってきた。その生徒たちが涙を堪え、生徒が大きな声で返事をするなど、そのやりとりが周囲に感動を与えて、周囲も涙を流していて、とても素晴らしい心温まる卒業式だった。
(武居委員)
前橋西高校の卒業式に出席してきた。卒業生198名に卒業証書が授与された後に、学校長の表彰があった。その表彰の内容が、3年生の4名の生徒が、新前橋駅で目の不自由な人のサポートをしつづけたということによるものだった。校長の式辞の中でも具体的に紹介されたが、決して親切の押し売りではなく、地味だけど思いやりのある活動が継続された実践の様子が校長から紹介されると式場全体が温かい空気に包まれた。前橋西高校でも先生方の呼名の様子や引率の様子などから生徒一人一人を大切に育ててきたことがうかがわれ、PTA会長の挨拶の中でも、そのことに感謝することがふれられていて、厳粛な中で温かな空気が流れる素晴らしい卒業式だった。
SSH・SGH・SPH等合同成果発表会だが、藤原委員からも話があったが、ホールでの発表は一つ一つ専門的なものだったが、どれも分かりやすく説明されていて、思わず引き込まれる発表がつづいて、時間がたつのを忘れてしまった。生徒の本気度が伝わってきたのがすばらしかった。また、発表の質疑が興味深かった。会場で聞いている生徒も細部にわたってよく理解して聞いていることを感じた。発表内容に対して自分なりの仮説を示しながら質問する生徒もいて、質の高いやりとりに感動した。高校生のすばらしさに触れることができた。ポスターセッションが100近くあり、そこではたくさんの高校生がやりとりしていた。私が参加したところでは、将来どんなことを考えているのか聞いてみたところ、どの生徒からも農業のことや環境のことなど研究者になってパイオニアとして活躍したいという回答がかえってきて、いきいきと勉強していることがわかってうれしく思った。広い世界に向かって羽ばたいていくと思うが、ぜひ群馬に戻って力を発揮してもらえるとよいと思った。
(笠原教育長)
皆さんから発言いただいた。出席した学校の生徒だけでなく、県内の高校を卒業した全ての子どもたちが次のステージに向かって頑張ってもらいたい。保護者も子どもの成長を感じることができたことと思う。
新たな富岡高校、吾妻中央高校の関係だが、継志式ということで、いろいろ同窓会の関係の方からは意見をもらって、教育委員会としても慎重に再編の準備を進めてきた。その中で両校の先生方、生徒たちは、統合が決まった段階でいろんな合同の取り組み、授業や部活を一緒にするなど、統合に向けて着実に準備を進めてもらった。継志式も終わって、スムーズな統合というか、1年生は新しい高校を受験してもらうこととなるが、2年生、3年生は一括編入ということで、別々の高校から新たな高校に在学することになる。そういう意味では同窓会の方々が心配するよりも、子どもたちは状況を見極めながら前向きに考えて取り組んでくれていると感じた。教育委員会としても両校が4月から1年生を迎え、地域の方から望まれる高校の運営ができるようしっかり進めていきたい。両校のそういう姿がこの後必要となる高校再編につながっていくと思っている。
SSH・SGH・SPH等合同成果発表会の関係は、昨年も天田元委員からなるべく多くの方にすばらしい取り組みを知ってもらう努力をしたらよいのではいかとの話をいただいた。それぞれの学校が非常に子どもたちのことをしっかり考えながら成果を出してもらっていると思っている。より多くの方に生徒たちが学んでいる姿や成果を知ってもらうのにはどうしたらよいか考えさせてもらいたい。教育番組などでも取り上げて見てもらうことを考えたいと思う。
たくさんの行事が年度末ということであったが、委員の皆様に御出席いただきありがとうございました。
続いて、各所属長から報告をお願いする。
高校教育課長、長野原高校を「ぐんまコミュニティー・ハイスクール」に継続指定することについて、資料1により報告。
高校教育課長、平成30年度群馬県公立高等学校入学者選抜全日制課程・フレックススクール後期選抜及び定時制課程選抜合格状況と再募集実施校等について、資料2により報告。
健康体育課長、検証委員会の委員構成、協議の内容(検証の進め方、事故の発生状況、事故後の学校、県教育委員会の対応)について、資料3により報告。
(平田委員)
資料2の2ページ目、全日制課程・フレックススクール再募集実施校等について、新設予定である吾妻中央高校が定員に満たなかった状態となっているが、統合前に比べると生徒募集が順調になっているのか。
(高校教育課長)
統合前と比較すると生徒募集が一定の改善を見ている。今後さらに学校の新たな状況等を地域に見ていただく中で、一定の不安があるとすれば、生徒の活動で払拭するよう、しっかりと募集の充実に努めていきたい。
(笠原教育長)
吾妻郡内の子どもの数が減っている中で、吾妻だけではなく、渋川ぐらいまで影響が出ている。あらためて学校の魅力等を子どもたち、あるいは保護者にわかっていただけるような取り組みが必要であると感じている。入学が決まったら、しっかり分析しながら高校と連携しながら取り組みを進めていきたい。
ここで、小笠原教育次長(指導担当)から退職のあいさつが行われた。
(教育次長)
このような機会をいただき、ありがとうございます。私は37年前に教員となった時、一教員として過ごすことを考えて教員となったが、図らずも校長職をさせていただいたり、教育委員会で仕事をさせていただいたりした。過分な処遇また経験をさせていただき、心より感謝している。今は教育改革の時代ということだが、改革とは考え方を変えれば、試行錯誤の時代となるのかなと思う。そんな中で教育委員会の役割は、ますます大きなものがあると思っている。
群馬県教育委員会のますますの発展と関係の皆様方のますますの御健勝と御活躍を祈念申し上げます。長い間ありがとうございました。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
総務課長、原案について説明
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学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人、取材者及び関係者以外は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午前11時10分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。