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平成31年3月19日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、藤原重紀教育長職務代理者、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員
北爪清教育次長、山口政夫教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、岩瀬春男管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、田村浩之健康体育課全国高校総体推進室長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課副主幹
午前11時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
笠原教育長が益田委員から欠席の届出があったことを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に青木委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第56号議案は意思形成の過程にある案件であるため、第57号議案は教職員の表彰に関する案件であるため、第58号議案から第60号議案は教職員の人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
最初に私から一言申し上げる。
まず一点目は、県立高校の女子生徒の自殺が疑われる死亡事案が発生した件についてである。2月1日、前橋市内の踏切において、県立高校2年の女子生徒が、電車にはねられ死亡する事案が発生した。現在、警察による捜査が行われているが、現場の状況などから自殺が疑われる状況にある。未来に限りない可能性を持った生徒の尊い命が失われたことは、痛恨の極みである。改めて亡くなられた生徒の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様方に心からお悔やみを申し上げる。
現在、学校において、文部科学省が定める指針に基づいた基本調査を行っているところである。この事案については、死亡した生徒の御両親から学校でのいじめが原因にあるのではないかと御指摘を受けている。去る3月12日には、御遺族に学校の基本調査の中間報告をさせていただいた。今月中には学校の基本調査の結果をまとめ、改めて御遺族に御説明させていただくことを予定している。
今後、県教育委員会では、学校から基本調査の結果の報告を受けた後、御遺族の御意向も踏まえた上で、第三者委員会による調査の実施などを含め、適切に対処していきたいと考えている。
次に、平成31年第1回定例県議会について報告する。第1回定例県議会は、2月18日に開会し、3月12日に閉会となった。県議会の中では平成31年度当初予算がもっとも主要な議題であるが、教育委員会関係では、予算の他にも、第3期教育振興基本計画の関係、外国籍の子どもたちへの日本語指導の関係、夜間中学の設置の関係、小中学校における理科教育の関係、特別支援学校卒業生の就労支援の関係、幼児教育と小学校の接続の関係、県立高校におけるICT機器の整備と今後の方針について、さらには、県立高校再編整備の今後の見通しと課題、また、議員提案の条例である県民の読書活動の推進の関係など、幅広い質疑がなされたところである。3月4日には、文教警察常任委員会が開催され、平成30年度補正予算及び平成31年度当初予算の審査が行われた。その他には、中体連において少子化の影響から学校単独でチーム編制ができない場合の合同チームの在り方について、高等学校の文化部活動の外部指導者に対する謝金制度の新設の関係、さらには県教育番組の在り方、教職員の長時間労働の改善に向けた取組、長期療養している子どもたちへの教育の進め方など、常任委員会の中でも幅広い質疑がなされたところである。なお、教育委員会関係の議案はすべて原案のとおり可決いただいた。議会の関係は以上である。
その他、前回の教育委員会会議以降に教育委員が出席した行事について報告する。
3月1日と8日に県立学校の卒業式が行われた。3月1日の県立高校の卒業式には、伊勢崎高校に武居委員、伊勢崎商業高校に藤原委員、新田暁高校に益田委員、太田フレックス高校に青木委員がそれぞれ出席した。8日の高崎特別支援学校中学部の卒業式には、平田委員が出席した。3月16日に、群馬県SSH・SGH・SPH合同成果発表会が行われ益田委員が出席した。
年度末を迎え、各県立学校の入学試験もほぼ終わり、新年度に向けた準備が進んでいるところである。
それでは、委員から出席いただいた行事について感想等をいただきたい。
(藤原委員)
伊勢崎商業高校の卒業式に出席した。卒業式は3月1日の午前10時から、同校の第一体育館で行われた。卒業生272人に対し、父母など保護者350人が参列した。満席になった保護者席に、その関心の高さを感じた。式典では、吉川校長の式辞に心を打たれた。吉川校長は卒業生が入学した平成28年4月に着任され、この3年間を生徒と共に過ごされてきた。式辞の中には1年生から3年生までの成長の様子が織り込まれ、校長として見守ってきた生徒への思いが込められた説得力のある内容であった。式辞を聞いた生徒や保護者も、私と同様に感動したことと思う。また、式典の最後に、卒業生からのサプライズ演出があった。体育館から退席する際、クラス名を呼ばれると大きな声で「おーっ!」と返事をして、式を盛り上げてくれた。これはサッカー部の生徒が中心となり企画された演出とのことであった。涙があふれる卒業式もあるが、元気があふれる卒業式も良いものだと感じた。この学校のモットーは文武両道であるが、送辞と答辞にそれが体現されていた。送辞と答辞を行ったのはいずれもサッカー部の生徒であったが、サッカー部では、部活動の後に1~2時間、授業の復習や予習をすることが慣例になっており、部員は勉強面でも成績優秀であったそうである。今年の卒業式はサッカー部が主役だったが、来年は野球部が頑張ると在校生が火花を散らしていた。生徒間の競争意識も盛り上がる良い卒業式であった。
(平田委員)
3月8日に高崎特別支援学校中学部の卒業式に参列した。特別支援学校の卒業式には、特別支援が教育の原点だということを改めて実感させるものがある。一人一人の生徒に対し、それぞれ目標を立てて、先生方が精一杯の愛情を注いで、子どもたちが成長しているという様子が伝わってきた。また、保護者の方々の学校に対する感謝の気持ちも伝わってきた。しおりには、卒業する子どもの写真が載っていたが、毎月1枚ずつ写真をとり、一番良い写真を載せたそうである。13枚の写真はどれも満面の笑顔で、愛情をいっぱいに受けて3年間過ごしたことがわかった。高等部への進学については、高崎特支の高等部に行く生徒もいれば、より通いやすい藤岡や富岡に通う生徒もいるとのことであった。高等部の開校により、就学がしやすくなっていると感じた。
(青木委員)
太田フレックス高校の卒業式に参列してきた。今年度は、定時制の1部33名、2部38名、3部14名、通信制23名の合計108名の生徒が卒業した。残念なことに、3部の生徒の中には、仕事の関係で出席できない生徒が数名いたようである。式典はとても和やかで、生徒からは笑みがこぼれていた。また保護者席からは、巣立っている我が子を思ってか、すすり泣く声も聞こえた。「この卒業証書は自分たちで勝ち取った証書である」とは、校長先生、PTA会長、同窓会会長の方々から、形を変えて卒業生に送られた言葉である。この言葉を聞き、卒業証書も当たり前に貰えるわけではないということに改めて気付かされた。また、その言葉を聞き、卒業生にはこれから先、自信を持って進んで欲しいと心の中でエールを送らせていただいた。終始和やかな雰囲気の中、笑顔で終わった卒業式であった。
(武居委員)
伊勢崎高校の卒業式に出席した。卒業生は313名であった。保護者席の人数が多いと思い、式後に聞いたところ、やはり例年より100名ほど多い参列があったとのことであった。式場は在校生も大変落ち着いており、式も厳粛な中で進行した。校長先生の式辞を熱心に聞く卒業生の姿に感動を覚えた。また、入退場の時の吹奏楽の演奏が大変素晴らしかった。3年生が抜け、1・2年生だけの演奏であったが、威風堂々の曲名にふさわしい、堂々とした演奏で卒業生を送ってくれた。式全体が引き締まる良い演奏だった。
(笠原教育長)
卒業式はそれぞれの生徒の人生にとって、まさに節目である。社会に出ようという今を、大きな希望を持って進んでいただきたい。県内の全ての卒業生が、次のステージでさらに活躍をすることを願っている。
それでは、引き続き各所属長からの報告をお願いする。
管理課長、平成31年度県立学校施設整備計画について、資料1により報告。
義務教育課長、玉村町立玉村南幼稚園の廃止について、資料2により報告。
義務教育課長、3月18日に開催された群馬県いじめ問題対策連絡協議会の結果について、資料3により報告。
高校教育課長、平成31年度県立学校の入学式の期日について、資料4により報告。
高校教育課長、下仁田高校のぐんまコミュニティー・ハイスクールの指定を継続することについて、資料5により報告。
高校教育課長、平成31年度の入学者選抜郷学状況と再募集実施校等について、資料6により報告。
高校教育課長、「予測困難な時代における職業教育の在り方について」に対する産業教育審議会からの答申について、資料7により報告。
高校教育課長、県立高校で人体及びその一部の標本が発見されたことについて、資料8により報告。
文化財保護課長、史跡上野国分寺跡保存活用計画の策定について、資料9により報告。
(笠原教育長)
各課長からの報告について質問があるか。
(藤原委員)
資料1の県立学校施設整備計画について、昨年3月1日に桐生南高校の卒業式に参列した際、保護者から、統合後、新しい学校に部活動できる場所がないと困ると心配する声があった。すでに検討が進んでいることと思うが、そうした面も配慮していただきたい。
(管理課長)
桐生・みどり地区の2つの新高校は、いずれも2つの学校を統合するものである。部活動も学校活動の一貫であることから、対応については、準備会において十分検討していただいていると考えている。
(藤原委員)
もう1点、資料3の群馬県いじめ問題対策連絡協議会について確認したい。協議会の資料として、「いじめの対応は、正確な認知から」というリーフレットの案の添付があるが、これは誰に配布する予定か。
(義務教育課長)
今の段階では、県のホームページに掲載しダウンロードできるようにすることを考えている。また、来年度のいじめ防止フォーラムで、多くの関係者や保護者の方にお配りしたい。
(藤原委員)
本日の会議の冒頭で教育長からも話があったが、先月、生徒の自殺が疑われる非常に悲しい事案があった。資料の中で、「いじめがあることが不祥事ではなく、いじめに対して対応しないことが不祥事」という記述がある。このことを教員に対して徹底するようお願いしたい。
(笠原教育長)
いじめの関係では、昨日の協議会でも各種団体に出席いただいたが、学校の中だけでなく、地域やスポーツを通じて活動する団体の皆様にも共通の認識を持っていただき、早い段階でしっかり対処できるようにしていきたいと考えている。いじめを認知することがそのスタートとなることから、共通認識を持つために今回のテーマとさせていただいたところである。その中でも、まずは学校の中で教職員がしっかりと対応できるよう対策を進めていかなければならない。
それでは事務報告は以上とする。
ここで、北爪教育次長、野村総合教育センター所長、古澤文化財保護課長から退職の挨拶が行われた。
(笠原教育長)
通常であれば、ここで議案審議に入るところだが、会議に出席する事務局職員で、この3月31日をもって退職する職員から、一言ずつ挨拶をいただきたい。
(北爪教育次長)
教育次長の北爪でございます。この3月を持ちまして定年退職いたします。この間、笠原教育長をはじめ、本日ご出席の委員はもとより、教育委員の皆様には大所高所より御指導いただくとともに、親しく接していただきまして、大変お世話になりました。ありがとうございました。私は県庁生活の最後の2年間を、今まで経験したことのない教育委員会で過ごすことになりました。最初は不安でございましたが、事務局職員はもとより、委員の皆様に温かく迎えていただきまして、本当に充実した2年間を過ごすことができました。教育はもとより、より良い教育を通じて、より良い人生、より良い社会を造ることが基本理念であると考えております。4月から新しい人生に向かって行くわけでございますが、この言葉を支えとして、歩んで行きたいと思っております。また、改めて学習者として人生に臨むとともに、教育と地域の連携がますます求められる中、教育のサポーター、また、アドボケーターとして教育に関われたらと考えております。大変お世話になりました。
(野村総合教育センター所長)
私は小学校教員をスタートに38年間勤務させていただきました。その間、学校に19年、事務局に19年と、ちょうど半々の勤務でありました。その最後の5年間を義務教育課長、学校人事課長、総合教育センター所長として、この教育委員会会議に出席させていただき、いろいろな勉強をさせていただきました。今後もまた、教育に関する仕事に就く予定もございますので、御指導いただければありがたいと考えております。大変お世話になりました。
(古澤文化財保護課長)
私は群馬県の義務教育の教員として採用され、それから38年間の勤務でありました。学校は小中通算で13年、その後は歴史博物館、世界遺産課、文化財保護課で25年に渡り歴史や文化財に関わる仕事をさせていただきました。最後の3年間を文化財保護課で勤務し、うち2年間は課長としてこの教育委員会会議に出席し、勉強させていただきました。本当にありがとうございました。先ほど報告させていただきました上野国分寺跡の整備もまだ道半ばにあり、いろいろと途中の仕事がありますが、後進に託したいと思います。私もこれから何らかの形で歴史や文化財に携わり、側面から連携していきたいと思っております。本当にお世話になりました。ありがとうございました。
(笠原教育長)
それぞれが新たなステージに進むことになりますが、ぜひ健康に留意していただき、新たな場で御活躍いただきますとともに、教育委員会、また子どもたち、県民のためにお力添えをいただきたいと思います。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
健康体育課全国高校総体推進室長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は教職員の表彰及び人事に関する案件である旨の発言があり、関係課長以外は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後12時15分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。