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令和元年8月21日(火曜日)午後1時00分開始
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、藤原重紀教育長職務代理者、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員、益田裕充委員
飯塚裕之教育次長、山口政夫教育次長、上原篤彦総合教育センター所長、山崎浩通総務課長、柿沼輝信管理課長、塩谷聡福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、町田英之特別支援教育課長、福田芳美生涯学習課長、柴野敦雄文化財保護課長、矢島貢健康体育課長、小林謙五総務課次長、羽鳥正総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名、取材者は1名であることを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に武居委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第28号議案並びに第29号議案は議会に提出する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
最初に私から報告する。
1点目は、県立高校生徒の自殺が疑われる事案について報告する。群馬県いじめ問題等対策委員会の第5回委員会が8月11日開催され、前回委員会で策定した調査計画の案について審議が行われた。この委員会に先立ち、8月5日に事務局から御遺族に対し調査計画の案を御説明させていただき、調査計画に沿って詳細調査を進めていくことについて御理解をいただいたところである。その際の御遺族の御意見を踏まえた審議が第5回委員会で行われ、本事案に係る調査計画が決定された。今後、順次、委員による学校やその他関係者への聴き取り調査等が行われる予定である。また、アンケート調査についても、聴き取り調査の結果を踏まえて内容を検討した上で、時期を見て実施するとのことである。県教育委員会としては、引き続き第三者委員会の調査並びに審議等が円滑に行われるよう、全面的に協力したいと考えている。
2点目は、高校生の活躍の状況について報告する。
まず、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の全国大会が、南九州ブロックで開催された。総合開会式が、7月27日に鹿児島県鹿児島アリーナで開催された。この総合開会式には私も出席した。本大会は、来年度、本県を含む北関東4県で開催される予定である。開会式を群馬県で行う計画であることから、その事例の視察も含めて訪問したところである。大会は8月20日までの日程で、各種目において熱戦が繰り広げられた。
県内の高校生の活躍であるが、個人種目では、陸上男子棒高跳びで前橋育英の古澤選手、そしてフェンシング男子エペで沼田高校の関原選手が優勝し全国1位となった。また、陸上男子4×100メートルリレーで農大二校が第2位、陸上男子3000メートル障害で樹徳高校の北村選手、水泳女子高飛び込みで四ツ葉学園の熊木選手、レスリング男子80キログラム級で館林の阿部選手、弓道男子個人で伊勢崎工業高校の金光選手、空手男子個人形で前橋工業高校の大賀選手がそれぞれ3位であった。大変見事な活躍であった。また、団体種目については、ソフトボール男子で新島学園が優勝した(台風の影響で4校同時優勝)。前橋高校が登山男子の部で2位となった。
次に、全国高等学校総合文化祭(総文祭)が佐賀県で開催された。総合開会式は7月27日で、会期は8月1日まであった。総文祭でも多くの本県生徒が活躍した。インターハイと日程が重複したため、総合開会式には残念ながら出席できなかったが、当日のうちに佐賀県に移動し、バトンに出場した高崎商科大学附属高校を、そして翌28日には、自然科学部門で発表を行った前橋女子高校、藤岡中央高校、吾妻中央高校、中央中等教育学校、勢多農林高校を激励した。また、美術・工芸部門に出品した前橋東高校、桐生女子高校、高崎経済大学附属高校の生徒の演技や作品を視察し、激励させていただいた。なお、この総文祭には、19の規定部門があり、写真部門で前橋工業高校の田部井さんが優秀賞、小倉百人一首かるた部門で農大二高、健大高崎の代表チームが奨励賞(第4位に相当)を受賞された。以上、県内高校生の活躍について報告した。
最後に教育長と教育委員の主な出席行事について報告する。
7月20日、伊勢崎興陽高校で第6回群馬県高校生介護技術コンテストが開催され、青木委員が出席した。
7月26日に県中学校総合体育大会の開会式が行われ、武居委員と益田委員、私が出席した。
8月2日には、第1回地区別教育行政懇談会を県庁で開催し、全委員と私が出席した。今回は「小・中学校におけるコミュニティ・スクール」をテーマに、西部地域で既にコミュニティ・スクールを導入している高崎市、藤岡市、下仁田町の教育委員会担当職員及び同市町の小・中学校長に出席いただき、意見交換を行ったところである。
各地区で開催中のいじめ防止フォーラムについて、8月6日の渋川広域圏に益田委員、8月8日の桐生・みどり地区に平田委員が出席した。
8月15日に群馬県戦没者追悼式が行われ、私が出席した。追悼式では、県内の若者を代表して、桐生高校並びに桐生女子高校の生徒2人が「平和への誓い」を読み上げた。素晴らしい誓いの言葉に感銘を受けた。
それでは、各委員から出席した行事等について報告をお願いしたい。
(藤原委員)
地区別教育行政懇談会について報告する。懇談会には、教育長と私たち委員の他にも、事務局から両教育次長、義務教育課長、生涯学習課長、西部教育事務所長にも同席いただいた。また懇談の相手方として、西部地区の高崎市、藤岡市、下仁田町の各教育委員会の担当者と各市町から8校の小・中学校長に出席いただいた。懇談会は、最初に全体会を行い、その後2グループに分かれて分科会を行った。全体会では、各市町と各学校の取組について現状報告を受けた。説明を聞き、学校を核に、地域の大人と子どもが相互に学び合っていることが分かった。県教育振興基本計画に掲げる「地域とともにある学校」が着実に推進されていると感じた。各学校の成功事例を見ると、地域と学校を結ぶ役割を持つ学校支援コーディネーター、学校によって名称が違うようであったが、このコーディネーターの影響が大きいと感じた。県内では、まだ地域との連携が上手く取れていない学校もあると思うが、もしコーディネーターの体制が十分に整ってないならば、早急に手立てを講じる必要があるのではないか。
(平田委員)
まず地区別教育行政懇談会について報告するが、概要は藤原委員から報告があったとおりである。コミュティ・スクールを導入した場合、学校の運営方針のみならず、人事に対しても意見を述べることができるようになる。かなり強い権限を持つことになる。ある意味、地域の教育力が問われていると思う。その地域にとってどんなコミュニティ・スクールとすれば上手くやっていけるのか、とても興味があった。今回、御出席いただいた教育委員会や学校から話を聞き、難しく考えているより、まずやってみるものだなと思った。最初は上手くいかない事もあったということだが、取組を進めた事で、学校だけでなく地域の活性化にもつながった沢山の事例が生まれる結果となっており、とても明るい気持ちになった。
次に、桐生・みどり地区のいじめ防止フォーラムについて報告する。事務局校であった桐生高校の生徒たちの動きが大変に素晴らしかった。最初のアイスブレイクでは、小・中学校や特別支援学校の児童生徒の気持ちを和らげて、意見を出しやすくする仕組みがたくさんあった。良い話し合いができていたと思う。
(青木委員)
第6回高校生介護技術コンテストについて報告する。このコンテストは、県内の福祉を学ぶ高校生が、介護技術を競い合うことにより、介護技術の向上や様々な介護場面において、適切かつ安全に支援できる能力と態度を育成することを目的としている。また、福祉を学ぶ高校生が交流を深め、地域に介護の魅力を発信する場でもある。ベッドメイキング部門、介護技術個人部門、介護技術ペア部門の3部門があり、今年は40名のエントリーがあった。なお、ベッドメイキング部門では、毎年審査が拮抗するため、今年度から審査基準に従い点数法で審査することになった。25点以上の優秀賞は、伊勢崎興陽高校、吾妻中央高校、藤岡北高校、新田暁高校が受賞した。介護技術個人部門では、最優秀賞を吾妻中央高校、優秀賞を伊勢崎興陽高校がそれぞれ受賞した。介護技術ペア部門は、最優秀賞を吾妻中央高校、優秀校を伊勢崎興陽高校。優良賞を新田暁高校が受賞した。入賞した各校は、8月24日に伊勢崎市役所で開催される関東地区高校生介護技術コンテストに出場する予定である。以前、吾妻中央高校や伊勢崎興陽高校を視察した際に、福祉科の授業も視察したが、コンテストでは、制限時間や課題が加えられ、選手は利用者に合った介護がスムーズにできるか、また、介護する側の負担をいかに軽減できるかなどを、介護福祉士、学識経験者、現場経験者など専門的な視点から、評価表に基づいて厳しく審査される。実技を行う選手の周りには、審査員だけでなく、他の選手や来場者が多く見ているため、緊張は計り知れないものがある。私も間近で実技を見せてもらったが、選手の息づかいや緊張感がひしひしと伝わってきて、私まで緊張した。このコンテストに出席するのは3回目だが、どの学校の生徒も明るく、笑顔が素敵で、礼儀正しい。困っている人がいればすぐに手を差し伸べる。目配り、気配り、思いやりが至る所で感じられた。福祉を学ぶ本県の生徒の技術は、全国的にも大変優秀だと聞いている。福祉の分野は年々レベルが上がっており、指導に当たられる先生方も御苦労されていることと思う。ただ、非常に残念なのは、将来、介護の道に進む生徒は決して多くはないという点である。介護の素晴らしさを、このコンテストを通じて大いに発信していただきたい。
(武居委員)
中学校総合体育大会の開会式について報告する。開会式は、今年度から選手の負担軽減を優先した、新しい内容に変更されることとなった。開会式の会場はヤマト市民体育館前橋で、空調の効いた屋内で行われた。入場行進は郡市の旗を持つ生徒と、昨年度の優勝旗を持つ選手に限定し、同日は試合も行われない。このため、返還する優勝旗がない郡市は、旗手1名のみの行進となってしまい、その点は少し気の毒な感じがした。しかし、この日も屋外は大変暑く、生徒の体力や健康、安全面に最大限配慮すると、このような形での開催にしていくことも良いのだろうと思った。
次に、地区別教育行政懇談会について報告する。各学校や教育委員会の取組が大変参考になった。お話を聞いて、コミュニティ・スクールの取組は、学校にとっても地域にとっても、これから良いことがありそうな可能性が感じられた。その中でも、子どもを育てるためのプランを、学校と地域が一緒に作る取組が素晴らしいと思う。そのプランに沿って、小学校でも、中学校でも、家庭でも、地域でも、同じ目標に向かって子どもを育てることができることになる。これからどのように子どもたちが育っていくのか、今後に期待したいと思った。そのプランづくりに、学校と同等の立場で地域が参画することが大事なことである。地域が当事者意識をもって参画することが大事であって、そのためには、先ほど平田委員からも報告があったが、地域の教育力の向上が欠かせないと強く思う。
(益田委員)
渋川広域圏のいじめ防止フォーラムについて報告する。渋川高校が事務局校となり、子どもたちの日常の生活から生じる課題について、小学校から高校生が小グループを作り、高校生が中心となって話し合いを行った。課題について活発に話し合う姿が見られた。また、県教育委員会事務局の指導主事から、引率の先生や保護者を対象に「いじめの捉え方」について説明があった。法に規定するいじめの周知のためにも、こういう取組はとても大切な事であると思った。
(教育長)
各委員から出席行事について発言があった。地区別教育行政懇談会のテーマであるコミュニティ・スクールの関係だが、教育委員会としても、この4月から第3期教育振興基本計画の中で、学校と地域の連携を更に深めて行くという方針を打ち出している。それぞれの地域の方針や学校での取組についてしっかりと理解を深め、県の教育委員会として、どう進めるべきか、どう地域と学校の連携をより深めていくのか、継続的に検討を進めていきたい。いじめ防止フォーラムは今年で7年目を迎える。毎年、どんな形で進めるか見直してきているが、子どもたちに主体的で、校種を越えた話し合いをしてもらいたいとする点は変わらない。テーマ設定など、今後もより充実した話合いができるよう、教育委員からも御意見をいただきたきい。また、いじめの認知については、新しい考え方への対応が求められている。学校現場だけでなく、保護者や地域の方々にも理解していただけるよう取り組んでいきたい。中体連の開会式の在り方の問題は、以前から問題提起がされている中で、しっかりと検討を進めた上で、今回のような形の開催となった。その時代にあった形を、学校の先生、保護者や地域の方々と議論を重ねながら、子どもたちにとって良い形にしていきたい。
それでは、各所属長から報告をお願いする。
義務教育課長、平成31年4月18日に実施した全国学力学習状況調査の結果について、資料1により説明
健康体育課長、本県の小学校及び中学校、中等教育学校における組み立て体操の実施状況(令和元年6月時点)について、資料2により説明
(笠原教育長)
説明は以上である。委員から質問等があるか。
(平田委員)
全国学力学習状況調査について、小学校で算数の勉強が好き等、ポジティブな回答が多い事がとても素敵だと思う。資料1の2ページに、正答率の全国比を挙げているが、各学校の結果をデータで確認することはできるのか。
(義務教育課長)
細かいデータを探すことになるが、確認は可能である。
(平田委員)
全国平均との差が大きい。例えば数学の四則混合計算のところなどが全県で低いのなら、全県で取り組むべきであるが、地域差や学校差が大きいのなら、取るべき対策が異なってくるのではないか。差が大きいものについては、県全体でおしなべて低いのか、地域差があるのか、大変だと思うが分析することが必要なのではないか。
(義務教育課長)
御指摘のとおり、平均正答率で一喜一憂することではなく、個々の設問ごとの正答率を、それぞれの学校でしっかりと見て欲しいと考えている。また、私どもも平均正答率だけで考えるのではなく、大きなバラツキや、マイナス5ポイントを一つの目安に、校長会等とも連携しながら対応を検討しているところである。全体のバラツキの状況については、現在、グラフ化する作業を進めている。質問のあった設問2(4)四則混合計算については御指摘のとおりと思うので、結果を精査した上で検討を進めたい。
(笠原教育長)
以前、教育委員会でも学力テストなどの結果を分析するシステムの導入について意見があった。文部科学省がかなり詳細なデータをフィードバックするようになったことから、特別なシステムでなくても分析が可能となった。平田委員から指摘のあったように、県全体の課題なのか、一部の学校の教え方の課題なのか、そうした分析もできると考えている。市町村教育委員会あるいは学校に対して、しっかり問題提起をしていきたい。事務局を中心に分析を深めているところである。
(武居委員)
本県の子どもたちは、算数が好きだが、算数の正答率は平均をやや下回ったところで推移している。この傾向がずっと続いているような気がする。好きこそ物の上手なれというのに何故だろうか。資料3ページの(2)学校質問紙<小中学校共通>の一番下を見たときに、もしかして小中の連携が足りないではないかと感じた。英語は小中で連携がよく取れており、結果も良い。先日、コミュニティ・スクールの意見交換の中で、ある校長がコミュニティ・スクールで学力向上を果たしたいと話していた。今後の分析にそうした視点も生かせないだろうか。
(笠原教育長)
例えば、四則混合計算で、逆にプラスになっている学校があれば、どのような指導を行っているのか、中学校ではどうなのか。小中の連携はどうなのか。数学が好きだという気持ちや興味・関心を上手く正答率につなげる指導ができているのではないか等、いろいろ分析してみてほしい。算数や数学は一度苦手意識を持つとばん回するのが大変である。そういう壁になりそうなところを、小中が連携してカバーしていけると良いと思う。
(益田委員)
先ほど、義務教育課長から、児童生徒質問紙では、子どもたちから大変前向きな回答が多いと説明があったが、群馬県の子どもたちの無答率の低さにもそれが現れていると思う。何か説明を求められる問題、選択肢でない問題が出されると、日本の子どもたちは答えようとしないというのが、教育課程実習状況調査の時から大きな課題であった。このため、調査問題の中にはあえて記述式の問題を入れる。すると、群馬では、そこを白紙のままにせずどうにか埋めようと頑張る子どもがとても多い。県の特色が捉えられると思うので、無答率の状況についてもぜひ知りたい。私は非常に低いと予想する。今後、県全体の傾向を分析するのであれば、それも出してほしい。
(義務教育課長)
御指摘のとおりで、実は正答率を全国で比較するのと同時に、無答率も比較している。全国と比較して、無答率は低い状況にある。過去に結果がとても良くない年があったが、その時は無答率も高かった。その時から、無答率と学力調査の結果には相関関係があるという認識がある。普段の授業から説明をするという経験が必要で、テストの時だけ急に説明しなさいというは難しい。普段から説明したり、書いたりする授業をする必要がある。
(笠原教育長)
群馬県の高校入試の問題は、記述式問題が多い傾向があると聞いたことがある。そうした影響から、中学校で記述式の問題に取り組んでいるのではないか。
(義務教育課長)
最近まで特に社会科でその傾向が強かった。
(笠原教育長)
大学入試に記述式が入ってくることを考えると、校種を越えた連携、それも小中だけでなく、高校との連携も、先生方にしっかりと意識して指導してもらいたい。
(益田委員)
今後の取組のところで質問したい。
はばたく群馬の指導プラン2が配布されるのを楽しみにしている。県内約50校で公開授業を行うというのは、かなり大規模な取組である。詳しく聞きたい。
また、「学力向上対策に係る説明資料(音声付き)」とは、どのようなものか。
(義務教育課長)
説明資料については、教員の働き方改革の面からも、全ての教員が時間をかけて考えなければならない資料ではなく、今年度の調査結果と授業のポイントに絞ったものとしている。基本的にはパワーポイントにアニメーションと音声を付けた説明資料である。小学校の国語と算数は全ての先生に見て欲しいが、資料について検討する時間も取りたいので、国語と算数の両方を見ても1時間で収まるよう調整中である。校内研修の時間に取り入れて貰いたいと思っている。
公開授業については、去年1年をかけて指導プランを作成した。その際に、総合教育センターの特別研修員と連携しながら実践研究を進めてきた。その時の特別研修員は、各校に戻るなどして既に特別研修員ではないが、公開授業への協力をお願いしたところ快く引き受けていただいたので、これだけの校数で行うことができたところである。10月以降、順次開催するので、教育委員にも御覧いただき、御意見をいただきたい。
(笠原教育長)
音声付き説明資料は、公表前に教育委員から意見をもらうことはできないのか。
(義務教育課)
現在、9月2日にアップする予定で準備を進めている。直前になってしまうかもしれないが検討したい。
(藤原委員)
小学生の算数は平均より低く、中学生の数学は平均より高いという傾向がずっと続いている。毎年よく分析していただているが、四則混合計算が弱いことも分かっていて対策も講じている。しかし結果が変わらない。
(義務教育課長)
平成19年調査から同じ傾向がある。
(藤原委員)
その点をどのように考えているか。
(義務教育課長)
対策により素地は育っていると考えている。児童生徒質問紙では、算数が好きですが、算数が分かりますかという質問に、はいと答える子どもはいずれも全国平均より高い。それでも小学生のうちは少しのんびりしたところがある。群馬県は高校の公立志向が強いので、中学生になると受検に向けて勉強に取り組むようになる。そこで中学校の先生から専門性の高い授業を受けると、またスイッチが入って、しっかりした家庭学習にも取り組むようになる。そうした中で伸びていくのかなと考えている。
しかし、好きなのになぜ伸びないのかという疑問は確かにある。先日、全県の小中学校の教頭が集まる教頭会があったので、各学校で、自分の学校がどういう状況にあるのかよく分析してほしい。そして、高い理由、低い理由に思いあたるところがあれば、是非教えて欲しいとお願いしたところである。良い取組があれば共有して、今度こそ四則混合計算が低い傾向を克服したい。
(笠原教育長)
厳しい見方をすると、やはりそこの教え方が今のやり方で本当に良いのか、もう一度しっかりと考えてもらう必要がある。特に算数は積み上げの部分がある。中学校の先生は、新1年生の苦手なところを把握した上で、そこを補う指導して引き上げてくれているはずである。そうしたノウハウを小学校でも意識して、子どもたちに響く指導が今本当にできているか検証してもらいたい。良い取組があれば広めて欲しい。そこが小・中の連携の課題として対応が考えられる部分ではないか。この先、そこまでしっかりと踏み込んだ連携を図っていかないと、同じ傾向が続くのではないか。義務教育課が中心となって、全県の先生にも意識してもらう取組を行って欲しい。働き方改革も意識しながら。
(益田委員)
先ほど公開授業について、総合教育センターの特別研修と一体的に取り扱っているという話があった。まさに教員の職能成長にとって、とても大事な観点だと思う。ぜひ見に行きたい。
(笠原教育長)
日程が固まったら協力をお願いしたい。
組み立て体操については、他県で大きな事故があったことを受けて、全国的に見直しの動きがある中で、本県も危険度の高いタワーやピラミッドについて、安全を考慮した内容に改善が図られてきていると考えている。残念ながら小学校で5件の事故が発生していることも事実である。県教育委員会としては、達成感などの教育的な効果もあるので、一律に禁止にすることは考えていない。各学校において安全性を考えながら取り組んでいただきたい。
それでは、教育長事務報告は以上とする。
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
管理課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時25分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。