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令和2年11月20日(金曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、武居朋子委員、益田裕充委員、竹内健委員、平田郁美委員
加藤隆志教育次長、村山義久教育次長(指導担当)、服部裕管理課長、鈴木佳子学校人事課長、栗本郁夫義務教育課長、小林智宏高校教育課長、町田英之特別支援教育課長、内田善規生涯学習課長、矢島貢健康体育課長、上原克之総務課長、長谷康夫総務課次長、齊藤克博総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課主幹
午前10時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名であることを報告。
笠原教育長が、代田委員から欠席の届出があったことを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に益田委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第39号議案及び第40号議案は議会に提出する案件であるため、第41号議案及び第42号議案は教育委員会の表彰に関する案件であるため審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
まず、私から報告する。県内市町村の教育長が出席する県市町村教育長協議会を11月10日(火曜日)に開催した。開催は今年度2目となる。前回はオンラインのWEB会議で開催したが、今回は座席の間隔を十分にあけるなどの感染症対策をとった上で、参集しての開催とした。
会議では、「ICT教育の推進」や「SNSを活用した相談体制構築に向けた調査研究事業」について協議した。市町村の教育長からは「子供たちに身近なSNSを活用する形での相談窓口があるのはありがたい。」などの意見をいただいた。
また、「第2期教育大綱骨子(案)」、「外国人の子供等の就学に関する検討会」等について報告し、情報共有を図った。
県では、行財政改革の一環として「県有施設のあり方見直し」について、総務部を中心に取り組んでいるが、第3回前期の行財政改革特別委員会において中間報告があった。教育委員会関係では、県立図書館と妙義青少年自然の家が対象施設とされており、県立図書館については「必要な施設であるが市立図書館とのサービスの重複は解消すべき」とされ、「再整備を検討」との方向性が示されたところである。一方、「妙義青少年自然の家」については「多額の改修費用をかけてまで維持する必要性は低い」とされ、「施設の廃止を検討」との方向性が示された。
今後、県議会の議論を踏まえ、施設の立地自治体等との協議を行いながら、さらに内容の検討を行い、2月に最終報告を行う予定とのことである。
次に、群馬県いじめ問題等対策委員会で調査審議の状況について報告する。前回の教育委員会会議以降、第21回目の委員会が10月29日に、第22回目の委員会が11月16日に開催された。委員会では、最終報告書の取りまとめに向けて、引き続き事実関係の検証作業等が行われたと報告を受けている。県教育委員会として、委員会の最終報告書の取りまとめが円滑に行われるよう、全面的に協力したいと考えている。
次に、前回の教育委員会会議以降の主な行事について報告する。
10月30日に、館林高等特別支援学校創立10周年記念式典が開催され、益田委員が出席した。
11月6日には、教育委員による学校訪問を実施し、群馬大学共同教育学部附属中学校及び小学校を訪問した。訪問には私と事務局の指導主事も同行した。両校では、ICTを活用した学校運営等や、教員の働き方改革として両校で導入されている変形労働時間制について取組状況の説明を受けるとともに、ICTを活用した授業を視察した。
私からの報告は以上である。委員から報告があれば発言をお願いしたい。
(武居委員)
群馬大学附属小学校及び附属中学校を訪問した。新型コロナウイルス感染症の対応で大変な中、授業を視察させていただけたことに感謝を申し上げたい。私たちにとっても久しぶりの学校訪問だった。コロナの中で子どもたちがどう過ごしているのか心配していたが、マスクをしながらでも、以前と変わらず、明るく元気に活動していたので、とても安心した。
両校では、ロイロノートというアプリを使った授業を視察させてもらった。中学校では道徳、理科、数学、小学校では理科と算数の授業だったが、一人一人の回答や考えが瞬時に共有できる、あの使い方は非常に可能性があると感じた。授業力のある先生方が上手く使いこなすことで、より効果的な使い方も出てくるだろうと思った。
また、両校では、この半年の間にICT教育が飛躍したという話だった。以前は他校とそれほど変わらない状況だったそうだが、コロナの影響もあり、研修も十分にできない、組織づくりもきちんと組み立てる余裕がない、そうした中でも大きく飛躍していた。
その理由は、今、ICT教育を推進しなければ子どもたちの学びを続けられなくなってしまうという危機感と、その思いを先生方が共有できたことにあるそうである。職員一人一人の意識の持ち方が大事なのだなと思った。
課題は、見せていただいた授業でも、途中、アプリが止まってしまう場面があったので、やはり動作環境が十分でないと使いこなすのは難しい点だと思う。また、さまざまなタブレット教材が必要になるので、計画的に導入したとしても、やはりコスト面は大きな課題になるだろうと思った。
変形労働時間制の話も聞いたが、いろいろな課題が指摘されている制度である。附属小学校から「ゼロ勤務日を設けることができるようになった」という話があり、その日は日直も置かず、職員が一斉に休むそうである。これはある意味、教員が強制的に休む状況を意識的に作ることになる。仕事の多い先生は大変かもしれないが、周囲に気兼ねなく休むことができる。休むことができれば、体も休まる。仕事は常にたくさんあるので、思い切って休まざるを得ない日を作ってしまうことも工夫の一つだと思った。
(益田委員)
館林高等特別支援学校創立10周年記念式典に出席してきた。歴代校長やPTA関係者の皆様も参列される中、厳粛で大変すばらしい式典であったことを報告する。私の隣には同窓会長が座られていたが、創立10周年なのでまだ20代の若い方だった。式典の後に声をかけたところ「僕が今いるのはこの学校があるからです。」と答えが返ってきた。私はその言葉に大変感動した。改めて、同校の教職員が一貫して学校教育に取り組んできた証だと思った。
群馬大学共同教育学部附属小学校及び附属中学校については、教育長をはじめ、各委員に訪問いただいたことに御礼を申し上げる。御教示いただいたことを励みにして、今後も学校教育を発展させていきたい。両校のICTの活用が、今後、県全体のICT教育の推進に、少しでも役に立てることを願っている。
(平田委員)
群馬大学附属小学校、附属中学校の訪問について、両委員の発言に付け加えるならば、学校の雰囲気がとても明るいことが印象的だったことである。ICTを活用した授業を視察したが、子どもたちが生き生きとしていた。先生たちは「子どもたちはあっと言う間に機器を使いこなすので全く心配いらない。」と話していた。子どもたちの生き生きとした姿に後押しされるように、先生たちもまた授業をより活性化させようと、さまざまな教科で、さまざまな使い方を工夫しているのだと感じた。
今後の課題は、武居委員からも指摘のあったように、ネットワーク環境が考えられる。今は使えば使うほど弱くなる状況がある。これは学校の中だけではなく、地域のネットワーク環境も大きく関係する問題である。地域のネットワーク環境の強化は、今後より大事になってくると考えている。帰りはとても明るい気持ちになった。両校には訪問する機会をいただき感謝申し上げる。
(笠原教育長)
学校訪問には私も同行した。臨時休業をきっかけに、ゼロからのスタートだったそうだが、子どもたちはICT機器をスムーズに使いこなしていた。教える側の先生たちの指導力をしっかりと発揮させることができれば、ICTを活用した質の高い教育につながると感じた。
次に、各所属長からの報告をお願いする。
管理課長、学生寮上毛学舎の令和3年度の入寮者募集を開始したことについて、資料1により報告。
義務教育課長、外国人の子供等の就学に関する検討会及びワーキンググループの開催結果について、資料2により報告。
高校教育課長、令和3年度公立高等学校入学者選抜全日制課程・フレックス課程後期選抜及び定時制課程選抜における新型コロナウイルス感染症等に係る追検査の実施要項を定め、関係機関に通知したことを資料3により報告。
高校教育課長、令和3年度群馬県立中央中等教育学校入学者選抜において追検査を実施することについて、資料4により報告。
特別支援教育課長、令和3年度群馬県立特別支援学校高等部入学者選抜において追検査を実施することについて、資料5により報告。
総合教育センター所長、 新型コロナウイルス感染症による臨時休業に備え、休業中の補充となる授業動画を作成、配信することについて、資料6による報告。
総合教育センター所長、群馬県ICT活用教育サポートサイトを設置・運用することについて、資料7により報告。
(笠原教育長)
各所属長からの報告は以上である。委員から質問や意見があるか。
(武居委員)
資料6のオンラインサポート授業について質問する。卒業学年である小学校6年と中学校3年の内容を手厚く作成し、12月から配信するとのことで、それはありがたいと思う。ただ、卒業学年は教育内容の指導を、その学年のうちに完結させることになっていたと思う。他の学年と違い持ち越せない。それを考えると、配信時期が1月までというのは短くはないか。もっと先まで伸ばせないのか。きちんと勉強を身につけてから卒業できるようにしてあげたい。1月までとしたことに、何か理由があるのかお聞きしたい。
(総合教育センター所長)
2月、3月までの学習内容を見据えた内容の動画を作成し、1月末までに掲載したい考えである。
(武居委員)
チラシの説明は掲載する時期のことで、6年と3年の掲載を1月までで終了し、2月から他の学年の動画に切り替えるという意味ではないということか。掲載は1月以降も続くということか。
(総合教育センター所長)
9月から3月末までの学習内容について、まず小学校6年生と中学校3年生の分を入試の前に配信しようとするものである。予習的な内容になるものも出てきてしまうが、まず先取りしてという形で考えている。
(武居委員)
配信が1月で終わるという意味と取り違えていた。
(総合教育センター所長)
掲載を続け、卒業までカバーする。
(平田委員)
「配信時期」は、確かに止まってしまうイメージがある。同じように誤解する保護者がいるかもしれない。チラシの表現を少し工夫した方がよいのではないか。
(笠原教育長)
「配信開始」などか。
(武居委員)
1月で終わると読めなければ良い。自分のように意味を取り違えないようにしてあげてほしい。
(総合教育センター所長)
承知した。
(益田委員)
この件だけでなく、総合教育センター及び義務教育課、その他関係課では、4月以降たくさんのコンテンツの作成に尽力してくれた。そのコンテンツを発展させていってほしい。新しく注ぎ足していくのもよいが、これまでに作ったものがもったいない。何かしらの発展があると、群馬県の子どもたちの教育に資する財産として残していけるのではないか。何かそういう話がでているか。
(総合教育センター所長)
8月にオンライン学習支援サイトを開設し、現在までに3,000件以上のアクセスがあった。その後、いくつか動画を加えてきたが、今後作成する動画も学習に資するものは順次アップしていきたいと考えている。また、新たに開設するサポートサイトについても、義務教育課や高校教育課の協力も得て、モデル校で行っているICT教育の活用事例などもアップし、充実させていきたい。
(義務教育課長)
これまでのオンライン授業動画は、来年度も使用できる内容である。総合教育センターのポータルサイトから見られるようになるので、学校で使用できるようにしたい。また、学校外でも、不登校の子どもの指導などにも生かせると考えている。
(笠原教育長)
はばたく群馬の指導プラン2(数字はローマ数字)と連携させた周知ができれば、活用が広がるのではないか。
(総合教育センター所長)
義務教育課とも連携し、利用者が使いやすくなるよう工夫していきたい。
(笠原教育長)
動画が増えて情報量が多くなると、何をどういう時に使っていいかが分からなくなる。コアの部分は、はばたく群馬の指導プラン2と連動させて参考にしてもらえばわかりやすいのではないか。わかりやすい方が、先生方も実際に使いやすくなるのではないか。
(益田委員)
先ほど義務教育課長から不登校の子どもの指導に生かしたいと話があった。さまざまな事情から長期に欠席している子どもたちの学習支援など、幅広い可能性を秘めていると感じる。ぜひ取り組んでほしい。
(平田委員)
ぜひ広報してほしい。子どもや保護者が、こういうサイトがあるということを知ることができるように、その都度、発信していってほしい。
経済的な理由などから、家庭での学習がなかなか進まない子どももいる。こうしたサイトがあることを知らないとしたら、ものすごくもったいない。しつこいほど発信してほしい。
(総合教育センター所長)
第2弾の開始に合わせて、市町村教育委員会を通して、各学校、各家庭に広く周知したい。1人1台端末は配備された後は、そのタブレット等からQRコードを読み込むことで、サイトに入れるようにしたいとも考えている。
(笠原教育長)
他にないようであれば、教育長事務報告は以上とする。
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
健康体育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明
午前11時2分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。