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令和2年12月18日(金曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、武居朋子委員、益田裕充委員、竹内健委員、代田秋子委員
加藤隆志教育次長、村山義久教育次長(指導担当)、鈴木佳子学校人事課長、小林智宏高校教育課長、上原克之総務課長、長谷康夫総務課次長、齊藤克博総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名であることを報告。
笠原教育長が、平田委員から欠席の届出があったことを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に竹内委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第44号議案は個人情報を含む事案であるため、第45号議案は教育委員会の表彰に関する案件であるため、第46号議案から第48号議案までの3件は教職員の人事に関する事案であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠教育長)
最初に私から報告する。
すでに承知の事と思うが、過日、新型コロナウイルス感染症について、明日12月19日から本県の社会経済活動の再開に向けたガイドラインの警戒度が4に引き上げられることとなった。11月28日に警戒度が3に引き上げられていたが、学校内で大きな感染拡大が起きていないことを踏まえて、分散登校あるいは授業時間の短縮は行ってこなかった。もうすぐ冬休みということもあり、警戒度が4となっても通常登校を継続することとした。今後、学校または地域ごとの感染状況を踏まえて、分散登校や授業短縮、臨時休業とすることも考えられるが、当面の間は通常登校を継続する考えである。ただし、部活動に関しては、終業式までの間は、児童生徒の感染リスクが高まる対外試合等は自粛し、学校内での活動に止めるようお願いした。また、冬休み期間中の部活動は中止するよう求めたいと考えている。ただ、この間には全国大会等の公式試合の開催が予定されている競技もある。こうした大会については、それぞれの主催者が厳格な感染防止対策を実施した上で開催されることや、大会参加が生徒にとっても意義のあることであることから自粛は求めないこととした。関係者は自らも感染防止対策を徹底した上で参加してほしい。こうした対応について、県立については各学校長へ、市町村立学校については各市町村の教育長に対して改めて通知したい。
次に、群馬県いじめ問題等対策委員会について報告する。前回会議以降、11月26日に第23回委員会が開催され、県立高校の生徒死亡事案に係る調査報告書のとりまとめが行われた。大方の作業を終え、これをもって委員会による調査審議は終了した。その後、11月30日に委員長らから調査報告書の答申があったところである。答申の概要については、この後、総務課長から報告するが、指摘を受けた学校及び教育委員会の問題点について重く受け止め、再発防止に向けた提言に対しても真摯に対応したいと考えている。今後、具体的な対応について詳細をまとめ、改めて報告したい。また、調査結果について、答申後すぐ、第三者委員会から御遺族に直接説明を行うことで調整を進めていたが、御遺族から都合が付かない等の理由でこれを断る旨の連絡があった。調査報告書の郵送を希望されたため、同日、郵送でお送りすると共に、改めて日程調整を申し出たが、これに対しても説明の希望なしと回答があったとのことである。このため、調査結果のマスコミ等への公表については、御遺族への了解をいただけていないことから、現状では行わないこととした。
なお、この後、議案として審議いただく予定だが、知事への報告を臨時代理により12月15日に行った。報告の際には、御遺族の調査報告書に関する御意見を添えることができるとされているが、御遺族からは、知事の附属機関による再調査を求めることを検討している旨の意見の提出があったことから、これを付して報告したところである。今後は、知事が再調査の実施の有無について判断することになることから、県教育委員会としても、その状況を注視したいと考えている。
次に、令和2年第3回後期定例県議会について報告する。令和2年第3回後期定例県議会が12月15日に閉会した。一般質問では、「学校におけるハラスメント対策」、「ヤングケアラーに対する支援」、「日本語指導が必要な生徒への支援」、「不登校の児童生徒への支援の状況」、「少人数学級について」、「教育現場でのオリヒメの導入」、「若者の政治への関心を高める取組」、「学校の普通教室における3密対策」、「GIGAスクール構想」など、多くのテーマについて質問があった。
また、12月7日の文教警察常任委員会では、付託された議案の審査のほか、「第2期高校教育改革推進計画(案)の概要」、「新型コロナウイルス感染症の学校現場への影響」、「中高生の自転車ヘルメット着用モデル事業の取組」、「押印廃止と手続きのオンライン化」、「第2期群馬県教育大綱(仮称)(素案)」、「県有施設の今後のあり方」など、様々な観点から質疑がなされたところである。
また、教育委員会関連の特別委員会では、行財政改革特別委員会において「県有施設のあり方見直し中間報告に関する決議」があった。教育委員会の関係では、県立図書館について「施設の老朽化による雨漏りや収納庫の不足などの課題が見受けられるので、必要な施設の改修を行うとともに、運営方法について、前橋市及び関係団体等との協議を綿密に行い、県有施設としてのあり方を検討すること。」とされ、妙義青少年自然の家については「関係市町村及び関係団体等との協議を綿密に行い、県有施設としてのあり方を検討すること。」とされたところである。今後、さらなる方向性の検討や関係者等との協議を行い、最終報告を取りまとめる予定とのことである。
最後に、前回の教育委員会会議以降の委員の主な行事についてだが、11月20日には令和2年度第2回総合教育会議が開かれ、各委員が出席し、教育大綱について意見交換を行ったところである。私からの報告は以上である。
次に各所属長からの報告をお願いする。委員には、説明の後、質問等を含めて発言をお願いしたい。
総務課長、群馬県いじめ問題等対策委員会から、平成31年2月1日県立高等学校生徒死亡事案について調査結果の答申があったことを、資料1により報告。
高校教育課長、平成3年3月に県内の国・公・私立中学校及び特別支援学校中学部を卒業する者の進路希望調査の結果について、資料2により報告。
(笠原教育長)
説明は以上である。委員から質問や意見等があれば発言をお願いしたい。
(武居委員)
まず総合教育会議についてだが、今回、印象に残ったのは知事の「これからのキーワードはハイブリットだ。リアルとヴァーチャルを上手く切り替えられるところが生き残っていくと感じている。」という話である。私も教育における体験活動の重要性について常々感じているところだが、今回、知事もそのことに触れ「ヴァーチャルだけでは進まない。」と強調してくれたことをとても心強く感じた。総合教育会議で話し合う以前は、教育大綱は、何か新しいことを始めなければならないものという印象をもっていた。しかし、話合いを重ねる中で、これまで教育界が大事にしてきた個に応じた学びや、コミュニケーションを大切にする協働的な学びを重視した方向性を変えなくても良いのだということがわかった。むしろ、デジタルを取り入れることにより、なかなか進まなかった個に応じた学びや協働的な学びが、加速して進もうとしているのだと分かった。これからは、学校、地域、家庭に対して、そのことを丁寧に説明していくことが大事ではないかと思う。
次に、生徒死亡事案の調査結果についてである。生徒の尊い命が失われてしまった事実は非常に重たいことだと感じている。調査結果を見たが、振り返って見ると、生徒は自死に至るまでにたくさんのサインを発していたことが読み取れた。しかし、残念なことに、周囲がそれを危険信号として受け止められなかった。受け止められる状況が周囲にはなかった。それが自死という重大な事態を招いてしまったのではないかと思った。再発防止に向けて提言をいただいたが、これは本当にそのとおりだと思う。人の命はかけがえのないものであるという強い気持ちが、教育委員会にも、学校にも必要であるし、生徒たち自身や家庭にも必要である。共通の意識として、守るという強い気持ちがなければ実効性のある対策にはなり得ないのではないか。提言には、徹底、深める、実質的、実行可能なといった言葉がでてくるが、この通り確実に実行することが求められていると思う。
(益田委員)
総合教育会議では、知事の話している始動人の育成について、どんなことをしていけばよいのか、教育大綱の中でより具体化することができた。よい話合いができたと受け止めている。
次に、先ほどいじめ重大事態の調査結果の報告があったが、私も一人の生徒の命が失われたことを大変重く受け止めている。再発防止に向け、教育委員会や学校が、学校のいじめ対策をより一層機能させていかなければいけないと考えている。常日頃から、いじめを始めとする様々な子供の心の問題に寄り添いながら、組織としてどのように行動するべきなのか、具体的な対応や手順を、もう一度考えていかなければならないと思った。
(竹内委員)
総合教育会議の時は、これから1人1台パソコンの時代が来ることを踏まえて、ICT教育の影の部分について指摘した。光の部分である便利さや早さなど良いところは皆分かっているが、これがサイバー犯罪に結び付くと大変怖いことになる。学校や生徒をみんな巻き込んだ犯罪になってくる。そういった影の部分について、いくつかの問題点を提起した。
次に、生徒死亡事案について、いじめそのものは悪いこと、卑怯なことである。またそれだけではなく、いじめる側のプライドのなさや、他人を貶めることによって自己主張する精神的な問題への指導も必要である。いじめの根底には、皆がもっている、生きていくための攻撃本能がある。DNAに刻まれた本能なので、これをなくすことは難しい。いじめる側、いじめられる側、両方の視点から見た問題点をわかりやすく伝えていく必要がある。本件で生徒が亡くなったことはものすごく残念である。大人たちは、問題に気づけなかったことをしっかりと反省しなければならない。
(代田委員)
総合教育会議は欠席になってしまった。内容について報告を受けたが、今後、ICT教育を取り入れることによって、子どもたちの可能性が将来に向かってどんどんつながっていくように感じた。
いじめ事案については、子供に関することは、学校と家族が情報共有をすることが大切だと感じた。今後、この対策に重点的に取り組んでほしい。
(笠原教育長)
未来に無限の可能性を持った生徒が、自ら命を絶ってしまうような事態はあってはならないことである。それが起きてしまった事実を我々もしっかりと受け止めて、今後、何ができるのか、何をしなければならないのかを、学校とも連携しながら教育委員会を挙げて考えていかなければならない。委員からも意見をいただいたが、あの時、こういうことができたのではないかということにならないよう、我々には児童生徒のSOSをしっかりと受け止める力が必要である。また、児童生徒にもSOSを発信する力を備えてもらいたい。そのための取り組みをしっかりと進める必要がある。学校だけで自死を防ぐことは難しい。関係者、特に保護者との連携を深め、これまで以上の協力体制を構築する取り組みを進める必要がある。一人の命が失われてしまったことを重く受け止め、教育委員会としてしっかり取り組んでいきたい。
総合教育会議について、学習指導要領の改定など、教育は大きな転換点にいる。本県でもICTを活用した教育を、特支も含めて、小・中・高で切れ目なく続けていきたいと考えている。それには、今までの指導の仕方を変えていかなければならない。ICTの利点を活用し子どもたちの学びを深めることと、竹内委員からも指摘があったが、ICTを活用した場合のネットリテラシーも大切である。教育大綱の中でも柱立てしているが、これも家庭とも協力しながら進めていく必要がある。こうした新しい取り組みを、県・市町村の教育委員会、学校が一体となって進めたいと考えている。委員にはこれからも様々な観点から意見をいただきたい。
それでは、教育長事務報告は以上とする。
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
ここで、笠原教育長から、これからの審議は教職員の人事等に関する案件である旨の発言があり、関係課長以外の課長は退室した。
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時02分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。