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令和3年4月1日から新しく群馬県教育長に就任しました、平田郁美です。
今年度からの新しい取組として、教育関連情報をLINE等で発信することになりました。
令和の新しい時代において一層のデジタル化が進む中、新型コロナウイルス感染症対策もあり、社会全体でICTの活用が加速しています。群馬県教育委員会においても、これまで紙媒体で発行していた「教育ぐんま」を一度休止し、LINEと群馬県教育委員会ホームページを通じて情報を発信することにしました。デジタル化によるメリットを生かしながら、今後もより一層の工夫を行い、皆さんに群馬県の教育の取組や方向性を分かりやすくお伝えできるよう努めてまいります。
予測困難な時代を生きる子どもたちは、自分の頭で考え、自分で決断し、自分から行動を起こす力を身につけることが求められます。自分の考えで行動すれば、他者と衝突することもあるでしょう。しかし、その中から調整し協力し合う力がつき、そして新しいものが創造されていきます。群馬県では、このような新たな時代を切り拓く「始動人」を育成することを、新たな総合計画の目標としています。学校現場においても、昨年度県内全ての公立学校に整備した一人一台端末を最大限活用し、個別最適な学びと協働的な学びを通して、子どもたちの可能性を高めることが大切です。子どもたちがICT機器を文房具として使いこなし、興味のあることを調べることや、自分のペースで考えて答えを出すこと、自分の考えを表現すること、また遠方にいる人とも協力して課題を解くこと等によって、子どもたちの学びがより主体的に、より深くなっていきます。
私たち教育委員会は、多様な個性を持つ子どもたちを誰一人取り残さない教育を目指し、教職員、保護者や地域の皆さんなどと一体となって、教育イノベーションを推進し、群馬県の新しい教育をつくっていきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。
平成15年度から発行してきた広報紙「教育ぐんま」は、発行を休止し、令和3年度からLINEと群馬県教育委員会ホームページで「教育関連情報」をお知らせすることになりました。
毎月末に群馬県教育委員会施設のイベント情報や教育動画の紹介などの教育関連情報を配信するほか、年3回(4、9、1月末)は群馬県教育委員会や学校の取り組みなどを、特集記事として紹介します。
一人一台端末などのICTを活用し、群馬の環境を生かした群馬ならではの新しい学びを推進し、「始動人」を育成する教育イノベーション事業を実施します。多様な個性を持った子どもたち一人一人の能力や適性に応じた「個別最適な学び」と、多様な人たちと関わりながら課題解決を図る「協働的な学び」により、子どもたちの可能性を高めます。
教育委員会内の情報化計画等を推進するとともに、県内の公立学校における教育のデジタル化をけん引します。
「デジタル教育推進室」と連携し、教育DXを進める学校現場を支援する地域の拠点となります。
全県で地域差や個人差なく、ICTを活用した学びを充実できるよう、子どもたちをきめ細かにサポートします。
ICT教育におけるモデル校(拠点校4校、実践推進校23校、連携協力校2校)の実践研究などの成果を基に、一人一台端末を活用した学びのモデルを構築し、全県へ普及します。
3つのワーキンググループ(共通プラットフォーム活用ワーキンググループ、「新時代の学び」推進ワーキンググループ、業務改善推進ワーキンググループ)を傘下に持ち、小中学校、高等学校、特別支援学校の取組について検討し、方向性を示します。
小学校4校のモデル校でプログラミング教育を実践するほか、小中高生を対象にプログラミングセミナーを開催します。
市町村に対して学習支援ソフトウェア導入経費を一部補助します。
高山小学校でのICTを活用した授業
入出力支援装置等のICT機器を活用することにより、個々の障害の状況に応じた学びの充実を図ります。
教員のICTを活用した指導力向上のため、モデル校における専門家を招へいした研修会の開催、授業研究や実践発表等に取組み、全ての県立特別支援学校へ成果を普及します。
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自分の頭で未来を考え、動き出し、生き抜く力を身に付けた「始動人」を育むため、実社会での問題解決に生かすための教科横断的な教育手法である「STEAM教育」を推進します。さまざまな知識や考え方を総合的に働かせながら、課題を解決する力や新たな価値を生み出す力の育成を目指し、中高生向けのワークショップや高校生サイエンスリーダープログラムなどを実施します。
※STEAM教育とは…Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を取った新しい教育理念。各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための、教科横断的な教育。
吾妻中央高校でのSTEAM教育の授業
群馬県独自に小学校1年から中学校3年の全学年で少人数学級編制を導入し、ICTを活用した新しい学びと感染症対策に対応します。
全教科で少人数での学習環境が整うため、きめ細やかな指導が可能になります。
※これまでも、小学校1年と2年は30人以下、小学校3年と4年は35人以下、中学校1年は35人以下の学級が編制できるように、定数を配置していました。
※新たに、小学校5年と6年、中学校2年と3年が対象になりました。
学校区分 | 対象 | 群馬県独自の学級人数 | (参考) 国で定める学級人数 |
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小学校 | 1年生 | 30人以下 | 35人以下 |
2年生 | 30人以下 | 35人以下 | |
3・4年生 | 35人以下 | 40人以下 | |
5・6年生 | 35人以下 | 40人以下 | |
中学校 | 1年生 | 35人以下 | 40人以下 |
2・3年生 | 35人以下 | 40人以下 |
(参考)国が義務教育標準法の改正を行い、2025年度までに段階的に公立小学校の1学級当たりの上限人数を35人とする予定ですが、先行して群馬県独自に実施します。
学校の教育相談機能を向上させるための「心の専門家」であるスクールカウンセラーを、県内全ての公立小中学校、県立高等学校等に配置します。また、スクールカウンセラーへの助言、緊急事案への対応に取組むスーパーバイザーを各教育事務所に配置します。
児童生徒の福祉的な支援を充実させるための「福祉の専門家」であるスクールソーシャルワーカーを、3つの教育事務所に配置し、学校や市町村教育委員会の要請に対応します。また、定期的な支援に対応する巡回型のスクールソーシャルワーカーを36中学校区に配置します。
学校現場で発生した諸課題に、学校が法的な視点を踏まえて対応し、児童生徒にとって最適な教育環境を守るため、「法律の専門家」であるスクールロイヤーから助言を受けられる体制を整備します。