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令和3年7月19日(月曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、武居朋子教育長職務代理者、益田裕充委員、竹内健委員、代田秋子委員、沼田翔二朗委員
加藤隆志教育次長、村山義久教育次長(指導担当)、内田善規総務課長、鈴木佳子学校人事課長、栗本郁夫義務教育課長、天野正明高校教育課長、橋憲市健康体育課長、吉澤隆雄総務課次長、齊藤克博総務課補佐(行政係長)、佐俣瑞穂総務課主幹
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に武居委員を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第21号議案は附属機関の委員の任命に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
始めに私から一言申し上げる。
まず新型コロナウイルス感染症に関する学校の対応状況等について報告する。本県では、今月5日(月曜日)から、全県において、県のガイドラインに基づく警戒度が「3」から「2」に引き下げられた。
これによる県立学校の対応については、これまでの対応を継続することとし、変更点はない。登校については、通常登校とする。部活動については、国の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の対象とされている都道府県、その他県外移動を慎重に判断すべきとしている県に所在する学校との練習試合等は、引き続き自粛とするが、それ以外の都道府県及び県内の学校については、宿泊を伴わず、感染防止対策を徹底した上で、練習試合等を実施可としている。また、全国大会につながる大会等についても、感染防止対策を徹底した上で、参加可としている。
次に、県有施設のあり方見直しの対象施設となっている妙義青少年自然の家について報告する。同自然の家については、利用者の減少や施設の老朽化などの課題があった。今年3月の「県有施設のあり方見直し委員会」の最終報告において、今年度末で県有施設としての廃止が示されている。
今回、最終報告書の方向性に基づき、廃止後の施設の利活用について、民間事業者等から広く意見や提案を求めるサウンディング型市場調査を実施することとした。
次に、前回の教育委員会会議以降の主な行事について報告する。
7月15日、全国都道府県教育委員会連合会第1回総会等がオンラインで開催され、私と武居委員が出席した。この会議は、当初、佐賀県で開催予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策のため、オンラインでの開催となった。会議では、「学校教育におけるICTの効果的な活用と教員の資質・能力向上」、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成、採用、研修等の在り方」をテーマに意見交換等がされた。
また、16日には、私と武居委員、益田委員及び沼田委員が、渋川女子高校への学校訪問をおこなった。この後、参加された委員から報告があるが、探究活動の取組等について説明を受けるなど調査研究活動に取り組んでいただいた。
続いて、教育委員から報告をお願いする。
(武居委員)
私は7月15日の全国都道府県教育委員会連合会第1回総会等に参加させていただいた。テーマは、先程教育長からも話があった通り「学校教育におけるICTの効果的な活用と教員の資質・能力の向上」である。
まず、内閣参事官から「教育再生実行会議第12次提言概要『ポストコロナ期における新たな学びの在り方について』」について行政説明があった。
続いて、文部科学省の方から、「学校教育におけるICTの効果的な活用と教員の資質・能力の向上」についての行政説明と「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」の概要について情報提供があった。
各県からいくつか質問が出た中では「地域格差の問題」があった。また、「ICT化が進んだ将来には、建設業などの体を使った職業に就く人材がいなくなるのではないか。」という意見もあり、それについて、文部科学省から「全体のバランスを考えながら進めていく。」という回答があった。
また、全国都道府県教育委員会連合会会長から、中教審の動きとして、教員免許更新制の話があった。教員免許更新制については、廃止という方法も排除せず、都道府県、市町村が困らないように段取りを固めていくという話であった。
総会の後に分科会があり、各県の現状の課題等について話し合った。テーマは「学校教育におけるICTの効果的な活用と教員の資質・能力の向上」と「『令和の日本型学校教育』を担う教員の養成、採用、研修等の在り方」である。私の方から群馬県の現状と課題について、他県の皆さんにお伝えした。
他県の情報で印象に残ったことは、へき地・小規模校教育研究センターを設けているという話や、遠隔事業の研究を始めているという県、教育センター内に遠隔授業配信センターを設けているという県もあり、遠隔授業に積極的に取り組んでいる自治体が増えてきていると感じた。
教員の採用については、既に採用倍率が2倍に満たないという県もあり、一層深刻になっていると感じた。教職の魅力アップのための方策がいろいろ出されたが、具体的には難しいところであると感じた。そのような中、「『みんなで教員になろうキャンペーン』をやりませんか。」と呼びかける県もあった。群馬県も動画配信を考えていることを事前レクでお話しいただいたが、まずはできるところから始めることが大切だと思った。
翌日16日に、渋川女子高校を訪問した。学期末の非常に忙しい中、快く対応してくださり、本当に感謝している。生徒が、孔雀の鳴き声をBGMにして、落ち着いた雰囲気の中で真剣に学んでいた。探究活動について学ばせていただいたが、生徒の自己有用感が高まるとても素晴らしい実践だと思った。
詳しくは、他の委員からも報告があると思うが、学びの本質を見せていただいた感があり、非常に参考になった。
(益田委員)
私も他の委員と一緒に渋川女子高校を訪問させていただいた。武居委員の方からも話があった通り、学期末の御多用のところを公開してくださり、心から感謝している。
渋川女子高校はSSHなどの指定校ではないが、若い先生方が中心となって探究活動に取り組んでおり、その先生方と率直なやりとりができたことが大変な収穫であった。探究という取組を考えることが、学校の組織力を上げることになると改めて感じた。
(沼田委員)
私も渋川女子高校を訪問させていただいた。
三年生の授業を見させていただいたが、生徒が真剣に学びに向かっていたことに感動した。おそらく受験期であるということも一つの原動力にあると思うが、学んでいくことに対して喜びを感じたり、自分の頭の中で考えながら学んでいたりする姿勢が見られた。
また、渋川女子高校がこの5年間で取り組んでいる探究活動について、若手の先生から話を伺った。その中で、探究活動と教科の接続がなかなかうまくいかないという課題が挙げられていた。おそらく、これは渋川女子高校に限った話ではなく、県全体でも、探究活動と教科がVS(バーサス)になっている話はあると思う。
教育行政として指し示していかなければならないのは、その学校はどういう力を育んでいく学校なのかというように、各学校に、育てたい資質能力を言語化していく営みを推進していくように取り組むことではないか。それによって、探究活動は育てたい資質能力のこの部分に関わっていて、教科の学習はこの部分に関わっているというやりとりが生まれていく土壌をサポートしていくことが、教育行政に必要なのではないかということを感じた。
そもそも学ぶということは、みずから考え、みずから発見するというところに立ち返ると、探究活動であっても教科の学習であっても一緒の学びであるので、教職員も私たちも、目線を合わせていく必要があると感じた。
(平田教育長)
お忙しい中、連合会総会に御出席いただいた武居委員、また、渋川女子高校の学校訪問に御参加いただき、大変積極的な意見交換をしていただいた皆様に心より御礼を申し上げる。
続いて、各所属長から順次報告をお願いする。
学校人事課長、7月11日に行われた公立学校教員第1次選考試験の実施状況及び感染症対策について、資料1により報告。
別紙 教育相談体制充実に向けたリーフレット(PDFファイル:2.41MB)
義務教育課長、教育相談体制充実に向けたリーフレットの配布について、資料2により報告。
健康体育課長、令和3年度第56回群馬県中学校総合体育大会の実施について、資料3により報告。
健康体育課長、本県において開催される関東中学校体育大会及び全国中学校体育大会について、資料4により報告。
(平田教育長)
ただいまの報告について、委員から質問等があるか。
(武居委員)
資料2のリーフレットであるが、とても良いものができたと思う。表紙に書いてあるような、いじめ、不登校、虐待等については、学校で見つけることができるものだと思う。見つけられても対応しないでいると、どんどん進んでしまったということも、今までもあったのではないかと思う。このリーフレットを見れば、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーや関係機関と、いち早く繋がれるようにしているということがわかる。
また、コーディネーター役の教員の役割が非常に重要になってくる。先生方も、誰かに相談するときには話しやすい人に話すと思うので、しっかりと学校の中で位置づけてもらいたい。
このような体制が早く実現することを願っている。
(益田委員)
私も武居委員と同じように、良いリーフレットを作ってくださったと思った。
学校の様々な問題は、校内だけではなく校外の方も交えながら、しっかりと話し合っていくことが重要であることは、既に共有されていると思うが、リーフレットを配ると同時に、様々な研修の中で定着させていく必要があると思う。
次に、資料1の教員採用試験について伺いたい。第2次試験が8月25日から9月6日まで実施されるが、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んでいる中、特に若い女性には、2回目の接種後に副反応が出現しやすいという話がある。そういった方に対する配慮について、どのようなことを考えているか。
(学校人事課長)
ワクチン接種後に副反応が出た場合は、接種したことがわかるものを出していただくなどして配慮する。
(平田教育長)
先日、全国都道府県教育委員会連合会第1回総会に武居委員と出席させていただいたが、他県は、採用試験の倍率が2倍に満たないところもあり、深刻な状況が伝わってきた。本県は4倍以上あるので、他県に比べれば、今はそれほど深刻ではない。
ただ、やはり子どもは減っていく時代であるので、今後厳しくなっていくことが予想できる。群馬大学様はじめ、県内の様々な機関とよく連携をしたい。とにかく「教育は人なり」であるので、大事に取り組まなければいけないと心得ている。委員の皆様方も御協力の程よろしくお願いする。
(代田委員)
資料2のリーフレットについては、私もとても良いと思う。ケース会議を開き、校内、校外で情報共有をすることで、子どものことをいろいろな機関に知ってもらい、すぐに対応してもらえるのがとても良いことだと思う。中心となるコーディネーター役の方に今後期待したい。
次に、資料3の中学校総合体育大会についてである。保護者間でも大会が実施されるのか不安な声が多かったが、実施されることに安堵している。この大会で進路を決める子どもたちが多くいると思うので、今までの練習の成果を発揮してもらいたい。私自身も応援したい。
(平田教育長)
教育相談体制については、コーディネーター役がとても大事になる。今まではスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが、学校のどの方と連携をとっていけばいいのか見えにくいということがあり、その意見を拾って、この体制ができたと聞いている。義務教育課長からもう少し説明をお願いしたい。
(義務教育課長)
今おっしゃった通り、この体制を作るにはコーディネーター役の教員が非常に大事になっている。コーディネーター役がうまく機能しているか、その方がある程度動けるような体制になっているかも含めて、各学校に改めて見直しをしてもらいたい。
(平田教育長)
私もとてもわかりやすいと思う。図の指し示し方を見ても、コーディネーター役のところが赤くなっていたり、連絡・相談等のやりとりをどのようにしていくかについてもわかるようになっていたりと、とても工夫されている。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの意見をきちんと汲み取って作られていると思う。
(沼田委員)
私も、コーディネーター役の役割が大切であると思う。また、コーディネーター役が自身の役割を発揮するためには、管理職のサポートも大切であると思う。
(平田教育長)
武居委員からのお話では、コーディネーター役の資質能力に関わるところと、沼田委員からはコーディネーター役が力を発揮しやすい学校の組織づくりという点からの意見であった。
義務教育課長、何かあるか。
(義務教育課長)
リーフレットの相談体制チェックの項目に「管理職が把握・助言しているか」という項目を入れた。管理職がしっかり把握することが大事であるので、さらに周知していきたい。
(平田教育長)
以上で、教育長事務報告を終了する。
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
高校教育課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後1時45分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。