ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 教育委員会 > 令和5年8月教育委員会会議定例会の会議録

本文

令和5年8月教育委員会会議定例会の会議録

更新日:2023年10月4日 印刷ページ表示

1 期日

 令和5年8月21日(月曜日)

2 場所

 県庁24階 教育委員会会議室

3 出席者

 平田郁美教育長、沼田翔二朗委員、河添和子委員、日置英彰委員、小島秀薫委員

4 事務局出席者

 柿沼輝信教育次長、栗本郁夫教育次長(指導担当)、古市功総合教育センター所長、田中俊行総務課長、高林和彦管理課長、下山裕子福利課長、西村琢巳学校人事課長、春田晋義務教育課長、天野正明高校教育課長、近藤千香子特別支援教育課長、松本佳祝生涯学習課長、橋憲市健康体育課長、角田毅弘総務課学びのイノベーション戦略室長、飯嶌幸義務教育課夜間中学準備室長、上原崇臣総務課次長、井澤悟志総務課行政係長、河内皐総務課主事

5 開会

 午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。

 傍聴人は1名、取材者は2名であることを報告。

6 委員の欠席届について

 平田教育長が、代田委員から欠席の届出があったことを報告。

7 会議録署名人の指名

 平田教育長が今回の会議の会議録署名人に日置委員を指名。

8 議案審議等の一部を非公開で行うことについて

 議案審議に先立ち、平田教育長から、第24号議案は教育委員会表彰に関する案件であるため、第25号議案及び第26号議案は人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。

9 傍聴人への資料配付

 傍聴人に対し、以下の資料を配付。

 傍聴人配付資料 (PDF:524KB)

10 教育委員会の行事日程

 教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。

11 教育長事務報告

(平田教育長)

 まず、私から一言申し上げる。

 主な出席行事は、8月4日の地区別教育行政懇談会について、委員の皆様にお忙しいところご参加いただき、感謝申し上げる。「教職員の働き方改革の推進に向けた現状と課題について」をテーマに、東部教育事務所管内の小中学校の校長先生、また、各市町村教育委員会事務局の担当者の皆様に集まっていただき、働き方改革の取組内容や課題などを直接お伺いすることができた。

 特に提言R5については、工夫をした点の一つとして、保護者、地域向けのものを作成したところではあったが、保護者や地域に浸透していないという現状にも気づかされ、県教育委員会としてまだ努力が必要であるということを認識した。今後「提言R6」等を検討するにあたっては、より実効性のあるものとするためにはどのようにしたらよいか、現場の声をお聞きしながら取り組んでいく必要があると思った。

 また、その他の行事では、今年度のいじめ防止フォーラムについて、桐生・みどり地区には河添委員に、高崎地区には沼田委員に、渋川広域圏には小島委員にそれぞれご参加いただいた。

 続いて、本県高校生の活躍についてご報告をする。少し長くなるがお許しいただきたい。

 まず、高校野球について、全国高等学校野球選手権群馬大会において、前橋商業高校が13年ぶりに優勝を果たした。県立高校が甲子園に出場したのは、11年ぶりのことである。試合当日は議会があったため甲子園に行くことができなかったが、知事部局が急遽、県庁32階にてパブリックビューイングを実施してくれたため、教育委員会やスポーツ振興局等の知事部局の方、また市民の方々と一緒に応援をすることができた。惜しくも1回戦で敗退することとなったが、チーム一丸となったプレーに本当に胸が熱くなった。

 次に、7月29日から8月4日まで、全国高等学校総合文化祭が鹿児島県で開催され、総合開会式等に出席をした。文化祭の各部門のうち、自然科学部門の前橋女子高校、マーチングバンド・バトントワリング部門の高崎商科大学附属高校、美術・工芸部門の伊勢崎清明高校、西邑楽高校、高崎経済大学附属高校、明和県央高校、そして新聞部門の前橋女子高校、高崎高校、東京農業大学第二高校など、本県から参加した高校生の演技や展示を視察した。

 そして、会場や出場した高校生たちが泊まっているホテルで、彼らの話を直接聞く機会をいただいた。研究、あるいは作品に対しての思いや、それを作成する経過での彼らの成長といったものについて、彼ら自身が自分の言葉で堂々と話をしていて、こちらもまた胸が熱くなる思いであった。

 なお、自然科学部門のうち地学部門の研究発表で、太田女子高校の理科研究部が、研究テーマ「下総層群から産出したウミシダ骨片化石」で優秀賞を受賞した。そのほかにも、同じく自然科学部門の化学部門として、前橋女子高校の研究テーマ「廃棄チョークを用いた除草剤の開発」で奨励賞、また、小倉百人一首かるた部門では、群馬県チーム(前橋女子高校、高崎女子高校、市立太田高校、中央中等教育学校)がベスト8、そして新聞部門でも、前橋女子高校が奨励賞を受賞した。

 次に、7月22日から本日8月21日まで、全国高等学校総合体育大会が北海道をメイン会場として開催された。これまでに本県の関係では、男子棒高跳びで前橋育英高校の原口選手、そして、女子棒高跳びで前橋育英高校の柳川選手が男女そろって優勝した。それからローリングボート競技の女子シングルスカルで館林女子高校の木部選手が優勝した。また、水泳部門では、女子飛び板飛び込みで高崎健康福祉大学高崎高校の乗松選手が、水泳の800メートル自由形で明和県央高校の青木選手がそれぞれ優勝した。

 次に、8月20日の群馬プログラミングアワードでは、IoT部門で前橋高校の3人チーム「トマールくん」が自動車の事故防止を目的にした開発が最優秀賞となり、全体のMVP・総務大臣賞も受賞した。アプリケーション部門の最優秀賞としては、高崎高校2年生の3人チーム「Englux」が受賞した。誰もが能動的に英語を学べるアプリを開発して、非認知教育に関しても、群馬県とのコラボを彼ら自身が希望しているとのことで、非常に素晴らしい発表であった。ジュニア部門では、前橋市元総社小・中学校の姉妹チーム「しとらす ぴいち」が優勝した。また、当日急遽設けられた宇留賀副知事特別賞では、アプリケーション部門の前橋高校の生徒が受賞した。将棋AIアプリ開発について、技術的に抜きん出たレベルの高い発表であり、特別に副知事賞が出たということである。群馬県の児童生徒たちが本当に素晴らしい活躍をしており、とても嬉しい1日となった。

 次に、群馬県の起業機運醸成事業の一環として、8月17日に「ネツゲンチャレンジャーズピッチ」が開催された。起業家精神を学ぶため、前橋東高校、高崎商業高校、伊勢崎高校、伊勢崎興陽高校、大泉高校の5校から9チームが出場し、素晴らしいプレゼンをしていた。

 最後に、沼田高校、沼田女子高校についてご報告をする。

 7月の教育委員会会議で新高校名を決定したところだが、8月10日に沼田高校と沼田女子高校が両校合同で、それぞれが生徒を募集する最後の学校説明会を開催した。利根沼田地区では、今年度の中学3年生が昨年度より60名弱減っているが、そうした状況の中で、370人以上の生徒と300人以上の保護者が参加し、利根沼田文化会館大ホールがいっぱいになるくらいの盛況ぶりであった。新高校への期待の大きさを感じさせる学校説明会となった。

 両校の生徒も主体的に説明会の準備に関わっており、中学生に両校の良さが伝わるよう、IT技術を使った生徒目線での学校紹介動画を作ったり、当日の演出に工夫を凝らしたり、両校生徒の協働的な取組が進んでいることがうかがえた。

 また、職員も新高校に向けて意識が高まっており、両校一体となってそれぞれの魅力を的確にアピールしていた。その中でも、沼田女子高校の外国人講師とALTの複数配置によるオールイングリッシュ授業の魅力であったり、英検準一級合格者の増加であったり、また英数コースの6割弱の生徒が現役で国公立大学に進学したことなど、中学生が高校生活に夢を持てるよう、工夫したプレゼンテーションが大変印象的であった。

 今後、新制服の発表なども予定されていて、あらゆる面で新高校の魅力を地域の中学生に発信していく予定である。

 私からは以上である。次に教育委員からご意見、ご報告があればお願いしたい。

(沼田委員)

 私は先ほど教育長からご説明のあった8月4日の地区別教育行政懇談会と、高崎市で開催されたいじめ防止フォーラムに参加させていただいた。

 私からはいじめ防止フォーラムについてご報告をしたい。高崎地区のいじめ防止フォーラムでは、小学校、中学校、高校の児童生徒の皆さんが集まって、いじめ防止について様々な議論をしていた。

 今年で参加させていただいたのは3回目で、高崎地区は初めての参加であった。例年素晴らしい意見交換で、それぞれの学校のリーダーとなるような子どもたちが様々な議論をすることで、学校間の垣根を越えて話し合い、さらに自分の学校に戻って、その取組や知見を子どもたち目線で他の児童生徒たちに伝えていくという、いじめ防止の非常に重要な起点になっているのではないかと改めて思った。

 印象に残ったことは、高校生の活躍についてである。本フォーラムは、幹事校の榛名高校の生徒会が運営をしており、隙間時間に榛名高校の生徒の皆さんとお話をさせていただいた。その中で、彼ら自身が榛名高校に入学して本当によかったということを言っていたことが印象的であった。

 榛名高校生徒会は、コロナ禍の時期に入学した今の3年生たちが活動の中心となっていた。その3年生から、榛名高校は地域と連携していて、色々な活躍の場があり、そういったところで自分自身が成長できているという話を訥々と聞かせていただいた。15分程度の話だったのだが、彼らが3年間、榛名高校で成長してきた姿というものを十分にイメージできるような話しぶりで、幹事校の榛名高校の生徒の皆さんの素晴らしさがとても印象に残っている。

(河添委員)

 私も8月4日に地区別教育行政懇談会に参加させていただいたのでご報告したい。

 懇談のテーマは「教職員の働き方改革の推進に向けた現状と課題について」であった。ここにお集まりの皆さんは十分にご存じであると思うが、働き方改革は今最も大切な教育課題の一つである。成長の真っただ中にいる子どもたちと真正面から関わる先生方が、よりよいコンディションで本来の職に取り組める環境を作ること、離職を防ぎ、教師を目指す方を増やすことの両面が重要であると思う。

 提言R5は、私たち教育に携わる者にとって本当に価値のある、群馬県教育委員会の覚悟あるリーダーシップの表明だと感じている。提言R5が出てから半年という早い段階で、現場の校長先生をはじめ、東部教育事務所や市町村教育委員会の担当者の皆様、まさに働き方改革の推進役である皆様と進捗状況や現状と課題を共有し、検討できたことは、とても価値のある機会だったと感じている。

 周知については、先ほど教育長からもお話があったとおり、学校にはほぼ100%周知されている一方、保護者や地域等の関係団体等に対しては、少しPR不足であるような様子がうかがえた。

 また、データや数値以外でも、学校現場や担当者の方の生の声を伺うことができた。例えば、教員の働き方改革への理解を求めているが、保護者や地域から学校への期待や要望は、なかなか変わらないという課題があるとのことであった。また、情報発信は1回ではなく、何度も目や耳に触れることが必要だということで、新たな取組のたびに、提言R5を説明資料の裏面に印刷して配っているというアイデアも知ることができた。

 また、学校現場から直接ではなく、県教委や市町村教委から積極的、直接的に地域等に対して啓発をして欲しいという要望があった。学校内では、すでに多くの働き方改革を実践してきている中で、外部へ協働を促す発信等を学校自らが行うと誤解を生じる場面もあるかもしれないとのことで、可能であれば学校以外の公的機関から、より強い発信をしていただけるとありがたいというお話であった。

 教育長がおっしゃっていたように、県教委として、教育委員会以外の部局や保護者、地域、関係団体への周知啓発を今後も強力に進めていく必要があると改めて感じた。

 また、8月1日には、桐生・みどり地区のいじめ防止フォーラムに初めて参加させていただき、子どもたちが一生懸命に取り組んでいる姿を見ることができた。

 アイスブレイクに時間をかけた分、後半の協議がとてもスムーズで、時間が足りないほど活発な議論となった。子どもたちがまさに自分事化して、いじめに繋がるような言動や、誤解が生まれないためにどうすればよいのかということを考えている様子に、とても頼もしいと感じた。小学校から高校、特別支援学校の生徒まで、子どもたちの年齢はそれぞれ離れているが、互いに思いやり、活動しながら仲良くなっていく様子が見て取れた。

 また、会場では「ありがとう」という言葉が自然な形で、何度も何度も聞こえてきて、笑顔とともに響いていたのが印象的だった。このフォーラムを通して動き出す子どもたちを育み、いじめ防止の活動を広げていくために、多くの事務局の皆様や学校の先生方が準備をしていたことが分かった。こういった活動はまさに教育だと思った。

(日置委員)

 私も8月4日の地区別教育行政懇談会に参加した。河添委員からもお話があったが、学校の中では、学校行事や公文書、会議資料、自由研究会、登下校の見守りなどの縮小や簡略化、それから時間外の電話対応の廃止や会議のICT活用による効率化など、あらゆることについて検討して、ある意味やり尽くした感もあるくらい、努力されているということが分かった。

 一方で、先ほどもお話があったとおり、やはり地域との連携が必要な行事等については、まだ手がつけられていない現状もあるということも分かった。話を聞いていて、「地域の子どもたちが参加する行事なのだから、全面的に学校が協力することは当然だ」というような考え方が、地域等に残っているように感じられた。

 その中で、行事等の見直しや縮小についての話は、地域や保護者に学校から直接言うのは難しいとのことであった。学校が担っていた部分を地域に移行することや、協力の見直しなどに関しては、県教委や市町村教委が具体的にくみ上げて、学校以外のチャンネルから伝えると、実効性ある形で地域との連携についての改革が進んでいくのではないかと感じた。

 加えて、学校での業務の効率化という面では、各教育事務所に配置されている教育DX推進コーディネーターが活躍しているとのことであった。コーディネーターが学校に来て、教職員が情報を共有するための電子掲示板や、アンケートを取った時に必要なデータだけを取り出すマクロの作成など、業務上の悩みを解決してくれて、非常に助かっているというお話を聞けたことは大変有益だったと思う。

(小島委員)

 私も8月4日の地区別教育行政懇談会、それから、8月8日に渋川高校で行われた渋川広域圏のいじめ防止フォーラムの二つの行事に参加させていただいた。

 地区別教育行政懇談会では現場の先生方の声を聞く機会があり、色々とお話を伺っていると、やはり働き方改革を実現するのはなかなか大変だと切々に思った。

 そう思った理由の一つは、先生方の視点が「子ども第一」にあるということである。先生方は子どもたちのために、「自分の時間を削ってでも」というようなスタンスで仕事をされているように思う。これを非難するのは申し訳ない話だが、今の世の中の趨勢は、労働時間を短縮するということになっていて、多くの民間企業はそういう方向で動いている。何としても、学校現場で労働時間短縮を実現させなくてはいけないため、教師として子どもが一番なのは理解できるが、本来は自分が一番だということを先生方に説明し、受け入れてもらうのは大変なことだ。しかし、頑張りたいと思う。

 それから、渋川広域圏のいじめ防止フォーラムについて報告したい。形式や進め方は、ほかの地区と同じだと思うが、小学校、中学校、高校の3段階の児童生徒の皆さんが、一つのグループで議論しているということは印象深かった。なかなかそういう機会もないだろうと思うし、そういう機会があるということ自体が有意義なのだろうと思いながら、話を聞いていた。

 いじめ防止ということに対して、教育委員会全体で、どういう構成で取り組んでいるのかということは、まだ私自身よく把握できていないが、実は学校に限らず、企業でもいじめは存在する。

 例えば、出来が悪いからいじめられるとか、ほかと違うからいじめられるばかりではなく、優秀だからいじめられるということが往々にしてある。どうやっていじめを防止するかという検討は、企業では我々経営者の役割である。その立場からすると、どんなにいじめ防止対策をしても、いじめがゼロになることはなかなか難しいと感じる。

 その前提を加味すると、いじめられた人に対するフォローであったり、打たれ強い人間性の育成であったり、別の観点も必要であるように思う。学校を卒業した後に、就職して企業などの団体に入っても、優秀である、優秀ではないということに関係なく、場合によっては自分がいじめられるという事態に遭遇する可能性がある。そういうことを考えると、強く生きていくために必要なことや、強さを身に付けるためにはどうしたらよいかという学びも必要ではないだろうか。

 教育の現場としては、いじめられた人に対して、「君は正しい」、「君は決して間違っていない」というような、フォローや元気づけの方法を学んだり、自分を守る考え方を実践したりすることも必要かもしれないということを思いながら、いじめ防止フォーラムを聞いていたところである。

(平田教育長)

それぞれの委員からのそれぞれの視点で、大変丁寧に子どもたちや先生方を見ていただき、貴重なご意見をいただいた。本当に感謝したい。

 ほかに委員から意見等があるか。なければ、関係所属長から報告をお願いする。

(1)令和5年度全国学力・学習状況調査について (PDF:525KB)

 義務教育課長、令和5年度全国学力・学習状況調査について​について、資料1により報告。

(2)群馬県フリースクール等支援事業補助金の採択について (PDF:122KB)

 義務教育課長、群馬県フリースクール等支援事業補助金の採択について、資料2により報告。

(平田教育長)

 全国学力・学習状況調査について、今後の取り組みとしては、各教科の目標に迫る授業づくりの一環として、活用していくと思うが、分析としては、平均点よりは分布が大事であると考える。例えば、同じ平均点でも、よくできた子どもと、できなかった子どもが二分している場合と、真ん中くらいの点数の子どもが多く、正規分布となる場合では同じ平均点になる。しかし、それらの意味は全く違う。

 また質問紙についても分析をされるということであった。それらについて、義務教育課からもう少し詳しい話を聞かせていただきたい。

(義務教育課長)

 分布の重要性については、教育長のおっしゃるとおりだと思う。今回ご報告した結果については、あくまで県全体の傾向である。大事なことは、各学校に送付されている結果について、各校がしっかりと見て、分析をしていただくということだと考えている。

 県教委としても、どのようなところを視点としていただきたいかなど、結果を見る際のポイントを絞って、9月の上旬に行う研修会の中でお伝えする予定である。その後、各学校でこの結果をもう一度見ていただきたいと思っている。

 質問紙については、肯定的な回答をしている子どももいれば、当然否定的な回答をしている子どももいるはずであるから、そういったところにもしっかりと目を向けて、今後どんなことが必要なのか、各学校で考えるきっかけを作っていきたい。

 また、秋頃から「授業改善プロジェクト」という形で、各教科の目標に迫る授業づくりをテーマに、県内の21校にご協力いただいて、授業公開等をする予定である。そのことについても、今後周知していきたいと思う。

(日置委員)

 全国学力・学習状況調査の結果を見ると、授業などで自分の考えを発表するアウトプットが全国平均と比べ非常に評価が高く、そのほかにも個人的に調べたところ、道徳での話し合いの状況や、総合的な学習の時間での発表など、考えを深めていくプロセスについては、全国平均よりも非常に高い数値が出ていた。群馬県の子どもたちは、主体的・対話的で深い学びということに関して、非常に良い状態であると思う。

 質問紙調査については、子どもたちの教育に関する項目以外にも、例えば、働き方改革に関連した項目などもある。それを今年から具体的に分析・検討するということは素晴らしい取組であると感じる。

(河添委員)

 全国学力・学習状況調査の結果について、事務局で特徴的な点などをまとめてくださることで、我々教育に携わる者にとって見やすくなっており、ありがたいと思っている。また、せっかくの大規模な調査であるから、結果の様々な部分について、今の状況を捉える本当に貴重な機会だと思う。

 また、今年度新たに質問紙の分析部会を設けていただいたことは、非常にありがたく思う。この調査は、県内の公立小・中学校は100%回答しているということでよろしいか。

(義務教育課長)

 100%回答している。

(河添委員)

 では、学校に在籍している児童生徒数のうち、この調査に回答できたのはどれくらいの割合かお伺いしたい。コロナの影響や、様々な影響で100%とはならないと思う。また、そしてその割合は全国と比べてどうなのか、わかる範囲で教えていただきたい。

(義務教育課長)

 今後詳しく分析をしていかないと、そのデータは出てこないので、現状ではお答えできない。

 今いただいた視点も含め、この後の分析等で、検討させていただきたい。

(小島委員)

 全国学力・学習状況調査の結果について、私は教育委員になってからは初めて見せていただいたが、新聞などの報道で取り上げられているのは、全国平均と比べて高かった、低かったとか、他県と比べてどうだったという内容になっていると思う。

 県民の興味がそういった部分にしかないのか、報道の仕方でそのようになっているのかは分からないが、質問紙調査というものがあることは世の中の人の多くは知らないであろう。これはあまり良いこととは言えないのではないか。報道関係者にも、この報道内容については、考えていただく必要があるかもしれない。

(沼田委員)

 今年度新たに質問紙の分析部会を設けたことについて、その理由をお伺いしたい。どういったお考えで分析を進めようとしているのか。

(義務教育課長)

 一つは、昨年度に報告をさせていただいた際に、河添委員から質問紙の分析も大事だというお話をいただいたということがきっかけである。

 また、県全体として非認知能力の育成の取組を始めているということも理由の一つである。その取組によって、この調査にどのような変化が出ているのか、県教委としては把握をしたいと考えている。

(沼田委員)

 これから質問紙調査を実際に分析するにあたり、例えば「子どもたちが前向きな回答をしているのはなぜなのか」など、結果や傾向から、子どもたちがより成長していくための手だてを見出すために行うという前提があるのか。

(義務教育課長)

 まず、結果についての分析を行い、それに対する改善策や、どういう視点が必要であるか、学校に考えていただきたいこと等も含めた検討を、学力調査と同様に行いたい。

 この全国学力・学習状況調査を行う趣旨は、子どもたちの状況を知るということはもちろん、それをいかに指導に生かすかというところが重要であると考えている。

(沼田委員)

 子どもたちをより良い状態にしていくための方策を見出すという前提には、もうすでに子どもたちが良い状態であるという現状があるのではないだろうか。その現状は、子どもたち同士の関わりや、教師の皆さんがすでに尽力されていることが要因となっている可能性がある。つまり、教育委員会をはじめとした様々な取組の結果、今の子どもたちの良い状態があるという考え方もある。

 そういった相関関係は見つけることがとても難しいと思うが、群馬県の教師の皆さんが取り組んでいることによって、子どもたちに起きている良いところなども併せて、分析の結果等に反映していただけるとありがたい。

(平田教育長)

 なぜうまくいっているのかという視点も含めて、分析をしていくことが必要だというご指摘である。

 ほかに何かあるか。なければ、以上で教育長事務報告を終了する。

12 議案審議

第22号議案 教育委員会の点検・評価について (PDF:3.8MB)

 総務課学びのイノベーション戦略室長、原案について説明

 異議なく原案のとおり決定

第23号議案 令和6年度群馬県立特別支援学校高等部生徒募集定員について (PDF:93KB)

 特別支援教育課長、原案について説明

 異議なく原案のとおり決定

13 議案審議(非公開)

 ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。

第24号議案 令和5年度社会教育功労者群馬県教育委員会表彰について

 生涯学習課長、原案について説明

 異議なく、原案のとおり承認

第25号議案 教職員の人事について

 学校人事課長、原案について説明

 異議なく、原案のとおり承認

第26号議案 教職員の人事について

 学校人事課長、原案について説明

 異議なく、原案のとおり承認

14 教育委員会記者会見資料について

 教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。

15 閉会

 午後2時18分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。


新型コロナウイルス感染症関連情報