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令和7年10月22日(水曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、日置英彰教育長職務代理者、小島秀薫委員、中澤由梨委員、宮坂あつこ委員、都丸千寿子委員
高橋正也教育次長、古市功教育次長(指導担当)、西村琢巳総合教育センター所長、角田毅弘管理課長、酒井隆福利課長、角田義行学校人事課長、佐野美幸義務教育課長、高橋章高校教育課長、池田克弘特別支援教育課長、都丸要生涯学習課長、山田知利健康体育課長、鈴木智行総務課学びのイノベーション戦略室長、箱田陽子生涯学習課社会教育主監、高井俊一総務課次長、代田英敏総務課補佐(行政係長)、高田和樹総務課主幹
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は3名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に宮坂委員を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第44号議案は個人情報に配慮する案件であるため、第45号議案及び第46号議案は教育委員会表彰に関する案件であるため、第47号議案から第49号議案は教職員の人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課次長が説明。
(平田教育長)
私から一言申し上げる。
はじめに、本日は都丸千寿子委員を新たに迎え、初めての定例会議を開催する。
都丸委員は、9月29日に開催された県議会において同意を得て、10月3日に知事から辞令の交付を受けた。
都丸委員には、今後、教育全般において豊富な経験を存分に活かしていただき、率直な意見やご提言を賜りたい。よろしくお願いする。
また、10月5日付で日置委員に、教育長職務代理者として指名させていただいた。よろしくお願いする。
教育委員の皆様には、群馬県の教育行政の一層の推進に向けて、今後ともご協力を賜りたい。
続いて、9月18日に開催された「令和7年第3回前期定例県議会」について報告する。
一般質問では、教員不足の解消に向けた取り組みなど群馬県の教育課題についての質問、また学校における自殺対策、県立学校体育館へのエアコン設置、朝の子どもの居場所づくり、tsukurunサテライト、GIGAスクール構想の現状、外国人児童生徒の教育環境の充実、教員の手話スキル向上への取り組み状況、県立特別支援学校における医療的ケア児の通学支援、戦争の苦難を語り継ぐことついてなどの質問があった。
また、文教警察常任委員会では、県立学校体育館へのエアコン設置、群馬県グローバル人材育成基金条例、1人1台端末による高校生の学習環境、Web出願、県立高校のあり方検討、急きょ教員が退職した時の対応、部活動の地域展開、土日の部活動に対応した教員の手当、教職員のメンタルヘルスケア、教職員の服務規律の確保、自殺リスク評価シートの導入など、様々な質問があった。
なお、前回の教育委員会会議で承認された補正予算と条例議案、さらに動産の取得について、いずれも原案通り可決されたことを報告する。
次に、主な出席行事について報告する。
10月16日には、「第31回群馬県高等学校総合文化祭」の総合開会式に参加した。
この総文祭は、生徒たちが自ら考え、周囲を巻き込み、行事を形にしていく優れた活動であると以前から感じていた。
今回の開会式でも、専門部の皆さんによるステージ発表、生徒実行委員による工夫を凝らした企画があり、生徒主体で先生方が伴走する運営の様子が非常に印象的であった。
また、県立高校のあり方を検討する地区別情報交換会を、10月16日に太田・館林・邑楽地区、そして昨日は伊勢崎・佐波地区で開催した。
この検討については、従来は県教委が「こういった高校にしたい」と案を作成し、地域に説明・了承を求める形であったが、今回は社会の急速な変化や県立高校を取り巻く環境を踏まえ、ゼロベースで地域の皆様とともに未来を切り開く県立高校のあり方を検討する方式へと改めた。
まずは、今回は第一段階として、県立高校の現状と課題について情報共有を行い、地域の皆様から様々なご意見をいただいた。
このような開かれた形での検討が、変化の激しい社会の中で素敵な魅力ある県立高校をつくるのだと実感した。
今後、全8地区において同様の情報交換会を開催する予定である。
現在も県立高校には生徒が在籍しており、1校1校の現状をしっかりと把握し、今の県立高校を輝かしく改善していく必要がある。
生徒にとって最高の学びを提供するために、教員は努力しており、生徒も自分事として様々な課題に取り組んでいる。
県教委としても、今後とも全力で支援していくとともに、5年・10年・15年先を見据えた視点から、異なるベクトルから見た県立高校のあり方を地域の皆様とともに検討していきたい。
教育委員の皆様にも、ぜひご協力をお願いする。
私からは以上である。
次に、各教育委員から報告や意見をお願いする。
(中澤委員)
前回からの活動として、10月16日に甘楽・富岡地区の「いじめ防止フォーラム」にオンラインで参加したので、その報告を行う。
私は今回が2回目の参加であり、1回目は渋川圏域での集合型・対面型フォーラムに参加した。今回は唯一のオンライン形式での参加であり、他のエリアはすべて対面型であったため、その違いを確認する機会となった。
生徒たちは小・中・高の様々な校種から参加しており、画面越しではあるが、学校ごとに代表者が学校での話し合いの結果を発表するなど、対面ではない難しさがある中でも非常によく取り組んでいたと感じた。
自己紹介では、「○○が好きな○○の隣にいる○○です」といった形で行う積み木式自己紹介の方法を取り入れるなど、主催校が工夫を凝らし、画面越しのハンデを補おうと努力していた様子が印象的だった。
今回のフォーラムはオンライン実施の影響で、その場での話し合いというよりも、各学校で事前に話し合った内容を報告する形式であったように思う。小学生は小学生なりに、中学生は中学生なりに、高校生は高校生なりに、それぞれの視点で考え、司会の高校生が「これはどうですか?」と問いかけながら進行していた。各校の取り組みがよく伝わってきた。
一方で、通信状況が不安定で、一時的に接続できない学校があるなど、音声トラブルも見られた。そうした中でも生徒たちは懸命に参加しており、いじめへの取り組みについて、各学校が「こういう活動をしている」、「こういう特色を作って取り組んでいる」と報告をしてくれていた。ある小学校では、全校の人数が少ないため、こうした交流が非常に良い機会だったと述べていた。また、他の学校でも「他校の上級生と話す機会がないので、上級生の考えていることを知る貴重な体験だった」との声があり、交流の機会自体が生徒たちにとって大きな刺激となっていることを実感した。
このフォーラムは年に一度、各エリアで開催される重要な機会である。「他校との交流が嬉しい、大事な機会だ」と言っている生徒もおり、今後、オンラインと対面についてどのような形式で行いどんな場にするかについて、県域でも検討を重ねていただきたい。子どもたちの意見を尊重しながら、より良い開催方法を検討していただければと感じた。
(宮坂委員)
10月15日に、邑楽・館林地区のいじめ防止フォーラムに参加したので、その報告を行う。
会場は館林商工高等学校で、対面形式で開催された。
私は、今回が初めてのいじめ防止フォーラムへの参加であった。小学生から高校生、特別支援学校の生徒、さらには外国籍の生徒も含め、各校の生徒会を中心に代表34名が集まり、5人ずつの班に分かれて話し合いを行っていた。
保護者や引率の先生方も一堂に会し、体育館での開催となったが、会場全体が非常に温かい雰囲気に包まれており、発言しやすい場づくりがされていたことが印象的だった。これは、主催校の生徒たちが中心となってファシリテーションを行い、参加者の声を引き出そうと努力していた成果だと感じた。
小学生から高校生までが混在する班もあり、あるチームでは「みんな10歳」という設定で話し合いを進めるなど、年齢差を乗り越える工夫も見られた。
また、保護者と先生方によるミーティングも最初から非常に盛り上がっていたようで、私は直接その様子を拝見することはできなかったが、先生方が驚くほどの熱気だったと聞いている。
今回のフォーラムでは、特別支援学校や外国籍の生徒も含め、活発な意見交換が行われていた。特に印象的だったのは、小学校6年生の女子生徒が、閉会後に校長先生のもとへ駆け寄り、「ここにいる皆さんに伝えたいことがあります」と話した場面である。
彼女は「ウェルビーイング」と「エージェンシー」という言葉を参加者に伝えたいと、自らマイクを取り、堂々と発言していた。彼女はすでに教育センターでの研修にも参加しているなど、中高生も驚く意識の高さだった。
もう一つ、個人的な出来事として、ある学校の保護者として参加していた女性が、私の高校時代の部活動の後輩であることが判明し、30年ぶりに再会するという嬉しいハプニングもあった。
彼女に今回のフォーラムについて保護者としてどうか尋ねたところ、「いじめの定義が昔と変わってきている。今は、相手が傷ついた時点でいじめと認定されることに驚いた」と語っていた。また、「今の子どもたちはとても気を使って生きているように感じる。親として何ができるかを考えさせられた」とも話していた。
さらに、PTA会長が自身のいじめ経験を語り、「いつでも身近な人に頼ってほしい」というメッセージを発信していたことも印象的だった。
このフォーラムは、まさに「神回」と言えるほど素晴らしい内容であり、対面で行うことの意義を改めて実感した。
私自身も、2つの嬉しいハプニングを通じて、偶然から生まれる幸せ(セレンディピティ)を感じることができた。
小学生から高校生までがそれぞれの立場で発信し合う、貴重な交流の場となったフォーラムであった。
(平田教育長)
いじめ防止フォーラム、特にその中心となった高校生たちは、本当に頑張っていたと思う。
今、お二人の委員の話を高校生が聞いたら、きっと喜ぶだろう。参加してくれた子どもたちにとって嬉しいものであり、陰に日向に伴走してくれた先生方、義務教育課にとっても励みになる。
都丸委員からは何かあるか。
(都丸委員)
10月9日に群馬大学共同教育学部附属中学校の公開研究会に参加した。
短い時間ではあったが、「未来創造科」のワークショップに参加した。
「未来創造科」とは、一般の学校でいう総合的な学習の時間にあたるが、非常に先進的な取り組みが行われていた。
総合的な学習や生活科では、教科横断的な学びが理想とされるが、実際にはなかなか実現が難しい。
しかし、附属中学校では「未来創造科クロスマップ」というツールを作成・活用し、生徒自身が各教科の学びを未来創造科に結びつけて取り組んでおり、大変意欲的な活動の様子が見られた。
また、学習のガイドブックも作成されており、非常に実用的で素晴らしい内容であると感じた。
先生方も生徒たちも、真剣に取り組んでおり、大きな刺激を受けて帰ってきた。
講演会では、田熊美保先生の話を伺った。
「今、求められる教育とは何か」、「教師像とはどのようなものか」といったテーマでの講演は非常に深く、時間があっという間に過ぎるほど素晴らしい内容だった。
ただ聞くだけの講演ではなく、参加型の機会もあり、「2040年の自分」を描くという体験を通して、自分ごととして未来を考える機会となった。
その中で、特に印象に残った言葉がある。
「早く行きたければ一人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」
まさに、これからの教育において大切にすべき考え方だと感じながら、講演を聴いていた。
大変有意義な時間を過ごすことができた。
(平田教育長)
先ほどの言葉は、アフリカのことわざだったかと思うが、田熊先生のお話をご紹介いただき、感謝する。
群馬大学では本当に優れた様々な取り組みが行われている。今後も情報交換をさせていただきながら、学ばせていただきたいと考えている。
では続いて、関係所属長から報告をお願いする。
質問はすべての報告が終了した後、一括して行う。
総務課次長・管理課長・生涯学習課長、資料1 (PDF:9.11MB)により報告。
学校人事課長、資料2 (PDF:158KB)により報告。
義務教育課長、資料3 (PDF:396KB)により報告。
高校教育課長、資料4 (PDF:676KB)により報告。
高校教育課長、資料5 (PDF:438KB)により報告。
特別支援教育課長、資料6 (PDF:306KB)により報告。
生涯学習課長、資料7 (PDF:192KB)により報告。
(平田教育長)
ただいまの報告について、委員から意見や質問があるか。
(日置委員)
教員採用試験の結果について、教えてほしい。
昨年度から制度が始まり、今年度は初めて大学3年生通過者が受験したということになっている。
合格者は100名で、昨年度の通過者は173名だった。
知りたいのは、大学生の対象受験者がどれだけ実際に受験しているかという点だ。
100名の合格者のうち、大学3年生として通過した人がどれくらい受験しているのか。
昨年度、大学3年生で群馬県の教員採用試験を受け、一次試験を通過した人が173名いたが、そのうち何人が実際に最終試験まで受験したのか。
教育実習を経験して進路を変更した学生もいるのではないか。
私の研究室の学生は、3年生対象選考では他県を志望して通過したが,群馬県での教育実習を経て最終的に群馬県で受験することを決めた。
そうした背景も含めて、実際の受験者数について教えてほしい。
(学校人事課長)
大学3年生等通過者のうち、出願者は149名だった。
(日置委員)
つまり、約20名は受験しなかったということか。
今年は、大学3年生の受験者数が260人から370人へと増加した。この増加について、どのように分析すべきか。
3年生の受験者が増えた要因について、何が考えられるのか。
(学校人事課長)
大学3年生から受けられるという制度の周知が進んだことが、受験者数増加の主な要因であると考える。
(日置委員)
県外から、大学3年生対象選考を受験した者が、逆に受けなかったかどうかについては、現時点では把握できないか。
(学校人事課長)
その点については、まだ分析できていない。分析後、改めて報告する。
(中澤委員)
特別支援学校の作業製品を見せていただき、感謝する。
非常に品質がよく、手間がかけられており、多くの人に知ってもらいたいと感じた。
以前も話題に出たかもしれないが、「タグ」の扱いについて確認したい。
現在は紙製のタグが商品に添付されている形式だが、今後もこの方法を継続する予定なのか。
例えば、バッグの中のポケットなどにタグを縫い付けることで、タグが外れてしまっても商品の由来がわかるようになる。
そうした方法を採用すれば、商品とタグが一体化し、より分かりやすく、商品価値も高まるのではないかと感じた。
この点について、今後の検討予定などがあれば教えていただきたい。
(特別支援教育課長)
本製品については、製品が完成した後に審査を経て、決定を受けてから製造を開始するという流れとなっている。
今回いただいたご意見についても含めて、今後の検討事項としていきたいと考える。
(平田教育長)
紙製のタグは、外れやすい印象があり、取れてしまうと非常にもったいないと感じる。
生徒たちがこの点についてどう感じるかは非常に重要であるので、その意見も踏まえた上で、今後の対応についてご検討いただけるとありがたい。
(特別支援教育課長)
本製品は、様々な素材を使用しているため、そうした点からもタグが外れやすい印象を持たれる可能性がある。
特に、小さな皮製品や紐状のものについては、タグの取り付け方法に工夫が必要であると感じている。
今回のご意見を踏まえ、様々な方法を検討していきたい。
(宮坂委員)
私もこのロゴマーク付与製品に関して、意見がある。
審査について、もっと外部の方を加えることはできないだろうか。
現在は、生徒と職員による一次審査が行われ、その後、弁理士など外部の専門家による二次審査が行われているようだが、一次審査の段階から、外部の視点を取り入れることも検討してよいのではないかと感じる。
これが社会との架け橋となることにあるのであれば、より一般的な視点を加えることで、審査の質や広がりが高まるのではないか。
もちろん、生徒たちが協議の中で「良い」と思ったものを選び、それを外部の方に見てもらうという流れも大切だが、一次審査の段階で外部の目を入れることで、より客観的で社会的な評価が可能になるのではないかと思う。
一次審査から外部の専門家を加えるか、あるいは二次審査でより多様な外部関係者を加えるか、どちらの方法でもよいと思うが、今後の審査体制のあり方として検討していただけるとありがたい。
(特別支援教育課長)
一次審査については、今年は特に「子どもたちを主体に選んでもらいたい」という私たちの願いがあり、このような体制を取っている。
二次審査では、弁理士などの専門家にも加わっていただき、専門的な見地から選定を進めている。
ご指摘いただいた内容については、今後の運営に活かしていきたいと考えている。
まだ2回目の開催であり、試行錯誤を重ねている段階であるため、今後の検討課題として受け止め、改善に努めていきたい。
(宮坂委員)
デザイナーなどの専門的な視点が加わることで、また違った見方や価値が生まれるのではないかと感じている。
そうした視点が入ることで、製品の魅力がさらに向上し、磨かれていく可能性があるのではないか。
(特別支援教育課長)
弁理士が審査に加わっているのは、デザイン的な比較や知的財産の観点から助言をいただくためである。
今回の審査では、弁理士協会から推薦を受けた弁理士の方にご協力いただいている。
(平田教育長)
貴重な意見に感謝する。
以上で教育長事務報告を終了する。
福利課長、 第43号議案原案 (PDF:182KB)について説明
異議なく、原案のとおり決定
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課次長、第44号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
総務課次長、第45号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
生涯学習課社会教育主監、第46号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、第47号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、第48号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、第49号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課次長が説明。
午後2時26分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。