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江戸に幕府が置かれ、政治の中心地となった江戸時代。将軍の御膝元であった関八州は、江戸の影響を大きく受けた地域でした。当館では、遠く離れた江戸が身近に感じる様々な史料を収蔵しています。
今回のテーマ展示は、「収蔵史料でたどる江戸と上州のつながり~上州に吹いた江戸の風~」というテーマで開催いたします。
参勤交代など、武士や庶民が江戸に行き来する国家・社会の在り方は、上州の人々の暮らしに江戸の風を吹かせていきます。私たちに伝えられた史料から、江戸の文化や知識とつながる上州の人々の営みに、心を寄せてみてください。
展示史料一覧※史料表題欄にリンクのない史料は、後日順次公開します。(一部リンクなし)
番号 | 表題 | 和暦年 | 文書群・ 簿冊名等 |
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1 | 岐蘓路安見絵図 | 宝暦6年 | 土屋喜英家文書 | P1103 | 429 | 横帳形式の道中ガイドブック。江戸日本橋を起点に、中山道から木曽路に至るまでの宿場や道筋が描かれている。 |
2 | 烏川・利根川其筋絵図 坂東太郎川筋一覧 | 嘉永7年 | 富澤久幸家文書 | P0905 | 2718 | 倉賀野河岸(現高崎市)から中川番所(現東京都江東区)までの烏川・利根川沿いの河岸名、河岸問屋名、関所・番所、渡船場、用水、川を横切る街道、社寺等が描かれた絵図。 |
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3 | 長禄江戸図 (PDF:441KB) | 文政元年写 | 石井忠樹家文書 | P01102 | 21 | 太田道灌時代の江戸城・江戸を後世に至って描いたもの。各地に写が多く残っており、近世人の懐古趣味や江戸へのイメージがうかがえる。 |
4 | 泰平御江戸絵図 (PDF:831KB) | (天保期) | 八木健次家文書 | P09702 | 289 | 近世都市江戸の様相を紹介。武家屋敷に家紋の記載がある。 |
5 | 江戸御城御入用御材木書上ヶ覚 (PDF:495KB) | 貞享2年~同3年 | 飯塚馨家文書 | P8214 | 1648 | 上野国より江戸城普請に関わる材木の供出が行われたことが分かる史料。 |
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6 | 上野国輿地全図 | (近世後期) | 西尾市立図書館文書(岩瀬文庫) | HI-1近世 | 2/5 | 上野国の街道の発展を関所・番所が設置された様子とともに紹介する。 |
7 | 旧前橋城主松平家江戸府内供立之図 | (近世) | 豊田芳郎家文書 | P08107 | 3 | 川越城主登城の図。本図は参勤交代ではないが、大名行列により武家・従者が江戸と国元を行き来する様子を紹介する。 |
番号 | 表題 | 和暦年 |
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8 | 一札之事(御年貢漆江戸ヘ上納中漆こぼれ申候一件に付始末書) | 享保元年 | 飯塚馨家文書 | P8214 | 7012 | 三波川村の年貢漆について、江戸へ輸送途中で馬が暴れ、漆樽を落として漆をこぼしてしまった一件の報告。 |
9 | 〔氷嵐による田畑荒詳細報告のため出府の申達〕 | 未年 | 坂本祐一家文書 | P8202 | 990 | 旗本筒井氏が、知行地の雹害の状況報告などを求めて知行村々へ出府を要請した達。 |
10 | 出府日記帳(年頭挨拶) | 文政5年~ | 伊能光雄家文書 | P8003 | 225 | 旗本保科氏の知行地村々が年頭挨拶に訪問した際の出府日記。 |
11 | 〔割元代官申付ニ付申渡〕 | 嘉永7年 | 旧赤城村津久田区有文書 | P1204 | 1374 | 旗本知行地の割元代官任命に際し、出府の際に苗字帯刀、中小性格を申し渡した。 |
12 | 覚(江戸屋敷より村方行き書状宛間違いにつき御詫) | 丑 | 坂本祐一家文書 | P8202 | 1150 | 飛脚が宛先を間違えて到着が遅れた詫状。間違って届けられても確実に書状が届いている。 |
番号 | 表題 | 和暦年 |
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13 | 碓氷関所絵図 | 寛延2年 | 柴崎恵五氏旧蔵文書(安中市蔵) | 下記史料に関わる碓氷関所の俯瞰図。 | ||
14 | 差上申済口証文之事(碓氷関所遠囲五料村進退守護の土地へ入込み候一件) | 文政4年 | 中島徳造家文書 | P8909 | 7745 | 安中藩領五料村と諸戸村の争論により江戸出訴がなされた。関所遠囲内での雨乞が発端となり、評定所で争われた。 |
≪コラム1≫関所同心、身分を争う | ||||||
15 | 碓氷関所写真 | (明治40年代) | 後閑家文書(安中市寄託) | 関所定附同心であった後閑氏が映る写真。後閑円八の江戸出訴一件を紹介。 | ||
16 | 二ツ嶽一件出府日記 九番 | 嘉永4年 | 前橋市池端町自治会文書 | P9515 | 9 | 榛名山二つ嶽の蒸し湯をめぐった江戸出訴にともなう出府日記。江戸時代を通して繰り返し江戸出訴がなされた。 |
番号 | 表題 | 和暦年 |
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17 | 〔遠山左衛門尉様より3人出府呼出の差紙に付回答〕 | (文政6年) | 林孝雄家文書 | P8503 | 568 | 遠山左衛門尉からの呼び出しに関わる史料。公事宿の差紙廻達業務について。 |
18 | 〔文六江戸屋敷願出し一件に付江戸宿より書状〕 | 享和3年 | 中島徳造家文書 | P8909 | 1641 | 安中藩領五料村の文六が、江戸屋敷に訪問して救済を願った際の公事宿の介入について、公事宿から五料村への書状。 |
19 | 〔江戸宿より年始挨拶〕 | 文久4年 | 山田松雄家文書 | P8217 | 2168/ 10-1 |
公事宿の年始挨拶。江戸出訴時の江戸宿の働きを紹介。訴訟慣れていく百姓。「ぐんまの古文書」より。 |
≪コラム2≫出訴中にも見物!参詣! |
番号 | 表題 | 和暦年 |
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20 | 一札之事(拙者親江戸表江罷出たばこ小売歩行商等仕候に付届) | 安永10年 | 飯塚馨家文書 | P8214 | 5150 | 出稼ぎ奉公で江戸に出る者の事例。たばこの行商を営む者についての届。 |
21 | 乍恐以書付御訴申上候(江戸屋敷欠落者の捜索一件届) | 宝暦2年 | 増田公平家文書 | P9907 | 45 | 江戸屋敷には、村々からの奉公人が務めていた。本史料は江戸屋敷から逃げ出した奉公人の捜索に関わる史料。 |
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22 | 桐生呉服問屋書上絵図 | (天保13) | 書上家文書(群馬県立歴史博物館所蔵) | 桐生呉服問屋書上家の繁栄を描く絵図。江戸の得意先の記述があり、江戸に販路を広げる在郷町の様子がうかがえる。 | ||
23 | 取究申議定一札之事(白根山硫黄稼ぎ株並び売捌場所取極) | 嘉永元年 | 佐田知治家文書 | P8815 | 91 | 白根山、万座山からの硫黄の出荷に関する販売先の取決め書。江戸が販売圏に含まれており、上野国産物の需要が分かる。 |
≪コラム3≫江戸の不動産経営 | ||||||
24 | 写 永代売渡申家屋敷之事 | 寛政7年 | 天田壮家文書 | P08105 | 64-5 | 群馬郡下滝村名主天田善兵衛は、江戸で長屋経営を行っていた。本史料は長屋の売り渡しに関する証文。 |
25 | 差上申一札之事(困難百姓の盗難出訴出府金等の援助を感謝する届書) | 文化4年 | 天田壮家文書 | P08105 | 139-2 | 天田善兵衛は、奇特な者として幕府に褒賞されている。近隣の荒廃村の復興支援や、困窮者の救済を行っており、本史料は出府入用を工面した際の感謝状。 |
26 | 一札之事(江戸見物中の定平、人別帳加入願い) | 天明5年 | 林直家文書 | P9802 | 96 | 江戸に見物に行ったまま帰村前に人別改めがなされた際の対応。 |
27 | 〔江戸大相撲興行見物案内に付書状〕 | (近世) | 黒岩英夫家文書 | P8311 | 5626 | 江戸大相撲の興行が来た際の案内についての書状。 |
28 | 〔小野川喜三郎・谷風梶之助 相撲図〕(勝川春章画) | (近世後期) | 黒岩英夫家文書 | P8311 | 863 | 江戸大相撲の有名力士に関する相撲図。作者は勝川春章。 |
番号 | 表題 | 和暦年 |
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29 | 字帖(正俗音訓) | (近世) | 関緑家文書 | P7801 | 539 | 辞書を写し置いた手控え。「べらぼうやろう」の文字。 |
30 | 〔田沼意知一件戯文〕 | (近世後期) | 福島英一家文書 | P0110 | 1744 | 田沼騒動にまつわる狂言・戯文。 |
31 | 実語教童子教(鱗形屋孫兵衛板) | (初版明和4年カ) | 木村善一家文書 | P9102 | 469 | 手習い本 鱗形屋孫兵衛板 |
32 | 風来六部集(風来山人作) | 安永9年 | 長井進氏収集文書 | P0504 | 42 | 平賀源内作の戯文集。 |
33 | くにつくし(蔦屋重三郎蔵板) | 天明2年 | 笛木ふう子家文書 | P9604 | 218 | 手習い本 蔦屋重三郎蔵板 |
34 | 〔日本及周辺全図、林子平図写〕(須原屋市兵衛板) | 天明5年 | 根井幸江家文書 | P9409 | 723 | 「三国通覧図説」の付図の写 日本橋須原屋市兵衛 |
35 | 諸国道中かねの草鞋 十三(草津道、十返舎一九編) | (文政3年) | 勝山敏子家文書 | P8702 | 2366 | 十返舎一九による諸国道中記。13巻は上州の草津へ巡行した記事が描かれる。十返舎一九編・軽雲亭國丸絵。 |
番号 | 表題 | 和暦年 |
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36 | 異国船渡来の図(番所・異国人等) | 嘉永6年 | 加藤史夫家文書 | P1706 | 383-1他 | 浦賀へ来航した際の絵図。浦賀の番所や異国人の様子などが描かれている。 |
37 | 異国船渡来の図(蒸気船・江戸湾沿岸警備絵図) | (嘉永6年6月以降) | 黒崎太朗家文書 | P8603 | 29 | 異国船来航図に描かれる台場 |
38 | 御台場御取建之図 | 嘉永6年 | 石井忠樹家文書 | P01102 | 18-1 | 嘉永六年の台場構想(11基) |
39 | 〔御台場御普請御用材御伐出ニ而御荷鉾山御林御見分ニ大瀧村瀧次同道願写〕 | (嘉永6年6月以降) | 飯塚馨家文書 | P8214 | 12225 | 台場築造に関わる御荷鉾山からの材木の供出について。 |
40 | 〔父宛鈴木熊二書状写・江戸勤番の様子外〕 | (慶応4年) | 鈴木重義家文書 | P09402 | 43 | 高崎藩による三番台場の警衛に関わる父子の書簡の写し。 |
41 | 〔御用留〕(徳川慶喜朝敵たるにより兵馬御差向の件) | (慶応4年) | 尾崎忠男家文書 | P8515 | 1286 | 新政府軍の東征に関わる先触。 |
≪コラム4≫江戸ニュースを見てみよう! | ||||||
42 | 海陸御固泰平鑑(江戸湾沿岸警備絵図) | (嘉永6年以降) | 赤堀恒雄家文書 | P8902 | 3599 | 江戸湾防備の持ち場を表した刷物。台場の記載。惣人数50万7千8百人 |
43 | 松平土佐守様御上屋鋪にて御覧(江戸土佐藩邸剣術試合人名書上、桂小五郎・坂本龍馬ほか41名) | 安政4年 | 根井幸江家文書 | P9409 | 122-51 | 土佐藩江戸上屋敷で行われた剣術試合の出場者名を記したもの。 |