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花粉発生源対策について

更新日:2025年1月9日 印刷ページ表示

スギ花粉症は、花粉によって引き起こされるアレルギー症状であり、国民の約4割が罹患していると言われ、社会的・経済的にも大きな影響を及ぼしています。日本ではスギの花粉症が最も多くの患者数を占めています。また、スギよりもやや遅れて花粉の飛散が始まるヒノキについても花粉症の原因となっています。

林野庁では「発生源対策」として、10年後には花粉の発生源となるスギ人工林を約2割減少させること、将来的(約30年後)には花粉発生量の半減を目指し、令和6年4月に「スギ花粉発生源対策推進方針」の一部を改正して、スギ人工林の伐採・植替え等の加速化を推進するとともに、伐採したスギ材需要の拡大、花粉の少ない苗木の生産拡大、林業の生産性向上や労働力の確保に取り組むこととしています。

本県では、国の「発生源対策」を踏まえ、県の森林・林業基本計画に基づいた皆伐・再造林による森林資源循環利用の確立と花粉症対策苗木の植栽による花粉の少ない森林づくりを推進します。
そのため、花粉発生源対策として主に次の取組を進めています。

  1. 花粉症対策苗木の生産
  2. スギ人工林伐採重点区域の設定
  3. スギ・ヒノキ林の植替え

1 花粉症対策苗木の生産

花粉症対策苗木とは、花粉の少ないスギ・ヒノキ品種から採取された種子により生産された苗木のことで、一般的なスギやヒノキの苗木と比べ、花粉生産量が少ない苗木です。
本県では、花粉症対策苗木に切り替えるため平成15年からミニチュア採種園方式を導入し、花粉の少ないスギ品種で構成した採種園の造成を開始しています。平成17年にミニチュア採種園からの種子生産が可能となり、平成18年春から交付している種子は全量花粉症対策種子となっています。
ヒノキについても、平成23年から花粉の少ないヒノキ品種で構成したミニチュア採種園の造成を開始し、令和元年春から交付している種子は全量花粉症対策種子となっています。
これにより、スギは平成21年春から、ヒノキは令和4年春から本格的に花粉症対策苗木の出荷が始まっています。

花粉症対策苗木の生産量について

(1)スギ

スギ一覧
生産年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
生産量(千本) 187 203 232 232 242 160 284 309 309 328

(2)ヒノキ

ヒノキ一覧
生産年 令和4年 令和5年
生産量(千本) 23 25

2 スギ人工林伐採重点区域の設定

林野庁が定める「スギ花粉発生源対策推進方針」に基づき、花粉発生源であるスギ人工林の伐採・植替えを効果的・集中的に実施するため「スギ人工林伐採重点区域」を設定しました。
県内の該当市町村及び対象となるスギ人工林面積は、以下のとおりです。

群馬県におけるスギ人工林伐採重点区域 (Excel:13KB)

3 スギ・ヒノキ林の植替え

​スギ・ヒノキ林の植替えに対しては、以下のとおり支援を行っています。
また、皆伐・再造林の加速化と併せ、伐採後の再造林を確実に行う観点から、伐採・植替えの一貫作業を推進し、花粉の少ないスギ・ヒノキ等への植替えを促進しています。

スギ・ヒノキ林の植替え一覧
事業名 補助率 主な事業内容
森林環境保全直接支援事業 県が定める事業費(標準単価)の68.0%

森林経営計画対象森林において、森林の造成を目的とした苗木の植栽等の作業に支援します。

※主な支援対象者は、市町村・森林所有者・森林整備法人・森林組合・特定非営利活動法人・森林経営計画の認定を受けた者等

森林環境保全直接支援事業(団地化促進施業) 県が定める事業費(標準単価)の93.5%

森林経営計画対象森林において、面的に連続する3ヘクタール以上に森林を集約し事業主体と森林所有者との長期契約に基づいて実施する一貫作業に支援します。

※主な支援対象者は、市町村・森林所有者・森林整備法人・森林組合・特定非営利活動法人・森林経営計画の認定を受けた者等

特定機能回復事業(林相転換特別対策) 県が定める事業費(標準単価)の72.0%

花粉発生源となるスギを主体とする人工林であって、自助努力では伐採・植替えが進まない森林において事業主体が森林所有者等との協定に基づいて実施する一貫作業に支援します。

※主な支援対象者は、市町村・森林整備法人・森林組合・特定非営利活動法人・森林経営計画の認定を受けた者等

農山漁村地域整備交付金(花粉発生源対策促進事業) 県が定める事業費(標準単価)の72.0%

花粉の少ない森林への転換を目的として、花粉発生源となっているスギ及びヒノキ人工林を対象に、花粉症対策苗木等による植替えを実施する一貫作業に支援します。

※主な支援対象者は、市町村・森林整備法人・森林組合・特定非営利活動法人等

※一貫作業とは、伐採・搬出作業と平行又は連続して、伐採・搬出時に用いる林業機械を地拵え又は苗木等の資材運搬に活用するとともに、伐採跡地において植生が繁茂しないうちに植栽を終わらせることで、一連の造林作業の効率化を図る作業のことです。

森林整備への支援『造林補助制度』参照

URL:https://www.pref.gunma.jp/page/9008.html

(参考)花粉飛散量の予測

​スギ花粉の飛散量を予測するための基礎データ取得のため、スギ雄花の着花量調査(目視法)を平成26年度から実施しています。
令和6年度からは調査地点を拡大し、県内の花粉飛散予測の精度向上に努めています。