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令和3年6月18日(金曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、武居朋子教育長職務代理者、益田裕充委員、竹内健委員、代田秋子委員、沼田翔二朗委員
加藤隆志教育次長、村山義久教育次長(指導担当)、竹之内篤総合教育センター所長、内田善規総務課長、鈴木佳子学校人事課長、栗本郁夫義務教育課長、天野正明高校教育課長、侭田浩一生涯学習課長、橋憲市健康体育課長、吉澤隆雄総務課次長、齊藤克博総務課補佐(行政係長)、佐俣瑞穂総務課主幹
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名、取材者は2名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に沼田委員を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第18号議案から第20号議案は附属機関の委員の任命等に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
始めに私から一言申し上げる。
まず、新型コロナウイルス感染症対策について報告する。本県が適用となっていた国のまん延防止等重点措置が6月13日をもって解除となった。それに伴い、県では新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、14日から20日まで、県内全域において県独自の警戒度「4」を継続することとなった。21日からは警戒度「3」への引き下げが予定されている。
これによる県立学校の対応については、学校での感染事例が少ないことから、原則、通常登校を継続する。ただし、感染状況によっては、学校単位で分散登校、臨時休業等を検討する。
部活動については、通常登校が実施されている間は、感染症対策を徹底した上で継続する。なお、練習試合等における他校との交流については、国のまん延防止等重点措置等の対象となる都道府県、また県外移動を慎重に判断すべきとしている県の学校との交流は自粛とするが、県内及びそれらの都道府県以外の学校との交流は、宿泊を伴わず、感染防止対策を徹底した上で可とする。全国大会につながる大会等は、感染防止対策を徹底した上で参加を可とする。
市町村にも、県立学校の対応について通知し、周知したことを報告する。
次に、新型コロナウイルスワクチン接種について報告する。県内のワクチン接種を加速させるため、昨日17日、高崎市にあるGメッセ群馬を会場として、2か所目の県営会場となる「県央ワクチン接種センター」が開設された。高齢者への接種が完了する見込みであることを踏まえ、開設当初から一般の方に対する接種を行うとされているが、エッセンシャルワーカーへの接種を優先的に進めていくとされている。エッセンシャルワーカーには教員も含まれるため、今後希望者を学校でまとめ、接種を行っていく予定である。
次に、県議会関係について報告する。令和3年第2回定例県議会は、5月24日に開会し、6月15日に閉会となった。教育委員会関係では、一般質問で、学校における新型コロナ感染症の感染状況と対策や、コロナ禍における部活動のあり方、教職員の多忙化解消への取組状況、高校入試制度改革や夜間中学の設置、県立図書館の今後について、始動人の育成、教育分野に関わるDXの取組についてなど、あわせて19本の質問があった。
また、常任委員会について、教育委員会関係では6月7日に開催された。委員会では、デジタル教科書、1人1台パソコンの活用状況、ヤングケアラーへの対応、上毛学舎の状況、時間外勤務の状況などについて質疑がされた。
なお、特別委員会に関しては、「新型コロナウイルス感染症対策特別委員会」、「デジタルトランスフォーメーションに関する特別委員会」、「脱炭素社会・新エネルギーに関する特別委員会」、「地方創生・ブランドに関する特別委員会」の4つが設置されている。教育委員会関係は、新型コロナウイルス感染症対策に義務教育課、高校教育課及び健康体育課が、デジタルトランスフォーメーションに総務課デジタル教育推進室長が、それぞれ執行部として参加している。
最後に、前回の教育委員会会議以降の主な行事についてであるが、教育委員に出席いただく行事はなかった。
以上について報告する。
続いて、各所属長から順次報告をお願いする。
学校人事課長、令和4年度採用の公立学校教員選考試験の応募状況について、資料1により報告。
資料2別添「全国学力・学習状況調査」の解説動画リーフレット(PDFファイル:514KB)
義務教育課長、令和3年度「全国学力・学習状況調査」の問題に関する児童生徒向けの解説動画を6月末に配信することについて、資料2により報告。
高校教育課長、令和3年度「いじめ防止フォーラム」の実施について、資料3により報告。
総合教育センター所長、令和2年度に実施した総合教育センターでの研修実施状況について、資料4により報告。
(平田教育長)
ただいまの報告について、委員から質問等があるか。
(武居委員)
2点ある。1点目は全国学力・学習状況調査の解説動画についてであるが、これには非常に期待をしたい。試験をした次の日から、子どもたちも先生たちも問題についていろいろ考え始めると思う。なるべく早い時期にこういうものが欲しいと思っていても、なかなか結果が出るのが遅いという状況であった。今回6月末までに配信するということで、大変かもしれないが、是非実現していただきたい。子どもたちや先生たちの問題に対する疑問が残っている間に、これに取り組んでいただき、一学期中に学習を深められると、試験をやった意味も出てくると思う。すごく良い取組だと思った。
2点目は、いじめ防止フォーラムについてである。昨年はできなかったので、今年できるようになったのは非常に良かった。オンラインや書面開催が多いのはやむを得ないことだと思うが、保護者も関われるような工夫はされているのか。
(高校教育課長)
詳細については各地区の事務局の学校が決定することになる。例えば、書面開催になれば、各学校でテーマに基づく話し合いを行い、その結果を事務局校が集約して、地区の全ての学校にフィードバックし、そして改めて学校での話し合いを行っていくという形が考えられるが、そういった場合に保護者にも資料を配付するということが考えられる。通常通り開催できれば、保護者だけではなく地域の皆さんも招待されて、かなり大きなものになるが、コロナ感染拡大により今年は難しい面がある。
(武居委員)
今年そのようにやっていけば、来年につながるということもあるので、是非、工夫してやっていただきたい。
(平田教育長)
いじめ防止フォーラムでは、保護者同士の話合いの会もあったと思うが、書面開催であっても何か工夫されているのか。
(高校教育課長)
そういう可能性もある。今後確認していきたい。
(平田教育長)
これは群馬県の教育の中でも特徴的な取組であるので、委員の指摘のように活発にできればよいと思う。
(益田委員)
資料2の全国学力・学習状況調査の解説動画の配信の話を伺い、大変素晴らしいことだと思った。調査をしてもやりっぱなしで終わってしまったり、先生方も子どもにやらせっぱなしで終わってしまったりするなど、あまり問題を振り返らないということが指摘されることが多くある中で、義務教育課と総合教育センターの指導主事の皆さんが力を合わせて、解説動画を作っていくということは、県の指導主事の力量が高いからではないかと思う。文部科学省に、このように活用していることや、群馬県の事例を全国に紹介してほしいというような話をしてもよいのではないか。
次に資料4について伺いたい。教員研修の中に長期研修と特別研修がある。私の所に、今、他県から長期研修に来ている先生がいる。その方の研修を見ていると、課題が与えられている訳ではなく、理科であれば理科のことをやって、その中から課題を発見して自分で研究を進めて成果を出す、ということが重視されている。群馬県内の先生方は課題を発見していく力はどういうところで身につけていけばよいのか。
群馬県の長期研修の意義や、県と一緒にその課題を追究していくということについては、私も何度も発表を見せていただいて、その大切さは分かっており、素晴らしい成果をあげていると思う。例えば長期研修を県の課題推進にともに取り組むと位置づけるのだとすれば、その長期研修に至る前の特別研修はどんな内容とすべきなのか。例えば、特別研修を受けた方が長期研修に繋がっていくことが多いと思うが、特別研修での内容について教えていただきたい。
(総合教育センター所長)
まず長期研修についてであるが、本県の場合は、県内で長期研修を行っている。長期研修員を選定する時に研究領域を定める。その研究領域に沿って、年度始めに自校の児童生徒の状況等を元に課題を発見し、それを元に研究テーマを決めていく。
特別研修については、週一回、木曜日に実施をしているが、現場で学級を持つ又は学習指導、生徒指導を行う中での研修になるので、長期研修と比較すると研修に充てられる時間が短くなってしまうということがある。内容としては、自校の児童生徒の活動又は自校の課題を元に研究テーマを設定し、それぞれ決められた研修日以内で研究テーマに沿って研究を進めていくということになる。
(益田委員)
県の長期研修の目的や意義、県として進めなければならない課題があって、それを義務教育課や総合教育センター、あるいは県全体の力と合わせて研修を位置づけているというのが群馬県の特色、良さだと思っている。一方で、研修を受けた方々の課題設定能力をより一層高めていく必要もあると感じている。
(平田教育長)
課題を自分で発見するというのが、非常に大切な、これから子どもたちが身につけるべき力であり、したがって教員も当然持ち、更に高めていかなければいけないという趣旨での発言である。
長期研修では、領域の中から自分で課題を発見してテーマにすると聞いたが、益田委員の発言では、領域を、例えば理科や国語のように、もうちょっと広い中からということであった。群馬県の場合は、群馬県が持っている課題をいくつか領域に分け、その中から選ぶというやり方だと思う。益田委員はもっと広いところから自分たちで課題を探す力も必要なのではないかという指摘であったと思うが、そこのところはいかがか。
(総合教育センター所長)
今日的な課題等も含めて領域を選定して長期研修を行っているところであるが、委員の意見も踏まえながら、次回以降に活かしていけるものがあれば取り入れて行きたい。
(竹内委員)
「小学校プログラミング教育研修講座」について伺いたい。どんな内容の研修でプログラムを理解させようとしているのか。
(総合教育センター所長)
サテライト研修と集合研修を昨年度実施した。サテライト研修については、3か所で実施をしたが、市町村の実情、課題等に応じて、オンラインで、各市町村で課題となるものを中心に、センターでそれに合う研修内容を考えて実施した。
主に理科と算数に視点を当て、プログラミング的思考の活用だったり、または学習の進め方だったりを、サテライト研修と集合研修において実施したところである。ただコロナの関係で、それぞれサテライト、集合2日ずつというような内容になった。
(竹内委員)
これは、プログラム言語を使ってプログラムと組むという形ではないのか。
(総合教育センター所長)
基本的にはプログラム言語を使うという考えはあるが、スクラッチか。
(竹内委員)
一定の命令文があってそれを組み合わせていくという形か。
基本的なところであるが、言語というのは新しく開発され、また、やり方が変わっていく。しかし、コンピューターに情報処理させるときに一番大事なのは、情報処理のプロセスである。これは実は絵で描けば良いことで、フローチャートと言われている。ひし形で、大きいかイコールか小さいか、良いか悪いか、イエスかノーか、2仕様の判断になっていくが、それをずっと組み合わせる。例えば、朝、顔を洗う。顔を洗って汚れが落ちたか、汚れが落ちたら次のプロセスに行く、落ちなければ戻って汚れが落ちるまで顔を洗う。こういうものは小学生でも興味があると思うが、実はこの考え方がプログラムの基本である。いろいろな意味で生活のことも図に書いていくので、あとはプログラム化する時にそれにあった言語を使えば良い。言語は変わっていくが、物の考え方は変わらない。これを頭の若い小学生に是非学ばせてほしい。
(平田教育長)
アルゴリズムの所を大事にという指摘だと思うので、是非そうしたプログラムをお願いしたい。
(代田委員)
資料2の解説動画の配信についてであるが、今まで結果が手元にきて終えるだけであったのが、動画配信によって振り返ることができるのがすごく良いと思う。家庭でも子どもの実態がわかると思う。学校と子どもと保護者とで共有できればよい。
それから、研修についてであるが、新型コロナウイルス感染症対応という点について、これからワクチン接種をする方がどんどん増えると思う。また、もしかしたら違う感染症が出てくるかもしれないので、その都度マニュアルも更新して、研修の方も力を入れてもらいたい。
(沼田委員)
2点ある。1点目は、資料2の解説動画についてであるが、他の委員もおっしゃっていたように、本当に素晴らしいと思う。一体どんな文脈でやろうと思ったのかを是非伺いたい。
(義務教育課長)
昨年度はコロナの関係で全国学力・学習状況調査が実施できなかった。問題だけ配布されたという状況であった。せっかく良い問題であるので、「これを使わないことはない」ということで、昨年度動画を作って配信した。その結果、結構見ていただいた。ただ、その段階では、子どもたちは実際には問題を全部解いていなかったので、そのあたりの取組が難しかった。今回は全員の子どもたちが解いているので、子どもが振り返るということを主眼においてやっている。
(沼田委員)
スピーディーに対応がとれるというのは、非常に重要だと改めて勉強させてもらい、とても素晴らしいと思った。
2点目は資料4の研修実施についてであり、いくつか質問がある。実際に研修を受けた方々に対し、どのようにその方々の資質、能力をはかっているのか質問したい。参加してどうなったのか、このあたりに対してどのような根拠を持っているのか。
(総合教育センター所長)
研修については、昨年度は限られた回数になってしまったが、研修終了後に、それぞれ研修生が項目に沿ってまとめることによって、自分がそこで何を身につけることができたか、今後の課題はどんなことがあるのか等確認をしながら、それを元に自校での実践に生かしながら、PDCAサイクルで、判断し実践し評価している。そういったことで、研修生が自分の中で研修を進めていけるようなサイクルを作っているところである。
(沼田委員)
加えてであるが、研修を受けた方が学校に戻った時に、自分自身での学びについて、管理職に報告するだけなのか。それとも自分が学んだことについて、校内に知見を開いていくような動きはしているのか。
(総合教育センター所長)
全てだと言い切れないが、研修で身につけたことを校内研修の中で伝達講習をしたり、また実際に意見交換をしたりということで、校内に還元していける研修を組んでいる学校は多くあると認識している。
(沼田委員)
還元していく動きは、ますますこれから重要だと思った。今まで自分たちが受けた研修ではない研修を受けた同僚がいた時に、その方々が学んできた知見を校内に開いていくことによって、校内がより良くなっていくという動きに繋がると思うので、受けっぱなしで終わらせずにうまく還元していくような、道標を提示していくことが非常に重要だと思った。
もう一点、「カリキュラム・マネジメント推進研修講座」が希望研修になっている。全ての教職員がカリキュラム・マネジメントの観点を持って授業改善に努めることは、非常に重要なことだと私自身は思っている。希望した人のみが受けられる希望研修ではなく、全ての方々がそういう観点を持って授業改善に努められるように、研修を推進していくこともますます必要になってくると思い、意見した。
(総合教育センター所長)
おっしゃる通りで、資料を見ると受講者4名とあり非常に限られたものになっている。もう少し年代に関わらず、視点を広げて、いろいろや視野で学校経営又は学校教育について考えられるよう働きかけていきたい。
(平田教育長)
1つ目の質問は、その学校内での学び合い、情報共有が学校自体を活性化させるという非常に大切な指摘だったと思う。
2つ目については、カリキュラム・マネジメントという学校の運営、教育の柱になるところについては、もう少し皆が研修を受けられる形にしてはどうかという指摘であった。
以上で、教育長事務報告を終了する。
高校教育課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
高校教育課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
生涯学習課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
健康体育課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時00分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。