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令和3年3月15日(月曜日)13時30分~15時00分
群馬県庁 29階 第1特別会議室
入学者選抜制度検討委員会委員 9名(欠席2名)
<配付資料>
次第、入学者選抜制度検討委員会委員名簿、幹事名簿
第3回入学者選抜制度検討委員会資料、「群馬県公立高校入学者選抜制度の在り方について」報告(案)
委員長
暫時議長を務めさせていただく。それでは設置運営要綱に従い、議事を進行してまいりたい。
本日の会議は、前半部分ではワーキンググループ会議からの報告について、後半部分では本検討委員会からの報告案について検討したい。
特に、ワーキンググループ会議では、選抜スケジュールについて様々な意見が出されたと聞いており、その点について委員の皆さんからも御意見を伺いたい。
まず事務局より、ワーキンググループ会議からの報告について説明をお願いする。
委員長
事務局の説明について、御質問や御意見があるか。
(発言なし)
最初に選抜スケジュールについて、御意見を頂きたい。
委員
A案がよいと思う。A案は3月1日の高校の卒業式前に、出願から合格発表まで、選抜の全ての日程を終えることができる。しかし、中学校の事情を考えると、A案は検査日が2月中旬と早く、3学期の学習期間が短くなることへの懸念があるだろう。ワーキンググループ会議においても、高校の卒業式を挟むが、A案とB案の折衷案であるC案はどうかという議論があった。高校、中学双方の事情について考慮し、A案に固執するのではなく、C案で進められると考えた。
委員
関係者の間では、3月初旬に検査を行うB案を推す声が多かったが、追検査の日程を考えると、B案で進めることの難しさも理解できる。検査日が2月中旬のA案は、3学期の学習時間が十分に確保できないという課題がある。高校の卒業式前に選抜を行いたいという希望も理解でき、その中で折衷案のC案で進めるのが適切である。中学校では、卒業式の後に後期選抜の合格発表があるスケジュールが定着しているが、生徒への指導を工夫すれば、必ずしも卒業式後に合格発表という日程でなくてもよいだろう。
委員
まずワーキンググループで慎重かつ具体的な議論を行っていただいたことに感謝したい。中学校での学習時間を確保し、中学校のまとめを行い、スムーズに高校進学につなげるための方法を知恵を出し合って考えていただいた。B案は、中学校の学習時間を確保できる利点があるが、再募集が4月にずれ込んでしまうと、現場で指導に当たる中学3年の担任等の負担も大きくなる。3月中に再募集の合格発表まで行えるC案で進めるのがよいだろう。
委員
A案かB案かということで検討してきたが、中高それぞれの要望を満たすC案で進めるのが適切だろう。中学校の卒業式の前に合格発表があることは問題ないと感じる。
委員
A案がよいという気持ちはあるが、中高それぞれの立場からの議論で、C案を推す声が多く、C案で進めるのが適切であると感じている。
委員長
検査日程について御意見はあるか。
(意見なし)
御意見はないようなので、案のとおりとしたい。
多様化する生徒の受入れについて御意見はあるか。
(意見なし)
御意見はないようなので、案のとおりとしたい。
新制度の導入時期について御意見はあるか。
委員
改善した制度はできるだけ早く実施するのがよい。そのため、令和6年度選抜からの導入がよいと思うが、新制度の周知は令和3年度の1学期の早い時期に実施する必要がある。
委員
少し戻ってしまうが、資料2ページや、スライド5にある、「全ての受検者を対象に複数の方法で選抜」という表記だが、これは全員の受検生が5教科の学力試験と面接を受けるということを表しているのか。
事務局
そうである。全ての受検者が5教科の学力検査と面接を受検する。
委員
現在の表現は保護者や生徒、一般県民にとっては理解しにくいように思う。端的に「5教科の学力検査と面接で選抜します」としてはどうか。保護者や児童生徒にとって分かりやすい制度にすることも大切である。
委員長
その他(志願理由書の書式、ICTの活用)について御意見はあるか。
委員
志願理由書の形式の変更は、これまでも要望してきたことであり、検討いただきありがたい。特に、コピーの提出については、生徒にとっても指導する担任等にとっても負担減の効果が大きく、是非実現してほしい。コピーでの提出について、氏名の部分だけは、生徒の自筆署名とすることなども考えられるがいかがか。
事務局
具体的な書式については、令和3年度中に中高の関係者の意見を伺いながら検討したい。
委員
現行の志願理由書には、保護者の署名、捺印が必要だったが、資料は生徒の名前のみとなっていることに理由はあるか。
委員
行政手続きに係る押印は廃止する流れがある。志願理由書については、志願者がしっかりと記入することが重要であり、保護者欄は不要と考えるが、御意見があれば伺いたい。
委員
出願に関するいずれかの書類の中で、保護者が出願に同意していることが確認できれば、志願理由書に保護者欄はなくてもよいと思う。
委員
行政機関全体として、押印は廃止する方向でもあり、志願理由書の保護者署名、捺印は不要であると思う。しかし、義務教育段階から、選択した次のステップに進むわけなので、いずれかの書類で保護者の意思確認は必要だろう。
事務局
志願理由書の書式は今後検討を進めるが、入学願書の保護者欄は残すことになるだろう。
委員
新しい志願理由書の書式だが、資料を見た限りでは、あまり形態が変わっていない印象を受ける。1に「入学を希望する理由」、2に「受検に当たって伝えたい自分のこと」とあるが、こうした項目を記入するに当たって、志願理由書という名称を変えてもよいと思う。新しい様式に変わったことを明確にする意味もあるので、例えば、エントリーシート、自己PRなどの名称を検討してもよい。また、志願理由書は面接の資料であるということを明示、説明しないと、長く中学校で指導に関わってきた教員ほど、変更に戸惑うこともあるだろう。
事務局
名称の検討についても、書式の検討と同様に進めたい。また、志願理由書の趣旨についても、明記するようにしたい。
委員
Web出願について、検討することは時代に即していると思う。しかし、Web環境の有無など、家庭環境の違いも考慮しなければならない。家庭で出願が難しい生徒は、中学校にあるパソコンを使って出願することも考えられると思うが、情報セキュリティの点についても丁寧に検討する必要があるだろう。私立高校や大学などは、Web出願も進んでいるので参考にするとよいだろう。
委員
昨年から今年にかけ、県内私立高校のWeb出願の導入が進んだ。当初は、Web出願に対応できる環境が各家庭にあるか、操作方法に戸惑わないか心配があったが、結果的に大きな混乱はなかった。インターネット環境については、大きな問題はなかったようである。また、操作については、各私立高校が統一したシステムを使用していることもあり、スムーズに出願できたようである。中学校としても、三者面談でWeb出願について丁寧に説明したり、実際に教員が操作方法を説明したりするなどし、安心して出願できるよう配慮した。
委員
Web出願などは事務の効率化の観点から、メリットも大きいので、引き続き検討してほしい。
委員
ワーキンググループ会議の報告に関する協議の検討は以上とする。引き続き、入学者選抜制度検討委員会のまとめ「群馬県公立高校入学者選抜制度の在り方について」報告(案)について、事務局から説明をお願いする。
委員長
事務局の説明について、御質問や御意見があるか。
委員
ワーキンググループ会議での議論も反映されており、示された案の方向でよい。
委員
資料の今後の方向性の3つ目の冒頭の「検査日程」を「本検査日程」と修正した方が分かりやすい。
委員
これまでの議論がよく集約されており、案の方向で進めてほしい。
委員
この案の方向でお願いしたい。
委員
制度改革を行うには、デメリットをいかに少なくできるかという視点が必要だ。
入試日程に関しては、A、B、C案について検討し、中学、高校の双方から意見はあるが、C案の方向でよいと思う。
難易度を選べる問題の導入についてだが、学校によって難易度の異なる問題を選択させることに不安もある。自校入試の制度があったが、自校入試は全公立高校の受検生が同じ問題を解き、その上で学校独自の問題をプラスアルファで課すものであり、学校ごとに検査問題を選ばせる方法については、十分検討する必要があるだろう。
面接については、全国的に入学者選抜の面接を縮小する傾向が見られる中で、丸1日時間を確保して実施する案となっている。かつて生徒指導面の課題から、面接が重要視された時代もあったが、現在は生徒指導面での心配はほとんどなくなっている。そうした中、しっかりと時間をとって面接を行うということについては、ねらいを明確に示す必要があるだろう。
志願理由書については、面接の資料という趣旨であれば保護者欄は不要だと思う。案では項目を分け、記入するための視点を示しているが、項目に縛られず自由に書けるよさというものもあり、項目を設けるとしても、どのような項目とするのが、子どもたちにとって書きやすいのか、よく検討してほしい。また、志願理由書提出の趣旨を明確にし、志願理由書の作成が子どもの負担になりすぎないよう配慮が必要だろう。
委員
報告案については、これまでの議論を踏まえた内容となっていると思う。選抜スケジュールについて、時期が早まると、中学校での学習時間が確保できなくなるという意見があった。教科の学習という面から言えばそのとおりであると思うが、進路が早く決まるということは、キャリア教育の視点からは進路への意味づけをしっかりするための時間を確保できるという考え方もできる。入学者選抜では、全員の生徒が思いどおりの進路に進めるとは限らず、第一希望の進路ではなくても、納得して受け入れるためのプロセスが重要である。生徒が自分の進路に納得し、次に進むための指導を中学校でしっかりと行ってほしい。
また、入試スケジュールが高校の卒業式を挟むことに対する懸念があるようだが、3月1日の卒業式の日程を後ろにずらす検討もあってよいと感じた。
志願理由書については、趣旨の明確化が必要だろう。なぜ志願理由書が必要なのかということがしっかり定まれば、フォーマットも自ずと決まり、中学校の先生や生徒への説明もスムーズに行えるだろう。特に、案として示されたイメージの2には「受検に当たって伝えたい自分のこと」とあるが、この欄は自己PRということだと思う。たくさん記入したいことがある生徒は箇条書きで記入するということもあるだろう。読む側としても、文章で書かれると事前にキーワードをピックアップする等の作業が必要であるが、箇条書きの方が分かりやすい場合もある。必ずしも文章で記入するということだけではなく、柔軟性をもってこの欄を使えるということを、事前に中学校の先生や受検生に説明しておくとよい。
事務局
本日欠席の委員から事前に意見を預かっているので紹介する。
委員長
それでは協議は以上としたい。
私は、昨年度までの群馬県高校教育改革検討委員会に続き、入学者選抜制度検討委員会に関わらせていただいた。当初、本委員会の委員長を引き受けるには戸惑いもあった。入学者選抜制度は、長い歴史の中で、その時々の時代の要請に合わせ積み上げられてきたものであり、多くのサブシステムも同時に動いている。社会からの関心も高く、センシティブな問題であり、制度改革を行うことには不安もあったが、最終報告を行えるめどがつき安堵しているところである。
本日最後の検討委員会を無事に終えられたのには、3つの要素があったと考えている。
1つ目は、事務局から生データや他県の状況を交えた丁寧な説明があり、本県の実態を委員がよく理解できたことである。実態を把握して議論を進めたことで、制度改革に対する前向きな意見を多く頂くことができた。
2つ目は、ワーキンググループにおける検討で、様々な課題に対する解決策のシミュレーションが行われたことである。そのおかげもあって、私たち委員が課題解決に関する具体的なイメージを持って議論することができた。
3つ目は、各委員から率直で前向きな意見が多く出されたことである。率直な御意見を頂いたことで、潜んでいた問題が浮かび上がり、それをワーキンググループ会議で具体的に検討するという流れを作ることができた。
この3つの要素がうまく噛み合い、委員会として前向きで具体的な議論を進めることができた。
今後は実施段階となるが、実施に向けた検討を進める中では、再度本日お集まりの委員の方々の力が必要になることもあると思う。委員会は今日で最後となるが、引き続き、実施に向けお力添えをお願いしたい。
これまで検討してきた入試制度改革は、群馬県では24年ぶりとなる大幅な制度改革となる。この改革をテコとし、令和の群馬の教育が更に発展することを祈念し、私のまとめとしたい。
(- 以上 -)