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令和7年8月教育委員会会議定例会の会議録

更新日:2025年10月10日 印刷ページ表示

1 期日

 令和7年8月20日(水曜日)

2 場所

 県庁24階 教育委員会会議室

3 出席者

 平田郁美教育長、河添和子教育長職務代理者、日置英彰委員、小島秀薫委員、中澤由梨委員、宮坂あつこ委員

4 事務局出席者

 高橋正也教育次長、古市功教育次長(指導担当)、西村琢巳総合教育センター所長、小林謙五総務課長、角田毅弘管理課長、酒井隆福利課長、角田義行学校人事課長、佐野美幸義務教育課長、高橋章高校教育課長、池田克弘特別支援教育課長、都丸要生涯学習課長、山田知利健康体育課長、鈴木智行総務課学びのイノベーション戦略室長、箱田陽子生涯学習課社会教育主監、高井俊一総務課次長、代田英敏総務課補佐(行政係長)、高田和樹総務課主幹

5 開会

 午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。

 傍聴人は5名、取材者は3名であることを報告。

6 会議録署名人の指名

 平田教育長が今回の会議の会議録署名人に小島委員を指名。

7 議案審議等の一部を非公開で行うことについて

 議案審議に先立ち、平田教育長から、第30号議案は県議会への報告する案件であるため、第31号議案は附属機関の委員の任命等に関する案件であるため、第32号議案は教育委員会表彰に関する案件であるため、第33号議案は個人情報に配慮する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。

8 教育委員会の行事日程

 教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。

9 教育長事務報告

(平田教育長)

 私から一言申し上げる。

 いつも生徒達の活躍についてご紹介しているが、今回は、7月26日から27日までの2日間、香川県で開催された「第49回全国高等学校総合文化祭」に出席した。

 会場では、美術・工芸部門の作品展示、自然科学部門の研究発表など、本県から参加した生徒の皆さんの日頃の成果に触れ、薬品や研究に込められた工夫についてお話を伺った。

 すべてを紹介できないのが残念だが、高校生がこれほどまでに強い思いを持って取り組んでいることに感銘を受けた。

 自然科学部門では、専門的な内容を相手に合わせ自分の言葉で説明する姿に、非常に感動した。

 続いて、7月27日には、岡山県で開催された「中国インターハイ2025」に出場した高崎商業高校の女子バスケットボール部の選手を激励し、試合を観戦した。

 残念ながら勝利には届かなかったが、堂々としたプレーと最後まで粘り強く戦う姿に、高校生の素晴らしさを改めて実感した。

 次に、その他の本県高校生の活躍についてご報告する。

 まず、吾妻中央高校が「日本水大賞」を受賞した。

 先月の定例会でも報告したが、第27回日本水大賞において、環境工学科の生徒の皆さんが最高賞となる「大賞」を受賞し、7月24日に受賞の報告に来てくださった。

 老朽化が進み地域の課題となっていた農業用水路の保全に、得意とするDX技術を活用し、地元企業や大学、農業関係者と連携して取り組む姿は非常に素晴らしいものである。

 全国1位の最高賞という結果も素晴らしいものであり、今後の活躍にも大いに期待している。

 次に、7月28日に県庁で開催された「SAH IGNITE(イグナイト)3.0」に出席した。

 当日は、生徒がエージェンシーを発揮し、自ら目的を持って取り組む授業のあり方をテーマに、渋川女子高校の生徒と先生によるパネルディスカッションが行われた。

 参加した色々な高校の生徒はグループに分かれてセッションを行い、昨年のOECDとグローバルフォーラムで学んだ手法を活用しながら、先生が導くのではなく、生徒と先生が全く対等の立場で、学校という枠を超えて、生徒が自分の考えを積極的に発言する姿に感動した。

 次に、主な出席行事について報告する。

 まず、県議会文教警察常任委員会による県外視察について報告する。

 7月30日、31日の2日間、沖縄県を訪問し、平成30年にリニューアルした沖縄県立図書館や、沖縄県教育委員会におけるインクルーシブ教育の現状、特別支援学校の分教室における取り組みなどを視察した。大変、有意義な視察となった。

 また、8月5日には地区別教育行政懇談会を開催し、先月19日にGメッセ群馬にオープンした「TUMO Gunma」とtsukurunのサテライト施設「tsukurunTAKAJO」を訪問した。

 高崎女子高校に設置されたtsukurunTAKAJOでは、生徒がデジタル技術を活用して創作活動に取り組む様子を拝見し、日常的な活用方法について意見交換を行なった。

 生徒の主体性が非常に高く、「この施設があったから色々なことが出来ると分かった」と語る姿に、このtsukurunの意義を強く感じたところである。

 最後に、校内研修動画の作成および公開について報告したい。

 児童生徒の命を守るための取り組みとして、ここ5年ほど集中的に進めてきた自殺予防に関して、有識者の先生方の協力を得て動画を作成した。

 令和4年8月には、自殺の危険が高まった生徒への危機介入マニュアルを作成し、各学校で効果的に活用してきたが、この度、精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士などの有識者の協力を得て、教職員の心構えや対応スキル向上を図る研修動画を作成したものである。

 このことは本県の児童生徒の命を守る上で大変有益なものであり、教職員の対応力の一層の向上に繋がるものであると考える。この動画は、短期間で心構えや対応スキルを学ぶことができる内容となっており、すべての教職員が視聴し、校内研修等で積極的に活用するよう周知を進めていく予定である。

 詳細については、後ほど担当から報告する。

 私からは以上である。それでは、各教育委員から意見や報告をお願いする。

(河添委員)

 8月4日に桐生・みどり地区の「いじめ防止フォーラム」に参加した。

 昨年は大間々高校の生徒会の皆さんが中心となって運営していたが、今年は桐生市立商業高校の生徒の皆さんが中心となり、市民文化会館で開催された。

 生徒達の素晴らしい様子を見ることができ、嬉しく思った。

 当初は緊張感のある雰囲気だったが、アイスブレイクの後は打ち解けた雰囲気の中で、「SNSを使用せずに相談し合える雰囲気をつくるために」というテーマのもと、対面で相談しづらくなる原因や、相談しやすい雰囲気をつくるための具体的な対策、そして、その効果について、班ごとに協議し、発表が行われた。

 小・中・高・特別支援学校の校種や年齢も異なり、初対面の集団で課題解決に向けた対話を行い、互いを認め合いながら進めている様子に、年齢を超えてリーダーとフォロワーの良い関係が築かれていることなどに、大きな学びがあると感じた。このことが、いじめ防止の土台として非常に有効であり、この経験を、今後、各校に広めていってくれることを期待している。

 昨日の地元紙にもこの様子が掲載されており、司会の高校生が「小中学生の発言が新鮮で、良い刺激になった」とインタビューに答えていた。

 高校生自身も、小中学生自身も驚きや学びを得ており、特別支援学校の生徒も含め、皆が互いに学び合う素晴らしい会だと思っている。

 翌日8月5日には、地区別教育行政懇談会として、教育長からも報告のあった「TUMO Gunma」とサテライト会場である「tsukurunTAKAJO」を視察させていただいた。

 テーマを「県のデジタル人材育成ための取り組みについて」として、高崎女子高校の皆さんとは意見交換もさせていただき、大変ありがたく思っている。

 どちらも初めての視察だったが、TUMO Gunmaは、近未来的な学びの場として非常に印象的で、居心地の良さを感じる施設だった。子ども達が自由な発想でやりたいことを見つけ、伸び伸びと取り組める環境が整っていると感じた。

 デジタルクリエイティブ分野では8つのプログラムが導入されており、「3Dモデリング」、「ゲーム開発」、「グラフィック・アニメーション」、「プログラミング」、「2DCG」等、非常に魅力的で、子ども達が興味を持ちやすい分野であると感じた。

 実際に体験してみることで、自分の興味のある分野を見つけ、スキルを習得していく流れが自然にできていることに感動した。

 保護者が「これをやってみたらどうか」と勧めても、子どもが実際に体験してみると別の分野に興味を持ち、そちらに進むという話も聞き、子ども達の主体性が生かされていることを感じ嬉しく思った。

 県内の児童生徒にも、ぜひ体験させてあげたいと思う。1回でもよいので見学や体験の機会がもっと広がることを期待している。

「TUMO」は、決まった時間に通って学ぶ塾のような形式であるのに対し、「tsukurun」は時間に縛られず図書館のように自由に利用できる施設であるという違いも理解できた。

 tsukurunでは、高崎女子高校の皆さんから、実際の利用に関する感想や今後の活用ビジョンについて前向きな意見や課題を伺うことができ、大変参考になった。

 また、TUMOではセルフラーニングが可能な「TUMOボックス」への展開も予定されており、今後が非常に楽しみである。

 周知も始まっていると思うが、県内の子ども達が満員になるほど利用する日が来ることを期待している。

(平田教育長)

 県内の遠方地域からも体験に来られるように、TUMOバスをeスポーツ・クリエイティブ推進課と協働して試行運行する。

 後日、詳細を報告させていただく予定である。

 近隣の子ども達だけでなく、遠方のお子さんにもまず体験してもらい、体験後に興味を持った子が継続して通えるような仕組みが必要だと考えている。

(日置委員)

 8月1日に新田暁高校で開催された太田地区の「いじめ防止フォーラム」に参加した。

 このフォーラムへの参加は今回で3回目だが、特に今年は当番校である新田暁高校の生徒による運営が非常に素晴らしいと感じた。

 子ども達がリラックスして話し合えるよう、各班のテーブルにぬいぐるみを置いたり、BGMを流したりと、様々な工夫がされていた。

 話し合いの最中には、新田暁高校の生徒がテーブルを回って話を盛り上げるなどの姿が見られた。

 発表の場面でも、1つの発表に対して必ず司会の方がコメントを行い、参加者全員で拍手をするなど、新田暁高校の生徒の活躍が印象的だった。

 テーマは「お互いを認められる学校とは」、「思いやりと責任のある行動とは」といった抽象的なものだったが、高校生が小学生にも分かりやすいように例を挙げて説明するなど、工夫が見られた。

 また、同時に行っていた保護者向けのプログラムにも少し参加した。

 県教育委員会が作成した、SNSがきっかけとなるいじめのドラマ仕立ての動画を視聴し、家庭や学校でできることについて話し合う場面では、保護者の皆さんの熱意が感じられた。

 動画を真剣に見た後のディスカッションは非常に活発で、学校でもこうした取り組みが広がれば良いと感じた。

 それから、皆さんと一緒に地区別教育行政懇談会にも参加した。

 TUMOについては、世界に十数か所あるTUMOの中で、日本初の施設が群馬に設置されたとのことである。

 ヨーロッパでは、TUMOを卒業した人材がトップ企業に求められるほどの評価を得ており、卒業証書がなくてもプロダクトを見ればその価値が分かるという話があった。

 特に印象的だったのは、プログラミングやデジタルスキルの習得だけでなく、自己理解・共感力・共同性といったハード面だけでなく、「ソフト面」の育成を重視した学習モデルが展開されている点である。

 仲間とリラックスして話し合えるような空間づくりや、専用の椅子、ガラス張りのワークショップスペースなど、共同性を重視した設備が整っていた。

 TUMOでは、ハード・ソフト両面の育成が非常に意識されており、今後、優れた人材が多く輩出される将来の可能性を強く感じたところである。

 tsukurunTAKAJOについても視察した。生徒たちは、部活動や発表会のポスター制作、プログラミングやゲーム制作など、様々な活動に取り組んでいた。

 SAH指定校ということもあり、生徒が自分の考えをしっかりと発表している姿が印象的だった。

 ただ、TUMOと違い、常駐のアドバイザーがいないため、ソフトの使い方が分からない場合は生徒自身がYouTubeなどを見て学ぶ必要があり、効率が悪いという声もあった。

 また、図書館併設のため声を出して相談しづらく、友人との共同的な作業が難しいという課題もあるようだった。

 TUMOは共同性を重視して人材育成を行っているのに対し、tsukurunはやや対照的な印象を受けた。共同的に作業できるスペースがあれば、tsukurunTAKAJOもさらに良くなるのではないかと感じたところである。

(高校教育課長)

 私も視察に参加し、生徒の意見交換や活動の様子を見学した。

 それぞれの生徒が目標や目的を持って取り組んでおり、非常に素晴らしいと感じた。

 今後、利用者数をさらに増やしていきたいと考えている。

 図書室に併設しているtsukurunは高崎女子高校だけであるが、設置場所の選定の際に、外部の人が出入りしやすい図書館専用入口があり、安全性の確保やガラス張りの開放的な雰囲気など、学校との協議の上で決定されたものである。

 ただ、いただいたご意見も重要な課題として受け止め、改善に向けて取り組んでまいりたい。

(平田教育長)

 いじめ防止フォーラムにおける学校での取り組みはどうなっているか。

(高校教育課長)

 私も川添委員とともに桐生・みどり地区のフォーラムに参加させていただいた。今回で13回目となり、歴史を重ねてきたフォーラムである。

 桐生・みどり地区では、小中高に加えて特別支援学校も参加しており、肢体不自由のお子さんなども含めて、非常にフラットに話し合いが行われている特徴的な良いフォーラムである。

 フォーラムの構成としては、まず各学校で話し合いを行い、その内容をフォーラムに持ち寄って班ごとに発表する。その後、学校に持ち帰って再度話し合いを行うという、ピラミッド型の仕組みが整備されている。小中高のそれぞれの生徒会や学年単位などで、フォーラムで出た意見を振り返る取り組みが各校で行われている。

(平田教育長)

 いじめ防止ポスターコンクールとも連動しており、そこで出た標語などをフォーラムのテーマにしたり、いじめ防止の取組で啓発ポスターで制作するなど、学校で校種を超えて有機的に扱ってくれている。

(日置委員)

 保護者の方々も非常に活発に議論されており、SNSがきっかけとなるいじめの事例などをもとに、家庭や学校でできることについて話し合っていた。

 最後まで保護者の話し合いに出席していた担当係長からも、議論がたいへん活発だったとの話を聞いたので、そういったことをやっている学校があるのかと感じた。

(高校教育課長)

 保護者との話し合いは、すべての地区で何年も継続して行われているが、それを学校に持ち帰って教職員と保護者がさらに話し合う機会をもっているかということは、やっている学校もあれば、難しい学校もあるかと思うが、今後の課題としたい。

(小島委員)

 8月5日に地区別教育行政懇談会に出席し、TUMO GunmaとtsukurunTAKAJOを視察させていただいた。

 企業経営者の立場から見ると、2つの視点がある。

 1つは、日本を牽引するような最先端の人材を育成するという意味での重要性。

 もう1つは、私達のような中小企業の経営者から見て、より多くの人に基礎的な教育を提供し、全体の底上げを図ることの重要性である。

 現在のシステムでは、興味を持った子どもはどんどん先へ進んでいくが、そうでない子は取り残されてしまう傾向がある。

 そのため、底上げするために、より多くの子どもが参加しやすいように、入口を広げる取り組みが必要だと感じている。

 例えば、ある発表会の資料の作成を見せてもらったが、ほとんどChatGPTで完結していたのを見て驚いた。

 こうしたツールを誰でも使えれば、業務効率化にもつながるため、幅広く学ぶことができる教育環境があると良いと感じた。

 また、8月7日には前橋地区の「いじめ防止フォーラム」に参加し、共愛学園を訪問した。

 講堂での全体会の後、保護者と先生方は別室で県教育委員会作成の動画を視聴し、その後グループに分かれて議論を行った。

 先生方と保護者が3〜4人ずつで活発に意見交換をしていた。

 生徒達も8班に分かれて議論を行っていたが、部屋が班ごとに完全に分かれていたため、他の班の様子が見えず、見学に入室すると身構えてしまう印象を受けた。

 過去に参加した渋川や藤岡のフォーラムでは、同じ部屋で班ごとに議論していたため、保護者などが見ていても気にせず、周囲の様子が見え、より活発な議論が行われていたように思う。

 設備が整いすぎることで、かえって議論の活発さが損なわれる可能性もあると感じた。

 一堂に会して話し合う方が、議論がまとまりやすく、活発になるのではないかという印象を受けた。

 最後の発表では、生徒達一人一人しっかりと発言しており、大変立派な姿に感心したところである。

(平田教育長)

 まず、「幅広に」という点は、まさにこれからの課題であり、本当にその通りだと思う。

 関係課や高校、そして関係機関と連携しながら、検討を進めてまいりたい。

 せっかく素晴らしい施設と魅力的なプログラムがあるだから、まずは多くの子ども達が一度は体験する機会を持たないと、広がりにはつながらない。

 その意味でも、非常に大きな課題だと認識しているので、しっかりと検討させていただきたい。

 運営の仕方については各学校に任せている部分もあるが、先ほどの太田地区の新田暁高校のように、BGMを流すなどの工夫があると、より良い展開ができるのではないかと思う。

 こちらも併せて検討してまいりたい。

(中澤委員)

 地区別教育行政懇談会といじめ防止フォーラムについて、報告したい。

 8月5日にTUMO GunmaおよびtsukurunTAKAJOを訪問した。

 TUMOでは、先進的なプログラムが多数設置されており、非常に刺激を受けた。

 tsukurunTAKAJOでは、生徒達が「このtsukurunが出来たから触れてみた」、「これがあるから挑戦してみようと思った」と語っており、施設の存在が挑戦意欲を引き出していることが分かった。

 特に印象的だったのは、「最初の一回目のハードルが高いが、それを越えればやりたいこと、やれるのではないかということが出ててくるから、みんなにどうやってこの一回目のハードルを越えてもらえるか」と生徒自身が課題を分析していた点である。また、教えてくれる方が常駐ではないこと、音楽好きの生徒が多いことから「音楽制作を切り口にしてはどうか」といった提案も自主的に出ていた。課題解決の発想が自然に生まれる環境が整っており、tsukurunの意味とSAHの相乗効果を感した。

 8月8日には、渋川広域圏の「いじめ防止フォーラム」に参加した。

小中高および特別支援学校の生徒が班に分かれて話し合いを行い、保護者は別プログラムを経て合流する形だった。

 テーマは「SNSやチャットでのやりとりで気をつけること」、「責任ある行動を取るにはどうしたら良いか」などで、活発な意見交換が行われいた。

 感じたことが3点ある。まず、渋川女子高校のSAH委員が運営を担当しており、自然体でスムーズな進行と様々な配慮している運営が印象的だった。

 事前に生徒自身が企画や準備を行っていたため、イレギュラーな事態にも柔軟に対応出来ていたことに感銘を受けた。

 校長先生は、全校集会などで日頃から「自分の行動に責任を持つこと」を伝えており、「SAHはイベントのためではなく、日常生活の中で主体的に行動するようになることで、日常生活が変わることを目指している」とお話していた。

 この理念がフォーラムの運営にも反映されており、日常生活の取り組み方が変わることにより、イベントに対しての取り組み方が変わっているということで、SAHの本質を実践している学校だと強く感じた。

 2つ目は、いじめ防止フォーラムの最初に「自分らしくいられることが大切」というメッセージが小学生にも分かりやすく伝えられ、安心して話し合える雰囲気が形成されていたことである。いじめや登校しづらさというのは、「自分はここに居てもいい」、「居づらくない」という感覚が持てないことが原点になるのではないかと思う。

 もう一つは、小中高の異なる年齢や特性を持つ生徒同士が互いに歩調を合わせて確認しながら話し合う姿は、インクルーシブ教育の縮図であり、非常に意義深いものであると感じたことであった。

 最後にフォーラムへの感想として、話し合いでは、SNSの利用にあたって「語尾を柔らかくする」、「絵文字を使う」「思いやりを持つ」といった、自分が気をつけることに焦点が当てられていた。しかし、社会に出ると、嫌みを言う人などもいて、どうしても他者との摩擦が避けられない場面もある。

 そのような場面でどう向き合うか、自分を守る術や人の気持ちなどを学ぶ機会があれば良いと感じた。

(平田教育長)

 いじめを「ゼロにする」ことだけを目指すのではなく、発生した際にどう対処するかという視点も重要である。

 今後、関係課と連携しながら、こうした観点を取り入れた取り組みを検討していただきたい。

(中澤委員)

 他者との摩擦をなくそうと絵文字を使ったとしても、メッセージが意図と違って伝わってしまうことはある。

 それよりも、人生には様々な出来事が起こるという前提のもとで、それにどう向き合うかを学ぶ機会があると、なお望ましいと感じた。

(宮坂委員)

 8月5日にTUMO GunmaとtsukurunTAKAJOを視察し、感じたことを報告する。

 まず印象的だったのは、TUMOの入口にゲートが設けられており、大人の立ち入りに配慮されていた点である。子ども主体の空間づくりが徹底されており、良くも悪くも導くのは大人なのかと感じた。

 神奈川県など遠方からの利用者もいると聞き、施設の注目度の高さを実感した。県内の子ども達にも、もっと活用してもらうためには、周知活動の強化が必要であると感じた。

 tsukurunTAKAJOでは、エージェンシーを発揮した生徒たちが自ら課題を見つけ、取り組んでいる姿が印象的だった。建築を学びたいという生徒が球体を3Dで制作するなど、目的意識を持って行動している様子に感心した。

 こうした施設は、意欲のある子ども達がどんどん活用できる環境であると同時に、障害のある子どもたちにも配慮した取り組みが必要である。tsukurunは小学生から利用でき、保護者の同伴も可能だが、さらに配慮があると良いと感じた。

 また、大人や保護者自身の「学び直し」の機会も提供できるような仕組みがあると、より意識の高まりにつながると思う。

 今後、TUMOやtsukurunが活発に利用されるようになると良いと感じた。

(平田教育長)

 続いて、関係所属長から報告をお願いする。質問はすべての報告が終了した後、一括して行う。

(1)令和7年度全国学力・学習状況調査結果について

 義務教育課長、資料1 (PDF:380KB)により報告。

(2)校内研修動画の制作及び公開について

 義高校教育課長、資料2 (PDF:2.09MB)により報告。

(3)SAH IGNITE(イグナイト)3.0について

 高校教育課長、資料3 (PDF:147KB)により報告。

(4)ぐんまインクルーシブフェスタ2025について

 特別支援教育課長、資料4 (PDF:1.54MB)により報告。

(5)「学校を長期欠席している児童生徒の学びを考える会」及び「保護者のための相談・学びの場」について

 総合教育センター所長、資料5 (PDF:3.55MB)により報告。

(平田教育長)

 ただいまの報告について、委員から意見や質問があるか。

(河添委員)

 全国学力・学習状況調査について、資料の記載内容のほかに、課長から補足でお話いただいた部分があった。

 小学校と中学校の結果について、課長の説明では「小学校では学ぶ楽しさや基礎的・基本的な事項の定着が見られ、中学校ではそれを生かして思考・判断・表現力が伸びた結果ではないか」との考察があったかと思うが、資料には記載されていないのか。

(義務教育課長)

 この内容は資料には記載されていないが、小学校の評価項目を見ると、漢字の正しい使用など、基礎的な知識の定着が確認できる。学ぶ楽しさについて、先生方の工夫や努力が実を結んでいることを、私達も実感しているので、そのように説明を行なった。

(河添委員)

 このようなメッセージは、日々努力されている教職員の皆さんにとって励みになると思うので、何らかの形で伝えていただけるとありがたい。

(平田教育長)

 例えば、「算数が好き」、「国語が好き」、「学ぶことが好き」といった回答が小学校で多く見られる。

 応用力については全国平均と比較して課題があるかもしれないが、小学校で基礎をしっかり固め、学ぶ楽しさを味わった結果として、中学校での伸びにつながっていると考えている。

 小学校6年生時点では全国平均よりやや低めだった成績が、中学3年生になると全国平均を上回る傾向が見られる。

(河添委員)

 このような群馬県の教育の成果を、数値だけでなくメッセージとして説明いただけたことは非常にありがたく、今後も広げて伝えていただけることを願っている。

(日置委員)

 私からも全国学力・学習状況調査について、伺いたい。

 毎年、全国との比較が示されるが、質問紙調査の結果に注目している。

 国立教育政策研究所が出している資料では、経年変化が示されており、昨年と比べてどのように伸びているかが分かる。

 特に現在、エージェンシーや教育ビジョンなどに焦点を当てた取り組みが進められているが、全国との比較だけでなく、経年的に群馬県の教育政策がどのように反映されているかを分析することが重要だと思う。

 そのような分析は行われているか。

(義務教育課長)

 現在、質問紙調査の分析部会を開催しており、今後その結果も含めて分析を進めていきたい。

(中澤委員)

 ぐんまインクルーシブフェスタについて、トークセッションに多くの学校が参加されたとのことで、非常に興味深く感じた。

 もし可能であれば、どのような話題が出たのか、教えていただきたい。

(特別支援教育課長)

 例えば、特別支援学校の生徒からは、日常生活での気づきや困っていることとして、盲学校の生徒から「駅の手すりがステンレス製だと夏場に非常に熱くなり、非常に困っている」といった話があった。

 その話を聞いた他の生徒達が「そんなことがあるんだ」と自分達が感じたことのないことに驚き、共感する様子が見られた。

 また、他の高校生からは「何を話していいか分からなかったけれど、時間をかけてコミュニケーションを取ることができた」といった意見もあった。

 高崎会場では予定時間を超えて盛り上がり話し合いが行われていた。

 開催の記録は現在整理中であるが、今後さらに詳しい報告ができるよう準備を進めてまいりたい。

(宮坂委員)

 インクルーシブフェスタについて、私は当日伺うことができなかったが、知人に太田会場で先生と司会者の声の録音を依頼し、FMで様子を放送した。今後、ポッドキャストにもアップする予定である。

 可能であれば、トークの場面なども声を録音して、放送できれば、皆さんに聞いていただける機会になるのではないかと思った。

(特別支援教育課長)

 高校生と特別支援学校の生徒が話し始めると、足を止めて、耳を澄ませて聞いている方などもいたのが印象的だった。

 ステージ上での発表の音楽は、視覚的にも分かりやすいが、トークも、短時間ながらも足を止めて聞いていただけた様子が見られたことが良かった。

(平田教育長)

 今後の報告に、本人の了解が得られたら、言葉も載せられたらよいかと思う。

 以上で、教育長事務報告を終了する。

10 議案審議

第29号議案 群馬県立図書館組織規則の一部を改正する規則について

 生涯学習課長、第29号原案 (PDF:101KB)について説明

 異議なく、原案のとおり決定

11 議案審議(非公開)

 ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。

第30号議案 教育委員会の点検・評価について

 総務課長、第30号議案原案について説明

 異議なく、原案のとおり決定

第31号議案 審査会委員の任命について

 學校人事課長、第31号議案原案について説明

 異議なく、原案のとおり決定

第32号議案 社会教育功労者表彰について

 生涯学習課社会教育主監、第32号議案原案について説明

 異議なく、原案のとおり決定

第33号議案 いじめ防止対策推進法に基づく重大事態への対処方針について

 総務課長、第33号議案原案について説明

 異議なく、原案のとおり決定

12 教育委員会記者会見資料について

 教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。

13 閉会

 午後2時40分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。


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