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研究報告 第25号(2021年7月)

更新日:2021年9月15日 印刷ページ表示

研究論文

新たな獣害防除資材「単木柵」の開発

Development of a new model "Single tree fence" for preventing wildlife damage

新たな獣害防除柵「単木柵」の開発を行ったところ、以下のことが明らかとなった。

  1. ワイヤーメッシュを用いた単木柵により樹幹の剥皮害を防ぐことが可能である。
  2. 頂部食害の防除には単木柵の高さを1.5mにする必要があり、通直に成長する樹種が望ましい。
  3. 単木柵は安価で設置も容易であり、成長阻害もなく、有効な防除対策である。

単木柵と併せた防草資材の検討

Examination of weed control materials in combination with Single tree fence

獣害対策と併せた防草資材を検討したところ、以下のことが明らかとなった。

  1. 高密度タイプの防草シートが特に有効である。
  2. 高密度防草シートの設置は5年分の下刈り経費の6割程度で実施可能である。
  3. 防草シートの機能を長期間維持するには、初期設置を確実に行うことが重要である。
  4. 単木柵と高密度防草シートの併用は、既存の単木保護資材と下刈りの併用と比較して半分以下の経費で実施可能である。

造林前の除草剤散布及びスギ大苗植栽による省力施業事例

Labor-saving operation by planting large seedlings Sugi (Cryptomeria japonica) after ground preparation using herbicides

  1. 苗高75cm以上のスギ3年生裸苗(大苗)と苗高45~60cmのスギ3年生裸苗(3年生苗)について、1~4成長期目の成長を比較した結果、大苗は3年生苗より樹高が高く根元径が太い傾向が見られた。
  2. 造林前に除草剤を散布することにより、大苗及び3年生苗ともに下刈りが不要であった。

シカの生息密度の異なるスギ造林地でのコンテナ苗及び大苗等の獣害

Animal damages to containerized seedlings and bare-rooted seedlings Sugi (Cryptomeria japonica) in areas with different population density of sika deer(Cervus nippon

  1. コンテナ苗は大苗に比べ、ノウサギやシカによる食害に遭いやすい。
  2. シカが高密度に生息する植栽地では、苗木が剥皮害に遭いやすく、大苗であっても樹高成長が低下する。
  3. シカの生息密度が高い地域では、低い地域に比べ食害、角擦り、樹皮剥ぎの程度が高い。
  4. シカが生息する造林地では、その密度にかかわらずシカの剥皮被害対策を行う必要がある。

大径スギ平角材の製材方法の違いによる曲げ性能及び化粧性の評価

Sawing patterns effect of bending performance and the number of knots in large Sugi (Cryptomeria japonica) logs.

スギ大径材から平角材を製材し、製材方法の異なる平角材の曲げ性能及び材面に現れた節(化粧性)
を測定した結果、以下の知見を得た。

  1. 2丁取り製材(末口径36.5cm 以上)により得た心割り材について、中心定規挽き及び側面定規挽きのマッチング比較をしたところ、静的曲げヤング係数は高い正の相関がみられた。
  2. 3丁取り製材(末口径48cm 以上)により得た心去り材、心持ち材のマッチング比較をしたところ、静的曲げヤング係数及び曲げ強度の統計的な有意差は認められなかった。
  3. 製材方法が異なる平角材の化粧性を比較すると、心去り材の節数が最も少なかったことから、心去り製材をすることで化粧性の高い平角材が得られる可能性が高く、新たな大径材利用の可能性が見出された。

県産材を使用した枠組壁工法部材の性能評価(2)

Performance evaluation of dimension lumber using Gunma prefecture-derived timber (2)

研究資料

きのこ原木林再生に向けたコナラの調査(2)

Research(2)about Konara (Quercus serrata) aimed at regenerating woodland for mushroom cultivation

 

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