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研究報告 第26号(2022年7月)

更新日:2022年11月21日 印刷ページ表示

研究論文

ニホンジカにおける鉱塩の誘引効果の地域差について

Differences in the Attractive Effects of Mineral Salts on Sika-Deer

ニホンジカの捕獲効率を高めるため、鉱塩を用いた誘引の効果について評価した。群馬県内8か所で試験をしたところ以下のことが明らかとなった。

  1. 誘引試験を行った8か所中7か所で誘引効果があった。尾瀬ヶ原については誘引効果がなかった。
  2. シカが低密度である地域(赤谷プロジェクト地内)においても誘引が可能であり、シカの密度にかかわらず、県内の広い地域で鉱塩による誘引が可能である。

県産カラマツ材の強度性能評価

Evaluation of strength property of Karamatsu(Larix kaempferi) in Gunma prefecture.

これまで未整備であった群馬県産カラマツ材の強度性能を明らかにするため、県産カラマツ材を平角材と板材に分けて試験をおこなった。また、県産カラマツを対象に立木の応力波伝播速度と加工製品の曲げヤング係数との関係性を調査した結果、以下の知見を得た。

  1. 県産カラマツの縦振動ヤング係数別の出現頻度は、平角材ではE110 以上のものが54%を占め、板材ではL110 以上のものが58%を占めた。
  2. 曲げ試験の結果、県産カラマツ材は角材と板材はともに構造用材として利用可能な曲げ強度性能を有していた。
  3. カラマツ立木の応力波伝播速度の測定は、加工後の挽き板の縦振動ヤング係数を推定できる可能性あり、伐採前に必要とするヤング係数を満たさない個体を選別するために有効であると考えられた。

尾瀬における木道施設の劣化診断

Diagnosis of deteriorating Woodenness facilities of Oze Natural park

  1. 尾瀬ヶ原の木製施設周辺の気温と相対湿度を観測した結果、 尾瀬ヶ原における木材腐朽速度は平地の1/5程度と推察された。
  2. 非破壊試験方法による心去材敷板の強度低下推定の効果が認められ、現地での簡易 な劣化診断の可能性が示唆された。
  3. 一方で心持材敷板は、心去材敷板に比べて短期間で強度の低下が認められ、かつ非破壊試験方法による強度低下の推定も不可能であった。

菌床シイタケ栽培におけるナメクジの防除方法

Control of slug in mycelial block cultivation of Letinula edodes

菌床シイタケに害を及ぼすナメクジに対する殺ナメクジ試験、忌避試験、誘引試験を行ったところ、以下の結果が得られた。

  1. 食品添加物や香辛料等を直接ふりかけることで、駆除効果が確認された。
  2. タッパー等を用いた室内試験で、タバスコやガーリック等に忌避効果が確認された。
  3. 燐酸第二鉄粒剤はキャットフードと混合することで殺ナメクジ効果が高くなった。
  4. パイプハウス内試験では、タバスコ、ガーリック、穀物酢には忌避効果が確認できなかった。
  5. 棚脚部への水を入れた容器設置、地上部への誘引用菌床の設置で棚への侵入が減少した。

研究資料

野生動物の捕獲通報装置の開発について

Development of capture reporting device

 

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