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第20回定例記者会見要旨(8月12日)

更新日:2021年8月12日 印刷ページ表示
  • 日時 令和3年8月12日(木曜日)午後3時10分~4時20分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 18人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和3年8月12日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:530KB)

 質疑応答はこちらをクリック

知事冒頭発言

発表項目

1.はじめに
2.豚熱(CSF)防疫措置の進捗状況について
3.新型コロナの感染状況について
4.患者療養の新たな方針について
5.県内のワクチン接種の状況について
6.県営ワクチン接種センターの稼働状況について
7.県民に対するワクチン接種のお願いについて

1.はじめに

 それでは、定例会見を始めさせていただきます。
 本県に、まん延防止等重点措置が適用されてから、5日が経過しました。県では、措置適用に伴い、営業時間短縮要請の実効性を高めるため、県内の飲食店等の見回りも順次行ってまいります。
 事業者の皆さまには、度重なる時短要請で、さらなるご負担をおかけすることになり、知事としては大変申し訳なく思っております。
 しかしながら、第5波を早期に抑え込めるかどうか、ここが正念場になっています。引き続き、県庁一丸となり、取り組んでまいりますので、県民の皆さま、事業者の皆さま、まん延防止のため、改めてご理解ご協力をお願い申し上げたいと思います。
 それでは会見に入らせていただきます。
 スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目をあげました。
 本日は、豚熱(CSF)の対応状況、新型コロナウイルスの直近の感染状況、県内のワクチン接種の状況についてご報告させていただきます。

2.豚熱(CSF)防疫措置の進捗状況について

 まず、先週7日土曜日、桐生市内の農場において発生した豚熱の対応状況についてご説明したいと思います。
 スライドをご覧ください。防疫措置の進捗状況を示したものです。
 防疫措置は、7日から開始し、これまで殺処分した頭数は、本日15時現在で3,338頭で、全体の進捗率は61.4%ということになっています。
 暑さと闘いながらの作業になっておりまして、日中の作業は避けて、従事者の安全に十分配慮しながら進めております。
 現時点で残りの殺処分も、このペースでいくと後5日程度で終了見込みということになっています。
 さらに、農場の清掃・消毒等を含む、すべての防疫作業の完了までには、今後の天候等の状況にもよりますが、殺処分が終わった後、3日間程度かかる見込みです。
 なお、防疫作業については、県職員はもちろんのこと、国、桐生市及び近隣の前橋市、伊勢崎市、太田市、みどり市、さらにJAグループ、建設業協会、トラック協会、バス事業協同組合、民間貿易業者、こうした方々にもご協力いただいています。
 加えて、現時点で、宮城県、山形県、福島県、茨城県、埼玉県、富山県、岐阜県、和歌山県、岡山県、徳島県、宮崎県の11県から、獣医師の応援をいただいておりまして、これまでの作業従事者数の累計は1,158人ということになっています。ご協力いただいてるすべての皆さまに知事として、この記者会見の場を借りて、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
 一方で、農場、また埋却地の近隣にお住まいの皆さまには大変ご迷惑とご心配をおかけしています。県として、埋却後の周辺環境等についても、関係機関と協力し適切に対応していきたいと考えています。ぜひともその点について、ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。
 前回の臨時記者会見でも申し上げましたが、これまで、3度目の豚熱は出さないという強い決意を持って、様々な対策に取り組んでまいりました。こうした中で3回目の発生を許してしまいました。これは、知事として何度も申し上げますが、痛恨の極みであるとしか言いようがありません。
 養豚農家の皆さまにおかれましても、3度目の豚熱の発生ということで、今、大きな不安を抱えておられると思います。
これまで、養豚農家の関係者の皆さまにも、大変努力をしていただきました。そのことを考えると、知事としては、大変申し訳ないなという気持ちでいっぱいです。
 8日から、国と県の獣医師で構成する疫学調査チームが入り、当該農場の飼養衛生管理状況や感染経路の調査・検証が行われております。
 県としては、こうした調査結果も踏まえながら、国、市町村、養豚協会等とも連携をして、本県の主力産業の1つである養豚業を守るため、引き続き全力で対策に取り組んでまいりたいと思います。
 養豚農家の皆さまにおかれましても、改めて、飼養衛生管理基準の遵守の徹底をお願いいたします。
 また、飼養豚の健康状態を、よく観察していただきたいと思います。仮に具合の悪い豚がいるような場合には、速やかに、県に通報していただくことも併せてお願いしておきたいと思います。

 最後に、県民の皆さまに、改めてお願いをさせていただきます。
 次のスライドをご覧ください。
 豚熱は、豚やイノシシの病気です。前回の臨時会見の際にも、申し上げましたが、人に感染することはありません。さらに、感染した豚肉が市場に出回ることもありません。仮に豚熱に感染した豚の肉や内臓を食べても、人体に影響はありません。
 ぜひ、県民の皆さまには、このことをご理解いただきたいと思っています。

3.新型コロナの感染状況について

 続いて、新型コロナの関係について申し上げます。まずは、直近の感染状況です。
 スライドをご覧ください。新規感染者数の推移です。
 こうして見ると、少し加速のペースが落ち着いてきていることが分かると思います。
 直近1週間の新規患者数は、本日の新規感染者数166人を含め、950人となりました。
 先々週は334人。先週は832人ということなので、増加のペースは、先ほど申し上げたとおり、多少緩やかになっておりますが、週を追うごとに感染者が増加しています。予断を許さない状況だと言っていいと思います。

 次のスライドをご覧ください。感染状況の客観的な数値です。毎週皆さんにご報告しているものです。
 1日当たりの新規感染者数は129.9人ということで、前回から比べると、もちろん上がっておりまして、非常に危険な状態が続いているということを申し上げたいと思います。
 (2)の経路不明の感染者は51.4%ということで、これもほぼ変わっておりませんけれども、50%をオーバーしているということで、市中感染が広がっているということは間違いありません。県内どこで感染してもおかしくない状況があると言っていいと思います。
 (3)の検査の陽性率ですが、これはもう感染者の増加に伴い、かなり増えてまいりました。14.7%ということで、高い水準で推移しています。

 続いて、新規感染者のワクチン接種状況についてもご報告したいと思います。
 ワクチン接種状況に関するスライドです。
 昨日までの1週間の新規感染者909人のワクチンの接種状況について調査いたしました。
 1回接種のみの方が104人、2回の接種が済んでいる方々が21人という結果になりました。感染者の約9割弱にあたる784人がワクチン未接種の方でした。
 つまり、これだけ感染者が増えてきても、やはり感染の中心は、ワクチン接種を完了していない方であるという傾向に変わりはありません。
 これはアメリカの状況を見ても、世界中で見られる現象だと思います。

 新規感染者の状況を、今度は年代別に見てみたいと思います。
 スライドをご覧ください。これも毎回、ご報告しておりますけれども、20代から30代の割合が最も多いという状況が続いています。
 40代から50代についても、少しずつ増えてきていることが分かると思います。
 現在、中等症患者の6割近くは、40代から50代の方々が占めております。高齢者のワクチン接種の効果で、高齢者の方々の感染が減っていることもありますが、中等症患者の6割近くは、40代、50代が占めているということで、ここは大変注意が必要なところだと思っています。

 次のスライドをご覧ください。推定感染経路別にまとめた新規感染者の状況です。
 家庭内感染が少しずつ増えてきているということで、中には園児の感染も見られます。10歳未満のお子さんの感染経路は、8割が家庭内ということになっています。小さいお子さんはワクチンを打てません。ですから、周囲が予防して守らなければなりません。ご家族の方々には、積極的なワクチン接種の検討をお願いしたいと思います。
 加えて、昨日、保健所長との意見交換会を行いましたが、これが9回目だったでしょうか。この中で、「普通の日常生活を送っているだけで、特に感染が疑われるような行動歴がない人でも、感染するケースが増えてきた」、「感染力の強いデルタ株の影響でエアロゾル感染も増えているのではないか」といったお話をいただいています。
 アメリカ疾病対策センター(CDC)の報告では、「デルタ株の感染力について、1人の患者が平均5人から9.5人程度に感染させている」とありました。従来株は平均1.5人から3.5人ですから、ここに比べて非常に感染力が高いという見解が述べられておりまして、これは、ホワイトハウスのアドバイザーでもある、パウチ所長の言葉ですけれども、「感染力が高い水ぼうそう並み」と、こんな見解も示されております。
 県内の感染も、前回の会見でご報告したとおり、ほとんどがデルタ株に置き換わっている状況です。エアロゾル感染の可能性も考慮して、暑い時期ではありますが、定期的に室内の空気を入れ替える等の換気の徹底について、改めてご協力お願いしたいと思います。
 デルタ株が、まん延している現状において、換気の徹底が非常に大事だということを強調させていただきたいと思います。
 さらに、保健所長の皆さんとの意見交換会議では、「症状が悪化してから検査を受ける方が多い」また、「発症してすぐに検査を受けないと、検査までの間に感染を広げる可能性がある」という指摘もありました。
 県民の皆さまには、ちょっとした体調の変化でも、自分自身で大丈夫だと決めつけることなく、躊躇せず、医療機関にご相談いただきますようお願いしたいと思います。

 続いて、医療提供体制の客観的な数値です。スライドをご覧ください。これも毎回ご説明しておりますが、医療提供体制の数値です。
 上の2段にありますとおり、現在、人工呼吸器を使用している方が18人います。前回が4人ですから、4倍以上になったということです。このうち、ECMOを使用している方が1人です。
 ここ数日で、重症者が急増しているということで、知事としても大変憂慮しています。

 スライド中段の病床の稼働率、これは66.2%ということで、先週の57.0%から、9ポイント増加していることが分かると思います。危険水域である警戒度4の指標である70%以上に近づいていることが分かっていただけると思います。

 スライドの一番下、これが宿泊療養者数ですが、299人ということで先週よりも増えました。

 続いて、重症者の状況に関しても、ご説明したいと思います。次のスライドをご覧ください。
 先ほど、ご説明しましたが、現在、人工呼吸器を使用している方、こういう方々を重症者と定義しているんですけれども18人いらっしゃいます。
 この方々の年齢層を見ていただきたいと思います。40代から50代が39%で一番多いということです。若い人でも28%ということで、年齢ごとに満遍なく出ているんですけれども、若い方でもここ数日間、重症化している人が出ていることが分かっていただけると思います。

 一番大事なところを、県民の皆さまにお伝えしたいんですけれども、今、重症化している18人の方は全員ワクチン未接種の方々です。ここはとても大事だと思います。
 つまり、このデータから分かることは、先ほど申し上げたとおり、若年層でも重症化するケースが増えているということと、やはり、ワクチン接種で重症化のリスクを抑えられることが裏付けられるということです。もう1回言いますが、現在の群馬県の重症者数が18人います。先週に比べると4倍近くに増えたんですけれども、この18人全員がワクチン未接種です。ワクチンを接種した方で、重症になっている方はおりません。これは、ぜひ県民の皆さまにお伝えしておきたいと思います。
 繰り返しになりますが、特に若い方々、20代、30代の方々のワクチン接種率は2割程度ということですので、ぜひ皆さまには、積極的にワクチン接種を検討していただくようにお願い申し上げたいと思います。
 なお、昨日開催された厚生労働省の助言機関からも、「これまでに経験したことのない感染拡大だ」、「首都圏を中心に、医療提供体制というものは、災害時の状況に近い」という指摘もあったことを申し添えておきたいと思います。
 県民の皆さまにも、群馬県も、今このような危機的状況に直面しているという認識を共有させていただきたいと思います。

 続いて、保健所ごとの感染者数です。毎回ご説明しておりますが、これについてもご報告したいと思います。
 一部の地域では、減少が見られるんですけれども、ほとんどの地域が真っ赤な状況だということは分かっていただけると思います。感染拡大が、県全体で続いていることが、分かっていただけると思います。
 以上が直近の感染状況です。

 先週の会見でも、お伝えいたしましたが、現在の感染拡大の原因は、感染力の強いデルタ株の影響はもちろんですけれども、夏休みに入って、人流が増えていることも影響していると考えています。
 明日からは、一般的なお盆の期間に入りますが、皆さんご存知のとおり、県内では、まん延防止等重点措置が適用されております。
 繰り返しになりますが、引き続き、不要不急の外出自粛に、ご協力お願い申し上げます。
 特に県境を跨ぐ旅行や帰省をご検討されている方については、ご家族やご友人等々、改めて慎重に相談していただきたいと思います。「行かない、呼ばない、延期する」という選択をしていただけるようにお願いしたいと思います。
 この第5波を、1日でも早く収束させるためには、県民の皆さまのご理解とご協力が必要です。この点、知事として改めて、皆さまのご協力お願い申し上げたいと思います。

4.患者療養の新たな方針について

 続いて、新規感染者の急増を踏まえた、患者療養の新たな方針について、ご説明いたします。これは前回の会見でも、何人かの記者の方からご質問があったお話です。
 患者療養の新方針についてのスライドをご覧ください。
 新規感染者の急増に伴って、病床稼働率は、先々週の24.3%から、先週の57.0%、昨日の66.2%まで、もう短期間で急激に上昇していることがわかります。
 今の感染状況を考えたときに、何らかの対策を講じないと、一般医療にも大きな支障を生じることもありますし、このままだと、本県の医療提供体制を守ることができないと考えています。
 こうした状況を踏まえて、県では、新型コロナに感染した方々について、運用方針を一部修正することといたしました。
 一般の医療に対しても、新型コロナに対しても、医療の質をできるだけ落とさずに対応するという方策にさせていただきました。
 修正点は2点です。これから説明します。

 1つ目は、軽症・無症状の方のうち、重症化リスクが中程度の方々については、これまでの入院から、宿泊療養ということにさせていただきたいと思います。
 続いて、2つ目の変更点。これは、無症状の方のうち、重症化リスクが小さく、家庭内感染の恐れがない方々については、これまでの宿泊療養から、自宅療養ということにさせていただきます。

 群馬県では、これまで自宅療養は行わず、入院、もしくは宿泊療養での対応を原則としてまいりました。第3波や第4波で新規感染者が増えた中でも、相当に踏ん張って、この方針をずっと続けてまいりましたが、今回の変更によって、自宅療養という新しいカテゴリーを群馬県で設けることにいたしました。
 これまで積み重ねてきた知見に基づいて、リスクの低い方々について、自宅療養とか宿泊療養の対応をお願いするという方針にさせていただきたいと思います。
 加えて、限られたコロナ病床を最大限有効に活用するために、入院とか宿泊療養中で早期に症状が改善した方については、宿泊や自宅療養に切り換えていきたいと考えています。
 現状では、1日200人の感染者が続いた場合、必要な病床数が600床を超えるという計算になります。しかしながら、この方針の適用によって、その数を450床まで抑えることができるという試算をしております。

 次のスライドをご覧ください。新方針の移行に伴う対応策をまとめたスライドです。
 今ご説明した、新方針への移行に向けて、県民の皆さまの不安を少しでも解消するため、県に、「健康観察センター」を新設したいと思います。
 健康観察や療養指導等に関する業務を、保健所から集約し、万が一、自宅療養者の症状が悪化した場合には、適切な医療に迅速に結びつけたいと思います。
 これについてはDXを活用して、効率的に実施できる体制を作ってまいりたいと思います。
 また、自宅療養に際して、必要な方にはパルスオキシメーターを貸与するほか、希望者には食料品や生活支援物資を配送する等の体制も併せて整備してまいりたいと思います。
 加えて、宿泊療養に関しても、新たにホテル内で点滴処理を可能とするというようなこともしていきたいと思います。宿泊療養施設における医療提供体制の強化を図っていくということです。
 今回、運用方針を一部修正いたしますが、重症、中等症の方はもちろんのこと、軽症、無症状者であっても、重症化リスクが高い方々には、今までどおり入院していただけますので、その点はご安心いただきたいと思います。
 その上で、もう1回申し上げますが、限りある医療資源を有効に活用するため、医師会、あるいは医療機関の皆さまとも連携し、こうした見直しを来週から、順次実施してまいりたいと思います。
 県民の皆さまには、この点ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

5.県内のワクチン接種の状況について

 最後に、県内のワクチン接種の状況について報告をしたいと思います。
 スライドをご覧ください。県全体のワクチン接種率のスライドです。
 昨日時点で、県民全体に占める1回目の接種率は52.05%ということで、県の全人口の約5割が1回目のワクチン接種を終えたということになります。
 これは、全国平均の44.62%を大きく上回っています。全国順位は8位になっています。何度も申し上げますが、群馬県よりも接種が進んでいるところは、いずれも群馬県よりも人口規模の少ないところですので、首都圏でこれだけの数字を上げているということは、群馬県は相当ワクチン接種については、頑張ってきたと自負しています。
 首都圏では、依然として一番高い接種率です。今日、改めて関東地方の他の都県の数字を見てみましたが、平均して10ポイント近く高い接種率になっているということが分かりました。
 2回目の接種率については、37.52%ということで、24位ではありますけれども、先週よりも順位を上げてますし、これは1回目が終われば、必ず上がりますので、あまり心配していません。24位というのも、首都圏では一番高い接種率になっているということは、ご報告しておきたいと思います。

6.県営ワクチン接種センターの稼働状況について

 続いて、県営ワクチン接種センターの稼働状況についても、ご説明します。スライドをご覧ください。県営のワクチン接種センターの稼働状況です。
 昨日11日水曜日までの接種人数の累計は、県央ワクチンセンターが26万3,982人。東毛ワクチンセンターが7万425人ということで、両センター合わせて33万4,407人ということになりました。
 直近1週間の1日当たりの接種人数は、県央が約8,500人。東毛が約1,500人、両センター合わせて、1万142人ということになっています。
 なお、職域接種に、県央ワクチン接種センターをご活用いただく群馬モデルでの接種実績は、2万642人です。
 両センターを合わせた稼働率は93.3%です。順調に稼働していると言っていいと思います。
 先週の記者会見でもお伝えした接種能力の増強に関して、県央ワクチン接種センターでは、接種ブースにおける医療人材の増員等を行った結果、8月7日の土曜日に職域接種として使用する「群馬モデル」の接種数と合わせた1日の接種実績が、初めてこれまで目標としていた1万人を超えました。また、東毛接種センターにおいても、隣接する体育館の新規運用による接種能力の増強を進めているところです。
 東毛接種センターの8月8日日曜日の接種実績は1,890人で、県央接種センターと合わせると、1万2,274人となって、これは過去最多となっています。
 今後も引き続き、11月末までに、希望するすべての県民へのワクチン接種を終えるという目標を1日でも前倒しできるように、全力で取り組んでまいります。

7.県民に対するワクチン接種のお願いについて

 なお、ワクチン接種に関して、先月の29日の木曜日に政府分科会の尾身会長が、「感染力の強いデルタ株というものを考慮すると、国民の接種率が70%に達しても集団免疫は獲得できない可能性が高い」という趣旨のご発言をされました。あわせて、「接種が何%まで進めば、集団免疫が獲得できるのか、明言するのは難しいけれども、接種率を上げる努力はしていく必要がある」と述べられています。
 いずれにせよ、尾身会長の発言にもありますが、とにかく接種率を上げることが、コロナとの闘いを終わらせる、ただ1つの方法だということに変わりはないと考えています。
 さらに、先ほどもご説明をしましたが、現在、群馬県で重症化している18人の方、全員が1回もワクチンを接種していない方々だということも、改めて強調しておきたいと思います。
 過去の記者会見で、何度か皆さんに申し上げましたように、デルタ株が、ほとんど全世界で主要な変異株として、通常のコロナウイルスと入れ替わるという状況が起こる前は、欧米の例もそうですけれども、1回目のワクチン接種が国民の人口のおよそ5割に達すると、感染者も入院患者も急減するという現象があったということで、我々はこれを踏まえて、とにかく1回目の接種5割を早く終わらせようということで進めてまいりましたが、前回、前々回申し上げたとおり、現在のシナリオは、想定とは違ったものになってきているということはしっかり受けとめなければいけないと思います。
 しかしながら、もう1回言いますが、2回の接種をした方々の発症予防効果は95%ということは、群馬県のデータからも言えると思います。
 さらに、もう1回言いますが、やはり重症化を防ぐという点でも、2回のコロナワクチン接種が非常に重要だということが、さらに明らかになってまいりました。
 そこを踏まえて、繰り返しになりますが、ぜひとも多くの県民の皆さまに、積極的なワクチン接種をお願いしたいと思います。もう一度言いますが、特に若い皆さん、20代から30代の皆さんの接種率が2割ぐらいにとどまっていますので、ここが上がっていかないと、なかなか全体の感染拡大を抑えることができないということで、ぜひ若い皆さんにも、ワクチン接種を真剣に考えていただきたいということを、重ねて強調し、お願い申し上げ、私の説明を終わりたいと思います。
 何か、ご質問があれば、お受けしたいと思います。

質疑応答

健康観察センターについて

(記者)
 先ほど、患者療養の新しい方針が示されましたが、この中で盛り込んでおられました健康観察センターについて、伺えればと思います。
 スタート時期について、先ほど知事がおっしゃられていましたけれども、来週スタートするという認識でよろしいでしょうか。

(知事)
 それについては、正確に武藤健康福祉部長からお願いします。

(健康福祉部長)
 1日も早くスタートできるようにということで、今一生懸命準備をさせていただいております。
 県内全域を対象としてできるかということもあるんですけれども、県内の一部からでも、来週には何とかスタートできるような形で頑張っていきたいと思っております。

(記者)
 一部というのは、考えられる対象のエリアみたいな想定はありますか。

(健康福祉部長)
 やはり感染者がたくさん発生しているところは、保健所もかなりひっ迫してきていることもありますので、そういったところが対象になってくると想定しております。

(記者)
 このセンターの人員の配置体制というのは、どのように今のところ計画されておりますか。

(健康福祉部長)
 看護師さん等が中心になってくるので、今その辺のところも含めて細かく詰めているところです。

(記者)
 従来の保健所と、このセンターを作ることによって、ビフォーアフターはどういうふうに変わってくるのか、どういったところが効率化されるのでしょうか。

(健康福祉部長)
 現在もですね、入院が必要な方につきましては一両日中に入院していただくような形でやらせていただいておりますけれども、宿泊療養施設の方に入っていただく方につきましては、若干タイムラグが発生しているような状況がございまして、こういった方たちの健康観察を今保健所で行ってます。
 患者が増えてきている中で、保健所が疫学調査もかなり難渋しているところがありますので、ここの部分が健康観察センターでできることによって、保健所の負担はだいぶ減ってくると理解しております。

(記者)
 健康観察の部分をこちらのセンターに役割を担っていただいて、保健所としては疫学調査に、ある程度特化するということですか。

(健康福祉部長)
 そうですね。保健所もしっかりやらなきゃならない部分が疫学調査だけではなくて、たくさんありますので。
 感染された方の状況をよく確認しなければなりません。この方は入院が必要なのか、あるいは、ホテル療養が必要なのか、新しい基準の中で、この方は自宅でも大丈夫なのかどうか、濃厚接触者がどうなっているかということが疫学調査になってきますけれど、様々な情報を保健所として速やかに取っていかなければ対応できませんので、そういった意味で、健康観察が必要な方、そのフォローについては、この健康観察センターの方でやっていただくことによって、保健所が本当に優先的にやっていかなければならないようなことに、力をより注げるものだと理解しております。

(知事)
 昨日、保健所長の皆さんと9回目の意見交換をやりました。
 これだけ新規感染者が急増している中で、各地域の保健所は本当に大変だと思ったので、率直にいろいろとご意見を伺いました。
 我々が想定していた最悪の事態で100人ですから、これがもう今日も166人ですけれど、本当に100人近くみたいな状況が続いている中で言うと、濃厚接触者の数もどんどん増えているということで、各保健所は本当に苦労してます。
 ただ、その中でも、なかなか今までどおりのような調査ができるかと言うと、そこはなかなか大変なところもあると思うんですけれども、それぞれの保健所が、ぎりぎり踏ん張って、しっかり追跡調査を頑張ってやっていただいていることも分かりました。
 この健康観察センターによって、そういう保健所の現場での活動をしっかりと後押しする形ができれば、これだけの人数が増えていますけれども、積極的疫学調査もしっかり続けられるだろうと。諦めてしまったら、(感染拡大に)歯止めがきかなくなってしまうと思いますので、そういう意味でも、このセンターはとても大事だと思っています。

(記者)
 この中(スライド資料)に盛り込まれている、DXの活用なんですが、具体的に今お考えになられているアイディアがあればお願いします。

(健康福祉部長)
 これは、いわゆる自宅待機されている方、あるいは、ホテルに入っておられる方だとか、いろいろな方がいらっしゃるんですが、そういった方の情報を一元的に整理していく必要があると思っています。
 いわゆる、関係者で情報を共有するために、まず情報を一元化して、そこにアクセスすれば情報が取れるような形で、よりよいシステムを作りたいと思っておりまして、これも今、構築に向けて努力しております。

(記者)
 イメージとしては、パルスオキシメーターの値などをデータベースに一元的に入れて、アクセスすれば、誰でも見れるような・・・

(健康福祉部長)
 そうです。

病床及び宿泊療養施設の拡充について

(記者)
 感染者数も非常に増えているこの状況を見て、現在、知事として、コロナの病床ですとか、宿泊療養施設を県としてさらに増やす必要性みたいなところは、どのように感じていますか。

(知事)
 増やせればそれに越したことはないと思うのですが、これまでも申し上げてきたとおり、450床にするのは相当大変でした。相当、健康福祉部にも頑張ってもらって、医療関係者の皆さんと、いろいろ入念に打ち合わせをして増やしてきて、今470床でしょうか。
 ですから、かなりここまで来るには大変だったんですけれども、状況によっては、当然増やす努力をしていきたいと思いますが、なかなか大変だと思います。
 我々としては、今あるこの470床のキャパシティと、それから、限られた医療資源を最大限活用して、コロナの陽性になった方々に対して、医療の質を落とさずにケアできるか。そこを最大限考えてこういう体制を組んだということです。

新型コロナ患者の療養方針について

(記者)
 新しい療養方針について、少し細かく教えてもらいたいのですが、新たに自宅療養になった、「無症状で家庭内感染の恐れなし」というのは、例えば、自宅内で隔離できるかとか、一人暮らしだとか、何かそういった基準はあるのでしょうか。

(健康福祉部長)
 具体的な基準は、いろいろ対処していく中で明確になってくると思います。
 例えば、部屋数のわりにはご家族が多いとか、あるいは、小さいお子さんが多いなど家族構成ですとか、部屋数がそれなりの数があっても、今この暑い時期でエアコンがなければ、なかなか過ごせませんので、エアコンのある部屋が限られていると、家庭内感染などもあるかと思います。
 そういった形で、一律に基準というものを作るのは、なかなか難しいと思いますが、家庭内感染のリスクが高いか低いかということは、しっかりと聞き取っていかなければならないと思っています。そういった中で、ある程度固まってくるのかなと思っております。

(記者)
 (資料の中にある)重症化リスクが中程度というのは、何かこう示せるものはありますか。

(健康福祉部長)
 そこのところは、なかなか難しいところで、重症化リスクが高いとか、中程度とか、小さいというのは、基本的には保健所で、陽性になられた方の状況を詳しく聞き取っていく中で判断していきます。
 例えば、糖尿病ですとか、がんを治療中とか、こういった方たちは重症化リスクが非常に高い方になってきます。ただ、例えば、同じがんにかかっている方でも、まさに今、抗がん剤治療で通院している方もいらっしゃれば、手術をしてから、かなり経っていて、年に1回ぐらい(病院に)かかっているような方たちもいらっしゃいます。糖尿病ですとか、肥満の方といっても、程度はそれぞれ違ってきます。それらのいくつかの要因が重なってくれば、当然リスクが高くなってきますし、そういったところを、聞き取っていく中で考えていかなければならないと思っているところであります。
 いわゆる基礎疾患があるかとか、妊婦さんであるとかですね。妊婦さんでも、妊娠のどのぐらいの時期なのかということによって、おのずとリスクが変わってくるかと思いますので、そういった様々要因を詳しく聞かせていただいて、大中小というものを判断していく形になります。

新型コロナ感染者の発表の仕方について

(記者)
 今日、重症者の方の年代別を公表していただきましたけれども、先週の会見の中で、中等症も想像してるよりは大変な症状なんだということが、知事からもご説明があったと思います。
 中等症の方も、どれくらいの人数がいらっしゃって、どれぐらいの年代の方がという数字は把握していますか。また公表されるお考えがありますか。

(健康福祉部長)
 中等症の方については、一昨日8月10日の時点では76名の方が中等症でした。
 そのうち、6割弱が40代・50代の方、それから、20代・30代の方が2割強。60歳以上の方が20%というような状況でございました。

(記者)
 知事も先週おっしゃっていたように、中等症もかなり重くて、中等症や重症になることが、自分たち(若い世代の方)にもあるということですが、最初の発表だと、軽症とか無症状の方が多いので、あまり身近に感じられていないのかなと思うんですけれども、中等症の方も、これから例えば人数ですとか、割合ですとか、公表されていくお考えはありますか。

(知事)
 今、武藤健康福祉部長からお話ししましたが、ちょっと方針を考えたいと思いますけれども、基本的には出してもいい情報なので、ちょっと検討させてください。
 やはり感染状況がどうなっているかということを示す意味では、これはすぐ出したほうがいいと思うんですけれど、ちょっと検討させていただければと思います。
 いずれにせよ、中等症は、いわゆる普通のイメージよりも重いというお話も先週させていただきましたが、先ほど武藤健康福祉部長が説明したように、いわゆる重症化リスクは中等症の中でもいろいろな症状があると思うので、そこは少しきめ細やかに、全体の状況を見ながら判断していきたいと思いますし、本当に症状が重い人が入院できないような状況は作らないように、それを考えて作ったシステムなので、そこはしっかりと対応していきたいと思っています。

新型コロナ患者の療養方針について

(記者)
 新しい方針の件について伺いたいんですけれど、県のホームページを見させてもらったら、11日現在で入院調整中の方は659人おられると思うのですが、現時点で、この659人の方はどのような対応方針ですか。

(健康福祉部長)
 基本的には保健所で健康観察をさせていただいております。
 酸素濃度を測るパルスオキシメーターにつきましても、希望される方々には対応させていただいておりますし、今、知事の方から発表させていただきましたような、生活に必要な物資につきましても、順次、お届けさせていただいております。要するに、自宅療養されている方と同じような形とさせていただいてます。ただ、今は基本的に県としましては、原則ホテル(宿泊療養施設)に入っていただくという方針ですので、ホテルに入る前提でやってまいりました。
 しかしながら、これからはですね、無症状で感染リスクもなく、重症化リスクの少ない方については、そのままご自宅で療養していただきたいという方針に変わっていきます。
 ただ、基本的には、それらの方と同じような形でさせていただきたいと思ってます。

(記者)
 支援方針は自宅で健康観察をなされていくと思うんですけれども、具体的にどのようにフォローされていくのか。何か方法ですとか、確認事項ですとか、まとめていらっしゃるんでしょうか。

(健康福祉部長)
 血中酸素濃度が重要な指標になってくるので、パルスオキシメーターを貸与させていただいて、自ら見ていただきますとともに、健康観察センターから、日に何回か連絡を取らさせていただいて、状況を確認し、関係者で共有できるような形にしていく、そんなイメージを持っております。

(記者)
 健康観察センターは県内に1つ、大きなものをポンと置くイメージなのか、保健所別に置いていくイメージなのか。それと、前橋市、高崎市との連携とかも含めて、その辺もちょっとお願いします。

(健康福祉部長)
 基本的には県内1カ所、県庁に置く予定でおります。中核市の皆さま方とは、具体的なところをいろいろ協議したいと思っています。

(記者)
 自宅療養を始めることで、特に東京都の方で自宅療養中に容態が急変して亡くなる事例も少ないながら出ていますが、今回、大きな方針の転換だと思うんですけれど、こういった容態の急変ですとか、そういうところに対して、どのように対応されていくのか、何か懸念とかあれば教えてください。

(知事)
 まず、知事として一番大事なことは、県民の皆さんに真実を語ることだと思います。今こういう状況で、我々が想像していなかったようなペースで感染者が急増していることについて、今のままの状況でいくと、医療提供体制のひっ迫、医療崩壊は必ず防がなければいけないと思いますけれども、そういうことすら起こりかねない状況の中で言えば、方針をある程度変えることによって、しっかり群馬県内の医療提供体制というものを維持していかなければいけないということです。
 そういう現状も正直に真実を県民の皆さんに語った上で、我々として必要な対応をしたということです。
 今まで群馬県は基本的に自宅療養というジャンルがありませんでした。例えば入院調整中の方が30人、40人いたという時があったんですけれども、この時も自宅療養は基本的になくて、入院するか、療養施設に振り分けるということをやってましたし、いつも武藤健康福祉部長に確認してたんですけれども、だいたい翌日には、皆さん入院するか、療養施設に入るか振り分けられたんですね。
 ところが、これが100人、200人という段階になると、残念ながらですね、そういう調整だけじゃなくて、実際に自宅療養という形も考えないと、なかなか医療機関がもたないという形になってきたので、こういう流れをいろいろ相談して打ち出させていただいたということです。
 まだまだ群馬県のレベルは、それでも相当多くなってきていますけれども、もっと自宅療養が多いところに比べると、対応可能なレベルだと思いますが、少なくとも、自宅療養した人が、一気に症状が悪化して入院できないみたいなことがないように、まさにこの健康観察センターも作るし、そういうことがないようにですね、しっかり制度の中でも対応していかなければならないと思っています。そこはとても大事なポイントだと思ってます。

宿泊療養者数について

(記者)
 1点、数字的な話になってしまうんですけれど、今回ホテル(宿泊療養者数)について、先ほど出た数がですね、1週間で270人から299人となっていますが、これ30人ほどしか増えていなかったんですが、やっぱり急激に増加する中で、なかなかホテルの方に移すことができないという、そういった状況だったんでしょうか。

(健康福祉部長)
 例えば病院に入院する時もそうなんですが、1つの病院で仮に40人のキャパシティがあったとしても、1日で40人入れることはできなくて、1日で入っていただける人数には制限がありますので、ホテル(宿泊療養施設)も同じように、例えば、このホテルに200室あるからといって、1日で200人がポンと入れるかというと、決してそんなことはなくて、1回に入れる量的なものもあります。
 ホテル療養の方は、入院される方に比べて、かなりサイクルが短くなっていますので、空いたからすぐに他の人が入れられるというのではなくて、やはりクリーニングをしっかりして、消毒等をしないと、入っていただけないようなこともあります。
 そういった形で、一度に何人も、キャパシティの限界までどんどん入れられるかというと、そういった状況はなくて、段階的に入院していただくという形になります。

新型コロナ患者の療養方針について

(記者)
 新しい方針についてなんですけれども、先ほどおっしゃった、軽症、あるいは、無症状で重症化リスクが中の方だとか、無症状で家庭内感染の恐れがない方というのは全体の陽性者に占める割合はどれぐらいになると想定してらっしゃいますか。

(健康福祉部長)
 ざっとしたつかみなんですが、やはり10%、20%ぐらいの方がいらっしゃるのかなと思っています。

(記者)
 両方合わせてということですか。

(健康福祉部長)
 いわゆる自宅療養される方です。
 運用していかなければなかなか分かりませんが、パターンが2つありまして、感染が分かったときに、保健所が聞き取った中で、この方は症状もないし、基礎疾患も持っていないので、リスクはほとんど低いと、家庭内感染する可能性もないということが分かれば、初めから自宅療養になります。
 もう1つ、仮に症状があって入院だとか、宿泊療養施設に入っていただいても、今は結構軽い方がたくさんいらっしゃって、いわゆる国が定める退院基準ぎりぎりまで、そこにいなくてもですね、数日前の段階で全く症状がなくなる方もいらっしゃるんですね。そうすると、早期退院とか早期退所みたいなものをちょっと考えておりまして、そうすることによって、病院やホテルの回転を早くして、実質的なキャパシティを増やそうということも考えておりますので、そういったところで、1割、2割程度ぐらいかなというふうに、ざっと掴んでいるところです。

(記者)
 健康観察センターとの関係性なんですけれども、細かくお聞きしますが、基本的には、来週以降一部地域からでもどんどん始めていきたいとおっしゃっていましたが、それは健康観察センターが、その地域を観察できる体制が整ったら、新方針を適用していくということですか。つまり、健康観察センターの状況が整うことが前提なのかということは、どうでしょうか。

(健康福祉部長)
 健康観察センターで働いていただける方が確保できたら、少しずつ拡大していくようなイメージを持っています。
 地元の方たち、保健所をはじめ、共通の認識をしっかり持たなければなりませんので、そういった調整も含めて、市町村も含めてよく調整させていただきながらという形になるかと思います。

(記者)
 健康観察センターによる健康観察の状態ができない状況では、この新しい方針が適用されることはないということですか。

(健康福祉部長)
 いわゆる振り分けみたいなものは、どんどん始めていく考えでおりますし、先ほどの質問がありましたが、実質的にホテル療養を待っている方は、自宅療養されているのと一緒ですので、そういった方のフォローは保健所でやってますので、機能的に劣ることは全くなくて、ただ先ほど話したように、保健所の業務がかなり手一杯になってきているので、そこをしっかり健康観察センターで肩代わりしてもらう方が・・・

(宇留賀副知事)
 質問は、健康観察センターができないと、新方針がスタートしないのかということだったと思います。

(健康福祉部長)
 それはスタートします。

(記者)
 先ほど、1日200人ぐらいのペースで続くと600床が必要になるというお話で、この新方針だと450床ぐらいになるんじゃないかというようなお話でした。
 病床数を増やせれば、それに越したことはないし、努力は続けるけれども厳しいというようなご回答だったと思いますが、考え方の1つとして、例えば、福井県は体育館に最後の手段というような位置付けで、簡易ベッドとか、間仕切りを入れて臨時の医療施設みたいな形にして、100床分を確保するような取組もやっていらっしゃるんですが、群馬県とすると、こういうことは選択肢になるのかどうか、お考えをお聞かせください。

(健康福祉部長)
 本県では、先ほども申し上げましたけれども、今は入院が必要な方については、一両日中に入院できる状況でございますので、新しい方針の中で、ホテルや病院の回転率を高めていくような形にして、実質的なキャパシティを増やす方針でおりまして、今のところ、具体的に福井県がなされてるような、一時的な医療施設を作るという計画は、ございません。
 ただ、今後、感染の拡大の状況によりましては、全く選択肢から除かれているというわけではないですけれども、やはりしっかりと医療スタッフをそろえて、ただ集めました、寝かしておきますとはできませんので、その辺はどういった形で患者の増加に対応していくのがいいかということは、今も検討しておりますし、それにふさわしい形をしっかり作っていかなければならないとは思っております。

(記者)
 医療機関という設備が整ったところで回転をよくして、対応していくような方向性を今は重視しているということですか。

(健康福祉部長)
 今はそういった形でやっております。それと、ベッド(病床)が増やせれば、それにこしたことはありませんので、そういった努力もしていかなければならないと思っております。

(知事)
 各県によって事情が違うので、福井県はそれが必要だというふうに判断したんだと思いますが、群馬県の方針は、今説明したとおり、今の体制で、こういうものを現時点では用意しないで、しっかり回るように我々は努力していくということに尽きると思います。
 それから470床をこれ以上増やすのは厳しいと申し上げたのは、これまでの関係部局の苦労を知っているので、そう申し上げましたが、必要があれば我々もさらに増やしていくしかないので、最大の目的はやっぱり県民の皆さんを守ることなので、そういう努力もやはり続けていかなければいけないかなと思っています。

(記者)
 療養の新方針についてなんですけれども、重症化リスクの中とか、家庭内感染の恐れなしの判断というのは、一律ではなくて、いろいろな要素を組み合わせて判断するということでした。
 これは逆に言うと結構高度な判断になってくるのかなと思いまして、判断する人によって内容が変わってしまうみたいなことも懸念されるかもしれないんですけれども、判断するのは、結局どなたがされるのでしょうか。

(健康福祉部長)
 基本的には保健所で一義的に判断していきます。
 ただ、病状というのは、本当にこの病気は、かなり急激に変わることもあります。そういった中で、ホテル療養が適切だということで、ホテル療養をしていただいたけれども、状況が悪化したので入院していただくこともありますし、状況の中でですね、一義的にまず保健所で判断しますが、それがもし適当でないということになれば、それに相応しいのが、病院、ホテル、あるいはご自宅なのかというのは変わってくることがあります。
とにかく運用して、事例をしっかりと重ねることで、より適切な方法を進めていかなければならないと思っております。

(記者)
 先ほどの話にも出たシミュレーションの中で、200人の感染が続くと、600床が必要なところが、これによって450人になるということについて、少し詳しくお聞きしたのですが、この方針を適用することで、入院する人の率が、例えば、今何割ぐらいなのが何割に下がることで、450人になるとか、その辺は何かありますでしょうか。

(健康福祉部長)
 ちょっとデータとしてありますが、第4波、いわゆる5月の頃はですね、新規感染者が出たうち30%の方が入院されていました。
 現在はどうかと言いますと、だいたい23%強ぐらいの方が入院してるような状況です。
 ですので、シミュレーションでは、何%がまず入院するかというところで変わってくるところもあります。そういった状況がありまして、第4波の時よりも、まず入院される方が少ないということが、今のところは出ています。
 それから、先ほど言いましたが、回転を少し早くすることができそうな方が、やっぱり1割、2割、それなりの数いらっしゃいますので、そうすると、470床に1割、2割が足される形になりますので、だいたい600床ぐらいになる感じだと思っています。

(記者)
 退院の回転を早くするという部分で、確認なんですけれども、今まで退院基準は、軽快してから10日間とかだったと思うんですけれど、これが少し緩和できるということでしょうか。

(健康福祉部長)
 軽い方も、いらっしゃいますので、入院されたときには、それなりの症状がありましたが、入院してる中で数日でまるっきり回復したような方も中にはいらっしゃいます。
 そういった方につきましては、早めに退院していただくことも考えていかなければならないので、そういうふうにしていきたいと思ってます。

(知事)
 前例というか、過去の例も参考にしながら、だいたい目安でそういうふうに言ったんですけれど、大事なところなのでもう少しわかりやすく数字を出させていただきます。
 今お話を聞いてて、過去の第4波の例からいくと、こんな形で推移するということもありますし、武藤健康福祉部長が話したように、第3波、第4波の時は調整している方々のうち3割ぐらいが入院していたのが、今23%ということなので、もうちょっと数字も含めて、我々も相談して、分かりやすく説明させていただければと思います。
 ただ、覚えていらっしゃると思いますが、1日の新規感染者を20人以内に抑えて、病床稼働率を10%台に抑えて、だいたい450床あれば100人以上の感染者が出ても、当分の間は維持できるだろうという時は、こういう形でたぶん計算したんですけれど、今デルタ株が出てきたこともあって、基本的には武藤健康福祉部長が話したとおりですが、少し分かりやすいストーリーというか、数字をまとめて、もう1回報告したいと思います。

豚熱(CSF)発生に関する要望について

(記者)
 豚熱の関係でお伺いいたします。
 昨日、市長会、町村会から、知事あてに、科学的知見に基づいた、子豚への適切なワクチン接種の実施時期や回数、また基準についての再検討について、要望書が出されましたけれども、それについて、まず知事の受けとめをお尋ねしたいのと、テクニカルな話になってくるかと思いますけれども、子豚へのワクチンの2回接種の実現可能性について、かなり要望が高まってきていると感じますけれども、県として現状の考え方をお聞きできればと思います。

(知事)
 細かいことは角田農政部長からフォローしてもらいますが、まず、市長会及び町村会からの要望はいただきました。
 要望の中身は、しっかり受けとめたいと思いますが、まだ疫学調査中ですから、まずは今回どうしてこういうことが起こったのかということを、しっかり検証してから対応を考えていきたいと思っています。
 確かに、抗体が切れると言われてる期間よりも前の豚が感染したということなので、これが事実だとすると、国が言っている方針と必ずしも一致していないところがあるので、そこはもう1回検証の必要があると思いますが、まずは原因をしっかり解明してから対応することが正しいと思っています。
 それから、これまでも何度も言っているんですけれども、我々も国の方針に従ってワクチン接種をやってきたのですが、過去、豚熱が出たときにも説明しましたが、群馬県が他県に比べて接種回数が少ないということはないと思っています。
 (豚熱対策を)とてもしっかりやっていますし、ましてや知事認定(獣医師)制度も基本的には、群馬県の働きかけで進んだと信じていますので、これも一番最初に移行してますし、何回接種したら有効なのかというのは、おそらくまだ科学的にはっきり立証されてない部分もあると思います。
 我々としては、国の方針に従って適切にやってきたと思うので、接種回数を増やすことが本当に有効なのかどうかということも確かめてから、やらなければいけないと思っています。
 ただ、もう1回言いますが、市長会、町村会のご心配はもっともだと思いますし、何度も言っているように、群馬県にとっては主力産業の1つですから、これを守りたいという思いは一緒ですので、今言ったような検証の結果によっては、いろいろな要望を国にしていくとか、あるいは基準についても、我々として見直せるかとか、いろいろなことは、検証結果を踏まえて検討するということだと思います。

(農政部長)
 今、知事から説明をさせていただいたとおりです。
 昨日、市長会、町村会から要望いただきまして、ご指摘のとおり、接種の時期、回数、基準等について、再検討が必要ではないかというご意見をいただいたところですけれども、現在、国の疫学調査チームによる原因究明を待っているところですので、そういったものを踏まえて、要望を国に対して行う必要があると思っております。
 ぜひとも、そういったところを国に究明していただきたいと考えております。

(記者)
 まずは、事実関係の整理をしてからということですね。

(知事)
 そうですね。
 他によろしいでしょうか。よろしいですか。

県民へのメッセージ

 それでは、最後に知事の方から、県民の皆さまに、お伝えしたいことを話させていただきたいと思います。
 群馬県の感染状況は依然として非常に深刻です。今日も160人を超える新規感染者が出ました。
 実は、昨日までの新規感染者数の流れを見ながら、そろそろ、最悪期を脱したんじゃないかと、ピークアウトし始めたんじゃないかと、感染のペースは鈍ったんじゃないかというふうに思ったんですけれども、今日160人以上出ました。これは木曜日としては、過去最多です。これを見ると、やはり状況が一気に改善するのは難しいということを、改めて痛感いたしました。やはりデルタ株のまん延は想像以上に厳しい状況をつくり出しているということも、改めて感じたところです。
 我々としては、今まん延防止等重点措置を適用させていただいていますので、このルールに従って、県民の皆さまに、できる限り感染防止対策を、いろいろな意味で、事業者の皆さまも含めて徹底していただくということが1つ。
 もう1つは、尾身会長から「デルタ株がまん延している中だと、国民の接種率が7割に達しても、本当に集団免疫ができるかどうかわからない」というご発言はありましたけれども、前回、前々回に加え、今日も申し上げたとおり、ワクチン接種が有効なことは、間違いありません。2回のワクチン接種を受けた方は、相当の確率で発症を予防できることも、群馬県のデータからは明らかだと思います。
 さらに、今日申し上げましたが、今、群馬県の重症者、人工呼吸器を使っている方が、ここ数日間でかなり増えて18名になりましたが、この18名の方々の年齢は、若い方から40代、50代の方々まで、満遍なくおりますが、お1人もワクチン接種をした方はいなかったということから考えても、重症化を防ぐという効果もあると考えていいと思います。
 この2つの方針に従って、しっかりと我々は努力をしていきたいと思いますし、そのために県民の皆さまのご協力をいただければと思います。
 今、100人を超えるような感染者が続いている状況の中で、今日は、群馬県の医療提供体制について少し修正をするという新しい方針を発表させていただきました。
 会見の中身を改めて見ていただければ分かると思うんですが、これは、群馬県の医療体制をしっかりと維持するための方針です。県民の皆さまに対する医療サービスの質を低下させない、必要な医療を県民の皆さまに提供するために、2点ほど大きな修正をさせていただいたということですが、何度も申し上げますけれども、自宅療養という新しいジャンルは設けざるを得ない状況になっていますけれども、コロナに感染された皆さま、例えば、中等症の皆さまであっても、何かあった時には、入院できるような体制を様々な知恵を使って、しっかりとやっていきたいと思いますので、その点はご安心をいただきたいと思っています。
 いずれにせよ、ここからも厳しい状況が続きますが、ワクチン接種のご協力も含めて、ぜひ皆さまのご理解、ご協力をお願いしたいと思います。力を合わせて、厳しいところですが、この危機を乗り切っていきたいと思います。そのことを最後に改めてお願い申し上げ、今日の会見を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。