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第44回定例記者会見(2月3日)

更新日:2022年2月4日 印刷ページ表示
  • 日時 令和4年2月3日(木曜日)15時00分~16時05分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 16人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和4年2月3日定例記者会見動画(You Tube:外部リンク)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:761KB)

知事冒頭発言

発表項目

1.はじめに
2.直近の感染状況について
3.検査・診療方針の見直しについて
4.ワクチン追加接種の有効性等について
5.豚熱(CSF)に対する抜本的な対策について
6.直滑降ストリームについて

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1.はじめに

 それでは、定例会見を始めさせていただきたいと思います。
 スライドをご覧ください。本日の主な項目です。
 本日は、「新型コロナの直近の感染状況」、それから「検査・診療方針の見直し」、「豚熱(CSF)対策」、この三つについて発表させていただきたいと思います。

2.直近の感染状況について

 まずは、直近の感染状況についてご説明いたします。
 スライドをご覧ください。新規感染者の推移です。
 直近1週間の新規感染者数は、本日の1,194人を含めて、7,020人ということになりました。先週は、先々週の2,505人から約2倍の5,291人でした。
 今週は先週と比べると約1.3倍ということで、増加のスピードは鈍化してきたように見えますが、増加が続いているということには変わりありません。
 依然として、何度も申し上げているとおり、ピークは見通せていない状況だと考えています。

 続いて、客観的な数値についてご報告します。次のスライドをご覧ください。
 まず、上段の感染状況ですが、どの指標も先週を上回っているということが分かると思います。市中感染が広がっている状態だと考えています。
 (1)の1日当たりの新規感染者数は988.7人ということになっています。
 (2)の経路不明の感染者は、55.7%ということになっています。
 (3)の検査の陽性率については、35.5%ということで、基準の7%を遥かに大きく超えているということが分かると思います。
 (4)の今週先週比ですが、1.0以上がすでに34日間、1カ月以上増加が続いているということになります。

 続いて、下段の医療提供体制です。
 (1)の病床使用率は、63.8%まで上がってまいりました。
 療養方針の見直しによって、入院される方の割合を可能な限り引き下げ、宿泊療養、自宅療養での対応を強化しております。
 これによって、必要な方に医療提供できる体制は、何とか維持できていると捉えていますけれども、依然として、全体的に厳しい状況が続いております。
 また、(2)の重症病床使用率ですが、8.1%ということで、先週よりも若干増えました。それでも現時点では、警戒レベル1の水準を保っております。

 なお、この1週間で新たに9名の方が亡くなりました。改めて、心からのお悔やみを申し上げたいと思います。

 続いて、感染者の年代について触れたいと思います。次のスライドをご覧ください。
 ワクチンを打てない10歳以下の割合が、このところずっと増え続けております。
 22%ということで、前回に比べると4ポイント増えているということが分かります。

 続いて、感染者の推定感染経路です。次のスライドをご覧ください。
 感染経路不明が調査中も含めると56%ということで、最も高くなっています。
 また、この1週間で、小学校でのクラスターが10カ所以上発生しているということもあって、11歳未満の割合が増加している要因となっております。

 続いて、保健所別の検査状況をご報告します。次のスライドをご覧ください。
 これもざっと見ていただければ分かりますが、すべての地域が真っ赤になっておりまして、県内全域で感染が拡大していることが分かります。

 続いて、療養者の状況です。スライドをご覧ください。
 現在の療養者は8,574人おりますが、そのうち入院されている方が358人で4%、宿泊療養が642人で8%、自宅療養は6,353人で74%という状況になっています。
 また、入院されている方の症状については、軽症の方が78%、約8割ですね。中等症の方が77人で21%、重症の方は3人ですので、1%になります。

 続いて、入院されている方の年代についてもご報告したいと思います。スライドをご覧ください。
 入院者のうち、60歳代以上が7割を占めているということが分かっていただけると思います。
 オミクロン株は軽症だと言われていますが、高齢者にとっては、重症化に至ることもある危険なウイルスであるということを、改めて強調させていただきたいと思います。
 県民の皆さまには、何度も申し上げておりますが、早期の(ワクチンの)3回目接種をお願いしたいと思います。
なお、療養施設に関しては、新たに7カ所目となるホテルを明後日5日の土曜日から太田市内で稼働することといたしました。先週、前橋市内で新たなホテルを稼働したところですが、さらなる新規感染者の増加に対応するため、太田・館林地域に2カ所目のホテルを開設するということにしています。
 これで部屋数は215室増えて、合わせて7カ所、8棟、1,727室ということになります。引き続き、さらなる療養体制の強化整備を図ってまいります。
 以上が、直近の感染状況についてです。

 群馬県にまん延防止等重点措置が適用されてから、今日で約2週間が経過しています。
 いまだに感染者が増加しておりますが、宿泊療養、それから自宅療養での対応を強化することによって、必要な方々に医療を提供できる体制は何とか維持できていると言っていいと思います。まん延防止等重点措置の期間は(2月)13日の日曜日までということになっています。
 県としては、まずこの期間でしっかり感染を抑え込むことに全力を尽くしていきたいと思います。
 県民の皆さまには、ご不便をおかけしておりますが、引き続き、感染防止対策の徹底にご協力をお願いいたします。

3.検査・診療方針の見直しについて

 続いて、検査・診療方針の見直しについてご説明いたします。
 スライドをご覧ください。検査等の現状です。
 オミクロン株による感染の急拡大によって、全国的に検査の需要が急激に高まっています。
 外来診療の現場も逼迫し、PCR検査キット等の不足が生じている状態になっています。
 本県においても医療機関等において、検査キットの在庫が不足しておりまして、この点については、今年度に入って7回目だったでしょうか、全体でも12回やっていると思いますが、先日の、各地域の保健所長との意見交換でも指摘をいただきました。
 検査は、陽性者を早期に把握し、速やかに必要な医療を提供するという点で言うと、必要不可欠だと考えています。
 他方で、足元の感染状況を見ると、感染者が急増しておりますが、無症状や軽症の方が多く、重症化する方が少ないというのが現状です。
 こうしたことに鑑みると、限られた医療資源、検査資材を、医療が必要となる方々、特に重症化のリスクが高い方々に集中させる必要があります。
 こうした状況を踏まえて、政府は一部の検査を省略し、医師が診察し臨床症状等のみで陽性とみなす、いわゆる「みなし陽性」を認める方向を、先月の24日に示しています。
 本県においても、県内の診療・検査体制の逼迫状況、あるいは、国の方針もしっかり受けた上で、濃厚接触者に対する検査・外来診療における検査の見直しを行い、先月の27日から運用を開始しておりますので、この見直しの中身についてご説明したいと思います。

 まず濃厚接触者に対する検査からご説明申し上げます。
 スライドをご覧ください。濃厚接触者に対する検査の見直しに関するスライドです。
 これまで、疫学調査によって濃厚接触者に特定された方々に対しては、すべての方の検査を実施してまいりました。
 今後はこれを、「症状のある方」、または「重症化リスクの高い方」に重点化して実施することといたします。
当面の間、無症状で重症化リスクの低い方に関しては、濃厚接触者とされた場合でも、検査は実施いたしません。自ら健康観察を行っていただくようにお願いしたいと思います。
 ただし、健康観察中に発熱等の症状が出たときは、これはためらうことなく、早期に電話連絡の上、医療機関を受診していただくようにお願いしたいと思います。
 なお、学校や企業、また個人の濃厚接触者など、疫学調査の重点化によって、各自での対応をお願いしている方々に関しても、こういった対応を参考に、症状が出ている方のみ医療機関を受診いただくようにお願いいたします。

 続いて、外来診療における検査についてもご報告いたします。
 次のスライドをご覧ください。外来診療における検査に関するスライドです。
 これまで、外来診療については、医師が診察、検査、診断を行い、保健所に陽性確定者の発生届を提出するという流れになっておりました。これは従来の流れです。
 今後は、症状があって「重症化リスクが低い」と考えられる方については、医師による検査は省略できることにしたいと思います。
 具体的に言うと、抗原定性検査キット等で、患者自らが検査を行い、陽性が確認できている場合、医療機関において再度の検査を行わなくても、医師の判断で陽性とみなすことを可能とするということです。
 同様に陽性となった方の同居家族に関しても、症状が出ている場合には、診察の結果、医師の判断により検査を行わずに「陽性」とみなすことも可能といたします。
 先月の28日から運用を開始し、今月に入って、昨日までに15名の方が「みなし陽性」と判断されています。
 なお、今回の変更は、あくまで医療機関での検査を一部省略する対応を可能とする、こういう形です。受診前に、「自身での検査」を一律にお願いするものではありません。さらに、自ら検査をしなくても症状があれば、医療機関を受診できますので、その点は正確にご理解をいただきたいと思います。
 以上が検査診療方針の見直しについてです。

 方針の見直しとあわせて、群馬県では、検査キットの供給体制を確保するため、医療品の卸しや販売関係団体等と連携して、医療機関や地方自治体への優先供給を行っていただけるように働きかけを今行っています。
 加えて、過日開催された全国知事会においても、私の方から、「医療機関に対して検査キットを早期に優先配布することを、全国知事会として政府に求めていただきたい」、こういう意見を述べさせていただきました。
 複数の知事から、同じ意見が出ました。皆さん同じ問題意識を持っていることは分かりました。
 この件については、全国知事会としてすでに国に要望が行われております。
 今後も、必要な方々に必要な医療を届けられるよう、検査キットの確保に向けて尽力してまいります。
 なお、現在、県では無症状者を対象とした無料のPCR検査等を実施しておりますが、こちらについても、検査キットの不足が見込まれています。
 この事業は、全国的に実施されておりまして、仮に群馬県が事業の停止を決定したとしても、検査キットの流通不足は全国規模の問題で、これは根本的な問題の解決には至らないということです。群馬県単独じゃなくて、国主導による全国統一的な対応が不可欠だと考えております。
 このため、先の知事会でも、私の方から、「一時的な中止も含めた対応について、全国知事会として政府に求めていただくよう」意見を述べさせていただきました。
 今後の事業継続については、国の動向や検査キットの供給見込み等により流動的にならざるを得ないと考えています。
 無料検査の需要も、もちろん増大していることは承知しておりますが、何度も申し上げますけれど、優先すべきは、症状のある方や重症化リスクの高い方々への検査だと考えています。
 県民の皆さまにも、ぜひ、この方針に、ご理解、ご協力をいただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 また、県内の感染者数が増える中で、医療機関や保健所の業務が逼迫しております。例えば、「感染された方が療養を終えた後」または、「濃厚接触者になられた方が待機期間を過ぎた後」に、職場等から各種の証明を求められると、こういうことがあると思っております。
 これについては、厚生労働省の事務連絡でも、職場等に証明を提出する必要はないと明記されました。その意味で言うと、各種証明の請求については、お控えいただくようにお願いしたいと思います。
 また、症状はないけれど、自分は濃厚接触者ではないかと、不安に思う方が医療機関に殺到しており、このため現場が混乱しているという声も届いております。
 身近に感染者が出て、大変不安なお気持ちはよく分かりますが、検査資材が不足している現状では、無症状のうちは、できるだけ受診を控えていただくようにお願い申し上げます

4.ワクチン追加接種の有効性等について

 続いて、3回目のワクチン接種についてご報告いたします。
 今、群馬県でオミクロン株による感染の急拡大が進んでいますけれども、感染者の多くはブレークスルー感染になっています。
 この要因の一つに、初回の接種でできたウイルスに対する抗体価、2回の接種でできたウイルスの抗体価が、時間の経過とともにも減退していることが挙げられております。スライドはこのことを示した調査結果です。
 3回目接種によって再び十分な抗体価を上げることが、万一感染しても発症や重症化を抑えることに有効なことが分かっています。
 このため、県では、できるだけ早く、希望する県民の方が3回目の接種を受けられるように、市町村、関係団体と連携して、接種券の前倒し発送や接種体制の拡充などに取り組んでおります。
 先日の臨時会見でも発表いたしましたが、来週11日の金曜日からは、県営ワクチン接種センターにおいて、18歳以上の一般の方々を対象とした追加接種が始まります。
 また、それに向けて、今月中旬までには、多くの市町村で、一般の方向けの接種券も前倒しで発送されます。
 そうした中で、前回の会見でもご質問がありましたが、「副反応が初回よりもきついのではないか」、こういう疑問とか、不安を持つ方々も多いのではないかと考えています。
 特に、モデルナについては、各市町村で予約枠が余っているにもかかわらず、知名度の低さや副反応への懸念もあって、ファイザーが打てるようになるまで待っている方も一定数いると聞いています。

 本日は、追加接種の有効性や副反応、特にモデルナ製ワクチンについて、知事である私の言葉で、改めて、皆さんに少し丁寧に説明させていただきたいと思っています。

 次のスライドをご覧ください。モデルナ社製ワクチンの特徴に関するスライドです。
 一つ目の特徴は、「ファイザーと比べて(効果が)比較的落ちにくい」、こういうデータが示されているところです。
 スライドは、初回接種時との比較ですけれども、モデルナ、ファイザーともに2回目接種から半年後でも高い重症化予防の効果が維持されていることが分かります。
 特に、モデルナの方が、感染予防、発症予防、重症化予防の効果が比較的高かったと報告されております。

 次のスライドをご覧ください。
 二つ目の特徴、「副反応は2回目の同等以下」ということです。3回目接種は副反応も少ないということをちょっと申し上げたいと思います。
 2回目接種まではモデルナワクチンの副反応の頻度が高いと言われておりました。特に高齢者よりも若年層で副反応が出やすい傾向がありました。
 そうした方々の中には、3回目はもっと強い副反応が出るのではないかと不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
 しかしながら、3回目の接種のモデルナ接種量は、1、2回目の半分の量ということになります。
 このスライドのとおり、追加接種での副反応は、2回目と概ね同等以下と報告をされております。
 特に、懸念される方々が多いワクチン接種後の38度以上の熱に関しては、2回目接種の半分程度まで出現率が下がることが分かっています。
 加えて言うと、いずれの副反応についても出現率は同等以下ですが、すでに追加接種を受けた方々からの声を聞くと、(副反応の)程度というものは、2回目までと比べて軽いと、こうした報告も受けております。
 また、副反応については、同種接種の場合も、交互接種の場合も、3回目接種時のワクチンに応じ、同様だという報告をされています。
 これらのデータは、海外の研究結果に基づくものですが、国内での3回目接種についても、免疫の持続性や安全性の調査について、今大学等で進んでいるところです。
 加えて、3回目接種では、2回目までとは異なるワクチンを接種する、いわゆる交互接種が可能になります。

 次のスライドをご覧ください。3回目接種における交互接種の有効性をまとめたものです。
 こちらのスライドは、ファイザー、モデルナとともに、初回接種と同量で追加接種を行った場合のデータです。
 今のところ、モデルナを半分の量にして比較したデータがないので、本日はこちらのデータを参考に紹介をさせていただきます。
 同種接種の場合も、交互接種の場合も、3回目の接種前と比較すると、抗体価がすべての組み合わせで上昇しているということです。
 特に、スライドのとおり、1、2回目の初回接種でファイザーを接種し、3回目接種でモデルナを接種した場合、3回目接種でファイザーを接種した場合に比べて、抗体価が大きく上がると言われています。
 以上のように、モデルナ製ワクチンの効果は、知名度で勝るファイザーと比べてもなんら遜色がなく、副反応についても、2回目と比べて同等以下となっていると、こういう事実を皆さんにお伝えしておきたいと思います。
 感染が急速に拡大しているこの状況下では、ワクチンの種類を選ぶのではなく、接種できるワクチンをなるべく早く接種する、このことをぜひ、優先していただきたいと考えています。

 県営ワクチン接種センターや市町村のモデルナ接種会場では、高齢者の方々等がすぐに予約できる時間帯も今あります。
 また、県営センターでは、1日の火曜日から、18歳以上の一般の方々についても、予約の受付を開始しております。接種券がお手元に届いた方々から、徐々に予約をいただいておりますが、まだまだ予約枠には空きがあります。
 ぜひ、県民の皆さまには、接種券が届いたら、センターももちろん最大限に活用していただきつつ、とにかく速やかに3回目の接種を受けていただくよう、ご検討いただきたいと、このことを重ねて、知事からお願いしておきたいと思います。

 最後に、前回の臨時会見で記者さんからご質問があったと思いますが、「知事の3回目接種」についてお答えしたいと思います。
 私は、県営センターの一般接種が始まる日の11日に、県営センターでモデルナワクチンを接種したいと考えています。
 知事である私が率先して、モデルナ製ワクチンを接種することによって、まず県営センターの存在もしっかり知っていただきたいと思いますし、何より3回目接種の必要性というものを、より多くの県民の皆さんに知っていただく機会にしたいと考えております。

5.豚熱(CSF)に対する抜本的な対策について

 豚熱に関する抜本的な対策がまとまりましたので、これも併せて発表させていただきたいと思います。
 群馬県では、これまで5回発生した豚熱事案を受けて、豚熱対策の総点検を進めてまいりました。
 6例目の発生を何としても回避したい、養豚農家の皆さまが安心して養豚業を営むことができる県にしたい、こういう強い決意の下で、過去の会見でも申し上げたとおり、これまで、抜本的な対策について議論を重ねてまいりました。

 本日はその内容が固まりましたので、発表させていただきます。
 まずは、過去5回の豚熱事案を総括する中で、他県にはない群馬県特有のリスク要因が浮かび上がってまいりました。
 その点から説明させていただきたいと思います。
 スライドをご覧ください。群馬県の養豚農場の現状に関するスライドです。
 5例目の発生を受けて、野生動物の専門家の方々も交えて、赤城南麓地区戦略会議というものを開催いたしました。
 その中で、専門家の方々から、養豚農家の立地について、「野生イノシシの生息地域である山間部、特に赤城山の南面に集中しているという特殊事情がある。こういった観点から考えても他県と比べて感染のリスクが高い」というご意見をいただきました。
 こうした本県特有のリスク要因を踏まえると、対策のポイントは「いかに農場内へのウイルスの侵入を防ぐか」にあると思います。

 次のスライドをご覧ください。抜本的な対策の三つの柱をまとめたものです。
 一つ目は野生イノシシ対策、二つ目は飼養衛生管理、三つ目は子豚へのワクチン接種です。それぞれの柱に沿って詳細をご説明したいと思います。

 まずは、一つ目の柱である野生イノシシ対策についてです。
 野生イノシシによってウイルスが媒介され、拡散されることから、このリスクをいかに減らせるかが、全体のリスクにも直結してまいります。
 抜本的な対策を進める上で、この点はまさに基盤となるところであって、我々はこれを極めて重要な点だと考えています。

 次のスライドをご覧ください。対策の詳細をまとめました。
 最初に、野生イノシシの捕獲に関する対策です。
 野生イノシシ対策については、これまでは捕獲奨励金の増額等、地元の猟友会を中心とした経験に基づいた捕獲を重視してまいりました。今後はこれに加えて、民間事業者の活用を検討していきたいと思います。さらに、捕獲アプリを開発して、より戦略的な捕獲活動を行いたいと考えています。
 具体的には、地元猟友会との調整を十分に図った上で、養豚場周辺地域においては、民間事業者に捕獲を依頼する仕組みを検討していきたいと考えています。
 また、これまでは経験に基づいた捕獲が中心でした。これはこれで大事ですが、今後は捕獲アプリの導入によって、捕獲場所や設置時期、各種捕獲データというものを収集分析して、戦略的な捕獲活動を展開していきたいと考えております。
 この捕獲活動については、まず養豚場が集中している赤城南面地域において実施してまいりたいと考えています。

 次に、野生イノシシを「近づけない」対策についてです。
 野生イノシシを農場に近づけないために、赤城南面の養豚場が集中する地域に緩衝帯というものを整備いたします。
 具体的には、養豚場周辺やイノシシの移動経路となっている河川内の雑木や草木の伐採を行います。それによって野生鳥獣が潜む場所をなくしていくということになります。
 赤城山の南面に養豚場が集中しているという、本県の特殊事情を踏まえ、一刻も早くこの緩衝帯を整備したいと考えています。
これによって、養豚場周辺へのイノシシの出没や侵入を抑止していきたいと思います。

 次に二つ目の柱である飼養衛生管理についてご説明いたします。
 一つ目の柱によって、野生イノシシ対策の強化を行いますけれども、それでも小動物などを介してウイルスが農場まで運ばれてしまう可能性は排除できません。
 むしろ、すでに農場内にウイルスは持ち込まれているという認識に切り換えた上で、各農場で、飼養衛生管理のレベルをさらに高めていくことが大事だと思っています。

 次のスライドをご覧ください。対策の詳細をまとめました。
 飼養衛生管理については、これまではソフト面中心の対策を実施してまいりました。具体的には、知事認定獣医師制度や家畜保健衛生所職員が各農家を訪問して、飼養衛生管理基準の重点項目を遵守するように指導してまいりました。これが、これまでの対策です。
 しかしながら、相当程度、重点項目を遵守している農家であっても、(豚熱の)発生を防げなかったという厳しい実態が浮かび上がってまいりました。
 そこで、今回はコンサル専門獣医師である防疫アドバイザーを設置して、各農場への派遣及び指導を行うことといたします。
 この防疫アドバイザーには、飼養衛生管理基準の遵守項目に加えて、プラスアルファで農場が取り組むべき対策を助言、指導していただこうと考えています。ソフト面だけではなく、雨水等によるウイルスの流入を防ぐための施設整備とか、ウイルスを持ち込ませないための畜舎の改修を含めたハード面の対策にも踏み込んで指導を行っていただく予定です。

 最後に、三つ目の柱である子豚へのワクチン接種についてもご報告申し上げます。
 群馬県では、これまで知事認定獣医師制度の導入によって、適切な時期でのワクチン接種を進めてまいりました。
 しかしながら、対策の抜本的な見直しにあたっては、今後、接種時期をさらに緻密に高い精度で割り出していくことがとても大事だと思っています。

 次のスライドをご覧ください。対策の中身をまとめました。
 子豚へのワクチン接種については、抗体量に応じて、適時に接種するということが極めて重要です。
 県ではこれまでも、接種に適した日齢を農場ごとに検討してきましたが、これまで多く採用してきたエライザ法という検査法がありますけれども、これは接種の適切な時期を高い精度で割り出すということがなかなか難しかったという事情がありました。
 今後は、より高感度で抗体価を測定できる中和抗体検査というもので、繁殖豚、子豚の検査頭数を増やすよう体制の強化を図ってまいります。
 これまでも、これは一部で採用していた検査方法でありますけれども今回は、検査体制を抜本的に見直して、この中和抗体検査を進めてまいりたいと思います。
 これによって、各農場の実態をよりきめ細かく把握することができると(考えています)。そのことが、さらなる適期接種の実現に繋がると考えています。

 以上が、過去5例の豚熱発生を踏まえた、群馬県の抜本的な対策になります。
 この取組に必要な費用については、明日、会見で発表させていただく「令和4年度当初予算」にも計上予定にしております。今月開かれる県議会でも、丁寧に説明をして、県議会からもしっかり後押しをいただきたいと思っております。

 昨年末、4例目、5例目が1カ月あまりの間に連続して起こったということがありました。もちろん、現在も油断できる状況にはありません。いろいろなことを考えると、いつ6例目が発生してもおかしくない、厳しい状況だと認識しています。
 再三申し上げているとおり、養豚業は群馬県にとっては、農業産出額の2割近くを占める極めて重要な産業です。
 とにかく、6例目の発生を何としても回避するということで、今日の抜本対策もしっかりと打ち出しながら、引き続き、養豚農家や市町村等とも連携し、最大限の努力を続けていきたいと考えております。
 養豚農家の皆さまにも何度も申し上げておりますが、飼養衛生管理基準の遵守徹底を改めてお願い申し上げたいと思います。

6.直滑降ストリームについて

 最後に、来週の直滑降ストリームについてお知らせしたいと思います。
 来週のゲストは、この会見でもご報告しましたが、2023年に太田市への本社移転を予定している日本ミシュランタイヤ株式会社の代表取締役社長の須藤元さんをお招きしたいと思います。
 おそらく、ミシュランの日本本社で日本人が社長になるのは、久々か初めてだと思うんですけれども、須藤社長と先般トップセールスで会って、いろんな意味で意気投合いたしました。
 須藤さんとは、群馬を起点とした新しい産業の創出をテーマに、県内企業とのコラボレーション等わくわくするような話をしたいと考えております。

 また、番組の後半は2回目の放送となる「隣の始動人」ということで、今回は伊勢崎銘仙をアップサイクルしたブランドを展開する株式会社Ay(アイ)代表の村上采さん、すごく楽しみな次世代の経営者なんですけれども、この方をお迎えしたいと思っています。
 放送は、2月8日火曜日の18時から1時間程度ということで、群馬県の動画放送スタジオtsulunosからライブ配信を行う予定です。ぜひ多くの皆さんにご覧をいただきたいと思います。
 長くなりましたが、今日の報告は以上です。皆さんからご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

まん延防止等重点措置の延長について

(記者)
 先ほどの知事のお話の中で、まん延防止等重点措置の期限である13日まで、感染を抑えることを全力で目指すというお話がありました。
 ただ、13日で期限が来てしまうことは間違いないわけで、その延長についても、政府の方で検討されていると伺いますけれども、現時点でまん延防止等重点措置の延長について知事はどうお考えでしょうか。

(知事)
 現時点では、先ほど申し上げたとおり、とにかく今の期限内に抑え込むことに全力を尽くしていきたいと思います。
 今後の展開については、これからの状況もよくにらみながら、総合的に判断するということになりますが、先ほど申し上げたとおり、とにかく今の期間内に抑え込むことに全力を尽くすということだと思います。

検査・診療方針の見直しについて

(記者)
 検査と診断の見直しについてなんですけれども、無症状で低リスクの人は濃厚接触者であっても検査をしないということになりますと、正確な感染者の数は把握できないことになってしまうと思います。
 もちろん国の方針に基づいての対応だと思いますが、その点について知事は何かご懸念とかございませんでしょうか。

(知事)
 まず健康福祉部長からお願いします。

(健康福祉部長)
 濃厚接触者でも無症状の方については、検査が行われないではないかというようなお話でございますけれども、ご案内のとおり、群馬県でも毎日千人を超える感染者が発生している状況になっております。
 そういった中で、保健所の検査もかなり逼迫しておりますし、検査キット等の不足も言われているところであります。
 やはり、こういった中で考えていかなければならないのは、知事が先ほど会見の中でも申しましたが、重症化を防いでいくこととか、重症化リスクのある方については必要な医療を速やかに結びつけていくということが一番大事なことだと思っております。
 そういった観点から、優先順位をつけて検査をさせていただきたいという趣旨でございまして、濃厚接触者の方につきましては、感染する可能性がございますので、これまでと同様に外出されずに、ご自宅でゆっくり休んでいただく、経過を見ていただくということで、対応をお願いできればと思っているところであります。

(知事)
 記者さんのおっしゃった、正確な感染者数が掴めないのではないかということは、そういう側面はあると思うんですけれども、これは群馬県だけじゃなくて、国全体としてこういう方向性に舵を切ったということだと思うんですね。
 先ほど、武藤健康福祉部長からも説明がありましたけれども、群馬県の保健所は最大限やってくれているので、知事として、事あるごとに保健所長と率直な意見交換をし、現場の状況を聞き、できる限りの、例えば人事面でも対応してきた中で、もうぎりぎりですから、口で言うのは簡単ですけれども、今本当に各地域の保健所の状況を把握した上で、常に県は判断しているということは、まず申し上げておきたいと思います。
 さらに、検査キットも不足しているわけですよね。だから、無料検査の人の数は入っていないわけじゃないですか。
 ということは、領海侵犯にならないように言いたいと思いますが、そもそも日本の検査数は、例えば欧米に比べたら何十分の1、何百分の1ですよね。
 だから、本当に正確な感染者数は今でも掴んでいないと思いますね。何倍もいると思った方がいいと思います。
 ただ、この中でどうやって、知事として県民を守っていくかということを考えたときは、感染者数を正確に掴む努力は大事ですけれども、やはり重症者を抑えていくことや病床稼働率を下げていくことが大事なので、それに沿って方針転換をしたということだと思っています。

(記者)
 そうしますと、先ほど、この先の見通しとして、やっぱりまだピークは見通せないというお話がありましたけれども、先ほどのグラフなどを拝見しますと、若干伸びが鈍化しているのかなと見えますが、それはやはり検査が追いついていないとか、もともと検査数が少なかったというような状況があって、単純に鈍化したと評価はできないとお考えでしょうか。

(知事)
 私は専門家ではないので、なかなか分からないところもあるんですけれども、今までのパターンから比べると、少し伸びが鈍化しているのは1つの傾向かなと思っているので、よく見極めていきたいと思います。まだまだ油断はできないと思います。
 ただ、おっしゃったように、各都道府県が発表している検査数も、どこまで正確なのかということを突き詰めていくと、いろいろな問題があると思うんですね。
 ただ、やはり群馬県も、もちろん今までと違って濃厚接触者を追いかける仕組みは変えましたけれども、それなりの数はやはり調べているので、大きな傾向は出てくると思いますよね。
 ですから今回、少し伸び率が鈍化しているのは、前向きなサインではあるんですけれども、今までのことを考えると、全く油断できないなと思っていまして、今の段階でピークアウトするとはとても言えないんじゃないかと、もうちょっと全体の様子を見ないと分からないというのが正直なところです。

3回目接種の受付状況について

(記者)
 ワクチンの3回目接種についてお伺いします。
 1日から、一般の方のLINE等での予約が始まったかと思うんですが、その受付状況について分かっている範囲で教えてください。

(知事)
 大久保ワクチン接種推進局長から具体的にご報告いたします。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 1日から18歳以下(正しくは「18歳以上」)の受付を開始させていただきました。
 LINE等々で予約をいただいておりまして、今、県央ワクチン接種センターの方については、初日の11日の予約状況でございますけれども、だいたい2千人程度の方にご予約いただいております。東毛ワクチン接種センターにつきましては、400人弱というところで、伸びはもう一歩かなと考えていますが、2月中旬に向けて接種券が東毛地域でも多く発送されますし、また県央地域でも、これから接種券が届く方が多数いらっしゃいます。こういった方に、できるだけ多く、十分な予約枠を活用していただければと考えております。

豚熱対策について

(記者)
 豚熱の対策について、お伺いいたします。
 赤城山の南麓に緩衝地帯を作るということですが、緩衝地帯というのは、野生のイノシシが潜めないように、草とか木を刈ったような地帯を農場の周りに作るというイメージでしょうか。

(農政部副部長)
 緩衝帯についてのご質問ですけれども、緩衝帯につきましては、お話があったように、イノシシが潜んでいるような場所が、養豚場周辺、あるいは河川にありますので、そういったところを中心に伐木をして、イノシシが潜めないような状況を作って、イノシシが近くにいられないような状態を作っていきたいと考えております。

(記者)
 (防疫)アドバイザーによる、よりきめ細やかな対応ということがあったと思いますが、他の方にアドバイスを受けることを義務づけるというような形になるんでしょうか。

(畜産課長)
 義務づけるというよりも、まず養豚農家さんの中で、心配な農家さんに、アドバイザーの方に入っていただいて、ハード面で農場内の周囲や農場の中で、ウイルスが豚舎内に入らないように、どういうものが適切かというアドバイスをまず受けてもらうということを中心に考えております。

(記者)
 そうしますと、希望したところだけということになるのでしょうか。

(畜産課長)
 まず希望を挙げていただいて、その後も希望があればいろいろ考えていきたいと思います。まず希望を受けていきたいと思っております。

まん延防止等重点措置の効果について

(記者)
 まん延防止の延長について、総合的に判断をということでしたが、まん延防止等重点措置というものの効果がどれくらい出てきているのか、知事としての評価というのは現状いかがでしょうか。

(知事)
 まん延防止等重点措置の効果についてはいろんな意見があると思うんですね。これは飲食関連の方々のせいだけじゃないですから。ただ、2週間経って、目に見える効果が出てきているかというと、ちょっとなかなかそう言うのは難しいんですけども、全体を見ると、沖縄なんかはピークアウトしてきているので、先行している山口とか沖縄とか、広島の状況をよく見極めたいなと思っています。
 それから、まだ油断はしていませんけれども、今のデータでいくと、少しずつですけど、先週から今週ぐらいにかけて上昇率が弱まってきているので、そういうことが起こってくれば、これは何らかの効果があったのかなと思うんですけど、そこを正確に測るというのは、なかなか誰にもできないと思います。
 ただ、ここである程度ピークアウトしていくということになると、やはり、残念ながら、地域経済の活動を制限するとか、特に人の接触とか人流を抑えるというのは、それなりの効果があるのかなと思うんですけれど、まだ今の時点ではなかなか判断しにくいと。これから群馬県の状況も見ながら分かってくるんじゃないかなと思います。
 もう1回言いますが、私としては、県民を守るためにありとあらゆる対策を取るというのが責務だと思っていますので、その中で今法律で認められている措置が、まん延防止等重点措置、それと緊急事態宣言ですから、その中で少しでも効果のあるものは実施していこうという思いです。

小学校等における対応について

(記者)
 小学校や保育施設でのクラスター、今週でも10件以上というお話がありましたけれども、教育現場での対策、なかなかワクチン接種が行われていない年齢の方になると思うんですけども、そこでのお考えはいかがでしょうか。

(知事)
 どうぞ、武藤部長から。

(健康福祉部長)
 すいません、質問をもう一度お願いできますか。

(記者)
 教育現場において、ワクチン接種をされてない方々の感染者の割合が増えているというところで、分散登校ですとかオンライン授業など呼びかけをしていらっしゃると思うんですが、そこでの対策や方針というところを改めてお願いします。

(健康福祉部長)
 まず一つは、5歳から12歳までのワクチン接種もおよそ方針も決まってまいりましたので、なるべく早く打てるようになればいいなと思っています。
 それから、対策につきましては、しっかりマスクをされるとか手指消毒をされるとか、一定の距離を取るとか、そういった基本的なことを取っていただくというのが第一になりますので、そういった中で、それぞれの現場で判断していただくことになるかと思いますけれども、分散登校なりオンライン教育等はしっかり使い分けていただくということになるかと思っております。

(知事)
 基本的にはそういうことだと思います。

(記者)
 今までの対策を引き続き、各学校・教育現場で判断していただくということですね。

(知事)
 そうですね。

(健康福祉部長)
 そういうことになります。

豚熱対策について

(記者)
 豚熱の関係でお伺いします。抜本的な対策についてよく理解できました。ありがとうございます。
 いくつか質問させていただきたいんですけれども、まず、野生イノシシ対策の戦略的な捕獲強化というところで、民間事業者と連携して捕獲頭数を上げたいというお話だと思うんですけれども、民間事業者というのは、猟友会さんではないと思うんですけれども、どういうところを想定してるのでしょうか。

(知事)
 倉澤農政部副部長から。

(農政部副部長)
 民間事業者でありますけれども、野生イノシシの捕獲については、今お話があったとおり、猟友会の皆さんを中心に、これまで市町村と連携しながら取り組んできております。
 ただ、マンパワーが足りない地域もあると聞いておりますので、そういったところについては、民間事業者の方々にもお願いをしながら、うまく捕獲を進めていけるような体制を検討していきたいと考えております。

(記者)
 不勉強であれなんですけども、例えば、野生イノシシを捕獲するような会社ということですか。野生小動物対策をしてる会社と連携するというイメージでしょうか。

(農政副部長)
 そうですね。認定鳥獣捕獲等事業者という制度がありまして、認定されている事業者の方々がおりますので、そういった方々と連携ができればと考えておりますけども、まだ具体的にお話が進んでいるわけではありませんので、これからまた検討していきたいと考えております。

(記者)
 飼養衛生管理基準のところで、希望した農場さんにコンサル獣医師が入って指導とか助言をしていくというところで、例えばそれは、県とコンサル獣医師が契約をしてコストをお支払いする形になるのでしょうか。

(知事)
 砂長畜産課長、お願いします。

(畜産課長)
 コンサルタントの先生は全国的に限られた先生になりますので、どのようにやっていただけるか、今具体的な方法を検討しているとこでございます。
 明日、来年度予算の報告があると思うんですけれども、その予算の中で盛り込んで対応していきたいと思っております。

(記者)
 今、個々の農場さんで考えると、すでにコンサル獣医師が入っていらっしゃる農場もあるかと思うんですけれども、もちろん入っていない農場もあって、そういうところに(コンサル獣医師に)行ってもらうようなイメージということなんでしょうか。

(畜産課長)
 もともと民間の先生、例えば知事認定獣医師になって入っている農場もあるんですが、そういった方ではない、民間の、特に防疫に明るい方に、全国的に声をおかけしておりますので、そういった先生をお呼びしたいと考えております。

(記者)
 例えば、何人の方とか、今お示しできるものはありますか。どれぐらいの数と契約を結ぶとか。

(畜産課長)
 まだちょっと調整中でございます。

(記者)
 子豚へのワクチン接種のところで、エライザ法から中和抗体検査を導入するというお話がありましたが、養豚農家さんでも、深いところまでご理解いただけていない方がいらっしゃるかもしれません。エライザから中和抗体検査を導入するというのはどういうメリットがあるのか、少しお示しいただけないでしょうか。

(畜産課長)
 エライザ法というのは、多検体を検査するのには大変向いているんですけれども、いわゆる移行抗体がどこで切れるかといった、抗体価を測るのはなかなか難しいです。
 その代わり、先ほど言った中和抗体で行いますと、移行抗体が切れる、どこら辺で(抗体価が)低い値になっているかといったことを測ることができる、いわゆる定量的に測ることができる検査方法でございます。
 今までエライザ法を中心にやっていたんですけれども、この中和抗体の測定方法を導入することで、なるべく多くの頭数を検査して、農家さんに、(抗体価が)どこで切れているか、(ワクチン接種の)適切な時期をアドバイスしていきたいと思っております。

(記者)
 エライザ法と中和、両方をやっていくという理解で大丈夫でしょうか。

(畜産課長)
 はい。

(記者)
 知事に伺いますけれども、去年1年間、群馬県が4例(の豚熱)を経験されて、やはり大きな痛みを伴う中で、それでも得てきたものがあるとお考えでしょうか。
 (豚熱対策について)総点検をされたというお話でしたけれども、教訓として、群馬県は何を学んだとお考えでしょうか。

(知事)
 それぞれの局面で、農政部が一生懸命やってくれたと知事としては思っています。
 豚熱対策については、各県と比べても相当前広に対策を打ってきたという自負があるし、知事認定獣医師制度というのは、やはり自分が働きかけたことが大きなプッシュになったと自負しているんでね。
 そういうことをいろいろやってきたんですけれども、結果として5回起こってしまったということがありますので、一つは、養豚農家の皆さんとのコミュニケーション。一生懸命やってきたつもりですけど、例えばさっき言ったエライザ法と中和抗体検査の話もね、砂長畜産課長は専門家なのでよく分かっていますけれども、やっぱり養豚農家の皆さんに理解してもらわなくてはいけないから、こういう説明、コミュニケーションみたいなものは、さらに努力してやっていかなくてはいけないということは学びました。
 それから、やはりもう一つは、全員が協力しないと乗り越えられないということですよね。群馬県は群馬県として、例えば豚熱防止のための柵の設置から始まって、全国で最も手厚い総合対策をやったり、獣医師認定制度を全国に先駆けて、これは養豚業界からの要望もあったんですけれど入れたと。でも、それでも発生するわけで、やはりそこには養豚農家の方々、本当に努力をされていると思いますが、飼養衛生基準を徹底していただくとか、やはり養豚農家の皆さんと協力しなくてはいけないと。やはりみんなが力を合わせないと乗り越えられないということは、この厳しい状況の中での教訓です。

石原慎太郎元東京都知事について

(記者)
 先日、元東京都知事の石原慎太郎さんがお亡くなりになりましたが、知事の受け止めをお聞きしたいと思います。

(知事)
 政治家として言うと、すごい人だったなと思います。
 石原慎太郎さんは、国会議員時代に確か福田派におられたので、私の父の参議院選挙のときもよく応援に来てくださっていて、本当にカリスマのある政治家だなと思っていました。なかなか今、こういう人はいなくなってしまったのでちょっと寂しい気がします。
 私の亡くなった父はそうやって交流があったんですけれど、私自身はあまりお話する機会がなかったのは残念だったなと思うんですが、すごい人だったという印象ですね。
 都知事としての歩みを振り返ると、決断して突破していくという意思の力というか実行力は、すごく学ばなくてはいけない点もあるかなと思っています。

検査・診療方針の見直しについて

(記者)
 (新型コロナウイルスの)検査をかなり簡略化するということですが、いわゆる指定感染症第2類というのは、結核なんかでも検査は徹底的にやって、諸外国に比べて日本で感染者が少ない要因の一つという指摘もあろうかと思います。県民の皆さん、おそらく、どうしても不安だからPCR検査を受けたり、検査キットを求めたりすると思うんですけど、さらにここで、医療検査がなくなってしまうということは非常に不安だと思うんですけども、その不安感を拭うために県民に一言お願いしたいと思います。

(知事)
 まさに記者さんのおっしゃるとおりだと思うんですが、ここはオミクロン株の特徴をよくご説明し、それから3回目接種の必要性もよく県民の皆さまに伝え、なぜ、濃厚接触者全員を検査しないことにしたのかという背景をしっかりと説明をするということに尽きると思っています。
 今の状況でいくと、リソース的にもなかなか難しい面があるし、加えて、オミクロン株自体が、今日見ても分かるように、入院する人は2%ぐらいですから、そういうことも十分に説明をするということがとても大事だと思ってます。
 それから、万が一感染した場合にも、今自宅待機が増えていますが、やはり本当に症状が出たりしたときには、しっかり県として、ケアをする、ちゃんとしたサポート体制があるというところまで、接種の必要性から副反応、それから、なった場合のサポート体制、それからオミクロン株の特徴、こういうものを全体的に、やはりよく県民の皆さまに説明していくということが大事だと思っています。
 記者さんにご指摘いただいたので、最後にちょっと、知事として県民の皆さまに呼びかけたいと思います。

 他によろしいでしょうか。

知事メッセージ

 それでは、今日も、知事から最後に、県民の皆さまに改めてお願いを申し上げたいと思います。
 今日の会見でも申し上げましたが、群馬県は依然として千人を超える感染者が続いています。先週に比べると、少し上がり方が下がっていることもありますが、まだまだ油断はできないと思っておりますし、まん延防止等重点措置を適用してから2週間が経って、まだ目に見えるような大きな成果はありませんけれども、ここからの数字をよく見極めていきたいと思っています。
 県民の皆さま、特に事業者の皆さまには、大変なご苦労をおかけしますが、引き続き、ご協力、ご理解をお願いしたいと思います。
 まだピークが見通せないということは、しばらくこの厳しい状況が続くということですが、何度も言っているように、力を合わせて耐え抜くしかないと思っています。
 令和4年度当初予算の内容を明日発表するんですけれども、まず、とにかく皆さまと力を合わせて、この試練を乗り越えれば、その先には必ず明るい未来があると。今回の予算は、しっかりと皆さまを守ることに全力を尽くすと同時に、やはり未来への投資もしっかりやっていこうという予算になっていますので、何度も言いますが、力を合わせてこの危機を乗り越えていきたいと思っております。
 それから、3回目の接種については、さっき記者さんからご質問ありましたが、国民に不安を与えないように、我々はもちろん県民に対していろんな発信をしていきますが、政府の方ももっとしっかりとした情報提供して欲しいということをお願いしてきました。
 これは、改めて国に対して要望していきたいと思うんですけれども、今日のスライドありますかね、さっきの副反応のスライド。県民の皆さま、こういうことなんですね。
 オミクロン株は、確かに症状が軽いと。多くの専門家の方がおっしゃっているように、これが終わりの始まりになればいいなと、もちろん私もそう思っていますし、最後はやはり第5類というか、普通の風邪と同じようになるのが一番いいとは思っていますけれども、感染者を、そのまま皆さんに入院してもらうことができなくなっている状況において、やはり知事としてやらなければならないのは、皆さまの安全を守るために、県民の皆さまの抗体をしっかりと上げておくことだと思うんですね。
 世界的にもいろんな研究とか臨床実験ではっきりしていますが、(スライドを指して)ここ見ていただくと分かるように、(東京都医学総合研究所の調査では)2回接種から7か月後には、抗体値が13分の1に低下するわけですよね。こちらの調査(横浜市立大学の調査)だと半年で80%、半年で減少するということですよね。
 どういうことかと言うと、それだけオミクロン株に対する県民の皆さまの抵抗力が下がっているということなので、やはりもう1回ワクチン接種をすることによって抗体が上がるということはどういうことか。
 確かに、オミクロン株は従来のデルタ株等に比べて感染力は強いんですけれども、やはり抗体を上げておくことによって、感染を防止する効果があるという臨床実験というか、研究データがあると。なおかつ、重症化を防ぐという点では、やはりかなりの効果があるということなんです。
 だから、群馬県知事としてやらなければいけないのは、できるだけ早く希望する県民の皆さまに、3回目の接種を受けていただいて、しっかりオミクロン株に対する抵抗力といいますか、重症化しない状況を作っていただくことが、非常に大事だと思っております。
 そういうことで、今日も発表させていただきましたが、いろいろ市町村の方にもご負担をかけていますけれども、3回目の接種への間隔、これをできるだけ短くしたいと。何度も言っているように、8カ月原則なんて言っているのは日本だけなので、(海外は)3カ月とか4カ月とかいうことで、どんどん3回目の接種率が上がっていると。これは、何度も申し上げていますけれど、現時点で日本の3回目の接種率って4%か5%ぐらいですよね。韓国も30%ぐらいだし、イギリスは6割を超えています、イスラエルは4回目ですから。ですから、何度も言いますが、これをピークアウトさせるためにも、しっかり感染防止効果がある、あるいは、重症化防止に効果がある3回目のワクチン接種を終わらせておくことはとても大事なんです。
 杞憂に終わればいいと思いますけれども、こうやって抗体力が低いために、ピークが長引くことは本当によくないことなので、引き続き、県知事としては、これ国にやっていただくしかないので、岸田政権、総理に頑張っていただいて、しっかりワクチンを確保していただいて、この3回目の接種率を、1日も早く上げていただくようにお願いしていきたいと思っております。
 今日、質問が出ましたが、最後に申し上げますが、今日はあえてモデルナワクチンの副反応について知事から皆さまにご説明させていただきました。
 いろいろ不安をお持ちの方もいると思いますが、モデルナワクチンについても非常に効果がありますし、今日ご説明したとおり、交互接種で抗体がさらに上がるということもはっきりしております。副反応も、今のところの報告だと、やはり前回よりも少し低いと言われておりますので、こういうデータを見て、ぜひ、皆さまには、ワクチンを選ぶんじゃなくて、とにかくできるだけ早く、3回目の接種をしていただくことをご検討いただければと思います。
 今日ご質問もありましたが、検査についても、今までのように濃厚接触者の方々全員を検査するという方針を見直させていただきました。これ国もそうなんですけれども、検査キットも足りないっていうことで、なかなかこれだけの感染者が出ると、全員を検査するという余裕がなくなってくるということですけれども、もう1回言いますが、オミクロン株は重症化するケースが非常に少ないということもありますし、病床稼働率も抑えなければいけないので、全体として医療を守っていくためには、こういう措置もやむを得ないと思っています。
 ただ、濃厚接触者で、特に検査を受けない方々についても、症状が出た場合は、しっかり医療機関に連絡をしていただきたいと思いますし、入院が必要な時には、しっかりと県として対応できる状況になっておりますので、その点は、ご安心いただきたいと思います。
 これからも、記者会見等々を通じて、知事として、国の方にも求めていきますが、できるだけ正確な情報をこうして皆さまにお届けするように、努力していきたいと思います。
 随分報告の中身が濃かったですが、記者の皆さまには、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
 明日も臨時会見、予算の中身を発表しますので、ぜひ、お集まりいただければ幸いです。最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。これにて、定例会見を終わりたいと思います。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。