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新たな移動手段の導入(暮らしの足専門家派遣事業)
免許返納者の多くは、日常生活の移動を「家族送迎」に頼っており、家族の都合が合わないときは、外出することができないという不安を抱えている状況にあります。
そこで、県では、住民互助によるボランティア運送やタクシーの相乗りなど、既存の公共交通によらない移動手段の導入支援として、平成30年度から「新たな移動手段の導入支援事業」を実施して参りました。
そして、市町村の行政職員が新たな移動手段を導入するための手引書を作成し、取組成果をもとにして、地域とともに検討を進める方法、基本となる知識等をまとめました。
現在は、新たな移動手段の横展開を図るため、適切な知識やノウハウの提供に重点を置いた支援として、「暮らしの足専門家派遣事業」を実施しています。
新たな移動手段導入の手引き
新たな移動手段の導入を検討している市町村の行政職員に役立ててもらうことを目的として、地域と一緒に導入を進める検討手順、具体的な検討内容、関連する基礎知識、県内・県外の参考事例等をまとめたものです。「新たな移動手段導入支援事業」における取組成果を踏まえて、導入の進め方を記載しています。
検討ツール
地域住民が参加した取組がスタートできたとしても、事前の調整作業に追われて、資料の用意やニューズレターの発行などに行政職員の手が回らないことが想定されます。そこで、効率的に準備を進め、円滑に検討会を進めるための参考として、過去に使用した資料をもとに、検討会等で使用する資料データセットを「検討ツール」としてダウンロード可能なサイトを公開しました。
【検討ツールダウンロードサイト】
新たな移動手段の導入に向けた検討ツール<現在ホームページでの掲載を停止しています>
暮らしの足専門家派遣事業
既存の公共交通が不足する地域における高齢者等の移動手段確保を目的として、専門的な知識や豊富な経験を有する専門家(学識経験者、NPO 法人等)を派遣し、円滑な地域組織の立ち上げを支援する事業です。
派遣先
自治体及び地域団体(町内会、自治会、行政区等の地域単位で組織する住民団体)
対象分野
以下の分野が専門家派遣の対象となります。なお、利用者が要介護者等に限定される「福祉有償運送」の導入を目的としたものは、本事業の対象外となります。
- 【勉強会支援】地域住民と行政職員双方を対象に、基礎知識の習得を目的とした参加型講座を開催します。勉強会資料を使いながら、地域住民と行政職員の間で課題認識を共有し、地域内の取組を推進するための気運醸成につなげることを目指します。
- 【事例研究支援】地域の参考となる取組事例について実地で学ぶため、現地視察の内容調整や解説を行います。
- 【検討会支援】地域の実情に合った移動手段や運行計画等の検討を進めるため、関係法令等の知見を有する専門家やグループディスカッションでの意見集約を補佐するアシスタントなどの専門家集団を派遣し、検討会における円滑な意見集約を支援します。
- 【担い手育成支援】運行の担い手(予約受付や運転手等)を育成するための講座を開催します。
派遣費用
専門家を派遣する費用(謝金・旅費)を県が負担します。
募集時期
随時受け付けます。
手続の流れ
- 地域内交通ネットワークの一部として暮らしの足を導入する趣旨から、市町村が申請主体となって県に事前相談の上、申請書を提出します。
- 申請内容を踏まえて、県が専門家との調整を行います。
- 関係者間で日程を調整し、申請分野への専門家派遣を実施します。
新たな移動手段の導入支援事業【終了】
公共交通空白地など、地域住民の移動が困難となっている地区に、住民互助による相乗りなどの新たな移動手段を導入する市町村を支援するため、「新たな移動手段の導入支援事業」として、実証実験に係る経費を県が負担する事業を展開しました。
これまでの取組内容
前橋市城南地区
地区の特徴
- 路線バスが2系統運行されているが、広い地区のため最寄りバス停まで遠い。
- 城南地区住民自ら「運営委員会」を組織、地域内交通を検討
実証実験の概要
- 実施期間:平成30年12月13日~平成31年2月28日
- タクシー借り上げ、配車システムの活用により相乗りを促進
- 実証実験期間中は運賃無料
実証実験のチラシ
結果の概要
城南地区実証実験の結果概要(PDFファイル:894KB)(第6回前橋市地域公共交通再生協議会(令和元年5月29日)資料抜粋)
安中市細野地区
地区の特徴
- 路線バスが運行されていない地区
- 検討会を立ち上げ、地域に適した移動手段を検討
実証実験の概要
【タクシー運転対応】
- 実施期間:令和元年10月28日~令和2年1月31日
- 住民ボランティアによる予約受付、乗用タクシーの相乗
- 行き先に応じて1回500円または1,000円の負担金を後日集金
【ボランティア運転対応】
- 実施期間:令和2年2月3日~同年3月13日
- 予約受付及び車両運転の両方を住民ボランティアにより実施
- ガソリン代実費負担
検討会ニューズレター
- 暮らしの足通信第1号(PDFファイル:482KB)
- 暮らしの足通信第2号(PDFファイル:537KB)
- 暮らしの足通信第3号(PDFファイル:4.31MB)
- 暮らしの足通信第4号(PDFファイル:3.64MB)
- 暮らしの足通信第5号(PDFファイル:412KB)
- 暮らしの足通信第5号時刻表(PDFファイル:2.42MB)
- 暮らしの足通信第6号(PDFファイル:926KB)
- 暮らしの足通信第7号(PDFファイル:446KB)
実証実験のチラシ
結果の概要
タクシー運転対応の結果は暮らしの足通信第6号に、ボランティア運転対応の結果は暮らしの足通信第7号に、それぞれ記載しています。
川場村全域
地区の特徴
- 村内を循環バスが運行し、通学や観光に利用されているが、体力的な衰えから高齢者の利用に課題
- 自家用有償旅客運送の導入に向けて、川場村社会福祉協議会が実証実験を運営
実証実験の概要
- 実施期間:令和2年1月6日~同年2月29日
- 社会福祉協議会の職員が予約受付及び車両運転を実施
- 実証実験期間中は運賃無料
実証実験のチラシ
結果の概要
明和町全域
地区の特徴
- 広域公共路線バスや公共施設送迎バス(福祉バス)が運行しているが、運行本数は限定的
- 運転免許証の自主返納を促す狙いから、定額乗り放題のタクシーサービスの活用を検討
実証実験の概要
- 実施期間:令和元年8月1日~令和2年2月29日
- 「JTB ジェロンタクシー(R)」(定額乗り放題のタクシーサービス)を利用
- 2つの指定目的地のゾーンの組み合わせで定額タクシー料金が決定
- 低額なサービスとなるよう、利用日数を1か月のうち7日間に限定
実証実験のチラシ
ジェロンタクシーパンフレット(PDFファイル:2.07MB)
結果の概要
- 登録者数:7名
- 延べ利用者数:32人月
沼田市薄根・川田・白沢地区
地区の特徴
路線バスがない、またはあっても本数が少なく、最寄りバス停まで距離があるなど、高齢者が路線バスを利用しがたい状況
実証実験の概要
- 実施期間:令和2年10月19日~令和3年6月30日(感染症対策の運行休止の結果、実際に利用されたのは、令和2年10月19日~11月27日までの約1か月のみ)
- 事前グループ登録制によるタクシーの相乗り
- NPO法人が利用者同士のマッチング・予約管理・集金を実施
- 実証実験は1回500円(本格導入時のタクシー運賃は割り勘精算を想定)
実証実験のチラシ
薄根・川田・白沢地区実証実験チラシ(PDFファイル:413KB)