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令和5年度第11回定例記者会見要旨(6月22日)

更新日:2023年6月22日 印刷ページ表示

■日時    令和5年6月22日(木曜日)午後2時02分~2時49分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
       記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和5年6月22日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:1.6MB)
 


会見項目

■知事冒頭発言

1.はじめに
2.医療的ケア児等支援センターの開所
3.G-アナライズ&PRチーム「ブルーベリー」分析結果
4.「​NETSUGEN Solution ピッチ」​の開催
5.今週の直滑降ストリーム

■質疑応答

■知事メッセージ
 


知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは会見を始めたいと思います。先週16日の金曜日に、政府の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」が閣議決定されました。その中に、群馬県が中心となって、ユネスコ無形文化遺産への登録を目指している「温泉文化」に関する文言が盛り込まれました。

 骨太の方針に、温泉文化を構成する「温泉」とか「旅館」などが「文化資源」として盛り込まれたことは画期的だと思います。これは登録に向けた大きな一歩だと思っています。知事として大変うれしく感じています。

 「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録する動きは、平成30年に群馬県の県議団の皆さまが中心となって始まりました。その後、群馬県が中心となって、石川県の馳知事とも協力し、今35道県が参加する知事の会を設立しました。また、国会議員の皆さまに、私自ら説明に伺って、自民党と公明党の議員の方々による温泉文化推進議連も立ち上げていただきました。今回の骨太の方針のやりとりでは、この自公による国会議員連盟のメンバーの皆さんに大変ご努力をいただきました。加えて、全国の旅館ホテルや温泉地による民間主導の温泉文化推進協議会も立ち上がっています。こうした皆さんの力を結集することで、今回の成果をもたらすことができたと考えています。

 都道府県として、これだけの体制を地方から作り上げて、国に対する働きかけを行っている事例というのは他にないと思います。地方から国の動きを変えていくという点で言うと、地方から国の動きを変え、地方から世界に発信していくという、まさにこれも「群馬モデル」の一環だと思っています。

 登録に向けて、まだまだ越えなければいけないハードルは多くあります。ここからが勝負どころですので、引き続き関係者の皆さんと連携しながら、早期の登録実現に向けて、精力的に活動を続けてまいりたいと考えています。

 それでは会見の中身に移ります。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。本日は、「医療的ケア児等支援センターの開所」「G-アナライズ&PRチームによるブルーベリーの分析結果」「NETSUGEN Solution ピッチの開催」などについて発表させていただきます。

 

2.医療的ケア児等支援センターの開所

 まず、「医療的ケア児等支援センター」についてです。医療的ケア児とは、人工呼吸器による呼吸の管理やたんの吸引など、日常的に医療的ケアを必要とするお子さんのことを指します。その人数は年々増加し、群馬県内には現在約360人の医療的ケア児がいます。

 群馬県では、こうした医療的ケア児や、重症心身障害児、また、18歳以上になった方も含め、一体的な支援を行っております。

 医療的ケア児等とその家族が安心して生活するためには、日常的に利用する医療福祉サービスが充実している必要があります。加えて、周りの家族が病気になった際など、お子さんをどこかに預けなければならない場合に、必要な支援を受けられる仕組みも必要となります。

 そこで群馬県では、関係機関と連携し、医療的ケア児等の支援を行う総合相談窓口を開設することといたしました。

 この度、6月30日の金曜日に、「群馬県医療的ケア児等支援センター『やっほ』」を、県内3カ所に開所いたします。

 今回、このセンターの開所にあたって、多くの県民の皆さまにこの施設や医療的ケア児等のことを知っていただくため、愛称とロゴマークを募集いたしました。審査の結果、この「やっほ」という名称とロゴマークに決定しました。「群馬の山を連想させ、誰かの声がこだまし、心が共鳴し合う、そういう想いがこもった場所であるように」という願いが込められています。

 それでは、3つのセンターの業務について詳しく説明させてください。スライドをご覧ください。医療的ケア児等支援センターは、基幹センター「やっほ」と、それから西毛地域センター「やっほWEST」、そして、東毛地域センター「やっほEAST」の3カ所で業務を行います。

 場所は、「やっほ」は渋川市の「県立小児医療センター」、「やっほWEST」は高崎市の「さわらび医療福祉センター」、「やっほEAST」はみどり市の「療育センターきぼう」です。

 まず、各センターでの共通の業務として「相談支援」を行います。医療的ケア児等のご家族からの相談をしっかりと受け止め、関係機関と連携して、適切なサービスにつなげます。基幹センター「やっほ」は中毛地域と北毛地域、「やっほWEST」が西毛地域、そして「やっほEAST」が東毛地域を担当します。

 基幹センターではこのほかに、群馬県全域を対象とした業務を行います。関係機関など支援者を対象に、情報提供や人材育成、そして支援者同士のネットワークの構築などのサポートを実施いたします。

 また、センター内に外来受診時に気軽に立ち寄れる「家族交流室」というものを整備し、ご家族同士の交流の場としてまいります。

 基幹センターは群馬県が直接運営しますが、地域センターは医療的ケア児等の支援経験が豊富な社会福祉法人に運営を委託いたします。このように、病院に隣接し、医療に強みを持つ基幹センターと、社会福祉法人が運営し、福祉にも強みを持つ地域センターが連携して、医療的ケア児等を支援する体制という仕組みになっています。

 医療的ケア児や重症心身障害児など、お子さんのことで不安を抱えているご家族の皆さん、ぜひ各地域のこの「やっほ」にご相談をいただきたいと思います。各センターの相談受付時間や詳しい連絡先などは、今後群馬県の公式ホームページで公開をさせていただく予定です。

 私自身も昨年の11月だったと思いますが、医療的ケア児等の支援を行っている事業所を訪問させていただきました。その際、ご家族や事業者の代表の方々と意見交換も行わせていただきました。現場の方々の生の声を伺って、ご家族の皆さんが生活の様々な場面で多くの不安と負担を抱きながら、子育てをされているということを実感いたしました。

 群馬県としては、「やっほ」の開所を契機に、保健や医療、福祉、そして教育など幅広い分野の支援者との連携を一層強化していきたいと考えています。そして、医療的ケア児等とそのご家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、引き続き環境整備に取り組んでまいります。

 

3.G-アナライズ&PRチーム「ブルーベリー」分析結果

 続いて、G-アナライズ&PRチームによる報告です。私が知事に就任して以降、群馬県産の農畜産物について、健康などに関わる成分を科学的に分析してまいりました。その結果を販売促進に生かすとともに、生産振興につなげるために、G-アナライズ&PRチームによるプロジェクトを進めてまいりました。これはもう、会見の場所でも何度もご報告していますので、皆さんよくご存知だと思います。スライドをご覧ください。

 G-アナライズ&PRチームでは、これまで、「やよいひめ」「豚肉」をはじめ、スライド記載の7品目について分析を行ってまいりました。8回目となる今回はですね、(スライドに)赤く書いてありますが、この「ブルーベリー」についてご報告をさせていただきます。

 ブルーベリーは北アメリカ原産ですが、日本では1960年代に東京で初めて栽培が始まったと言われています。その後、群馬県では、1974年ごろから栽培が始まり、土壌条件が適していたことや、桑の木の転換作物だったことによって栽培が拡大していきました。そして1998年には、群馬県の試験場が国内で初めて品種を生み出しました。都道府県としてブルーベリーの育成品種を登録しているのは群馬県だけです。

 今回発表するブルーベリーについては、国内初の品種である「おおつぶ星」をはじめ、「あまつぶ星」「はやばや星」について、それぞれの品種の個性、強みを明らかにし、レポートにまとめました。

 「ぐんまのブルーベリー」のセールスポイントを端的に表現するとこうなります。「酸いも 甘いも 濃厚も 三ツ星満点 夏の味」です。これ、いい感じだと思うんすよね。これ、四ツ星じゃないのかという言う人もいますが、3種類なので「三ツ星」ということですね。味は当然「四ツ星」でございますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。

 それでは、この分析結果の詳しい中身については、G-アナライズ&PRチームの吉野さんから報告をお願いしたいと思います。

 

(G-アナライズ&PRチーム 吉野)

 農政部蚕糸園芸課の吉野と申します。群馬のブルーベリーの分析結果をチームでまとめましたので、代表して報告します。

 まず、群馬県のブルーベリーについて説明します。

 令和2年の農林水産省の統計によると、群馬県のブルーベリー収穫量は全国2位、栽培面積は全国4位です。県内で栽培されているブルーベリーの3割は県育成品種です。群馬県では、ブルーベリーの栽培が始まる以前から、浅間山周辺に自生していた「クロマメノキ」というブルーベリーの仲間を「浅間ぶどう」と呼び、加工して販売していました。その後、火山灰土という適した土壌条件や観光果樹園の普及等により、群馬県内で本格的なブルーベリーの栽培が始まっていきました。

 現在では、6月上旬から9月上旬までの長期間にわたり、摘み取りなどを楽しむことができます。また、標高が低い板倉町から、標高が高い片品村や嬬恋村まで、広く栽培されています。

 今回紹介する県育成品種は3つあります。「おおつぶ星」は、日本で最初に誕生した品種です。「あまつぶ星」は、「おおつぶ星」と同時期に誕生しました。「はやばや星」は、県で生まれた一番新しい品種です。なお、ブルーベリーの都道府県育成品種があるのは群馬県だけです。それでは、個々の品種について詳しく説明します。

 まず、「おおつぶ星」の分析結果です。左の官能評価のグラフをご覧ください。青い線が「おおつぶ星」ですが、「あまつぶ星」と「はやばや星」に比べ、「全体的な味わいが強く濃厚な味」であるということが分かりました。また、右の図「一粒あたりの重さ」を見ていただくと、「おおつぶ星」は一粒が重いという結果が出ました。まとめると、「おおつぶ星」はその名のとおり、大粒で満足感があり、食べごたえで選ぶなら、「おおつぶ星」で決まりです。

 次に、「あまつぶ星」です。左の官能評価のグラフをご覧ください。赤い線が「あまつぶ星」ですが、「おおつぶ星」と「はやばや星」に比べ、酸味が控え目で甘さが引き立っているということが分かりました。また、右の図「糖酸比」を見ていただくと、「あまつぶ星」は糖酸比が高いという結果が出ました。糖酸比とは、糖度と酸度のバランスを示すおいしさの指標です。生食のブルーベリーは糖酸比が高いほど好まれる傾向にあるとされています。つまり、甘さと味で選ぶなら、「あまつぶ星」がおすすめです。

 最後に「はやばや星」です。左の官能評価のグラフをご覧ください。黄色い線が「はやばや星」ですが、「おおつぶ星」と「あまつぶ星」に比べ、甘さが控え目で酸味が際立つすっきりした味わいということが分かりました。また、右の図「クエン酸」を見ていただくと、「はやばや星」はクエン酸の含有量が豊富という結果が出ました。クエン酸には、日常生活や運動後の一時的な疲労感を緩和する効果があると言われているので、疲れたときにおすすめです。

 以上から、群馬のブルーベリーについて県育成品種の特徴をとらえ、「酸いも 甘いも 濃厚も 三ツ星満点 夏の味」とまとめました。これからブルーベリーは旬の時期を迎えます。群馬県では、ブルーベリー狩りができる観光果樹園が多いので、ブルーベリー狩りをより楽しめるよう、3つのポイントをご紹介します。

 第1条 全体が青黒く色づいた実をとるべし。完熟した実は、引っ張ると簡単に取れます。

 第2条 優しくとるべし。ブルーベリーは皮が薄いので、優しく摘み取ってください。

 第3条 まとめて食べるべし。一粒ごとに味のばらつきがあるので、本当の味を味わうなら、最低3粒以上まとめて食べてください。

 3つのポイントを参考に、群馬のブルーベリーをぜひ味わってください。以上で説明を終わります。ありがとうございました。

 

(知事)

 吉野さんありがとうございました。今の発表にあったように、これからブルーベリーは旬の時期を迎えます。国民の皆さまには是非ですね、県内各地のブルーベリー園に足を運んでいただきたいと思います。

 ブルーベリー狩りの三か条っていいなと思って、何とかするべしみたいな。昔の時代劇の「大江戸捜査網」みたいな感じがしました。笑っている方は結構年がいっている方かなと思いますが。

 ということで、次のスライドをご覧ください。この度ですね、群馬県と県庁32階のヤマトヤコーヒー32がコラボして、ブルーベリーを使った新たなメニューを販売することとなりました。これを見るだけですごく美味しそうでしょ。

 メニューは「ラテ」「パフェ」「フローズン」の3種類です。早速「ラテ」(を食べたい)と言ったら、7月からだったので、知事も食べられませんでした。

 今回発表した3種類のブルーベリーをですね、収穫時期ごとに楽しむことができるという趣向になっているんですね。「ラテ」「パフェ」「フローズン」です。

 残念ながら、今日食べたいと言ったら食べられませんでした。7月1日から期間限定で販売しますので、是非多くの方に旬のブルーベリーの味を楽しんでいただきたいと思います。記者の皆さんにもですね、是非ですね、ヤマトヤコーヒーで注文してみてください。

 今後もG-アナライズ&PRチームでは、群馬県を代表する農畜産物の分析を進め、新たな知見が得られたら、この会見でその都度報告をさせていただきたいと思います。

 

4.「NETSUGEN Solution ピッチ」の開催

 続いて、「NETSUGEN Solution ピッチ」の開催についてご報告いたします。群馬県では、スタートアップ企業を支援するため、県庁32階の官民共創スペースNETSUGENで、毎月「NETSUGENピッチ」を開催しております。令和3年度からこれまでに22回ありました。登壇者約80名、参加者1,400人を超えています。この試みが、スタートアップ企業の事業拡大やネットワークの構築に繋がっていると思っています。スライドをご覧ください。そして、このたび新企画「NETSUGEN Solution ピッチ」を開催することといたしました。

 このピッチは、これまでのNETSUGENピッチと異なって、地域社会や行政が抱える課題の解決を目的としています。初回のテーマは「有機農業」です。群馬県では環境にやさしく持続可能な農業の実現に向けて、有機農業を推進しています。しかしながら、有機農業はまだまだ市場規模が小さいんですよね。栽培の手間とかコストが価格に転嫁しにくいという課題もあります。そのため、今回のピッチでは、スタートアップ企業6社が生産拡大や販路拡大など自社の技術やサービスを提案して、農家との事業連携や実証実験を通じて課題の解決を図るというやり方で今回のピッチが行われる予定です。

 ピッチの開催日時は6月28日16時から、場所は県庁32階官民共創スペースのNETSUGEN。参加は無料です。なおオンラインでの視聴も可能です。詳しくはスライド記載のQRコードから、NETSUGEN公式ホームページをご確認いただきたいと思います。

 

5.今週の直滑降ストリーム

 最後に「直滑降ストリーム」についてお知らせをいたします。スライドをご覧ください。有機農業の話をいたしました。直滑降ストリームも有機農業なんですよね。先週に引き続いて、今週のゲストも高崎市内で有機農業に取り組む生産者団体「くらぶち草の会」会長の和田裕之さんです。

 先ほどお伝えしたとおり、群馬県は有機農業を推進しています。今回はその有機農業の中でも最も重要だと言われている「土づくり」へのこだわりや、くらぶち草の会で取り組んでいる新規就農支援などについて非常に興味深いお話を伺うことができました。そして番組後半では、これから群馬県が有機農業を推進していくために必要なことについて、生産者ならではの視点からご意見をいただいています。

 明日23日金曜日の19時からYouTubeのtsulunosチャンネルで配信いたします。ぜひ1人でも大勢の皆さんにご覧をいただきたいと思います。

 私からは以上です何か皆さんからご質問があればどうぞ。

 

質疑応答

 

●医療的ケア児等支援センターについて

(記者)

 まず、医療的ケア児等支援センターについて伺います。今現在の(医療的ケア児の)数が360名ということで、実態についてちょっと分からない部分があるんですが、少子化の中で、(医療的ケア児の)数自体の推移というのはどういうふうになっているんでしょうか。

 

(知事)

 健康福祉部長の方から、少し正確なデータをお話したいと思います。

 

(健康福祉部長)

 医療的ケア児なんですけれども、医療の進歩に伴いまして、実際に増えております。先ほど知事からお話いただきましたように、現在約360名なんですけれども、調査を行った結果、平成29年だと289人、平成30年度316人、令和元年だと334人というような形で、推移としては増えているということでございます。

 

(記者)

 医療環境そのものが進歩する中で増えているというのは(どういうことなのでしょうか)。

 

(健康福祉部長)

 例えば、非常に小さく生まれるような早産の場合であっても、(医療の進歩に伴って)そうした命が助かるような環境になっているということでございます。

 

●ブルーベリーの分析結果について

(記者)

 ブルーベリーの分析結果についてお伺いします。有機農法という、県の方針もありますけれども、そのブルーベリーの効能といいますか、栄養的な部分をもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

 

(知事)

 どうぞ、吉野さん。

 

(G-アナライズ&PRチーム 吉野)

 お答えいたします。ブルーベリーについては特にレポートにもありますが、アントシアニンというところが有名なところかと思います。ブルーベリーに関してなんですけれども、アントシアニンが多く含まれていると言われているカシスなどよりも多く(の種類のアントシアニンが)含まれておりまして、非常にバランスが取れている品目であります。アントシアニンにつきましては、多くの種類があり、抗酸化作用であったり、精神機能の向上作用など、(アントシアニンの種類ごとに)様々な機能性がありますので、(多種類のアントシアニンを含む)ブルーベリーはそういった機能性についてもかなり高い(バランスよく様々な効能を享受できる)ということが言えます。

 

(記者)

 クエン酸はよく耳にしますけれど、(効能は)疲労回復でいいんですかね。

 

(G-アナライズ&PRチーム 吉野)

 はい、そうですね。疲労回復効果が認められています。

 

(記者)

 群馬県発ということで非常に面白い品種だと思うんですけれども。これをどういう形で今後PR展開していこうと(お考えでしょうか)。県庁の上(32階)で販売するというだけじゃなくて、県内で何か展開をお考えであればお聞かせください。

 

(知事)

 これは今までもそうなんですけれども、まず記者会見等々で、今言った効能とか、群馬県産の、他の都道府県のものと違う優れた面をアピールさせていただくとか、いろんなところを通じてこれをやるということとか、今言ったようにヤマトヤコーヒーみたいなところで出してもらうとか、あるいは群馬県は東京ガスの料理教室と組んでいるので、これはものすごく伝統のある料理教室なんですけれども、全国展開しているので、そこと組みながら、群馬県の、PRチームで扱ったような、農畜産物を使った料理を広めるとか、いろんな形でPRをしていきたいと思っています。

 

(記者)

 ちなみですけれども、例えば福島県なんかは、ああいった事故があって、かなり力を入れて、東京なんかにショップを展開したりとか、それだけの予算規模の裏打ちがあっての話ですけども、かなり力を入れて、風評被害をはねのけるためにも必要だったというところがあって、ちょっと事情は群馬とは違うところはあるんですけども、何かそういったことも展開等は、ここはもうブルーベリー限らずですけれども、こういう形で食を東京に、あるいは、日本全国に向かって発信していく、そういったものは(何かお考えでしょうか)。

 

(知事)

 今までもやってきたんですけれど、東京なんかでも、今言った料理教室を含めた、例えば高級レストランで使っていただくとか、いろんな特集をしてもらうとか、こういうことを積み重ねていくということになると思います。

 

●「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録について

(記者)

 最初の温泉文化なんですけれども、最後に知事が「まだまだ越えなければいけないハードルは、いくつかある」と。具体的にそのハードルとは何なのでしょうか。

 

(知事)

 1つはまだ法律による保護措置がありませんので、それをしっかりやっていかなきゃいけないと思うんですけども、まず「温泉文化」という定義がまだ固まっていないので、これは今検討会を作っていただいて、そこには文化庁も含めた関係省庁にもオブザーバーで入っていただいて、有識者の皆さんにいろいろ議論していただいているんですけれども、まずは温泉というのがどういう側面で「文化」なのかという定義を作るというところがすごく大事だと思います。

 例えば日本酒も含めて、今までユネスコの無形文化遺産に登録されてきたいろんなことについても、まずは文化的な定義をしっかり定めるところからなので、温泉文化についていくつかハードルありますけど、まずは温泉というものをどう文化として定義するのかというのが、1つのハードルかなと思います。

 それから、法的な保護措置をどうやって担保するかということもあります。どこの法律に書き込むのか、議員立法にするのかとかね。そこら辺も1つのハードルになってくると思いますが、いずれにせよさっき言ったように「骨太の方針」に書き込まれるというのは結構大変なことなので、何とかここまでやり遂げましたから、これで今回「骨太の方針」にしっかり「温泉」が書き込まれたことによって、このユネスコの無形文化遺産登録の動きというのは止まることはありませんので、必ず続きますから。これはよく関係省庁とも協力をし、知事の会とか議連を作ったので、力をみんなで結集しながら、登録に向けて一歩二歩と進んでいければなというふうに思っています。

 

(記者)

 かなり大きな広がりを持って地方から起きてきた運動といいますか、動きだと思うんですけども、これを国民的なものにしていく上で、利用者に何か働きかけるような、これはもう旅館施設等での現場での話になってしまうかもしれませんけども何かそう(いうことはお考えでしょうか)。

 

(知事)

 今おっしゃったように、やっぱり無形文化遺産にしていくためには、当然国民に支持されるということが必要だと思うんですよね。これを進めるにあたって、フィンランドにも行ってきました。フィンランドは、2020年前にサウナ文化の無形文化遺産登録に成功しているので、その時にも、フィンランド側の、いわゆる全国協議会みたいなところの役員の皆さんとお話をしたんですけれど、国民運動にしていくことが大事だということで、今回我々も国民協議会(として)、民間の人も入れた、いろんな層の方々に入っていただいて、温泉推進協議会(温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会)を作りましたので、ここを中心に、温泉文化についての概念をしっかり日本全国に広げていくということをやっていきたいと思います。

 

●医療的ケア児等支援センターについて

(記者)

 「やっほ」のことなんですけれども、専任の相談担当者とかを置かれるんでしょうか。人員体制について伺えればと思います。

 

(知事)

 唐木健康福祉部長から。

 

(健康福祉部長)

 県立小児医療センターに置かれる基幹センターにつきましては、保健師2名、事務職1名の計3名体制で、また、本庁の障害政策課におきましても、係長1名、係員1名が関係の業務に当たるという形になります。

 地域センターにおきましては、委託仕様書において、医療的ケア児等コーディネーターというのが、今県で52名いますけれども、そういう方の配置というのを求めておりますので、その両センターにも1名以上の人員で対応するという形になるということでございます。

 

(記者)

 両センターにはコーディネーターさんが配置されるという。

 

(健康福祉部長)

 そうですね。コーディネーターさんまたは同様の知識を有する者(の配置を求めている)んですけども、実際に(委託先の)2カ所には居ますので、そのコーディネーターの方が業務に当たっていただけるという形になると思います。

 

●「NETSUGEN Solution ピッチ」について

(記者)

 「NETSUGEN Solution ピッチ」の関係ですが、登壇企業は農業をやっている会社なんですか。それとも、農業関係の技術系の会社とかになるのでしょうか。

 

(産業経済部 副部長)

 基本的にはですね、農業者ということではなくて、生産拡大であるとか、販路開拓を支援するようなスタートアップ企業になります。

 

(記者)

 金融機関とかいろんな機関の方に参加してもらって資金を繋いだりというのを目指すという、そんな試みなんでしょうか。

 

(産業経済部 副部長)

 そうですね。スタートアップの支援でございますので、連携でありますとか、資金のマッチング、そういったものも含めてピッチとしてやりたいと思っております。

 

(記者)

 ここにある企業さんは、県内企業を中心という感じになるのでしょうか。

 

(産業経済部 副部長)

 今回はですね、県外企業があります。

 

(記者)

 全国からということですかね。

 

(産業経済部 副部長)

 はい。

 

●医療的ケア児等支援センターについて

(記者)

 「やっほ」について、先ほど360人という人数があったんですけれども、何年何月時点の数かというところを教えていただければと思います。

 

(健康福祉部長)

 ちょっと説明を省略してしまいまして、失礼いたしました。群馬県では、平成29年度から医療的ケアを要する小児等の実数調査というのを行っております。先ほど申し上げました約360名というのは令和4年10月1日時点の数字になります。

 

(記者)

 約じゃなく、正式に言うと何人になりますか。

 

(健康福祉部長)

 正式に言いますと361名です。

 

(記者)

 このセンターは一昨年の法律で、都道府県での設置が求められたと思うんですけれども、都道府県別で見ると今回の設置は何番目になるんでしょうか。

 

(健康福祉部長)

 県別で申しますと、当方で把握している限りは43番目になりますが、ただ、こういう形で複数の箇所で設置していて、かつ、医療・福祉の連携とか、官民の連携がとられているようなところというのは他には1県のみとなります。

 

(記者)

 医療と福祉が連携してのセンターというところが群馬の特徴だということですね。

 

(健康福祉部長)

 そうですね。そもそも3つも置いているとこというのが7都県ぐらいしかなくて、さらに大体置いているところというのは、ここの地域はここがやる、ここの地域はここがやるというだけなんですよね。そういう中で、医療の部分と福祉の部分があって、それぞれが連携するような構築体制をとっているというのは群馬県と、あとは把握している限りは愛知県だけということになります。

 

(記者)

 知事に受け止めを伺いたいんですけど、設置が43番目ということですけれども、こういった形で他にはないような形での設置ができたというところの受け止めをお願いできればと思います。

 

(知事)

 これは本当によかったと思っています。さっき申し上げたとおり、施設も拝見をさせていただいて、親御さんとか関係者の皆さんとも話しましたけれども、相当やはりさっき言ったように不安を抱えながら、大変な負担を感じながらやっておられるというところがありますから、少しでもそういうことが軽減できる、何かあった時には相談して、しっかり行政もサポートできる体制を作るということはとても大事だと思っています。

 

●マイナンバーカードをめぐるトラブルについて

(記者)

 マイナンバーカードについてなんですけれども、全国的に登録をめぐってトラブルが相次いでいて、政府の方で総点検本部を作って、総点検をやるということになりました。ここまでの政府の対応と、期限を区切って保険証との一本化を進めるという方針が強引だったのではないかという指摘も出ているんですけれど、知事としてはどのように見ていらっしゃいますか。

 

(知事)

 まず、マイナンバーカードについては特に高齢者を中心にいろいろ不安に思っておられる方々がいるということで、これは政府の方で、できるだけこういう方々の不安を取り除くようなしっかりとした方策をとっていただきたいということで、今回総点検をする組織を作ってやるということは望ましいことだなと思っています。いずれにせよ、しっかり説明責任を果たしながら、いろいろなトラブルも出てきているので、これについてはしっかり解決策を提示しながら進めていくということが大事だと思いますけども、大きな方向性としては、やはり私は正しいことだと思いますので、もう1回言いますが、不安に思っている方々に対する対応をしっかりとやりながら、説明をしながら、いろいろ不備な点を改善しながら、最後までしっかりやり遂げてもらいたいと。これは大変かもしれませんけれども、移行された後には、やっぱり移行してよかったと、いろんな面で便利になったというふうになっていくと思いますので、政府は大変だと思いますが、ぜひ頑張って、問題点をしっかり受け止めて、しっかり改善して、説明をしながら、最後までやり遂げていただきたいと思いますし、河野大臣にも、岸田総理にも頑張っていただきたいと思っています。

 

●知事選について

(記者)

 知事選のことで恐縮なんですけれども、告示まであと2週間となって、投開票までも明日で1ヶ月ということになります。だんだん近づいてきて、候補者の方々も出揃ってきたなという感じなんですけれど、知事としての意気込みを改めて教えてください。

 

(知事)

 今まで何度も選挙をやってきました。28年間も政治家をやっているので、選挙では1%の油断も慢心もできないと。今までの経験からも選挙というのは非常に厳しいものなので、そういう意味で言うと、油断も慢心も全くないし、公務には一切手を抜かず、週末も含めて、選挙の準備も着々とやってきたつもりなんですけれども、やっぱり最大の課題は関心が低いということなんですよね。今回、二連ポスターも使わなかったので、かなり大勢の方が、多分知事選があるということをまず知らないと思うんです。もちろんこれから告示前も告示の後も全力で、しっかり自分の主張を発信して、できるだけ多くの方々に少なくとも選挙に参加していただこうと思っていますけれども、なかなかこの関心を引き上げるというのは大変かなと思っています。そもそも、4年前に私のことを応援していただいた支持者の方々の気持ちが離れているということは多分ないと思うので、もしかすると、(支持者の方々が)増えているかもしれないなと思うこともあるんですけれども、ただ多くの人は(選挙に)行かない可能性があるんですよ。とても応援していただいている方々から、今度(の選挙)は大丈夫だろうみたいな感じで、電話が来たりしているので、やはりしっかり関心を高めて、本当に大勢の方々に投票していただくということに非常に苦労していると言いますか、そこにはとても危機感を感じています。このままいくと、やはり投票率も前回よりもかなり下がる可能性もあるし、得票率自体もみんな応援しているけれど(選挙に)行かないということになると、そんな簡単には(得票率は)伸びないと思いますし、ここはなかなか厳しい戦いかなと思っていますが、とにかく全力を尽くしていきたいと思います。私の支持者の方々は、まず他の候補者の人の名前も知らないし、全く関心もないんですね。だから、余計選挙自体が盛り上がっていないと思っていますので、ここからしっかり知事選があるということも含めて、自分の主張といいますか、自分がやろうと思っていることを1人でも多くの方に伝えられるように全力を挙げていきたいと思います。

 

●医療福祉分野での施策発表が集中していることについて

(記者)

 ゴールデンウィーク前後から、高校生の医療費の無料化ですとか、今日発表のあった医療的ケア児を支援するセンター(の開所)ですとか、ヤングケアラーの支援窓口、あと保育就職の支援センター等、医療や福祉系、子どもに関連した施策が続々と出てきているんですけれども。知事選の前でもありますし、ここ(この時期)に集中しているというのは、どのように考えればよろしいんでしょうか。

 

(知事)

 まず誤解のないように申し上げたいと思うんですけれど、知事選前に集中させてるわけではないので、ぜひ記者さんは誤解しないでください。例えば、さっき言った高校生までの医療費無料化というのはすごく大きな政策で、これまでいろいろ要望があっても、誰もできなかったんですけれども、何でできなかったかというのは、それはもう財政負担がすごく多いからなんですね。何でここに来て、高校生までの医療費の無料化とか、あるいはこれも福祉に関連していると思いますけれど、小児医療センターの改築とかを決められたのかというのはですね、これも何度か言いましたが、財政再建の目処が立ったとは言いませんけれど、財政再建に向けた道筋が初めてできてきた(からである)と。やっぱり県議会の皆さんの協力もあって、私の前までは、ほとんど財政調整基金はゼロですから、すべて取り崩して、毎年予算を組んでいたところが、この4年間の努力によって、200億円以上積み上げができるということになったと。当然、その赤字もだんだん減ってきているとか、財政状況も数字として完全に良くなっているし、財政調整基金で言ったら、まだ栃木県とか茨城県に比べて少ないですが、全国最低レベルのところから真ん中ぐらいまで来たと。そういうことで、ある程度財政再建の目処がついてきたということで、必要なリソースが出てきたと。何とかこれならできるだろうというタイミングが、今ようやくここにきたということで、だから、同じような理由で、東毛の利根新橋もできたということなんです。

 なんか、知事は少し群馬県をPRすることに躍起になっていたりして、なかなか弱い立場の人への支援がないんじゃないかという人がいますけれど、それは全く違いまして、まず弱い立場の方々を支援するためにはリソースが必要なんですよね。だから財政(再建を)ちゃんとやらない限りはできないので、そういう意味で言うと、ここ20年ぐらいで見ても、初めて財政が本当に良くなっているというところと、それから、ここからいろんな意味で未来への投資もやって、産業競争力を上げて、経済活性化というのもありますけれど、そうやって経済のパイがさらに大きくなると。群馬県のパイが大きくなるから、初めて、今言った子どもの医療費の無償化とか、あるいは医療的ケア児の相談も含めた予算が組めるということです。今ようやくいろいろな形でやってきた努力の中で、こういうことにしっかりと予算がつけられるようになったということです。そこは別に、知事選の前だから、どんどん出てきているわけではないということは、ぜひ誤解のないようにお願いしたいと思います。

 

(記者)

 タイミングがちょうど重なっているという・・・

 

(知事)

 そもそも、もちろん社会保障はとても大事だと思っていますし、今言ったような問題というのは山本県政でも重視をしてまいりました。

 

知事メッセージ

 それでは、知事の方から最後に県民の皆さんにいくつかお伝えしたいと思います。梅雨になって、雨の日が多くなってきました。なんか急に暑くなったり、そうかと思うと、明け方冷えこんだりして、ちょっと不安定な気候になっておりますので、ぜひ、県民の皆さんには十分体調には注意をしていただきたいと思います。私の方は非常に元気でですね、そもそも風邪も普通引かないんですけれど、特にコロナ禍で絶対に風邪を引けないということもあって、何年も体調を崩してないという状況で、非常に元気にやっております。県民の皆さんも、十分体調には気をつけていただければと思っています。

 先ほどもちょっとご質問が出たので、改めて申し上げますが、本当にここ何十年かで初めて群馬県の財政が改善されてまいりました。さっきも言ったように、財政のレベル、例えば、いざというときに使えるお金といいますか、その財政調整基金という、いざというときの蓄えも全国最低のレベルから全国真ん中ぐらいまで、この4年間かけてようやく改善してきました。そういうことがあったからこそ、さっきご質問していただいたから言うわけではないんですけれども、高校生までの医療費の無料化ということも決断できましたし、懸案であった台風の度に雨漏りをする小児医療センター、ここがやはり小児医療の最後の砦ですから、群馬県の。これ(小児医療センター)をしっかり建て直すことも決断できました。また、東毛の方々にとっては、何十年来という要望であった利根新橋も千代田町のところにかけるということを決断いたしました。

 群馬県としてコロナ禍で非常にダメージを受けている中小企業、群馬県の経済をしっかりと浮揚させるために、特にコロナとの闘いに一区切りがつきましたので、そういうところにもしっかり力を使っていってですね、ここで何度もいろいろ発表しているような様々な群馬モデルを通じて、群馬県の経済も活性化させていきたいと思います。そうやって、群馬県の財政をしっかりとさせていく、リソースをしっかりと増やしていく。経済を活性化させることによって、初めて社会保障に回せる財源を確保できるんだと、このことは、ぜひ県民の皆さまにもご理解をいただきたいと思っています。財政再建については、まだ道半ばですから、県議会の皆さんのご協力もいただきながら、しっかり進めていければと思います。

 今日は医療的ケア児のお話をさせていただきましたけれども、特に群馬県で生活をしていらっしゃる、いろんな意味で弱い立場にある皆さんに対しても、群馬県の総合計画のビジョンが「誰一人取り残されることなく」というこの一文が入っておりますので、こういう皆さんにもしっかり支援の手が届くように努力をしてまいりたいと思っております。

 ということで今日はちょっといつもより長くなりましたが、記者の皆さんには最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 さらに、今日発表してもらった知事肝煎りの「G-アナライズ&PRチーム」、群馬県の農畜産物の分析をして、付加価値をつけていこうというチームも、ものすごく若手が多くて、頑張っていますので、いろいろまたこれから、我々が掴んだ成果、データを使って、もっともっと県内外に群馬県の農畜産物の魅力を発信していきたいと思いますので、ぜひ県民の皆さまにはご期待をいただきたいと思います。

 はい、ということで今日の会見を終わりたいと思います。もう1回言いますが、皆さんには最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。以上です。

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。