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第11回定例記者会見要旨(10月18日)

更新日:2019年10月18日 印刷ページ表示
  • 日時 令和元年10月18日(金曜日)午前10時00分~11時53分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事、総務部長ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 26人
  • 記録作成 広報課(報道係)

令和元年10月18日記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

会見要旨

知事発言

 定例記者会見を始めさせていただきたいと思います。
 今日も例によって盛りだくさんでして、台風19号に関する被害、それから富岡市内の土砂災害について、さらには豚コレラ関係、中期財政見通しの概要、当初予算編成方針、さらには「ぐんまSDGsイニシアティブ」等々について、まず発表したいと思います。少し長くなると思いますがお付き合いいただければと思います。少し早口で行きたいと思います。
 まず、台風19号の関連ですけれども、12日夜から13日未明にかけて、台風19号が東日本に上陸をいたしました。河川の氾濫や土砂災害により、群馬県においても死傷者をはじめ、住家被害や農林業の被害が多数確認されております。お亡くなりになった4名の方々に対して、哀悼の誠をささげると同時に、ご遺族並びに被災された全ての皆さまに対してお見舞いを申し上げます。
 現在、復旧に向けた取り組みを加速させており、1.県民や市町村のニーズの把握とそれに基づく適切な支援、2.避難者、被災者への支援強化、3.被災した施設、設備の早期復旧、この3点を中心に今、対応を進めているところです。引き続き県としては市町村と協力して、県民生活の正常化に向けて全庁体制で取り組んでまいりたいと思います。
 台風19号による富岡市内匠地区の土砂災害についてご報告をしたいと思います。
 富岡市の内匠地区で10月12日、16時30分頃に土砂崩れが発生をいたしました。亡くなられた方、ご遺族の方々には心からのお悔やみを申し上げたいと思います。今回、土砂災害防止法で定める地形条件によって斜面の傾斜が緩い場所で土砂崩れが生じました。県としては今はそこに調査に入っている国交省のテックチーム(テックフォース)土砂災害専門家の現地調査結果を踏まえて、周辺斜面への拡大がないことを確認するために監視を行うと同時に、周辺で同様な地形の抽出を行いたいと思います。併せて、現地踏査や地質調査などの詳細な調査を実施して、土砂崩れの原因を究明し、今後の土砂災害警戒区域指定に生かしてまいりたいと思います。
 私も現場の視察をして、ずいぶんメディアの方々も取材に来られてましたが、その時のぶら下がり(取材)で土砂災害警戒区域に指定されていない所で起こったということなので、これを含めていろいろ調査しなければならない、いろいろな可能性を含めて研究したいと申し上げたのですが、全県で災害マップを見直しみたいな報道がありましたが、これについては別にそこにスポットを当てたということで特に文句を言うつもりはないのですが、一つ難しいことは、まず今回は法律で定められた外形基準にも全く引っかかっていない地域だったと、それから外形基準だけではなくて、土砂の中身についてもよく調べなければならないということで、今テックチーム(テックフォース)にいろいろと分析をしてもらってます。
 もう一つ申し上げたいのは、(県)西部方面には記録を取って以来、初めてといったような大雨が続いたわけですが、それでも人家のある地域で避難指示が出ていない、避難勧告が出ていない地域で、土砂災害が起こったのはおそらくここだけだということで言うと、これはどこが危ない所なのかというのは、なかなか分析しにくいということもありますし、もし、このぐらいの傾斜で、あのぐらいの条件で土砂災害の警戒区域に入れるみたいな話になると法律そのものを見直さなければいけないみたいなことになるので、そこら辺のところはなかなか簡単ではないということなのですが、とりあえず同じような地域、地形で人家があって危ないと思われるような所があるかどうかということは、県土整備部で少し調べてもらおうと思っています。
 それと現場の対応として言うと、とにかくまずきちっとテックチーム(テックフォース)に原因を調べてもらうと、先ほど申し上げたとおり地層の状況も調べてもらわなければならないので、これをしっかりやってもらうのと同時に、特に周辺の地域については、県の方でしっかり調査をかけていろいろな対策を講じていきたいと思います。
 それから制度の面で言うと、(記者の)皆さんご存知だと思うのですが、例えば大雨警報が出る。そういうその警報の発令を受けて避難勧告をする避難指示をするっていうのは、これ市町村がやるわけなんですけれども、今回のことを受けてだいたい大雨警報があって、さらに普通は土砂災害警戒警報(土砂災害警戒家情報)があって、土砂災害の危ない地域について避難勧告をやるということになっているのですが、暫定的に富岡市の方でですね、例えば大雨警戒情報(大雨警報)が出てる段階でも避難勧告ができると、例えば土砂災害が起こりそうな所で警報が発令されていなくても、勧告、避難指示ができるような柔軟な対応を暫定的にやるということは決まったと報告を受けております。
 続けて豚コレラ問題についてお話をしたいと思います。
 昨日、新たに野生イノシシで豚コレラの感染が2頭確認されました。1頭は藤岡市において死亡していたイノシシ、すでに野生イノシシで感染が確認されていた地点に近い場所で見つかりました。もう1頭とは南牧村で捕獲されたイノシシで、こちらはこれまで感染が確認されていなかった地域になります。南牧村の感染確認地点から10キロメートル圏内に5つの農場が含まれておりますけれども、すでに監視対象としている1農場を除く4農場を新たに監視対象農場として昨日立ち入り検査を行いました。昨日の時点では異常がないことを確認をしています。だいたい頭数でいうと800頭ぐらいになると思います。
 今後は毎日の飼養豚の異常の有無の報告を求めるなど、農場での豚コレラの発生予防に万全を期してまいりたいと思います。
 現在、農場におけるワクチン接種が1日も早く実施できるように、今、国と密接に連携して対応進めているところですが、引き続き農場における消毒の徹底をお願いしたいと思います。県としては、毎日、特に監視農場については報告も受けておりますし、養豚農家の方々は今回の台風で、これも前回(現場視察の際の)質問が出ていましたが、電気柵が壊れたりとか、防護柵が壊れたりという被害はなかったんですけれども、おそらく雨で流された石灰等々もあるので、これはしっかりともう一度まき直していただいてるということで、新たにまた2頭見つかったということで、これもさらに厳しい状況にあるということで、とにかく消毒を徹底してもらう、水際で食い止めるということが大変大事だと思っていますので、その旨をしっかりと養豚農家の方々と連絡を取りながら、報告を受けながらしっかりとそこら辺のところをお願いしていきたいと思っています。
 県としてはワクチン接種の早期の実現はもちろん(のこと)、考え得るあらゆる対策を講じて、豚コレラの発生予防に全力を尽くしてまいりたいと思います。
 次に、経口ワクチンの散布についてご報告をしたいと思います。
 経口ワクチン800個を本日、藤岡市内で散布することになりました。8時ぐらいに確か車が出てると農政部から報告を受けているので、もうすでに散布を始めてるのではないかと思います。
 散布作業については、県の特定家畜伝染病対策本部の地域本部である西部地域特定家畜伝染病現地対策本部、これ事務局は西部農業事務所になっておりますが、ここと藤岡市、藤岡市有害鳥獣駆除実施隊で行うことになっています。
 散布地域はすでに豚コレラ感染イノシシが確認されております養豚農家、農場への豚コレラ感染リスクが非常に高い地域だと言えます。この地域の野生イノシシがワクチンを食べて免疫をつけることによって、ウイルスの増殖を抑え、この地域のウイルス濃度を低減して養豚農家に豚コレラウイルスが侵入する可能性を減らす、これが狙いです。報道取材も含めて、豚コレラまん延防止の観点から前回の記者会見でもお願いしましたが、関係者以外の方は地域への立ち入りを控えていただくように改めてお願いをしておきたいと思います。
 なお、これまで繰り返し申し上げてまいりましたが、豚コレラの発生防止は、農場の衛生管理が何よりも重要です。先ほど申し上げましたが、石灰が流れてしまった農場も多いと思うので、これも改めて散布していただく、消毒を徹底していただくように我々としてはお願いをしていきたいと思います。
 続けて飼養豚へのワクチン接種について言及をさせていただきます。
 豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針が10月15日付けで改正をされて、本県がワクチン接種推奨地域に加わりました。
 このことによって本県は指針に基づいて「ワクチン接種プログラム」を作成します。農林水産省の確認を受けることができるようになりました。この確認に向けて、すでに国の担当課とはプログラム内容の精査・協議を進めている状況です。さらに言うと、早期に接種が開始されることも想定されるので、獣医師会などへの応援体制の依頼、獣医師会長をはじめ獣医師会の方々にはすでにお目にかかっておりますけれど、関係者、これは生産者、消費者、獣医師、食肉流通事業者などへの正確な情報提供の準備も並行して進めております。
 本県で早期にワクチン接種を始められるように、県では関係者と緊密に連携して、対応を進めていきたいと思います。皆さんのご関心は具体的にいつから始められるのかということだと思うのですが、これは養豚農家の方々も期待していることなので、我々としても軽々にいい加減なことは言えないと、今の段階では申し訳ないのですが、この日からとは申し上げられませんが、いろいろな調整を急いでまして、できるだけ早く、接種が始められるように努力をさせていただきたい思っています。
 続けて消毒ポイントの設置についてご報告をしたいと思います。
 県で設置している消毒ポイントを1カ所を追加します。伊勢崎市の協力のもとで、伊勢崎浄化センター敷地内で車両の消毒が可能となりました。来週の月曜日の午前中に準備を行って、来週の月曜日の午後1時から稼働することになると思います。他県が設置した消毒ポイントと同様、午前5時から午後6時まで、現状では年末までの設置を予定しておりますけれども、状況によっては延長することも想定をしております。
 本県では、養豚農場への豚コレラの感染リスクが非常に高いと、先ほど申し上げたとおり2頭の新たな感染が見つかったということもありまして、今回の追加措置を行いました。畜産関係車両のほか、一般の方々にも活用していただき、本県として養豚農場への豚コレラの侵入を全力で阻止したいと思います。
 消毒ポイントについては皆さんご存知のとおり、市町村独自で設置している所もありますので、これについても市町村としっかりと連携をしてさらに強力な対策を打っていきたいと思います。
 豚コレラに対する台風の影響については先ほども申し上げましたけれども、重要な養豚場における防護柵、防鳥ネットについては、一部被害があったと、細かく言うとそういうことですが、すでに各農場において補修済みだと、対応が必要な状況はないと報告を受けています。
 もう1回言いますが消石灰が流れてしまっている箇所もあると思うので消石灰の散布を徹底していただくということで、先ほど申し上げたとおり養豚農家、関係機関との指導を実施し、ここもしっかりと万全を期していきたいと思います。
豚コレラ対策についてのご報告はここまでで、後でご質問を受けたいと思いますが次に、中期財政見通しの概要についてお話をさせていただきたいと思います。
 以前から作成すると申し上げてきた中期財政見通しが一応完成をいたしましたので、発表させていただきたいと思います。
 まず問題意識、これ(については)大事なことなので丁寧に皆さんにご説明をさせていただきたいと思いますが、なぜ中期財政見通しを作成したいと考えているのか、ここから丁寧にご説明したいと思いますが、本県は、財政力指数が47都道府県中第9位に位置するなど、比較的税収には恵まれております。しかしながら、全国的な傾向に反して積立基金の残高が減少しており、さらには県債の返済に充てる公債費の大きさを示す「実質公債費比率」が平成22年度までの全国3位から直近の平成30年度には全国19位までに低下している。こうした課題を抱えていることからも、以前からこれについては問題意識を持っておりました。
 基本的な考え方を申し上げると、少子高齢化に伴う社会保障関係費の増加など、地方財政をめぐる環境は厳しさを増しておりますので、これは中長期的な視点を持って持続可能な財政運営を行っていく必要があると考えています。
 そこで今後の財政運営の参考にするため今の状態が続けば、今後、県の財政がどうなるのか、これを推計したものが中期財政見通しです。同様の趣旨で多くの都道府県はすでに作成済みです。本県でも作成することによって、今後の財政状況を何よりも県民の皆さまにご理解をしていただいて、財政に関する県内の議論を活性化させていきたいと考えています。
 47都道府県中、平成30年4月1日現在36道府県がこの中期財政見通しを持っています。
 さらに見通しの中身についてもご報告したいと思います。
 歳出のうち人件費、公債費は少しずつ減少する見通しですが、社会保障関係経費は少子高齢化の進展で5年間で147億円と大幅に増える見通しになっています。歳入については、県税、交付税等は今後の経済状況や国の制度改正等に大きく左右されるために、現在の水準で横ばいに推移するということで推計をさせていただきました。さらに国の補助金や県債などは補助事業や公共事業の歳出額によるため、歳出見合いということで推計をさせていただいています。その結果、社会保障関係経費の増加等もあり、毎年200億円前後の財源不足額、赤字の発生が見込まれるということがわかりました。
 来年度以降、急に財政が苦しくなるわけではありませんが、今年度の当初予算編成においても193億円の財政不足が発生していました。これを貯金の取り崩し114億円、それから借金79億円で何とかやりくりしたというのが実態です。
 さらに積立金の残高についてもご報告をしたいと思います。
 これまでは貯金の取り崩しで何とかしのいでまいりましたが、今後も財源不足額、赤字を解消するために積立基金の取り崩しを続けた場合、来年度には基金が枯渇するという大変厳しい見通しになっています。積立基金の残高がゼロだと大規模災害が起きた場合に対応しきれません。
 知事選挙に出る何カ月か前だったでしょうか、私自身のブログでも言及しましたけれども、ある市では大雪の除排雪で多額の費用がかかったのですが、基金残高が十分でなかったので全額取り崩したと。しかしなお、財源が不足した結果、大型公共事業の先送りが8事業ありました。不急な事業の中止、縮減146事業で財源を5億円捻出した上で、さらに不足した額は、職員給与費や議員報酬等の削減で8億円補てんしたという結果になりました。
 もう一つ言うと先週の台風19号で本県でも甚大な災害が発生しましたが、平成27年9月の関東東北豪雨に際して、栃木県では災害復旧のために総額300億円近くの補正予算を編成しています。大半は国の補助金や県債等で賄われるものの、それを除いた一般財源でも17億円を支出をいたしました。こういうことをよく見ておかなければいけないと思っています。さらに、貯金の取り崩しでまだ足りない分を借金で賄った場合、県債残高は当然増え続けるということになります。県債残高が増加すると、将来県債の返済に予算が割かれてしまって、その分、医療、福祉、教育、子育て、道路等のインフラの維持・整備といった県民サービスにさける予算が少なくなってしまいます。
 知事として大事な事業を進めていかなければいけないんですけれども、やはり将来にこういう問題を残すということは、できるだけわかりやすく県民にご説明していこうと思っています。
 目指すべき方向性をまとめると、本県財政は今後、毎年200億円前後の財源不足額、赤字が見込まれるということで、行財政改革を行わないと、積立基金、貯金ですね、この取り崩しや起債、借金によって対応せざるを得ないことはこれはもう火を見るより明らかでございまして、その場合基金が枯渇して大規模な災害が起きた場合に対応しきれないということもありますし、将来先ほど申し上げました県債の返済に予算が割かればその分県民サービスに使える予算が少なくなると思っています。だからこそ、行財政改革を通じて財政の健全性を確保して積立基金、貯金の取り崩しとか、県債発行、借金に頼らない財政運営を目指していく、こういう必要があると思っています。
 これも皆さんよくご存知だと思いますが県の予算規模7,000億円台を考えると通常であれば200億円前後の赤字の解消は簡単だと思う方もいるかもしれませんが、これは非常に難しい仕事だと思っています。7割は義務的な歳出で、残りの3割も改めてデータを確認をしましたが、福祉、医療、教育、子育て、道路等のインフラの維持、管理など様々な県民サービスに使われておりまして、歳出削減は簡単ではないと。どんな国でも地方でもそうだと思いますが、総論賛成各論反対ですから、この中で熟慮断行という方針で行財政改革を何とか成し遂げていきたいと思っております。
 続けて当初予算編成の方針についても、とても大事なのでお話をしておきたいと思います。今、申し上げた財政状況を踏まえて、令和2年度当初予算の編成方針を発表します。
 総合計画、これはもう何度もここで申し上げたとおり、県の中長期的なビジョンを示すものなので、来年度に向けて時間をかけて策定する方針です。ただし、県民の幸福度向上のために、すぐにでも取り組むべき政策については、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。これまでご説明したように財政状況は厳しいですけれども、県民の安心を支えるために必要な医療・福祉、子育て環境の整備、県土強靱化などについては工夫しながら、しっかりとやっていく、継続していくということだと思います。そして、必要性が低下した事業や効果が上がっていない事業等は「熟慮断行」という方針に基づいて思い切って見直し、新たな施策の財源を生み出すスクラップ・アンド・ビルドによって財政の健全性の確保と両立を図っていきたいと思います。
 こうした私の考え、よく庁議で(県幹部に)申し上げているのですが、コンテクストが大事だと。例えば上司が部下に対していろいろ資料を出す時には、どういうコンテクストになるか、どういう文脈なのか、どういう理由なのか、どういう背景なのか、これをしっかりと説明することが大事だと申し上げていますので、昨日の庁議の場でも、私の方からなかなか大変な作業だけれども各部局の部長、幹部の方々にとにかく行財政改革をしっかりやっていかなければならないということを申し上げました。このチームのヘッドである、今日ちょっと別の会議で来られなかったのですが、津久井副知事からもある意味これを一つのチャンスだと捉えてしっかりと改革を進めていこうというお話をいただきました。
 これから各部局の現場の声もよく聞きながら、県民の声に対してもよく耳を傾けながら予算編成を行ってまいりたいと思います。
 最後にSDGsイニシアティブです。SDGsイニシアティブは2015年に国連の「持続可能な開発サミット」において採択されました。国際社会が2030年までに取り組むべき17の開発目標、ゴールですけれども、私の目標である「県民の幸福度向上」とベクトルは同じだと考えています。
 SDGsは単なるコンセプトではありません。すでに世界の潮流です。民間企業でもSDGsの理念に基づいてESG経営に取り組むということが一般的になっております。県として、官民一体となってSDGsを積極的に推進するため「ぐんまSDGsイニシアティブ」を発信することにいたしました。
 具体的な取り組みとしては、次期総合計画の策定に当たって、SDGsの理念をしっかり反映をさせると同時にSDGsの17のゴールに各部局の主な事業をしっかりと位置づけてまいりたいと思います。さらに県として、「SDGs未来都市」・「自治体SDGsモデル事業」への選定を目指すとともに、県全体ではSDGsの推進に取り組むため、中小企業等を対象としたセミナーを開催したいと思いますし、県庁職員の意識もさらに高めていきたいと思います。
 これは県を挙げて取り組む姿勢をアピールすることが大事だと。実は17の事業については群馬県でもしっかりやっているのですが、これがちゃんとSDGsと合致しているということを内外にしっかりと発信していくということは大事だと思います。正直言って誰を批判するつもりもありませんが、これまで県のSDGsに対する取り組みは遅れていたと思いますので、このイニシアティブの発信を契機にしっかりと強化をしてまいりたいと思います。
 相当長くなりましたが、ご清聴ありがとうございました。
 ここからはご質問をお受けしたいと思います。

質疑応答

中期財政見通しについて

(記者)
 中期財政見通しについてです。200億円前後の財源不足、大変大きいというふうに思いますけれども、今後、行財政改革の内容というのが問われてくると思います。今後、熟慮断行チームでいろいろとお考えかと思いますけれども、今の段階でその行財政改革について、思い描いているイメージがあればお聞かせください。
(知事)
 おそらく、どんな事業かっていうことなんですが、これは、やっぱり相当考えていかないといけないんで、現段階で、この事業っていうことは言えないと思うんですよね。これは、本当に大変なので関係各所を説得していかなければいけないので、熟慮断行チームで十分に議論しながらやっていきたいと。
 ただ先ほど申し上げたとおりスクラップ・アンド・ビルドをやらない限り新しい事業に回す財源もなければ、結局、先ほど財政状況の説明の中であったようなパス(流れ)をたどっていってしまうので、そのためにもしっかりとやっていかなければいけないと。
 具体的な事業については、すでに実質的には、いろいろいくつか考えているものがありますが、ここからしっかりと議論して結果を出していくということに尽きると思います。

台風第19号について

(記者)
 台風第19号についてです。先日、富岡の現場でも質問があったかと思いますけれども、亡くなられた方の氏名の公表について、現在、遺族の意向ということで匿名になっていますけれども、その点について改めて理由をお聞かせいただけますか。
(知事)
 そこはメディアの方々の立場もわかるのですけれども、やはり県としては、今回の災害で亡くなられた(方の)遺族の方々から氏名は公表しないでほしいと、こういう強い要望が出ている以上、それを無視して発表するっていうことは、これはできないというふうに思っていまして。
 ただ、これは全国的にもいろいろと今、議論されている問題であって、全国知事会としても国としてある程度、対応を決めてくれということも申し上げているので、そういう中で考えていきたいと思いますが、もう1回言いますが、亡くなられた(方の)遺族の方々からの強いご希望なので、それをひっくり返して県の方であえてお名前を発表するっていうことは差し控えたいと思います。
(記者)
 ご遺族の方のお気持ちも、また県の立場というのもわかりますけれども、この後なのですけれども、刀水記者クラブとテレビ記者会で、この事に関しては申し入れをさせていただこうと思っていますのでご承知おきください。
(知事)
 それはそれで中身を見て受けとめさせていただきたいと思います。
(記者)
 台風19号での富岡での土砂災害の件でおたずねします。先ほど知事のご説明の中で、土砂災害警戒区域については、国の法律の外形基準があって、それに今回の現場は引っかかっていなかったということですが、そういったような状況の中で、類似の地形もお調べになるというお話だったのですけれど、土砂災害警戒区域という枠組みのほかに、何か特定の地形の場所で、そういった土砂災害のおそれがあるということをどのように示していくのか、そういった見通しを現時点でお持ちでしょうか。
(知事)
 それは大事な点だけど、非常に難しいと思いますよね。まず、今のその土砂災害警戒情報などは法律に基づく国の基準で出しているわけで、改めて富岡の現場を見させていただいたのですけれども、例えば斜面の傾斜も含めて外形基準に達していないというか、外れているんですよね。もし、これを入れるってことになると、ほとんど、もしかしたら日本全国あらゆる所みたいになってしまうというのと、これまでで最も雨の降った地域もあるのですが、人家があった地域で避難勧告が出てなかった地域でおそらく崩落した所はここだけだから、他はおそらくみんな避難勧告の出た、(避難)指示の出た地域だから、皆さんも避難されていたのだと思うんですね。だから、どこを調べればいいのかってとても難しいと思うし、県の独自で何か基準を作るっていう問題じゃないので、これはなかなか難しいところだと思います。
 ただ、あの(災害現場視察の際の)ぶら下がりの中で、記者の方々からも、これはやっぱり見直すべきじゃないかって、それはもっともだと思って、だから見直す方法をいろいろ研究してみるというのも申し上げたんですが、まずその近くに似たような地形があるかどうかっていうのはちゃんと調べたいと思うし、本当に無数になってしまうんだけど、どこかに例えば人家があって民家があって、そこで全く同じような地形で外形基準に入っていないみたいな所があるようならば、それはちょっと県土整備部に、これは少し研究してもらおうかなというふうに思っています。
 ただ、先ほど申し上げたとおり、まずはやはり国交省のテックチーム(テックフォース)が入ってるんで、ボーリングもやって土壌も調べてもらいますから。あの傾斜は外形基準から比べると本当にそんなに急じゃないんですね。だからなぜ崩落したのかっていうことをまずちゃんと分析してもらって、それも踏まえてどうするかもう一度よく考えたいと思います。

中期財政見通しについて

(記者)
 中期財政見通しの件でお伺いをさせていただきたいのですけれども、基金の残高がなくなってしまった場合に、災害に対応できないというお話がありましたけれども、今、当初予算の編成をこれから考えていく中で、基金の積み増しというものについてはどういうお考えですか。
(知事)
 それはおそらくおっしゃりたいことは、どのぐらいの目標にするのかとかいう話だと思うのですよね。それは例えばさっき中期財政見通しの中でご説明した毎年200億円前後の財源不足が明らかになっているんで(すが)、ただ今の時点でこれを例えばこのぐらいに200億円削りますとか、あるいは基金をこれだけ積み増しますっていうことはなかなか言えない。これは、相当難しい中でいろんなところを説得していかなければいけないので、今の段階で基金の積み増しをどのぐらいにするかっていう目標は示さないつもりです。
 ただ一つだけ、申し上げれば、確か(平成)29年度末の本県の積立金残高は130億円になっています。これはいろいろ財政の仕組みで前後したり、あるいは当初予算で当て込んでいる部分とかいろいろあるから数字は変わるのですけれども、栃木県は510億円。それから茨城県は655億円あるということだけは申し上げておきたいと思います。
(記者)
 知事のお考えとして今後、積み増しの可能性もあるということで捉えていますか。
(知事)
 積み増しの可能性というか、やはり行財政改革をどう進めるかっていうことなのですけれども、やはり積み増していかないといけないと思います。今のやはり基金残高、これは少ないと。どのぐらい積み増しするかっていうのは、さっき言ったように今ちょっと明示できないし、これからできるだけ努力をしたいというふうに思います。

台風第19号について

(記者)
  台風の被害の関係で、昨日、八ッ場ダムに行かれた際に、被害額が県全体で200億円ぐらいになるのではないかというお話がありましたけれども、これはどういう試算をもとに。
(知事)
 これはですね、現時点で県土整備部がまとめたデータなんですよね。ザクッというと細かい地域でどうのっていうことを言ってもしょうがないと思うんだけど、ザクッというとですね、河川と道路でだいたい150億円ぐらいの被害額であろうと。それからあと市町村分を合わせると(市町村分が)50億ぐらいなんで200億円ぐらいではないかというふうに二階幹事長にはご報告を申し上げました。ただこれはあくまで道路と河川中心なんで、ここには農業分野の被害とか入っていません。だから全体としてはもうちょっと上がるかもしれませんが、現時点で県土整備部として試算すると、少なくとも200億円ぐらいの被害が出ているということだと思います。
(記者)
 今後、県の方で被害を回復するためのお金は規模としてどれくらいかかるっていうふうに考えていますか。
(知事)
 これは今の段階で言えないと思うんだけど、とにかくまず昨日、二階幹事長にも激甚災害指定をよろしくお願いしますと。新聞によると、激甚災害指定と(報道に)なっていたのですけれど、これも基準があるので、ちゃんと群馬県も適用してもらわなければいけないっていう問題があると思います。
 これが激甚災害指定になるかどうかによっても、おそらく県から出ていくお金は変わっていくし、それからもう一つ二階幹事長にお願いしたのは、政府への群馬県の要望は後押ししてくださいとお願いしたのは、被災者の生活支援の法律、生活再建支援法があるんだけど、これだと例えば災害で、私の記憶だと10棟以上の倒壊があった時に予算がつくんですけども、群馬県は昨日の報告だと6棟、実質的にはほとんど使えないっていう所が1棟あるから、私は7棟だと思いますけれども、そうすると基準の下になってしまうので、ここら辺についても、もう少し基準を広げて入れるように国に要望しているので、党の後押しもお願いしますというふうに申し上げました。そこら辺も少し全体にかかってくるかなと思います。
(記者)
 氏名の公表についてなのですけれども、氏名の公表については議論がいろいろあるかと思うのですけれども、大規模な災害の場合に死因だったり、明確な年齢というものは、その後の災害の検証というもので必要かと思うのですけれども、今回、県としては男女の別とそれから50代と60代とかっていう年齢の幅をとって公表していただいていますけれども、こちらは再考の余地はあるというふうにお考えなんでしょうか。
(知事)
 それが先ほど申し上げたのは、県の立場なんで、さっきあったように記者クラブからもいろいろ要望もあるということなんで、それを踏まえて考えたいと思いますけれども、基本的に私のスタンスはさっき申し上げたとおりです。
(記者)
 いや、年齢と死因については。
(知事)
 だから、氏名の公表については、やはり遺族の方々のご意向考えると、やはり今、県として公表することは考えていません。
(記者)
 予算編成方針について、基金の残高についてなんですけれど、選挙期間中にもですね、災害が発生した時に備えて、ある程度確保しておかなければいけないというようなお話もされていたかと思います。本年度については15億円を残しておいて、他については取り崩しをして財源に充てるというようなことをしていますが、来年度については、その15億円以上残しておくというような、どのくらいの規模をお考えですか。
(知事)
 さっきもちょっと申し上げたとおり、今、具体的にいつまでに何億円目指すっていうことは、現時点ではちょっと申し上げられないと思うんですね。ただ、もちろん今の残高を増やせるように努力をしたいということです。それはもう明らかにしながら、例えば隣県ではこのぐらいの基金残高があるっていうことを参考として申し上げたということで、今の残高をもちろん増やしていけるように全員で努力していきたい、今の段階でいつまでに何億円ってことはちょっと申し上げられないということです。

令和2年度当初予算編成方針について

(記者)
 基本方針を踏まえた要求基準に関してなんですけれど、一般事業に関しては前年度(令和元年度)当初(予算)一般財源の90%の範囲で要求するというようなシーリングを示されています。
(知事)
 そのシーリングの(記述の)後になんて書いてありますか。
(記者)
 90%の範囲で要求するというような表現などがあります。
(知事)
 その後の一文あります。もう一つ大事な部分があるから。「前年度当初一般財源の90%の範囲内で要求する」と。その後、この2ポツ目もあって、「新規・拡充事業のうち、県民の幸福度向上のため、すぐにでも取り組むべき事業については地方創生推進交付金やふるさと納税・企業版ふるさと納税等の民間資金を最大限活用しつつ、特別枠として所要額を要求」と。これとセットになっているというのはとても大事なので、それは申し上げておきます。
(記者)
 お尋ねしたいのはですね、2018年度、今年度の2019年度については、このシーリングについては95%以内としていたと思いますが、さらに要求段階での割合を5%を下げるというですかね、1割削減というようなことにしていますが、積極的に各部署で事業を見直すように指示をされるということでしょうか。
(知事)
 今の特別枠の文書と合わせて考えてもらえばいいんですけれど、おっしゃったとおり95%だったものを90%にしたと。過去たぶん90%っていうことはあったかもしれませんけれども、やはりここで5%下げるっていうのは、それはそれなりの行財政改革に対するメッセージだと思っています。

台風第19号について

(記者)
 先ほどの台風の死因の関係なんですけれども、これはご遺族の意向とかではなくて、そもそも県として亡くなった方の4名の死因については、情報として把握すべき(もので)、把握しなければいけないものではないということで、そもそも把握していないというお話なんですけれども、実際にしっかり情報を把握されて、その上で公表をすべきではないかと思うんですけれども、その点については知事としていかがですか。
(知事)
 それは先ほどもちょっと申し上げたように平行線になっちゃうんですが、メディアの方々のそういう考えもそれは理解できますが、それはメディアの報道する立場として。我々としては、もう1回言いますけれども、遺族の方々のご意向を踏まえて判断をしたいと思っていますので、今回、氏名を公表することは考えていません。今、おっしゃった、そのことについて、どういうふうに県が細かく説明しているのか、ちょっと確かめてみますけれども、基本的なスタンスはさっき言ったとおりです。記者クラブから要望等々も出ると思うので、それもよく読ませていただきたいと思います。
(記者)
 氏名というお話はちょっと別にして、死因のことに関してなんですが、その点については。
(知事)
 死因。
(記者)
 死因というのは、例えば圧死とかであれば、(建物の)建築基準にちょっと問題があったのかとか。
(知事)
 それは、なぜ県としてそういう言い方をしているのか調べさせてください。それは、もしかしたら、これも遺族の方々への配慮なのかもしれないし、でもそういう説明をしてるという細かいことはちょっと今わからなかったので、これ確かめますよ。どうして今、言ったような説明になっているならば、どうしてそうしているのかっていうのは、ちょっと確かめてみます。
 でも、それもやはりご遺族の方々への配慮なんじゃないかなと思いますが、ちょっと確かめさせてください。基本的スタンスはさっき言ったとおりです。
(記者)
 公益性というのも重視してほしいと思います。
(知事)
 それは一つの考え方だと思います。
(記者)
 先ほどからご遺族のご意向で氏名の公表、死因の公表というのは差し控えているということなんですけれども、現場とかで取材にあたっていると、ご遺族の方も一緒に片付けにいらっしゃってて、どうして亡くなったんだろうという時に、土砂にのまれて窒息で亡くなったんだろうかと詳細に話をしてくださってる方とかもいらっしゃるんですよね。
 それで、ご遺族の意向っていうのをどのように確認されていて、積極的に亡くなった原因とかに関わる部分については公表というか、公表していただいてみんなで検証していこうっていう、そういう姿勢でご遺族へ公表していいかっていう意向を確認していただかないと、初めから遺族的には公表したくないだろうっていうスタンスで確認をして、ご遺族の強い意向で公表しなかったんだって言われてしまうと、ちょっとどうなのかなと思いまして、ご遺族の意向の確認の仕方についても、もう一度お考えいただいてもよろしいですか。
(知事)
 それは、まずどういう形で意向確認したのか細かくは聞いていないけれど、それは知事として現場で一生懸命頑張っている県職員のことを信じてますので、きちっとそういう意向を確認したんだと思います。それを言うなら例えば養豚農家がこう言ってた、ああ言っていたと書かれる時に、我々は個別に話を聞いた時にそうは言っていないっていう人だっているかもしれないでしょう。そういうふうに自分は言わなかったって言ってる人だっているかもしれないでしょう。そこは、我々としても、きちっとしたやり方で意向を確認していると私は確信しています。
(記者)
 公益性の話なんですが、他県ですと大規模の災害があった時に災害の規模とかに鑑みて、人命救助の観点から氏名を公表するっていう方針をあらかじめ出しているところも茨城県とかではあったりするので、本県では、そういうものが全くないので判断にも時間がかかってしまうとは思うんですね。指針を今後、立てていただきたいというか、改めて作っていただきたいと思うんですけれど、現状では考えていますか。
(知事)
 それは、今おっしゃったとおり各県によって考え方が違うから。そういう指針を持ってるところもあるし、そういう指針を持っていないところもあるから。本来であれば、これは全国知事会が言ってるように全国統一でちゃんと作ってもらえれば一番いいのかもしれませんけれども、群馬県としてはさっき言った考え方だということです。
(記者)
 群馬県としては、ご遺族の意向を県の方で確認されたので、もう公表しないということですか。
(知事)
 今、公表しないっていう方針にしているということです。
(記者)
 公表しないという方針があるんですか。
(知事)
 方針があるんじゃなくてそう決めたっていうことです。今回の場合は、現時点でご遺族の方々の意向を踏まえて発表しないっていう方針にしているってことです。
(記者)
 私が言いたいのは、ご遺族の意向を確認して、今後発表しないと言った方針自体に今後検証していくというか検証していってほしいというか、その方針の決めた過程をそれでよかったのかっていうのを今後、改めて考え直していただきたいということなんですが。
(知事)
 それは個人のご希望ですよね。ただ、記者クラブの要望も出てくるから、それはそれでちょっと読まさせていただきたいと思います。
(記者)
 今後、例えばご遺族のお気持ちが変わったりとか、ご遺族の中でも皆さんいろいろなご意見があると思うので、一方でやっぱり公表してほしいという要望があったとかそういう確認が取れた場合は随時その方については公表していただけるということでしょうか。
(知事)
 確認が取れた場合っていうそのケースがよくわからないんですけれど、現時点でご遺族の方々は氏名を公表しないでほしいとおっしゃっているのでそれを尊重して公表していないということです。ご質問のケースがどう起こるのかご遺族の方々が急に連絡してきて、いや実はあの公表してほしいっていうケースがあるのかどうかよくわかりませんが、状況の変化に応じては方針は変わる可能性があると思いますけれども、こちらから公益性の観点で県の方から公表した方がいいですよ、だから公表しませんか、と言うつもりはありません。ご質問にある状況がどう起こるかよくわからないですが、我々が現時点で公表していない主な理由はご遺族の方々のご意向ですから、それが根本的に変わるっていうことであれば方針が変わる可能性もゼロではないと思います。

知事のブログについて

(記者)
 ガラッと話が変わるんですけれども、今週ですね知事のいろいろブログとかツイッターで報道機関に対するコメントがなされたと思います。
その中で問題点を指摘されたり批判されたりするのは構わないけれども、底意地の悪い記者がいるというようなことが書かれてありまして、この文言の真意を教えていただけますか。
(知事)
 それは個人のブログだから別に政治家としていろいろやってる時に何か自分の思いをツイートしたところで、誰からも特に文句を言われる筋合いはないと思っています。これはやっぱり自分で率直に感じたことを書いているということで、基本的にこの記者会見は毎週やっていますけれどもとっても大事だと思っています。真剣勝負なんで、どういう批判的なコメントがあってもできる限り真正面から答えているから、だけどこんな意地悪な質問しなくてもいいんじゃないかなと思う時もあると別に人間的につぶやいたっていいじゃないですか、そういうことですよ。でも記者さんが毎日つぶさに読んでいただいてることは感謝してます。
(記者)
 ずばり知事にとって意地の悪い記者っていうのはどういう人物を指すのでしょうか。
(知事)
 それはもう具体的には書いてないから一般論ですよね。
(記者)
 逆に意地の悪くない記者っていうのはどういう。
(知事)
 いやそれはこういう質問する人いないと思うよ、記者会見で。でもその意地が悪い意地悪じゃないっていうのは、たぶん個人の感情の問題なので一般論で言ったのですが。批判されることは当然だと思うんですよ。成果の上がったものについては評価してもらって、批判されるべきことは批判されて、それによって気がつくことも結構あるんですよ。例えば前に指摘された例の(御巣鷹山の)慰霊登山、あれは私の間違いだったんですよ。県庁の人に急いで集めてもらったから、私の責任なんですけれど、すぐ集めてと言ってそこに(記載が)なかったのですが、記者さんのおっしゃるとおりだったわけですよ。だから訂正した。やっぱり記者会見によっていろいろな見方があって批判されることによって気がつくこともあると思います。
(記者)
 報道機関であって我々は広報宣伝媒体ではないので、なかなか知事や例えば県の方がアピールしたいっていうことが、思いどおりに報道が出てこないということも多々あるかと思いますけれども、その辺はやっぱりああいう書かれかたをすると、どう言ったらいいか、秘書課の方のお話っていうのがあったんですけれども、報道機関が知事の動静を確認したり間違いのないように何度も繰り返し質問をするというのはあくまで間違いのないようにということなので、それは基本動作と思うんですけれども、それで執拗にという書かれ方があったのですけどそれはどういう・・・
(知事)
 それは、個人的な見方だから記者の方が県庁にね、いろいろな事実関係を確認することは別に否定しません。何度も言うようにこの記者会見も真剣勝負でやってるから、それから私も間違ってジャーナリストを目指してやめた経験もあって、やっぱりメディアは基本的に行政をチェックすることが目的なんですよ。だから緊張関係があっていいと思って、それで毎週やってるわけですよ。別に前の知事とかその前の人のこと言うわけではないけれど、これだけ情報発信している人はいないと思いますし、おそらくいろいろな情報発信も今までよりもやっているので。こうやって真剣に一つ一つ答えていること自体が最初からコントロールできるなんて思ってないから、やはり記者さんの後ろには県民と国民がいると思ってやっているんですよ。だけど、知事である私の後ろにも支持者の方がいて、やっぱり記者さんのような熱心なブログ読者の方々もいるから、今この時代、いろいろな人たちが自分の考えを発信できる時代になってきたということは、もしかすると政治とメディアの関係にも少し変化があるのではないかと思います。ただ、感情として1人の人間として悔しいことがあったりする時にポロッと別につぶやいたって、私は完璧な人間じゃないんで、欠点だらけなんで、それについて特に何かクレームをつけられるようなところじゃないと思います。ただ、おっしゃっている趣旨はよくわかりました。
(記者)
 ありがとうございます。

中期財政見通しについて

(記者)
 中期財政見通しの話に戻るのですが、財源不足が続くというのはわかるんですけれども、他県、隣県に比べて基金残高が極端に少ないっていうのは群馬県固有の何か事情があったのか、これまでの財政運営に何か欠陥があったのか、その辺は構造的な問題として何か考えられることはあるんでしょうか。
(知事)
 それは細かくいろいろ言うとまるで前の知事を批判するみたいになってしまうので控えたいと思いますが、福井市で起こったようなことは決して群馬県で起きないとは言えないと思います。だからそこは我々としてよく頭に置きながら、責任ある財政運営をしていかなければならないと思います。
 それぞれ歴代の知事の方々も一生懸命頑張ってこられたんだと思いますけれども、少なくとも私が知事になって財政を見た段階で言うと、どこの県でも、国でも地方でも苦しいから、財政改革は。だからもうちょっと財政運営をしっかりしていかないと将来のことが心配だなとこれに尽きると思います。
(記者)
 企業立地もですね、誘致も順調に進んでますし他県に比べて大きな災害もさほどないかと思うんですけれども、にも関わらず、栃木県、茨城県に比べて基金が相当減ってるっていうのはこれはどう考えたらいいんでしょうか。
(知事)
 だからこれまでのいろいろな事業の展開とかいろいろなことなんだと思いますが、細かいことを言うつもりはないのですが、群馬県はたまたま災害が少ないというのことだったかもしれませんけれど、例えば今回も4人の方が亡くなられて大きな爪痕を残したわけですよね。西部の方では今まで経験したことのないような大雨が降ったわけだから、だからそれは何ていうのか災害が少ないから安心はできないと思っています。
 やっぱりこの予算の規模からすると、さっき言ったようにどのくらい減らすみたいな目標を現時点では掲げませんけれども、やっぱり基金のレベルとしては低いですね。そこはよく考えていかなければならないと思います。
(記者)
 それは歳入に対する歳出が大きいすぎるという・・・
(知事)
 それはいろんな原因があるんじゃないでしょうか。だいたい財政っていろいろな原因で難しい状況になっているので国も地方も同じだと思います。

(以上で終了)
文章中の()内については、広報課において加筆したものです。