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第16回定例記者会見要旨(7月15日)

更新日:2021年7月15日 印刷ページ表示
  • 日時 令和3年7月15日(木曜日)午後3時15分~4時30分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 18人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

令和3年7月15日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

ニター資料(PDFファイル:1.33MB)

質疑応答はこちらをクリック

知事冒頭発言

発表項目

1.本日の発表項目について
2.新型コロナ対策本部会議の結果について
3.警戒度2における要請内容、夏休み期間中のお願いについて
4.直近の感染状況について
5.県営ワクチン接種センターの稼働状況について
6.県内のワクチン接種率について
7.県内のワクチン在庫量に関する調査結果について
8.「魅力度ランキング」の検証について
9.直滑降ストリームの告知について

1.本日の発表項目について

 それでは、定例会見を始めさせていただきたいと思います。
 スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。
 本日は、新型コロナ対策本部会議の結果について発表します。また、県営ワクチン接種センターの稼働状況、魅力度ランキングの検証結果等について、ご報告させていただきます。

2.新型コロナ対策本部会議の結果について

 まず、新型コロナ対策本部会議の結果についてです。
 前回の警戒度の判断から2週間が経過したため、本日、第51回新型コロナウイルス感染症対策本部会議を書面により開催しました。
 来週19日月曜日以降の警戒度等について、決定しましたのでご報告いたします。

 スライドをご覧ください。警戒度に関するスライドです。
 結論として、来週19日月曜以降も全県において「警戒度2」を継続することといたします。期間は8月1日日曜日までの2週間ということにさせていただきます。
 詳しい数値は、後ほどご説明いたしますが、県内の感染状況は総じて落ち着いており、警戒度の判断基準である客観的数値だけ見ると、概ね基準の範囲に収まっています。
 特に病床稼働率に関しては、警戒度1の基準である15%を下回っている状況です。

 また、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は全国30位、これはNHKが毎日発表している直近1週間の人口10万人当たりの感染者数ですが、首都圏では、ずば抜けて低い水準をこのところ維持しております。
 しかしながら、本県が最も影響を受ける東京都では、4度目の緊急事態宣言が発令されるなど、近隣都県の状況に特に警戒が必要だと考えています。
 加えて、群馬県においても、新規感染者数はやや増加傾向に転じつつあり、リバウンドの兆候が見られます。

 以上を総合的に判断し、現時点においては「警戒度2」を継続するという方針にいたしました。

3.警戒度2における要請内容、夏休み期間中のお願いについて

 続いて、要請内容についてご説明したいと思います。
 スライドをご覧ください。警戒度2における要請の中身についてです。
 19日以降も要請内容に変更ありません。スライドのとおりです。
 県民の皆さまには、ご不便をおかけしますが、引き続きのご協力をお願い申し上げます。

 また、いよいよ来週から本格的な夏休みシーズンを迎えます。夏休みを迎えると、旅行、帰省など、県外との往来が活発になることが予想されます。
 これまでも、第3波は年末年始でした。第4波はゴールデンウィークの前後でした。いずれも人の動きが活発になる時期に感染が拡大しています。
 今回も夏休みの時期に合わせ、感染が再拡大することを大変危惧しています。
 そこで、改めて県民の皆さまに、「ご自身と家族、ふるさとを守る夏」にするためのお願いをさせていただきたいと思います。

 次のスライドをご覧ください。夏休み期間中のお願いに関するスライドです。
 まず、都道府県をまたぐ旅行などは、慎重にご判断をいただきたいと思います。
 感染が拡大している地域との往来は、特に注意が必要だというふうに考えています。
 緊急事態宣言とか、まん延防止等重点措置の地域への旅行、帰省については極力控えていただきますように、お願いしたいと思います。
 その他、感染者の多い地域への旅行とか帰省についても、慎重にご判断いただくようにお願いを申し上げたいと思います。

 また、いよいよ来週からオリンピックが開催されます。オリンピック観戦については、ご家族やいつも一緒にいる方と、自宅でテレビ観戦するなど、感染拡大を招かない形での声援をお願いしたいと思います。
 加えて、夏休み期間中は、県外にお住まいのご家族の帰省、または、群馬県への旅行を計画されている県外の方々も多いと思います。本県への旅行、帰省に関しては、お住まいの都道府県から出されている外出に関する要請を踏まえ、慎重に検討いただきますように、重ねてお願いしたいと思います。
 また、感染力が強いと言われているデルタ株など、変異株による感染も増えてきています。多くの方々がワクチン接種を終えるまでは、マスクの着用を徹底する。いつも申し上げているように、大人数、長時間の会食は極力控える。時差出勤やテレワークをさらに活用する。こういった感染防止対策の徹底に、改めて県民の皆さまのご協力をお願いします。
 以上が対策本部会議での決定事項です。

4.直近の感染状況について

 続いて直近の感染状況についてご説明いたします。
 スライドをご覧ください。新規感染者の推移です。
 直近1週間の新規感染者数は、本日の新規感染者7人を含めて47人となりました。
 まだ全体としては低い水準ですけれども、先週の29人から1.6倍増加してることが分かると思います。これはリバウンドの兆候だと言っていいと思います。十分な注意が必要だと考えています。 

 次のスライドをご覧ください。毎回ご説明しておりますが、感染状況の客観的な数値です。
(1)の「1日当たりの新規感染者数」については、6.6人ということで、先週の3.4人から増加しています。
(2)の「経路不明の感染者数」は、52.2%ということで、ここ数週間、50%前後と比較的高い数値で推移しておりまして、この点にも注意が必要だと考えています。
(3)の「検査の陽性率」は、1.4%ということで、先週から比べて若干高くなっています。

 続いて新規感染者の状況についてもご報告したいと思います。
 次のスライドをご覧ください。年代別にまとめたものです。
 20代から30代が50%を占めています。ここが注意しなければいけない部分だということが分かっていただけると思います。

 次のスライドをご覧ください。推定感染経路別にまとめたスライドになります。
 経路不明の感染者のうち、半数の方に県外往来歴が見られます。これが非常に大事だと思うんですよね。
 つまり、東京、埼玉、神奈川といった感染者の多い地域から県内にウイルスが持ち込まれ、家庭内などで広がっていると推定されるケースが続いているということになります。

 次のスライドをご覧ください。医療提供体制についての客観的な数値です。
 上の2段にあるとおり、現在、人工呼吸器を使用してる方が3人おられます。うち、ECMO、人工肺装置を使用している方がお一人ということで、今のところ低い水準に抑えられています。
 7月に入ってから実はですね、新たな重症者は発生しておりません。このことは、本県の医療提供体制を考える上では非常に好ましいことだと考えています。
 ワクチン接種との関連性について、現在分析を行っているところです。いろんな各県のデータも見ながら慎重に分析を行っていますが、個人的に言うとですね、やはりこれは少なからず、ワクチン接種の効果が出ているのではないかというふうにとらえています。
 また、この1週間で亡くなられた方もおられません。
 スライド中段の病床の稼働率。これも非常に大事な数字ですけれども、7.6%ということで、先週の5.4%から増加しています。
 しかしながら、これでもですね、警戒度1の水準を維持しているということになります。
 スライドの一番下の宿泊療養者数は、前回の10人から増え、25人となっています。

 続いて、保健所ごとの感染者数についてもご説明いたします。
 次のスライドをご覧ください。保健所別の感染状況です。
 一部の地域で増加が見られております。これは注意が必要ですが、全体としてはまだ落ち着いているということが言えると思います。
 以上が直近の感染状況です。

5.県営ワクチン接種センターの稼働状況について

 続いて、2つの県営ワクチン接種センターの稼働状況についてご説明したいと思います。
 まず、県央ワクチン接種センターについて報告をしたいと思います。
 スライドをご覧ください。県央ワクチン接種センターの稼働状況です。
 県央ワクチン接種センターについては、昨日14日までの接種人数は、累計で7万2,229人ということになりました。直近1週間の1日当たりの接種人数は約4,800人、稼働率は91.9%ということで、非常に高い水準を維持しています。
 なお、この会見でもご説明させていただきました、職域接種に県央センターをご活用いただく「群馬モデル」での接種人数は累計で5,583人ということになっています。
 群馬モデルに関しては、先週の9日の金曜日で申し込みの受け付けは終了いたしましたが、結果として、7法人、約1万9,000人の方に接種していただくこととなりました。
 多くの企業・団体の皆さまにお申し込みをいただいたことについて、知事としてこの場をお借りして感謝申し上げたいと思います。
 お申し込みいただいた企業・団体の皆さんとしっかり連携し、9月末までに確実に接種を行ってまいりたいと思います。

 続いて、東毛ワクチン接種センターについてです。
 次のスライドをご覧ください。東毛ワクチン接種センターの稼働状況です。
 東毛ワクチン接種センターに関しては、昨日までの接種人数が累計で3万6,566人ということになりました。
 直近1週間の1日当たりの接種人数は約999人ということで、稼働率は、ほぼ100%の99.9%となっています。
 県央センター、東毛センターを合わせると、接種実績は延べ10万人を超えました。ここまでは順調に稼動していると言っていいと思います。

6.県内のワクチン接種率について

 続いて、県内のワクチン接種率に関してもご報告したいと思います。
 まず、高齢者の接種率です。
 次のスライドをご覧ください。高齢者のワクチン接種率についてまとめました。
 本県の65歳以上の高齢者のうち、1回目の接種が終わった方の割合は、昨日7月14日時点で83.25%ということになりました。これは全国平均の79.28%上回り、全国12位となっていますが、関東では依然として一番高い接種率を維持しています。
 2回目の接種が終わった方は53.23%で、全国平均の52.24%を上回っています。
 全国順位は28位ということですけれども、これは自然に上がってきますので、あまり心配していません。関東では東京に次ぐ順位ということになっています。

 なお、高齢者の接種に関しては、7月末までに希望するすべての方々の接種を終えるということを目標としておりますが、県内いずれの市町村においても概ねこの目標を達成できる見込みです。

 続いて、県全体の接種率について報告したいと思います。
 次のスライドをご覧ください。県全体のワクチン接種率です。
 昨日時点で、県民全体に占める1回目の接種率は35.25%となりました。全国平均の30.97%を上回り、全国順位は20位、こちらも関東地域では一番高い接種率になっています。
 東京に近いこのリスクの高い関東地域でトップを走っているということは、非常に大事だと思っています。
 この数字を見て分かっていただけるように、ようやく全県民の3人に1人が少なくとも1回の接種を行ったということになります。
 今後も、引き続き1日も早く希望する全県民のワクチン接種が完了するよう、全力を尽くしてまいりたいと考えています。

7.県内のワクチン在庫量に関する調査結果について

 続いて、県内市町村のワクチン在庫量についてご報告したいと思います。
 先週、先々週の記者会見でも言及しましたが、県内のワクチン在庫量について調査結果がまとまりましたので、ご報告させてください。
 スライドをご覧ください。市町村のワクチン接種実績と在庫量に関するスライドです。
 7月4日現在、国から納入されたワクチンは約125万回分ということになります。それに対して、接種実績は53.7%に当たる約67万回、市町村が把握している「実在庫量」は38.8%にあたる約48万回分ということが分かりました。
 納入済ワクチンのうち、約4割程度がまだ在庫として保管されてるということが明らかになりましたが、同時に、これらは市町村がそれぞれの地域における接種を進めていくために準備されているものだということも確認ができました。
 一方、市町村において十分把握されていないワクチンが7.5%の約9万回分あるということも分かりました。この理由については、いくつかの可能性があると思います。引き続き、実態の把握について、市町村ともしっかりと連携していきたいと考えています。

 次に、国から示された新たな供給スケジュールについてご報告したいと思います。
 次のスライドをご覧ください。ワクチン供給量に関するスライドです。
 スライドは、市町村のファイザー製ワクチンの供給量の推移を示しています。
 8月2日からの2週間分の供給量は、ピーク時のおよそ6割弱にとどまるということになりますが、それでも152箱、約17万回分のワクチンが、本県に配分される見込みになっています。
 また、今後も少なくとも9月までは、同様の水準で供給されるという計画が国から明らかにされています。国からの供給、さらには先ほどご説明した約48万回分の在庫をすべて活用することで、「11月末までに希望するすべての県民の接種を完了させる」という目標は達成できると見込んでおります。
 県民の皆さまには、その点、ご安心いただきたいと思います。
 なお、8月2日からのワクチン供給に関しては、地域の実態に合わせて、県の裁量で配布が可能な調整枠が復活いたしました。
 県としては、この調整枠を有効に活用し、接種が遅れそうな市町村のフォローをしっかりと行ってまいりたいと考えています。

 次のスライドをご覧ください。県全体の接種能力に関するスライドです。
 スライドには、県全体の接種能力の見通しを示してあります。
 これまで各市町村には、相当な努力をいただいて、目標とする水準を大幅に上回るレベルまで接種能力を高めていただきました。
 ワクチン供給量の減少に伴い、その接種能力も目標とする水準に戻さざるを得ないような状況になっています。
 ただ、その分については、県営ワクチンセンターの接種能力の向上によって、しっかりフォローし、県全体として、引き続き接種の加速化に尽力していきたいと考えています。
 県民の皆さまにおかれましては、この点についてもご安心いただきたいと思います。県営ワクチン接種センターの積極的なご活用を、改めて県民の皆さまに、知事としてお願いしたいと思います。

8.「魅力度ランキング」の検証について

 続いて、先週できなかった「魅力度ランキング」の検証について発表させていただきたいと思います。
 昨年10月以来、県庁内で検証を行ってきた結果がまとまりましたので、この会見でご報告させていただきます。

 まずはランキングの概要からご説明したいと思います。
 スライドをご覧ください。「魅力度ランキング」の概要に関するスライドです。
 いわゆる「魅力度ランキング」と言われているものは、2006年から「ブランド総合研究所」が実施している「地域ブランド調査の中」の1つの項目に関する調査結果を示すものです。
 地域ブランド調査自体は、インターネット上で行われる調査で、84の項目からなります。この84の項目の1つである「魅力度」だけが抜き出されて、毎年「魅力度ランキング」として発表されているということです。
 このランキングは、皆さんご存知のとおり、発表の度にメディアで大きく取り上げられるということで、社会的影響力があるものだというふうに認識しています。
 現に、昨年行われた栃木県知事選挙では、このランキングで栃木県が最下位になったことが引き合いに出され、「県の魅力の発信力」が選挙の争点になりました。
 たまたま栃木県知事選挙の直前とは言いませんけれども、このランキングが発表されたということで、福田知事も大変ご苦労されたと思います。結果的には、現職知事の圧勝で終わったということは、皆さんご存知だと思います。
 また、一昨年には、これも覚えていらっしゃると思いますが、台風被害の直後にランキングが発表されて、最下位となった茨城県の大井川知事が、「被災者の気持ちを考えれば、甚だ遺憾だ」というコメントを出されました。これを受けて、ブランド総合研究所が謝罪し、31位以下のホームページ上での公表を取りやめるという事態に発展したことは記憶に新しいところです。
 個人的に言うとですね、例えば今年のランキングを発表をする時点で、例えばコロナの感染がさらに拡大して、各県が大変な状況に陥っていたら、同じように発表を取り止めるんだろうかと、こんな思いも、抱いてしまうところなんですが、とにかく申し上げたいことは、こうした事例からも、このランキングの社会的な影響力というものは、すでに相当大きくなっていると言っていいと思います。

 次のスライドをご覧ください。問題意識に関するスライドをまとめたものです。
 私はかねてから、こうした社会的影響力があるランキングを公表する以上、ブランド総合研究所は、ランキング結果に関する客観的な分析や解説、さらには、ランキングのもととなるローデータの公表、こういう説明責任、社会的責任を果たすべきだということを申し上げてまいりました。
 昨年、2020年の本県のランキングについても、順位が5つ上がって40位となったわけですけれども、なんで順位が上がったのか、調査の基礎データが公表されていないため、理由を分析することができませんでした。
 加えて言うと、そういった責任が果たされていないこのランキングは、「本当に自治体の魅力度を示すランキングと言えるのか」、こういう疑念も抱かざるを得ません。
 こうした問題意識のもと、昨年以来、専門家のアドバイスもいただきながら、統計学的観点から、庁内でこのランキングの検証を行ってまいりました。
 なお、この調査は例年6月から7月にかけて行われ、10月ごろに結果が発表されるということで、今年の調査のタイミングに合わせて、本日検証結果を発表させていただくことといたします。

 それでは、検証結果について詳細にご説明してまいりたいと思います。
 次のスライドをご覧ください。検証によって分かったことをまとめました。
 まず、最初に申し上げたいのは、この「魅力度ランキングは『魅力度』を適切に示すランキングとは言えない」ということです。
 その理由として、次の3つを上げたいと思います。
 まず1つ目は、「魅力度を1つの項目のみで評価している」ということです。
 2つ目は、「回答に対する配点が不自然」ということです。
 3つ目は、「下位25県がわずかな点数内にあって、容易に順位変動する」ということです。

 1つずつ、ご説明させていただきたいと思います。
 まず、「魅力度を1つの項目のみで評価していること」についてです。
 次のスライドをご覧ください。
 そもそも皆さんご存知のとおり「魅力」というのは、辞書によると「人の心を引きつけて、夢中にさせる力」のことを指します。
 地域の魅力、つまり「人の心を引きつける力」をランキングにするのであれば、その地域の産業、観光、居住環境、食文化など、多角的な指標によって、総合的に評価すべきものだというふうに思います。
 例えば、日本総合研究所が実施する「都道府県幸福度ランキング」というのがありますけれども、このランキングでは、全国比較が可能な75に上る統計指標を用いて、総合的な幸福度というものをランク付けしています。
 他方で、地域ブランド調査では、84項目の質問をしています。しかしながら、「どの程度魅力を感じますか」という、1つの質問のみで、地域の「魅力度」をランク付けしています。
 地域の「魅力度」をランキングで示すのであれば、もっと多角的な指標によって、総合的に評価すべきものだと考えます。
 さらに、この調査においては、対象の都道府県のことを知らないと回答した人に対しても、その都道府県が魅力的かどうかを質問しています。
 そもそも対象の都道府県を知らない人に対して、その魅力を質問すること自体に意味があるとは思いません。これだけでも、このランキングが緻密さに欠けるということを分かっていただけると思います。
 専門家の方からも、「そもそも群馬を知らない人に『群馬の魅力度は』と尋ねること自体に意味がない」、あるいは、「統計上、母集団から除くべきではないか」といった指摘もされています。

 次に、2点目「回答に対する配点が不自然」であることについて、説明したいと思います。
 次のスライドをご覧ください。
 統計的な観点から、回答に対する配点の偏りに疑問があります。
 スライドのとおり、回答の選択肢と点数は、「とても魅力的」が100点、「やや魅力的」が50点になっています。一方で、「どちらでもない」、「あまり魅力的でない」、「全く魅力的でない」は、すべて0点になっています。
 一般的には、等間隔に点数を配分しますから、なぜこんな得点配分になっているのか、評価の信頼性に疑問が残ります。
 専門家の方からも、「得点差をあえて変えた理由の説明は必要だと感じる」、こういうご指摘をいただいています。

 続いて、3点目「下位25県がわずかな点数内にあり、容易に順位変動すること」について、ご説明したいと思います。
 次のスライドをご覧ください。スライドは令和2年のランキングとその得点を示したものです。
 ご覧なっていただくと分かる思うのですが、上位の10都道府県は、1位の北海道が60.8点、10位の石川県が29.2点と、31.8点の間に10都道府県が分散しています。
 一方、23位の大分県から47位の栃木県まで、わずか7点の中に25県が密集しています。
 この傾向は、検証した平成29年以降も同様のものとなっています。
 誤差を考慮すれば、23位以下の25県に関しては、順位が簡単に変動する可能性が高いと考えられます。群馬県も算出方法によっては、簡単に最下位になるということです。
 こうした誤差による混乱を避けるためだと思いますが、例えば、ふるさと回帰センターの「移住希望地ランキング」においては、上位20位のみを公表しています。
 一般的にアンケート調査は、全数調査でない以上、必ず誤差が生じます。
 国などが行う、無作為抽出の「統計調査」においても、地域ブランド調査と同程度のサンプル数では、概ね5%程度は誤差として扱われています。
 加えて言うと、ネット調査においては、対象者に偏りが出やすく、そこから得られる回答にも偏りが生じる傾向があると言われています。
 例えば、各メディア、新聞社等がやる調査でもですね、生数字に必ず全体の修正をかけるのが普通だと思います。
 このため、少なくとも誤差の程度や算出方法、誤差や偏りに関する考え方については、調査実施主体がしっかり説明する必要があると考えています。
 しかしながら、この調査では、そういった考え方については明らかにされておりません。
 専門家の方からも「下位のランキングには意味がないと思われる」、「下位集団のほとんどは変動しうる範囲になると思われる」、こういった意見をいただいています。
 少し長くなりましたが、今回の分析によって明確になった疑問点とその理由については以上です。

 スライドをご覧ください。これがまとめです。
 改めて、これまでの分析を踏まえ、問題点として次の3点をまとめました。県民の皆さまには、特にこの点を正しくご理解いただきたいと思っています。

 1点目は、「魅力度の調査としての妥当性」についての問題です。
 これまで申し上げてきたとおり、このランキングは魅力度を示す多様な要素を調査・分析していないため、このランキングは魅力度ランキングとは言えません。
 にもかかわらず、ランク付けすることで、「下位の地域に魅力がない」という誤認を生じさせる結果になります。
 2点目は、「ランキングの信頼性」の問題です。
 調査方法、それから順位付けに関して、統計的に疑問が残ることから、その順位は信頼性に欠けると言えると思います。
 特に、ランキングの中位以下については、誤差によって順位が簡単に変動するということです。
 このランキングについては、こういう状況にあるにもかかわらず、「どの都道府県が最下位になるか」が注目されているということですけれども、その順位は信頼に値しないと私たちは考えています。
 3点目、「情報公開のあり方」です。
 これは大きな問題だと思います。今回の検証では、ランキングの信頼性と妥当性に問題があり、疑問点がありましたが、生のデータが非公開なので、我々の検証にも限界がありました。
 得点の配分に極端な差異があるのはなぜなのか。誤差の影響をどう認識しているのか。その誤差を考慮してもなお、なぜ下位の順位も発表する必要があるのか。
 社会的な影響力があるランキングを公表するからには、この点についての説明があるべきだと思います。
 こうした問題が解決しないままだと、様々な疑念も湧いてきます。
 誤差によって順位が容易に変動しうるのに、なぜ最下位が常に北関東3県のいずれかの県なんでしょうか。誤差が生じることが前提とされる統計調査で、15年間1度も例外がなく、北関東3県のいずれかが最下位というのはどういうわけなんでしょうか。
 さらに言うと、以前、私が自民党の国会議員を務めていた頃、県連会長として、自民党で同社の代表を群馬に招いて講演していただきました。その年は群馬県のランキングが4つ上がったんです。大澤県政で何か特別なことをやったという、政策とか方針が全く見当たらない。これ何で4つ順位が上がったんでしょうか。何かこう関係があるのかというふうにも思ってしまいます。
 本日、例えばランキングについて、こうして批判的な立場から発言すると、もしかすると、今年のランキングでは群馬県の順位が下がって最下位になる可能性もあるんでしょうか。これは、あくまでも憶測ですが、こうしたことは、決してないと願っていますけれども、ブランド総合研究所としてもですね、こうした疑念を抱かれないためにも、しっかりと説明責任と社会的な責任を果たすべきだというふうに考えています。
 以上が、今回の検証結果です。

 誤解のないように補足をさせていただきますが、私としてこうした民間の調査自体をすべて否定するつもりはありません。
 この「地域ブランド調査」にも参考になる点はあります。「魅力度」以外の調査項目の結果を詳しく見てみると、群馬県の課題が見えてくる、そういう部分もあります。
 しかしながら、このランキングの社会的な影響力の大きさに鑑みれば、それに伴う社会的責任を果たしていない。これは正確性に欠けるずさんなランキングだと言わざるを得ません。
 そのために、あえて今回このような形で、問題点を指摘させていただきました。
 「魅力度ランキング」に限らず、こうした「都道府県ランキングもの」に関しては、しかるべき説明責任を果たしていただいた上で、全国の自治体にとって目標となるような、このランキングでもうちょっと上に行こうと地域が思うような、そういう信頼性の高いものであって欲しいと、知事として、そう考えてることもお伝えしておきたいと思います。

 言うまでもなく、群馬県には豊かな観光資源もあります。競争力の高い農畜産物もあります。バランスの良い住環境など、全国に引けを取らない数多くの魅力があります。日本一の温泉県だと思っています。
 信頼性の低いランキングによって、「本県に魅力がない」という誤った認識が広がることは、県民の誇りを低下させるのみならず、実質的な経済的損失も伴う、ゆゆしき問題だととらえています。
 県民の皆さまには、メディアで大々的に取り上げられているランキングであっても、実は様々な問題点があるということを、正しく認識いただくように、この会見を通じてお願いしたいと思います。
 県としては、今後とも、本県の魅力を多くの方々に認識いただき、県民の誇りの醸成、ひいては、「県民の幸福度の向上」のため、全力を注いでまいりたいと考えています。

9.直滑降ストリームの告知について

 最後に、本日の直滑降ストリームについて、お知らせしたいと思います。
 スライドをご覧ください。
 今日のゲストは、本県の富岡市に工場を有する株式会社IHIエアロスペースの代表取締役社長、並木文春(なみき ふみはる)さんです。
 並木さんから、ロケットの総合メーカーとして、日本の航空宇宙産業の現状、今後の動向などについて、お話を伺いたいと思っています。群馬県の持つ可能性や、群馬県の印象についても、率直にお聞きできればと思ってます。
 番組の後半は、前回に引き続き、「一太の知らない県庁職員の世界」をお送りします。今回もすばらしい特技を持った県庁職員が登場予定です。
 放送は、この後19時から1時間程度、正確に言うと最初に少し新型コロナの状況についての報告もありますので、18時50分から1時間程度、群馬県動画・放送スタジオのtsulunosからライブ配信をさせていただく予定です。
 ぜひ、多くの皆さんにご覧いただければと思います。
 私からは以上です。皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

ワクチンの接種実績・在庫量について

(記者)
 ワクチンの接種実績、在庫量の話が出てたんですけれど、それについて改めて確認させてください。
 先ほど出たグラフですが、これはいつ時点のものと認識したらいいでしょうか。

(知事)
 大久保局長の方から正確に説明をお願いします。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 先ほど出させていただきました数字につきましては、7月4日時点で市町村に調査させていただいた数字でございます。

(記者)
 これは市町村に聞き取りなどして、県がまとめたという認識でよろしいでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 そのとおりです。

(記者)
 安中ですとか桐生などがですね、ちょっとワクチンが足りないようで、申し込みができないような状況になっているかと思います。そちらの方について、現状、対策はどうなりますでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 各市町村さんの方にですね、在庫量、それから使用実績調査とともに、これから使用するスケジュール予定、接種計画、そこら辺もですね、週ごとに確認させていただいております。その調査結果をもとにですね、今回第11クールの配分が決まりましたけれども、その配分も調整等をさせていただきました。

(記者)
 第11クールはいつからですか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 第11クールにつきましてはですね、8月2日から15日の配分分でございます。

(記者)
 そうなりますと、安中ですとか桐生は、この時からまた再度打てるようになるという認識でいいですか。それともまだもうちょっとかかるんでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 桐生市さんにつきましては、確認を本日しております。(いずれもまだ検討段階とのことですが、)集団接種につきましては、8月4日から縮小して予約を再開したいと話されておりました。接種の開始は8月16日からでございます。個別接種につきまして、医療機関へのワクチン配分については、8月3日から再開したいというふうにお聞きしております。
 安中市さんにつきましては、予約再開を今検討中でありまして、まだ時期、規模等が未定という状況でございます。

(記者)
 県民の皆さまが気にされてるのは、1回目打ってですね、2回目打つわけなんですが、2回目のワクチン確保というのは済んでいるんでしょうか。確実に2回目を打てるというふうに考えていいんでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 市町村さんからもですね、2回目の確保上からも、先の配分計画を明確にして欲しいというご要望はいただいております。
 現在、国の方から9月分の配分計画については、概ね8月と同等程度の配分していただけるという話を聞いておりますので、とりあえず、8月接種分につきましては、2回目の接種についても、概ね計画を立てていただけるのかなというふうに思っております。
 さらに、10月以降の分につきましても、国の方にできるだけ早く見込みをお出しいただきたいと、県としても考えております。

(記者)
 1回目済ませた方というのは、確実に2回目が打てるという認識でいいんですか。

(新型コロナワクチン接種推進)
 市町村さんの方にも確認していますけれども、2回目接種の方を優先的にやっておりますと。そういう意味で、1回目の新規予約を停止しているところがいくつか出ていますけれども、2回目につきましては、これまでの在庫量等々から確認しましてもですね、そこは打っていけるというふうに考えております。

(記者)
 1回目打った方は、2回目は確実に打てるという認識でよろしいですね。
(新型コロナワクチン接種推進)
 はい。

(記者)
 先週の会見で、ワクチンの在庫が偏在しているところがあるんじゃないかということもおっしゃっていたかと思います。そういうのは実際ありましたか。

(新型コロナワクチン接種推進)
 市町村ごとに在庫の規模というのはいろいろでございました。この第10クールまでの配分量の中でですね、その供給をもっていつぐらいまで(接種が)できるかというのは少しばらつきがございました。
 だいたいの市町村さんにつきましては、7月いっぱいはですね、第10クールまでの配分で、計画が今のところ立てられているという見込みです。
 市町村さんによってはもう少し先まで見込めるというお話もいただいておりますけれども、いずれにしろ、この第11、第12クールの中で、そういった市町村さんのばらつきをできるだけ調整していきたいというふうに考えております。

(記者)
 知事、何か付け加えることがあれば。

(知事)
 今、記者さんがおっしゃった点に関して言うとですね、今朝、4回目の市長会と知事の朝食会というのがあって、そこで12名の市長の皆さんといろいろと議論させていただきました。
 出てきた意見、質問は、ほとんどワクチン供給に関することだったんですね。ここでも何度も申し上げてるとおり、35人の市町村長の皆さんは責任感も強くて、国から「とにかく加速して欲しい」と言われ、なおかつ、県知事が「11月末までに」という目標も立てて、その中で本当に一生懸命やっていただいて、接種能力を上げてきたという段階で、残念ながらこういうふうに調整せざるを得なくなってしまったということを考えると、市町村長の立場からすれば、本当になんて言うんでしょうか、大変なご心配もおかけしてるというか、不安に思うのも当然だと思って、そこは申し訳ないなというふうには思っているんですが、今日はっきり分かったことはですね、市町村の方としても、今の状況で、国が全体のワクチン接種量というものを調整しなければいけないという状況であることは理解していただいてると思うんですね。
 ただ、例えばオペレーションを縮小にするにしてもですね、今、大久保局長からもあったように、やはりできるだけ先まで供給計画を明らかにして欲しいと。そうじゃないと先の予約が受け付けられないということで、この立場はよくわかります。国も一生懸命やっていただいてると思うんですが、できるだけ前広に供給計画を出していただくというのは、県としてもしっかり言っていきたいと思いますし、私の方からも直接、菅総理と河野大臣に、近いうちに何らかの機会でお願いしようというふうに思ってます。

(記者)
 ワクチンの在庫量の調査の関係で、約7.5%ぐらいの「把握不足量」というのがあって、それについて先ほど、いくつか理由があると思うというようなお話でしたが、どのような理由があるというふうに分析してらっしゃいますか。
(知事)
 どうぞ、大久保局長。

(新型コロナワクチン接種推進)
 今回の調査で把握できなかった7.5%、9万4,000回分ぐらいございました。その中身は現在、また精査をしているところなんですけれども、ある一定数はですね、医療従事者用の接種に、4月の最初に医療従事者用のワクチンが配布され、そのあとは高齢者用ということで、順次配布されています。
 しかし医療従事者については、3月の初め頃に全体の規模感を調査したのですが、その範囲というのが非常に不明確な部分もございまして、(高齢者用のワクチンを転用して)医療従事者として打った分というのが、約3万7,000回ぐらいある(含まれている)のではないかというふうに、今回の調査で判明しております。
 残りの数につきましては、こちらの方の想定としますと、市町村さんによっては、個別接種の医療機関の方にお配りをしたんだけれど、その実績の部分が正確にまだとらえられてないというお話もございました。医療機関の方にいった部分で、まだ未使用の部分のカウントが十分にされていない部分があるのかなというふうに思ってます。
 すべての市町村さんがそういう状況ではございませんので、いくつかの市町村さんに対して、そこの精査を引き続きお願いしているという状況でございます。

(記者)
 医療従事者の方の3万7,000回分ぐらいと思われるのは、この表の9万3,909回の中に入ってくるのか、もう一度説明していただければと思います。

(新型コロナワクチン接種推進)
「把握不足量」の9万3,000回のうちに、3万7,000回程度はですね、医療従事者用として転用された部分があるんじゃないかと。これは現段階の推測でありますけれども、そういうふうに考えております。

(記者)
 医療従事者に接種したんだけれども、その記録がされてないからこの接種実績の方に入ってきていないということなんですかね。それはやり方として適切なんですか。

(新型コロナワクチン接種推進)
 医療従事者用は先行して始まったとき、厚生労働省のシステムの「V-SYS」というシステムに入力するという形になっております。
 現在「VRS」と呼ばれる部分(システム)につきましてはですね、医療従事者用の「V-SYS」の予診票は読み込まないで、「V-SYS」の方にカウントをしなさいという形になっております。
 その「V-SYS」へのカウントがですね、正確に行われていないのではないかというふうに考えております。

(記者)
 今のようなお話を元に、この9万4,000回ぐらいですかね、今後、市町村と調査して、できるだけ細かく内訳を突き詰めていくというお考えでしょうか。
(新型コロナワクチン接種推進局長)
 いずれにしましても、市町村さんにその部分が渡っていることは間違いないことでありますので、そこはしっかりとですね、やはり調査を続けていきたいというふうに考えております。

魅力度ランキングについて

(記者)
 魅力度ランキングへの反論の関係で、県のお考えを示されましたが、これを先方の会社さんに直接申し入れたりとか、何かその辺のアクションについてのお考えはあるんでしょうか。

(知事)
 このランキングが発表された後に、栃木県知事が同社を訪ねたんですけれど、群馬県としてそういうアプローチをすることはありません。
 この調査をした理由はですね、県民の皆さんに正しい認識を持っていただきたいと、こういうことなので、特に同社に対して、何かクレームするみたいなことは考えていません。
 私は基本的に感情的な知事なので、少し言葉が強くなりましたが、ずさんなと言いましたが、緻密さに欠けると言いかえたいと思います。やはり緻密さに欠けるランキングだというふうに思いますし、信頼性がないというふうに思っています。

ワクチンの確保状況等について

(記者)
 ワクチンの在庫の件で、「把握不足量」の話が先ほど質問にあったと思うんですけれど、これを把握して明らかになったものをどう使っていくのか。ねらいというか、実態が分かったらどうしていくのでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 この把握不足につきましては、把握の内訳というのは市町村さんごとに数字ははっきりしております。県全体の中で不足というわけではございませんので、それは市町村さんの方には行っているという前提の中で計画を立てていただきたいというふうにお願いをしておりますので、今後その部分はですね、今の接種計画の中に数字を入れられてない部分だと思いますけれども、これからの接種計画の中にその数字を入れていただきたいというふうに思っております。

(記者)
 今分かっている在庫については、例えば不足している自治体に転用するとかではなく、それぞれ自治体でその計画どおりに進めてもらう量だということでいいわけですよね。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 そのように考えております。

(記者)
 ファイザー製のワクチンの見込みについて発表があったと思います。その次のスライドでは、県全体の1日当たりの接種能力のスライドもあったと思います。県の接種センターはモデルナ製だと思うのですが、発表があったのはファイザー製のワクチンが入ってくる見込みということで、1日当たりの接種能力が県1万回と増えていくわけですが、モデルナ製のワクチンが入ってくる見込みは立っているということなんでしょうか。

(知事)
 これも正確にお願いします。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 県営の2会場につきましてはモデルナ製で、国の方には、東毛地域が1日1,000回、県央のセンターにつきましては最大1万回というところで、最初の計画をお出しまして、承認をいただいてるものでございます。
 これから8月にかけて、県営の方も1万回まで接種能力を上げていきたいというふうに考えておりますけれども、そこの供給については国の方に確認済みでございます。

(記者)
 それはもう確保できてるという認識でいいわけですね。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 はい。

(記者)
 その前のスライドで出てきたファイザー製ワクチンについては、それを市町村に渡して市町村で打ってもらうというような、そういう住み分けということですね。
(新型コロナワクチン接種推進局長)
 はい。

(記者)
 第11クールからは県の調整枠がまた復活するというお話があって、ここは県が融通を利かせられる部分だと思うんですけれども、調整枠についてどういうふうにやっていくのかお考えがあれば教えて欲しいのと、また県営センターも活用されるということなので、その辺の方針も何かあればお聞かせください。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 県の調整枠は今回第11クールで29箱いただきました。
 県の方ではですね、こういった調整枠を適切に配分するために、詳細な調査も含めて行ったところであります。
 国からは基本配分枠ということで、基本的には人口割に応じた配分がされております。これは国の方から市町村さんの方に箱指定がございまして、それをそのまま配分するというところなんですけれども、県の調整枠につきましてはですね、これまでのワクチンの配分累計数を基にですね、対象人口に対する充足率というところを、まず一つ考慮したいというふうに考えております。その上で、今後どのようなスケジュールで接種を実施していくかいうところ。それから、在庫量調査をさせていただきましたので、既存の在庫量、それが接種計画の中で、どのぐらいのスピードで在庫を活用していくかというところも踏まえながら、今回の調整枠を配分していきたいというふうに考えております。

(記者)
 苦労されている市町村の方に、例えば県営のセンターの活用を促すみたいなこともあるんでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 先ほどご説明しましたモデルナの方はですね、おかげさまで十分な量を確保できております。これから県営の1日当たりの接種回数も増えてきますので、そういった市町村さんにはですね、ぜひ県営の有効活用もしていただくようお願いさせていただいております。

魅力度ランキングに係る栃木県との連携について

(記者)
 魅力度ランキングについて、最初に検証すると発表されたときに、栃木県とも連携してやっていくというふうなことでしたが、今回の調査では栃木県と何らかの連携はあったんでしょうか。

(知事)
 田子部長、どうぞ。

(知事戦略部長)
 栃木県は分析の方もですね、先ほど知事が言ったようにですね、一つの質問じゃなくて多角的に数を増やすべきじゃないかということは、既に(分析)しています。
 そういう中で、栃木県は魅力度をアップをしたいということで、群馬県だけじゃなくて栃木県(正しくは「茨城県」)とも連携して取り組みたいということで、これは栃木県が中心になって、確か北関東3県連携のプロジェクトで魅力再発見クイズ企画を地元の新聞社を活用しながらやりました。そういう形では連携しておりますが、今回の調査については、県のチームで分析した結果を知事の方から報告させていただきました。

(知事)
 この結果について、群馬県からブランド総研に申し入れをするみたいなことは考えてませんが、この結果は栃木県と茨城県とは共有したいというふうに思います。
 やっぱり多くの方々に、このランキングの中身というものを知ってもらわなくてはいけないと思うんですよね。
 栃木県が中心になって北関東のブランドを上げようという試みはいいと思うんですけれども、もう1回言いますが、今の説明を聞いて分かると思うんですけどね、どこが最下位になるとか、特に下位の方は誤差の範囲ですから、このランキングが何位上がったとか落ちたかということに振り回されるようなことがあってはならないというふうに思っています。

魅力度ランキングの検証方法について

(記者)
 調査の方法についてなんですけど、統計学の専門家の方の意見も聞いたりということですが、何人ぐらいに聞いたとか、もう少しあればお願いします。

(知事戦略部長)
 まず、有識者につきましては、県内の統計分析に詳しい先生お二人からお聞きしました。
 ただですね、そもそも統計学の方でもですね、インターネットだけの調査を統計学的に分析したり、そういった形ではやってないというところでですね、なかなか明確な意見は言えませんがという中で、お二人から聞いて、先ほど知事が言われたようなご意見をいただいたということで、基本的には10月にですね、県庁内の5人の職員チームを作って、ブランド総研の調査自体も分析しましたし、日本総研の幸福度ランキングなどの調査をやったりですね、他のものとの相関関係とか、いろいろなところから調べてみたんですけれども、最終的には今日ポイントを絞って知事から発表していただいたというところです。

(知事)
 ちょっと誤解のないように申し上げておくと、インターネット上の調査が悪いとは思っていません。私も例えば、山本県政の世論調査を電話調査でやりましたけれども、インターネットの世論とか、インターネットの傾向とかも結構研究したので、別にインターネットの調査が悪いとは思ってません。
 ただ、どんな調査にもやっぱり誤差というものがありますから、そこはちゃんと調整しなくてはいけないということなんですよね。生データを公開しないということは、例えばその誤差の範囲で動くものについての説明がないということなんで、それはしっかりと説明責任を果たすべきだということを申し上げたいので、もちろん統計の専門家の二人の方からお話を聞いて、きちっとした専門家の方々の意見を聞いてまとめたということです。
 インターネットの調査だから分からないみたいな話はありません。それはちょっと申し訳ないけれど、田子部長の言い方が間違ってます。

魅力度ランキングについて

(記者)
 魅力度ランキングの関係になるんですけれども、率直に、私も知らなかったことがたくさんあったので、とても勉強になりました。
 その上で、私が県民からよくお聞きするのが、中途半端に30位とか、そういう順位よりも、むしろ最下位の方が話題性があるし、おそらくそれが話題になるというのは、実際は魅力があるのに、最下位とか下位に甘んじているというところが話題になってると思うんですけれども、そういう意味で、あえて今回どちらかというと批判的な分析をされたのは、どのような狙いか改めていいですか。

(知事)
 今記者さんがおっしゃった「中途半端な数字だったら最下位の方が話題になっていい」という見方もあると思いますけれども、なぜそれなら大井川(茨城県)知事があそこまで怒ったのか。茨城県がものすごく被災して、県民が必死に闘っている時に、「あなたの県は最下位ですよ」と言われることにとても傷ついたと思いますし、茨城県の方々に対しても良い影響がないと思ったから怒ったんだと思いますよね。
 なんで福田(栃木県)知事がクレームをしたのか。選挙の争点になったわけですよ。
 だからそれは、やはり様々な見方はあると思いますけれども、もう1回言いますが、私は基本的に民間で様々な動きがあることは全く否定しませんし、ランキングがあってもいいんです。
 ただ、普通、世界の常識から考えて、影響力のあるものは、やはりその影響力のあるデータみたいなものでランキングを作って発表するときは、やっぱりアカウンタビリティ(説明責任)が必要だと思いますよね。
 だってそのランキングによって、例えば10位上がった。「知事がすばらしかったから」と言われるわけじゃないですか。例えば10位下がった。「知事が良くなかったから」、「県政が良くなかったから」だと。こういう評価は良くないので、ちゃんと生データも出していただいて、そこに理屈があれば、それは1つのデータとしていいと思うんですけれども、やはり、そういう意味では、このランキングには信頼性がないということはしっかり言っておかないと、このランキングの結果によって、まるで北関東の3県が全国で1番魅力がないかのように認識されることは、マイナスの方がずっと多いと思います。
 栃木が最下位になった時も、それから茨城が最下位になった時も言いましたけれども、知事として、やはり北関東の他の2県はとても意識しているんですね。私は、群馬県知事になってから、もちろん群馬県が日本で最大のポテンシャルがあると思っています。群馬で生まれて育って知事になったから。でも、この2つの県はすごい県なんですよ。大変なライバルなんですよ。栃木県は、1人当たりの県民所得が全国で3位ですよ。GDPも10番以内で大きい。茨城県は、北海道に次ぐ農産物の生産高を誇っていて、しかも筑波まであるわけでしょ。だから、この2つの県が最下位になるということは考えられないので、そういう意味で言うと、記者さんのような見方もあると思うんですけれども、マイナスの方がずっと大きいと思います。間違った認識を持たれるマイナスの方が大きいと思います。

(記者)
 報道する側が逆に騒ぎ過ぎてたのかなという反省も今感じているんですけれども、今後このランキングが発表されても群馬県としては無視するというか、スルーしていくことになるんでしょうか。

(知事)
 スルーというよりも、先ほど申したような認識を県民の皆さまに持っていただくということですね。スルーという言い方の意味がよくわかりませんけれども、これをまともに受けて、群馬県の魅力はこんなに下がったとか、こんなに上がったとかいう判断にはしません。
 なぜなら、ほとんど得点が変わらないのに(順位)が動くわけでしょう。5%の誤差があるのに説明もないわけでしょ。その中で、どうして上がったのか下がったのかもわからないわけですよね。だから、それは知事としては参考にしません。
 県民の皆さまにも、そこは誤解のないように受け取っていただければなと思っています。

政府による酒類販売業者への取引停止要請等について

(記者)
 ここ数日の政府によるコロナ禍の飲食店に対する対応のところで、お酒の販売業者さんへの要請だとか、金融機関から飲食店の働きかけだとか、対応が二転三転していましたけれども、知事はこの一連の経緯をどのようにご覧になっていますか。

(知事)
 西村大臣が、酒の販売業者に対して、様々な形で働きかけをしようとしたということで、これは正直言って、地元の事情をよく知っている西村大臣らしくないというふうに思います。
 知事として、まん延防止等重点措置が適用された時に、一番心が痛んだのは、お酒の提供を禁止しなきゃいけないことであって、酒屋さんとかお酒を扱っている人にとってはこれはもう考えられない事態じゃないですか。
 そのことは、やはりものすごく、どの都道府県知事もそうだと思うんですけれども、胸の痛む話だと思うんですね。やはり、現場で本気でビジネスを頑張っている人たちにとっては、これは本当に大問題だということについての配慮が欠けていたと思いますし、そこは西村大臣らしくないと思います。
 ただ、西村大臣のことをよく知っている立場からするとですね、とにかくコロナを抑えなければいけないという必死の思いの中で、ある意味で言うと勇み足みたいに、あのような所まで踏み込んでしまったのかなと思いますので、やっぱり間違ったと思ったときは、政府全体で間違いを認めて直すということが大事だと思います。これを踏まえて、西村大臣にはなお一層、お酒関係も含めた地元の業者、中小の人たちに寄り添うやり方で頑張っていただきたいなというふうに思っています。

市町村による県営ワクチン接種センターの活用について

(記者)
 ファイザー(製ワクチンの供給)の方は上向きつつあると思うんですけど、ちょっと足りない感じがします。
 それで、県央や東毛センターができる時に、「市町村を支援する」とおっしゃっていましたけれども、今回、各市町村で打てない方は、東毛センターなり県央センターを使っていただければというようなニュアンスでよろしいでしょうか。

(知事)
 そうですね。それぞれ各市町村によって方針もあると思うので、まずは、先ほど大久保局長から言ってもらったように、ワクチンの供給量自体(ワクチンの接種能力)は、とにかく市町村が本当に頑張っていただいたので、予想以上の稼働率まで上がってきたというところが、我々が最初考えていたぐらいのところまで戻ってしまうと思うんですけれども、それぞれの市町村の事情もあると思うんですけれども、少し下がった分は2つの接種センターを活用していただくことによって、接種スピードがあまり落ちないような工夫ができればというふうに思っています。

(宇留賀副知事)
 ちょっと今の点について、この表をまだ十分にご説明できてない部分もあるので少し補足させていただくと、この6月3日の集計は、一番左の部分が1万2328回となりますけれども、これがだいたい想定していた毎日の接種数という形になります。
 そこを、計画がこのぐらいだったところに対して、真ん中にある6月21日から27日の実績というところで言うと、7割近く積み増していただいたというところで、この(1日あたり)1万2千回というところに対して、各市町村が、非常に様々な工夫をされて、2万回近くまで到達したと。ここが、群馬県が今、全国的にも順位が、特に首都圏では1位という形になっているところだと思います。
 ただ、少しペースが、いろんな形で努力がされたことによって、在庫とのバランスが悪くなってきたので、もう1度、この元々の計画のペースに戻していくというところです。
 元々群馬県として、1日1万回ぐらい接種しようと思っていたので、当初我々がゴールデンウィーク中ですとか、県央センター、東毛センターを立ち上げたときの計画からすると、2万を超えるようなところを目指していたので、当初想定した以上には実績を上げられているということです。
 今、ワクチン供給の問題によって、ワクチンを打てない、そういうような認識も出てきてしまっているんですけれども、実際には十分に打つ機会はありますし、6月下旬の非常に高いペースで接種しているときと同じぐらい打てる状況は整っているというところです。
 地元ではなくて、高崎のGメッセに行っていただくというケースも出てくると思いますけれども、その意味では安心して、ワクチンを打つ機会は十分あると思っていただけるかなと思って、この表を用意させていただきました。

(知事)
 他によろしいでしょうか。

知事メッセージ

 それでは最後に、県民の皆さまに改めてお願いをさせていただきたいと思います。
 群馬県内は、依然として感染状況は落ち着いております。皆さまも、連日の報道でお分かりだと思うんですけれども、群馬県の感染者数はですね、首都圏では依然として、ずば抜けて低い状況が続いています。
 しかしながら、先ほども申し上げたとおり、なかなか油断のできる状況ではありません。
 それは何といっても群馬県にとって、最も影響がある東京都が4回目の緊急事態宣言の中にあって、なおかつ、かなりその数が増えてきているということがありますし、実は、群馬県の隣県である埼玉県でもですね、ここにきてかなり感染者が増えていることを考えると、これはですねなかなか油断ができないと思っています。
 実際、第2波から第3波が起こる、ピークからその次のピークに達するまでを見てみると9週間ぐらいで起こってまして、今回もちょうど9週間目ぐらいで、まだ全体は小さなレベルなんですけれども、小さなリバウンドが起こっていることを我々は見逃してはいけないと思っています。
 ですから、レベルとしては、実は警戒度を1にしてもいいところですが、全体を考えて、この「警戒度2」を維持させていただくことにいたしました。
 これから本格的な夏休みを迎えますので、人の移動も多くなります。今、群馬県が落ち着いているのは、いつも申し上げているとおり、多くの県民の皆さまに、感染対策にご協力、ご理解をいただいているおかげだと思います。ここで油断することなく、特に、夏休みの前だけに、せひ感染対策には気をつけていただきたいと思いますし、毎回この会見で申し上げているようなリスクの高い状況を作らないように、とにかく会食を大人数で長くやるとか、マスクを外すとか、こういうことには、十二分に注意していただくようにお願いしたいと思います。
 同時に、ワクチン接種もですね、今のところ順調に進んでおりますので、とにかく、群馬県がある程度感染が落ち着いている状況の中で、できるだけワクチン接種を県内に広げていき、多くの方々がワクチン接種をすることによって、この第4波のリバウンドをできるだけ少なくしたいと考えておりますので、引き続きいろいろご面倒おかけいたしますが、ぜひ、県民の皆さまには、引き続きご協力、ご理解をお願いをしたいと思います。
 それから今日、ブランド総合研究所の魅力度ランキングについても、記者の方々から、ご質問をいただきましたけれども、このランキングの順位は、県民の皆さまも、あまり気にしないでいただきたいというふうに思っています。
 ただ、このランキングの結果について、この民間の研究所にクレームをするようなことはいたしません。基本的には、前向きに様々なことを捉えていきたいというふうに思っていますし、様々なランキングの中で、群馬県に参考になることについては、これは前向きに取り入れていきたいというふうに思いますけれども、決して、北関東の、あるいは群馬県の魅力度が低いことはないということをはっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 また、先ほど申し上げませんでしたけれども、このランキングができて以来、北関東のどこかの県がずっと最下位であり続けるというのは、群馬県民に対しても、茨城県民に対しても、栃木県民に対しても、とても失礼だと、無礼だというふうに思っております。
 今日はいろいろと批判的なトーンでお話しましたけれども、とにかく群馬県としては前向きに捉えて生かしていきたいという、この姿勢はしっかり貫いてまいりたいと思います。
 ぜひ皆さまと力を合わせて、群馬県をもっともっとわくわくするような県にしていきたいと思います。
 そのためにも、まず今はとにかく、この新型コロナ危機を皆さまと一緒に乗り越えていく必要があるというふうに思っています。
 県庁一丸となって取り組んでまいります。引き続き、重ねて申し上げますが、県民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、今日は魅力度ランキングのこと等もあって、会見長くなってしまいましたが、記者の皆さまも、最後まで今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。これにて、今日の定例会見を終わらせていただきたいと思います。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。