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緊急事態宣言に係る臨時記者会見要旨(8月17日)

更新日:2021年8月17日 印刷ページ表示
  • 日時 令和3年8月17日(火曜日)午後8時15分~9時00分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 18人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和3年8月17日臨時記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:479KB)

 質疑応答はこちらをクリック

知事冒頭発言

発表項目

1.はじめに
2.緊急事態宣言について
3.県民への要請内容について
4.事業者への要請内容について
5.イベントの取り扱いについて
6.県立学校の取り扱いについて
7.県有施設の取り扱いについて
8.県民の皆さまへのお願い

1.はじめに

 それでは、臨時記者会見を始めさせていただきます。
 記者の皆さまには、昨夜もお伝えいたしましたが、昨日の午後、西村大臣からお電話をいただき、群馬県の感染状況や今後の対応について協議を行いました。
 これを受けて昨日中に、関係部局による協議を行った上で、第56回新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、国に対して、緊急事態宣言の対象地域に群馬県を追加することを要請させていただきました。
 すでに報道もなされておりますが、国においては、本日18時30分から対策本部会議が開催され、群馬県を含む7府県が、緊急事態宣言の実施区域に追加されるということが正式に決定いたしました。
 これを受け、先ほど、第57回新型コロナウイルス感染症対策本部会議、県の対策本部会議を開催し、宣言の発令に伴う本県の対応を決定いたしましたので、発表させていただきたいと思います。

2.緊急事態宣言について

 緊急事態宣言を8月20日から9月12日まで、県内全域に適用させていただきたいと思います。緊急事態宣言が8月20日から9月12日まで、群馬県にも適用していただくことになりました。
 もう1回申し上げますが、この緊急事態宣言の適用地域は、県内全域です。現在適用中のまん延防止等重点措置とは異なり、対象区域という考え方はなく、県内一律での適用ということになります。措置期間は、先ほど申し上げましたが、8月20日の金曜日から9月12日の日曜日までということになります。

 次のスライドをご覧ください。毎週ご報告しておりますけれども、直近の感染状況に関するスライドです。
 まん延防止等重点措置の適用から、すでに1週間以上が経過いたしましたが、残念ながら感染の波を抑え込むことができておりません。直近1週間における1日当たりの新規感染者数は、ここに来て、過去最高の172.4人まで上昇しています。明日の感染者数もですね、現時点で過去最大になる見込みになっています。病床稼働率も、危険水域の70.2%に達しております。
 感染経路不明割合、重症患者数を除いてすべての指標で、国の定めるステージ4の基準を桁違いに超過している。こういう状況だと認識しています。

 次のスライドをご覧ください。要請を行うことを決めた理由をまとめたスライドです。
 客観的な数値に加えて、国に対して要請を行うこととした理由が、ここに書いてありますけれども、3点あります。
 まず1点目ですが、デルタ株の感染拡大に伴い、感染のスピードが桁違いに早いということで、市中感染を制御できていません。すなわち、危機的な状況にあると判断しております。
 2点目ですが、本県が最も影響を受ける東京都、それから隣県の埼玉県においても、感染収束の見通しが立っていないということ。
 3点目、栃木県や茨城県の対応も踏まえながら、北関東3県で一体的な対応が必要だと判断したこと。
 こういったことを総合的に考えて、今回、緊急事態宣言の要請を政府に行うことといたしました。

 これまで何度も申し上げてきましたが、知事である私としては、強い経済制限措置は、できれば実施したくない。こういう姿勢を貫いてまいりました。その思いは今でも変わっておりません。
 しかしながら、先週の会見でもご報告いたしましたが、特に感染が疑われるような行動歴のない、普通の日常生活を送っているだけの方でも感染するケースが増えています。爆発的な感染の急拡大に伴って、各保健所の業務もひっ迫しています。感染経路を追い切れない状況になりつつあります。
 病床稼働率についても先ほどご報告いたしましたが、ついに70%をオーバーしました。現在の感染状況が続くと、医療サービスの提供自体が困難になると考えます。すなわち、救える命が救えなくなるということです。
 ここで強力な対策を講じない限り、県民の皆さんの命、健康、暮らしを守ることはできない。そのように判断させていただきました。
 詳しくはこれから申し上げますが、群馬県としては、現行の法体系のもとで取り得る最大の措置まで踏み込んでいます。
 それは、先行して緊急事態宣言が発出されている東京都などで、皆さんご存知のとおり、感染拡大が抑制されてないからです。他県と同じ対応だと、この第5波を封じ込めることはできないと私たちは考えています。
 県民の皆さん、そして事業者の皆さんには、さらなるご不便をおかけすることになると思いますが、この点を何卒ご理解いただき、感染防止対策にご協力いただきますよう、知事として、重ねてお願いを申し上げたいと思います。

3.県民への要請内容について

 それでは、本部会議で決定した、県民の皆さん、そして事業者の皆さんに対する要請の内容についてご説明させていただきます。
 スライドをご覧ください。県民の皆さまへの要請をまとめたものです。
 現在県民の皆さまには、不要不急の外出自粛、それから県外との不要不急の往来自粛等をお願いしています。
 しかし、現在と同じ対応を取り続けたままだと、感染者数を減少させることができないということが分かってまいりました。緊急事態措置の適用に際しては、これらの自粛(外出の自粛、県外との往来自粛)を、これまで以上に徹底いただくことをお願いしたい、要請したいというふうに考えています。
 政府分科会の尾身会長が提示されていますけども、外出の機会を2分の1に減らす。このことを目標に、ぜひ県民の皆さまには、外出の抑制をお願いしたいと思います。
 平日に4回外出していた方は、2回にしていただきたいと思います。土日に2回外出していた方は、1回に抑えていただきたいと思います。買い物などもできるだけまとめて行うとことで、回数を半分以下に減らしていただきたいと思います。
 また特に次のことをお願いしたいと思います。
 1つ目は、徹底した外出の自粛です。不要不急の外出、特に夜8時以降の外出は極力慎んでいただくようにお願い申し上げます。加えて、たとえ日常生活の維持に必要な外出であっても、混雑している場所とか時間帯は、徹底的に回避していただくようにお願いしたいと思います。
 2つ目は、県外との往来を行わないということです。これまでは、県外との不要不急の往来自粛要請をさせていただいておりました。今後は、生活に必要な場合を除き、県外への移動は行わない。このことをお願い申し上げたいと思います。
 感染状況について、一部の報道では、制御不能というような言葉まで使われておりますが、東京の都心部を中心に、いつどこで感染しても、全く不思議はない。こういう状況です。群馬県においても同じ状況です。
 外出の計画を見直していただく。仕事であっても、リモートで代替する。こういうことを通じて、少しでも往来の頻度を減らしていただくように、県民の皆さんにお願いしたいと思います。
 加えて、県外の皆さんにおかれましては、いつも群馬県を訪れていただき、大変ありがたく思っています。しかしながら、今まで申し上げるのは控えてまいりましたが、緊急事態宣言中においては、群馬県への往来は控えていただくように、私の方からお願いを申し上げたいと思います。
 知事としては、これまで一貫して、来ないでくれという表現は使いたくないと申し上げてまいりました。しかしながら、今の感染拡大は、人の流れを抑えない限り収まらないと、私たちは分析をしています。
 今は我慢の時です。ぜひ、県外の皆さまのご協力もお願いしたいと思います。

 次のスライドをご覧ください。新規感染者の状況をまとめたスライドです。
 左の円グラフ。これは直近1週間の新規感染者の状況を年代別にまとめたものです。
 20代から30代の割合が最も多いということが分かっていただけると思います。また、40代から50代の割合も、少しずつ増えてきていることも、注意する必要があると思っています。
 真ん中の円グラフ。これは感染経路別に整理したものです。
 先週も申し上げましたが、家庭内感染が少しずつ増えてきているということが言えると思いますが、依然として半数の経路が追えていないということです。半数が不明ということになっています。
 直近1週間の経路不明者602人について、感染が疑われる行動歴をまとめたものが、右端の円グラフです。2割を超える方に、仕事とかお出かけ、帰省といった理由による県外への移動がありました。次いで1割弱の方に、夜の街・会食関連の行動歴がありました。
 今回の要請は、こうした背景を踏まえて決定したということを申し上げておきたいと思います。

4.事業者への要請内容について

 続いて、事業者の皆さまへの要請をご説明します。次のスライドをご覧ください。時短要請の概要をまとめたスライドです。
 事業者の皆さまに関しては、現在、まん延防止等重点措置の対象区域とそれ以外に分けて、異なる内容を要請させていただいています。
 今回の緊急事態措置の適用となる20日の金曜日からは、県内全域において、緊急事態措置に基づく要請にご協力をいただくことになります。特にこれまで重点措置区域外だった事業者の皆さまについては、要請内容が大きく変更となりますので、ご注意いただきたいと思います。

 それでは、具体的な要請内容についてご説明させていただきます。次のスライドをご覧ください。事業者の皆さまへの要請を具体的にまとめたものです。
 まず、カラオケ店をはじめとしたカラオケ設備を提供する店舗及び、酒類を提供する飲食店等に対しては休業を要請いたします。
 その他、酒類を提供しない、または提供を取り止めた飲食店、さらには、ショッピングモール等の1000平米を超える大規模施設に対しては、営業時間を午前5時から20時までとする時短要請を県内全域で実施させていただきます。
 なお、飲食店については、その要請に応じなかった場合、法律に基づいて、店舗名の公表、命令、過料の対象となりますので、その点をご留意をいただきたいと思います。
 加えて、大規模商業施設及び百貨店等の地下の食料品売り場、いわゆるデパ地下ですね。こういう場所においては、業界団体のガイドラインに基づき、入場者について、施設内外に混雑が生じることのないよう、入場制限や整理を行うように要請させていただきます。

 次のスライドもご覧いただきたいと思います。要請に係る協力金に関するスライドです。
 緊急事態措置に伴う休業要請及び時短要請にご協力いただいた事業者の皆さまには、これまでの重点措置と同様、協力金を支給させていただきます。
 まず飲食店については、各店舗の売上高によって、中小企業は1日当たり4万円から10万円。大企業は最大20万円を支給させていただきます。
 また、大規模施設については、対象面積と営業を短縮した時間に応じて、このスライドのとおり、協力金を支給させていただきます。加えて、大規模施設におけるテナント、出店者に対しても、対象面積と営業を短縮した時間等に応じて、協力金を支給いたします。
 支給の条件は、原則として、要請期間の全期間を通じて、県からの要請内容にご協力をいただくことです。ただし、準備期間も考慮して、22日の日曜日までに要請に応じていただいた場合には、時短開始日前日までの日数分を減額して、協力金を支給させていただきます。詳細については、県のホームページの方でご確認いただくようにお願いいたします。
 なお、協力金の支給に係る予算に関しては、これは当然ですが、議会での議決が前提ということになります。
 今週20日の金曜日に臨時議会を招集させていただき、予算案を上程して、ご審議をいただきたいと考えております。
 また、今回の休業要請、時短要請の対象となっていない業種。例えば、1000平米以下の物品販売業とかサービス業を営む店舗等におかれましても、協力金の対象にはなりませんが、感染防止の観点から、可能な限り20時までの営業時間短縮にご協力をお願いしたいと思います。

5.イベントの取り扱いについて

 次のスライドをご覧ください。イベントの取り扱いをまとめたスライドです。イベントについては、人数制限の強化を行います。
 収容率は、イベントの性質にかかわらず、一律で50%以下とし、なおかつ収容人数の上限は5,000人に制限させていただきます。加えて、開催時間は21時までとしていただくように改めて要請したいと思います。

6.県立学校の取り扱いについて

 次のスライドをご覧ください。県立学校の取り扱いをまとめました。
 県立学校については、来週の24日の火曜日から新学期が順次スタートいたします。市中における感染を制御できていないという状況の中で、ワクチン接種が進んでいない10代以下の子供たちの感染リスクを下げなければなりません。
 特にデルタ株で、子どもたちの感染事象、重症化例が海外で多く報告されていることは皆さんご存知だと思います。県内でも、保育施設のクラスターが発生しています。このため、児童生徒の安全を第一に考え、9月12日までの期間において、分散登校を行います。
 具体的には、各クラスを実際に登校するグループとオンラインで授業を受けるグループに分けるなどして、この期間に健康観察を行うということです。
 その結果次第では、早ければ、9月13日の月曜日から通常登校に戻していきたいと考えています。
 これは全国でも、最大限に踏み込んだ対応となりますが、大変危機的な状況だということに鑑み、皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと思います。
 なお、部活動については、8月20日金曜日から9月12日の日曜日の期間は休止ということにさせていただきます。
 市町村立、私立学校に対しては、こうした県立学校の対応を参考に、ぜひ適切な対応をお願いしたいと考えています。
 なお、10代以下の子どもたちの感染に関しては、注意すべきデータがありますので、あわせてご説明させていただきたいと思います。

 次のスライドをご覧ください。新規感染者の状況に関するスライドです。スライドには、直近1週間の新規感染者について、年代別の感染経路をまとめてみました。
 親の世代。20代以上の方々については、半数以上の感染経路が分かっておりません。他方で、10代以下の感染経路、10歳未満の感染経路がここにありますけれども、家庭内が最も多いと。10歳未満では、その割合が約8割になっています。
 つまり、市中で感染した親から家庭内の子どもに感染が広まっているということです。こうした状況で、新学期が通常どおり開始された場合、学校内での感染が広がってしまうのではないかという強い危機感から、今回の分散登校・オンライン授業という判断に至りました。
 保護者の皆さまには、何卒ご理解をいただくとともに、改めて感染防止の徹底にご協力をお願いいたします。

7.県有施設の取り扱いについて

 次のスライドをご覧ください。県有施設の取り扱いをまとめました。
 群馬県では、これまで、まん延防止等重措置の対応として、他県の緊急事態と同等以上の厳しい措置を先んじて行ってまいりました。
 今回、緊急事態宣言に合わせて、「ぐんまこどもの国児童会館」などを、閉館とする施設に追加させていただきます。また、利用を継続する施設においても、利用の人数、時間、施設の制限など、感染防止対策のより一層の徹底・強化を行ってまいります。
 各施設の詳細については、順次、県や施設のホームページで公表させていただきますので、そちらをご覧いただくようにお願いいたします。
 以上が、現在の想定している要請内容ということになります。

8.県民の皆さまへのお願い

 群馬県としては、先ほど申し上げましたが、これまで緊急事態宣言だけは何としても回避したいという思いで、様々な対策をここまで進めてまいりました。事実、これまで近県が宣言の対象となった時期にも、オール群馬で、皆さんと一緒に感染の波を乗り越えてまいりました。
 コロナ対応病床は、目標としていた450床からさらに20床を積み増して、現在470床を運用しています。ワクチン接種についても、全国に先駆けて、大規模接種センターを立ち上げ、現在、全人口に対する接種率は、ずっと首都圏ではトップを維持しており、全県民の約4割が2回目の接種を終えているという状況です。
 県民の全人口に対する第1回目の接種率は、54%ぐらいになっていると思いますが、これは現時点でいうと全国で6位です。さらに言うと、12歳以上65歳未満というジャンルで見ると、高齢者接種の1回目は、群馬県も9割ぐらいとなっていますが、これで分類すると実は、群馬県の接種率は全国で2位ということも分かっています。
 しかしながら、今回の感染拡大の第5波というのは、これまで経験したことない大きな波です。
 もちろん、ワクチン接種の加速化は、これからもしっかり図ってまいりますが、やはり人の流れを抑制するような強い経済制限措置を講じないと、デルタ株のまん延を食い止めることができないと判断いたしました。

 そこで最後に、改めて県民の皆さまにお願いを申し上げたいと思います。
 次のスライドをご覧ください。県民の皆さまへのお願いをまとめたスライドです。
 この4つのことをですね、県民の皆さんに知事から特にお願いさせていただきたいと思います。
 まず1点目。繰り返しになりますが、首都圏をはじめとする県外との往来に関しては、厳に控えていただきますように、お願いを申し上げたいと思います。デルタ株がまん延し、都心部を中心に、いつどこで感染しても全く不思議ではないという状況にあります。
 外出の計画を見直す、リモートでの対応を検討するなど、皆さま方には、少しでも往来の頻度を減らしていただくよう、改めて知事として強くお願いを申し上げます。
 加えて、県外にお住まいの皆さん、何度も申し上げますが、いつも群馬県に来ていただいていることは大変ありがたく思っておりますけれども、緊急事態宣言の間はですね、本県への来県はしばらく控えていただくようにお願い申し上げたいと思います。
 続いて、2点目です。少しでも人流を抑制するように、不要不急の外出自粛の徹底をお願い申し上げたいと思います。さらなる感染の拡大を防ぐためには、何度も申し上げますが、人の流れを抑制する以外にはありません。県としては、人の流れを抑制するため、市町村とも連携し、広報誌、防災無線などを使って、県民の皆さんにできうる限りのあらゆる手段で周知を徹底してまいりたいと考えています。県民の皆さんにおかれましては、改めてご自身の行動を見直し、外出の機会を2分の1以下に減らすと。こういう取り組みにぜひともご協力をお願いいたします。
 3点目です。子どもを感染から守るため、保護者の方々のご協力も併せて、強くお願い申し上げたいと思います。先ほど申し上げましたが、このところ10代、さらには10代未満の幼児・児童の感染が増えてきています。幼児・児童の感染はその多くが、先ほどもご説明しましたが、家庭内で保護者から感染するケースです。特に10代未満では約8割が家庭内での感染によるものであることが分かっています。
 今は、夏休み期間中ですが、新学期がスタートすると同時に、学校内で感染が拡大してしまう危険性もあります。このため県では、先ほどご説明させていただいたように、他県に比べても厳しい対応である分散登校を実施いたしますが、児童生徒の安全を第一に考えての対応です。ぜひ、保護者の皆さまにはこの点をご理解いただき、改めて感染防止対策の徹底にご協力をお願い申し上げます。
 最後に4点目、積極的なワクチン接種をお願いしたいと思います。これに関してはデータがありますので、あわせてご説明させていただきます。
 スライドをご覧ください。ワクチン接種と感染者数の比較に関するスライドです。スライドには、年代別のワクチン接種率と感染者数をまとめさせていただきました。
 以前、記者会見でもお伝えしておりますが、ワクチン接種率の高い高齢者ほど感染者数が少なくなっているということを分かっていただけると思います。ワクチン接種率の低い若年層の感染者数が高くなっているということです。
 こうした本県の感染事例を見ても、ワクチン接種による発症・重症化予防の効果は明らかだと思います。特に、先ほど、子どもを守るためのお願いをさせていただきましたが、お子さんたちの保護者の方々にはですね、ぜひ接種をお願いしたいと考えています。
 これまで、ワクチン接種に関しては強制できないというスタンスでおりました。もちろん今後も強制はできないと思っておりますし、最後は皆さま方の判断です。しかしながら、小さな子どもたちはワクチン接種ができません。そうである以上、子どもの健康を守るためには、保護者の皆さまが積極的にワクチンを接種していただくしかないと考えております。
 保護者の皆さん。皆さま方の大切なお子さまを守るためにも、ぜひワクチン接種をお願いしたいと思います。
 なお、県内2カ所に設置した県営の接種センターでは、18歳以上で接種券をお持ちの方であれば、どなたでもご予約をいただくことが可能です。ぜひとも、この県営センターも最大限に活用していただいて、積極的な接種をお願いしたいと思います。
 さらに、ワクチン接種についてご注意いただきたいのが、十分な抗体を得るためには、2回の接種を終え、その後2週間が経過する必要があるということです。ワクチンを打ったから大丈夫だと気をゆるめて、ワクチン接種後2週間を待たずに、行動が活発になって感染した事例というものがあちこちに見られます。
 ぜひ県民の皆さまには、ワクチンに関する正確な知識を持っていただきたいと思います。ワクチンを接種したその翌日から免疫ができるわけではありません。2週間経って(十分な)免疫ができる。特に、2回目のワクチンを打って2週間経ってから、発症を予防する効果が現れると。こうした正確な知識を持っていただいた上で、ワクチン接種、そして、その後の感染防止対策にもご協力をいただきたいと思います。
 県としては、1日も早く、この緊急事態宣言というものを解除できるように、全力を尽くしてまいりたいと思います。県民の皆さま、事業者の皆さまには、大変ご不便をおかけすることとなりますが、病床稼働率も7割を超えました。非常に危機的な状況であるということをご理解をいただき、皆さまのご協力を重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 ぜひ、県民の皆さんのお力をお借りしたいと思います。そのことを、もう一度皆さまにお願いし、私の冒頭の説明を終わりたいと思います。
 ここからは、皆さんからのご質問を受けたいと思います。ご質問のある方はどうぞ。

質疑応答

より強い措置を可能とする法改正について

(記者)
 先ほどの知事のお話では、特措法で考えられる最も強い対策を打ち出されたという話だったと思います。
 ただ、東京など、すでに緊急事態適用されているエリアを見ると、なかなかデルタ株を抑えられていないので、今回の措置を考えるにあたって、もっと強い措置をとれるような法改正の必要性だとか、また、それを県として国に要請していく必要性を感じられたかどうか、その辺りを伺えればと思います。

(知事)
 これ以上強い措置をとることは、今の法体系ではできないと思います。
 これはすぐにできることではないので、我々としては、この緊急事態宣言という枠組みの中で、最大限できることを考えたいということで、もちろん、この枠組みで許されている様々な手段を使い、加えて先ほど申し上げたとおり、県民の皆さまへの協力を呼びかけていくという合わせ技で、とにかく県民の皆さまにメッセージを送りたいと思っています。
 法律については、以前から問題意識を持っていまして、記者さんもご存知のとおり、法律改正案も、かなり前から県独自のものを作って、西村大臣に提案したりしておりますが、ここに来て、今までの感染拡大とは桁外れの第5波なので、これを抑えるためには、やはり法律改正が必要だと知事としては思っております。また、いろいろな形で国に要請をしていきたいと思います。
 それがロックダウンなのか、何なのかということは、これからよく検討していきたいと思いますが、少なくとも、政府もそうかもしれませんが、やはり現場を預かる知事としては、感染を抑えるためのカードが必要だと思っていますので、法改正については、粘り強く、国に働きかけていきたいと考えています。

市町村立学校・私立学校での対応について

(記者)
 先ほど、分散登校のお話があったと思うのですが、これは県立高校の話ということで、県内市町村の公立学校であるとか私立学校についても、同様の措置を知事として求めていくというお考えなんでしょうか。

(知事)
 市町村の管轄の学校については、県から指示するようなことはできませんけれども、ぜひ、この県の方針を踏まえて判断していただきたいということを呼びかけていきたいと思います。
何か教育長ありますか。

(教育長)
 今、知事が言ったように、県立学校のやり方について、市町村によく周知して、丁寧にお願いしていきたいと思います。

まん延防止等重点措置・緊急事態措置の効果について

(記者)
 前回、まん延防止措置を適用されてから1週間、なかなか感染者数が減らなくて、先ほどの対策本部会議でもおっしゃられてたんですけども、6日連続で、曜日ごとの(最多)感染者数を更新されている状況で、今回、まん延防止措置が、なかなか効果が出なかったのは、どういった理由を考えられているのかということが1点あります。また、今回の緊急事態宣言に対しても、自粛疲れとかオリンピックの開催、人流の増加とかいろいろな要素がある中で、どのくらいの効果を見込んでいらっしゃるか伺いたいと思います。

(知事)
 なかなか分析は難しいところがあります。
 前回、まん延防止等重点措置を適用した時は、かなり効果がありました。一気に感染が収まったみたいなところもあるので、今回、なぜこれが効かないのかというのは、なかなか判断や分析が難しいところだと思うんですけれども、1つはっきりしていることは、緊急事態宣言は、今の法体系では、最も踏み込んだ措置なので、それを決断することによる危機感は、県民の皆さまに伝えられるんじゃないかと思っています。
 ただ、記者さんがおっしゃったように、先ほども他の記者さんから質問が出てましたが、東京の感染拡大が収まっていませんので、緊急事態宣言をやることが、そのまま群馬県内のコロナ感染拡大を抑えられるというところに繋がるかは分かりません。ですから、今の枠組みの中で、我々として、さらにできる対策をやっていきます。ですが、教育長から説明があった分散登校も、全国で見てもかなり厳しい措置だと思いますし、県有施設も、これだけ厳しく対応しているところはなかなかないと思います。
 先ほど申し上げたようないろいろなデータも含めて、我々としては、例えばワクチン接種した後も、免疫ができるまでには時間がかかるという事実の周知とか、あるいは、10代未満のお子さまの感染の8割が家庭内感染というのは、非常に深刻な例だと思いますので、こういったことを伝え、若いご両親にワクチン接種を呼びかけていくとか、そういったことをやっていきたいと(思います)。
 特に、ワクチン接種については、何度も言いますが、強制はできません。個々の判断でありますけれども、知事としては、ぜひ接種を受けていただきたいと、こういう強いメッセージとあわせて、この枠組みの中で、最大限、我々として必要なメッセージを届けていきたいと思っています。

家庭内感染の防止について

(記者)
 家庭内感染をどう防ぐのかお伺いしたいんですけれども、先ほど知事から言及がありましたように、10代未満と10代で家庭内感染が増えているということでした。全体でも、たぶん3割ぐらいが家庭内感染だったかと思うんですけれども、外出抑制に加えて、家庭内感染をどのように防いでいくのかということも大事だと思います。
 その辺りを県民に対して、先ほど(スライドに)「保護者が子どもを守る行動を」という記載があったんですけれども、具体的にどういうふうに守っていけばいいかとか、家庭内感染を防ぐために、こういうことを心がけて欲しいとか、そういったものがあれば教えていただければ・・・

(健康福祉部長)
 まず、先ほど知事の説明にもありましたとおり、小さいお子さまがいらっしゃる保護者の方には、積極的にワクチン接種をお願いしたいと思っております。これが一番大きなものだと思っております。
 家庭内感染を防ぐことは、非常に難しいことで、大人同士であれば、可能な限り(家庭内でも)マスクをしていただく、タオルの共有を避ける、こまめにドアノブをよく消毒していただく、こまめに換気していただくといった対策をやっていくしかないと思っているのですが、やはり、小さなお子さんになってくると、なかなかそういったことも難しいと思いますので、そういった難しさの中で、可能な限りできることを一つ一つやっていただくしかないのかなと思っているところです。

(知事)
 本当に小さなことですけれども、武藤健康福祉部長が説明したようなことを我々としては粘り強く呼びかけていきます。
 家庭内感染を抑えることはすごく難しいと思います。特に、小さいお子さんの場合は、まさにそうなので、やはり親御さんにワクチン接種をしっかりしていただくことが大事だと思います。
 何度も説明していますが、これまでの県のデータから、2回ワクチン接種をして、2週間以上経った人が感染する確率はかなり低いです。95%(の確率で)発症を予防できるという、これまでの世界各国のデータでも、ある意味立証されています。
 難しいんですけれども、家庭内感染を防ぐような、いろいろな取り組みを呼びかけていきますけれども、特に小さなお子さまがいらっしゃる家庭では、親御さんが感染しないように、ワクチン接種をしていただくことが、とても重要なことなんじゃないかなと感じています。

(宇留賀副知事)
 少し追加です。
 これまで県としては、ワクチン接種を進めて欲しいと申し上げてきて、そのスピードを落としていく必要はないと思うんですけれども、今回、緊急事態宣言で、新たに我々として申し上げているのが、人流を抑制して欲しいということです。
 いろいろな工夫をしても、恐らく、家庭内感染を防ぐのは、なかなか難しいと思います。その意味からすると、家庭に(コロナウイルスを)持ち込まないということでいうと、外出の機会を半分に減らしていただく。仕事等あると思いますけれども、平日外出する機会を半分に減らしていただく。土日も(外出を)減らしていただく。こうするだけで、ある意味、家庭内感染のリスクは減らせるので、家庭の中でいろいろ工夫することも大事ですけれども、それ以上に、家庭に持ち込まないために何をするか。その大きなところがワクチンですし、それと同様に大きいのが、とにかく外出する回数を減らすことかなと思っています。

(記者)
 ウイルスを家庭に持ち込ませないということですね。

(宇留賀副知事)
 そうですね。

(知事)
 他にありますか。よろしいでしょうか。

県民へのメッセージ

 それでは、最後に知事の方から県民の皆さまに、改めてお願いしたいと思います。
 知事として、過去の会見でも何度も域経済の活動を制限するような措置は二度と取りたくない、事業者の皆さまは途端の苦しみを味わいますし、外出自粛要請みたいなものも、県民の皆さまに大変なご負担をかけるので、これはやりたくないと申し上げてきました。その気持ちは、今でも変わっておりません。
 しかしながら、先ほど申し上げたとおり、群馬県は極めて危機的な状況に直面しています。
 明日も過去最多(の感染者数)になる可能性が高いということで、連日200人を超える感染者が出ています。我々が最悪の事態として想定していたのは1日100人ですから、その2倍以上の感染者が毎日出ているという状況の中で言うと、やはり相当に強い措置抜きでは、群馬県の医療体制を守ることができません。
 県民の皆さまを守るために、医療崩壊だけは何としても避けたいと思っておりまして、医療崩壊は現実のシナリオとして、すぐそこにあるということを分かっていただいて、これをどうしても回避するために、緊急事態宣言の要請をせざるを得なかったということです。
 何度も言いますが、知事としては、大変、県民の皆さまに申し訳ないと思っておりますけれども、現時点で、すでに県内の病床稼働率は7割を超えました。これ以上増えると県民の皆さまへの一般の医療サービスの提供にも支障が出て、最後は救える命も救えなくなってしまうことを考えると、ここで緊急事態宣言を打ち出して、なおかつ、緊急事態宣言の中でも、我々としてさらに強い措置に踏み込んで、県民の皆さまに、ご協力をいただくしか、この危機を乗り切る方法はないという状況ですので、ぜひその点、皆さまにご認識いただいて、今日お願いした対策にご協力をお願いしたいと思います。
 もう1回繰り返しますが、今までは、不要不急の外出自粛をお願いしてきましたが、さらに強くお願いしたいと思います。
 例えば、生活必需品を購入するとか、そういう場合を除いては、やはり夜8時以降の外出は、ぜひ控えていただきたいと思います。人が大勢いるような感染しやすい場所に行くことは、もちろんやめていただきたいと思いますが、外出についても、本当に必要なこと以外は控えていただきたいと思います。
 それから、県を跨ぐ移動についても、今までは、「特に東京をはじめとする感染拡大が広がっている地域にはなるべく行かないようにしてください」、「延期や再検討してください」と申し上げましたが、今日はもう1つ踏み込んで強く言わせていただきますが、県を跨いだ移動は、この緊急事態宣言の間はできるだけしないようにしていただきたいと思います。できれば、行かないで済む方法を考えていただきたいと思います。
 それは先ほど申し上げたとおり、外出の機会を2分の1以下にしてもらうと。1週間に4回外出していた方は、何とか工夫して2回にしていただくと。2回の方は、1回にしていただくということで、その点は、重ねてお願いしたいと思います。
 もう1回言いますが、この感染拡大が止まらないと、医療崩壊のシナリオが、本当に現実のものになってしまうという危機的な状況にあるということを、重ねて皆さま方に訴えさせていただきたいと思います。
 それから、今まで、他県から群馬県に来ていただく方に関しては、当然、他県からもいろいろな要請が出ていますから、それを踏まえて慎重に判断して欲しいということを申し上げてまいりました。
 群馬県は、特に首都圏から観光地に大勢の方々が訪れていただいています。このことについては、知事として本当にありがたいと思っていますし、皆さまには、ぜひ群馬県の魅力を知って欲しい、群馬県に来て欲しいと思っておりますので、実は、今までは、あえて群馬県に来ることは控えて欲しいみたいな表現は使っておりませんでしたが、こういう状況に至っては、これを皆さまにお願いするしかありません。
 他県の皆さま、特に首都圏の皆さまについては申し訳ないのですが、この緊急事態宣言の間は、群馬県に来ることもできる限り控えていただくように、これは初めて申し上げますが、知事として強くお願いさせていただきたいと思います。
 これまでも、何度か厳しい状況がありましたが、その度に、県民の皆さまと力を合わせて乗り越えてまいりました。この第5波も、県民の皆さまと一丸となって取り組めば、必ず乗り越えられると、必ず克服できると信じています。
 県庁も全力を尽くして頑張っていきたいと思います。市町村長ともしっかりと連携してまいりましたので、引き続き市町村とも、しっかりと協力しつつ、県議会の必要な後押しもいただきながら、この危機を皆さまと一緒に乗り越えていきたいと思います。
 そのために、この緊急事態宣言の間、緊急事態宣言に伴ってお願いした中身については、さらなるご不便、ご負担をおかけすることになりますが、ぜひ皆さまのご協力をいただきたいということを最後に申し上げたいと思います。
 もう1つだけ申し上げておくと、緊急事態宣言は他県でも政府に適用を要請しているのですが、調べてみたら、ほとんどの県では、緊急だということで、臨時議会を開かずに、専決でやっているところが多いんですけれども、群馬県は、やはりしっかりと県議会で議論していただき、予算を承認していただいて対応しようと考えています。
 県民の皆さまには、いつも申し上げていますが、これまで知事として、様々な対策を打ち出してきましたけれども、これは、県政の民主主義の両輪のうちの1つである県議会に、常に私たちが提出する予算のほとんどを、圧倒的多数、あるいは全会一致で、しっかりと認めていただいているからできているということは、申し上げたいと思いますし、県議会とは、もちろんいろいろと是々非々で議論しなければいけない面もありますけれども、こういう緊急時においては、しっかり県議会との信頼関係を保ちつつ、県議会の後押しもいただきながら、この緊急事態宣言に伴う予算措置もしっかりと実行していきたいと(思います)。このことも、県民の皆さまにご理解いただくようにお話を申し上げて、臨時会見を終わりたいと思います。
 記者の皆さんには、豚熱から新型コロナから、この1、2週間、連日臨時会見等を開き、ご迷惑をかけていますが、今日も大勢の皆さんにお集まりいただき、最後までお付き合いいただいたことに、お礼を申し上げまして、緊急記者会見を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。