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令和5年度9月補正予算案に関する記者会見要旨(9月12日)

更新日:2023年9月12日 印刷ページ表示

■日時    令和5年9月12日(火曜日)午後1時34分~2時15分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等15人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和5年度9月補正予算案記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:923KB)
 

会見項目

■知事冒頭発言
 1.はじめに
 2.令和5年度9月補正予算案
 3.組織改正(こどもまんなか推進監の新設)

■質疑応答

■知事メッセージ

 

知事冒頭発

1.はじめに

 それでは、記者会見を始めさせていただきます。記者の皆さまには、いつもと違う曜日・時間にもかかわらず、お集まりいただきましてありがとうございます。

 本日は9月20日に招集する令和5年第3回定例県議会に提出予定の、令和5年度9月補正予算案について発表させていただきます。まず、補正予算案発表の前に少しお時間をいただいて、今週の出来事についてご報告をしたいと思います。

 先週の9日の土曜日、アメリカのホルコム・インディアナ州知事が来県されました。ホルコム知事にお会いするのは、昨年私がインディアナ州に訪問して以来ということになります。今回はホルコム知事の意向で、来日の限られたスケジュールの中で、群馬県に足を運んでいただきました。「群馬県に来て欲しい」と言っていたので、本当にわざわざ足を運んでいただいたホルコム知事には感謝申し上げたいと思っています。これはもうまさに、群馬県とインディアナ州の関係の強さを象徴する出来事だったと言ってもいいと思います。改めて、群馬県においでいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。

 県庁到着後は、まず、非常にリラックスした雰囲気の中でトップ会談を行いました。その後、群馬県庁が誇る32階のNETSUGENやtsulunosを案内いたしましたが、32階の雰囲気とか眺望には大変感銘を受けていました。

 インディアナ州の州都の建物も素晴らしいんですよね。建国以来のいろんな歴史があって、重厚で素晴らしいんですけども、それとはまた違う意味で群馬県庁には感銘を受けたとおっしゃっていました。特に、やっぱりこの景色ですよね、32階からの。「うちの建物は景色が良くない」とか言っていましたけども、その後ですね、県庁31階のGINGHAMにもおいでをいただいて、そこで、インディアナ州にゆかりのある県内の企業にも英語でプレゼンをしてもらって、交流会を行いました。

 私からはまず、群馬の自然を象徴する尾瀬の映像を見せながら、「夏の思い出」の一部だけちょっとギターで弾いて、その後、せっかく来るということで何か用意しなくてはいけないということで、ChatGPTを駆使してホルコム知事の曲を作ったんですよ。これも歌わせていただいたんですが、かなり不完全ではあったんですが、群馬県の歓迎の気持ちは確かに伝わったと思います。

 昨日の中西部会のスピーチというか、知事との顔合わせの中で申し上げたんですけど、やはりAIを使って作曲するというのは思ったよりも難しくて、まずは英語で、ChatGPTに、ホルコム知事の業績を出させたんですね。それからこの業績に基づいて、ホルコム知事に関する歌詞を、韻を踏んで作って欲しいとChatGPTに入れたら、出てきた英語の歌詞がすごくて、これ絶対使えないなと思ってですね、結局、一応はシンガーソングライターと言われている私が全部詩を書き直して、それをChatGPTも使いながら英語に直して、宇佐美アドバイザーに曲を付けていただいたんですけども、あんまりこれ長い話をするとあれなんですけども、少し不完全ながらも披露させていただいたということで、ホルコム知事がその後のスピーチの中でも、このChatGPTの試みに何度も触れていたので、少なくとも群馬県の気持ちは伝わったと思います。非常にユーモアセンスもある方だなということが分かりました。

 それから今日、都内で開催されるインディアナ州政府主催の「フレンズ オブ インディアナ」にも行くので、そこでまたお目にかかるんじゃないかなと思っています。インディアナ州とは、昨年の訪問を契機として、群馬県の県立自然史博物館とインディアナ州のこども博物館、こども博物館としておそらく世界最大規模なんですが、この交流事業もすでにスタートしています。

 こうして行政だけじゃなくて、民間のビジネスでの協力関係、文化面での交流、多面的なおつき合いを深化させていくということがとても大事だと思っています。今後も様々な分野で交流を深め、ウインウインの関係を築いていきたいと思っています。

 続けて、一昨日10日の日曜日には、都内で行われた日米中西部会の日米合同常任委員会、昨日の月曜日には、日米中西部会の日米合同会議に出席してまいりました。日米合同会議では、エマニュエル駐日大使をはじめ、日米から参加している各知事がスピーチを行いました。ブログにも書いたのでご覧になった方もいるかもしれません。

 昨年の米国訪問の際は、群馬県知事として、アコギをフィンランド経由で持っていって歌ったんですよね。5分しかないので、5分で群馬県をアピールするというのは非常に難しい。しかも最初のデビューだったものですから、BGMで歌を歌ってですね、群馬県の説明をかなり早口やったんですけれど、群馬県の5分のビデオに合わせて、これをしっかりと見て欲しいということで歌ったんですけども、日米中西部会議、半世紀やっているんですけど、始まって以来のスタンディングオベーションということで、みんな立って声援をしてくれたという、一応かなりのインパクトを巻き起こして帰ってきたんですね。

 今回は同じことはやるまいと思っていて、今回知事が8人いるので、なかなか時間が取れないということで難しいと思っていたんですけども、これもちょっとブログに書いたでしょうか、事務局の方から連絡が来て、山本知事の場合は、歌なしなら3分だと、歌う場合は7分とか言われてですね、歌うことを前提に連絡が来たと。これ結構画期的なことだなと思って。これはもうやるしかないですよね。3分と7分だから。ということで、今回も弾き語りをやらせていただきました。群馬県の様子を少しお話させていただいて、尾瀬のことを少し紹介して、それからいろいろ考えたんですけれど、中西部に合った歌がなかなかなくて、中西部のカントリーミュージシャンをあんまり知らないんですが、イーグルスの「デスペラード」、ご存知の方もいると思いますが、きっと中西部の雰囲気に合っていると思って、「デスペラード」を弾き語りでやってきました。限られた時間の中では、群馬県を強く印象づけることができたと思います。

 滋賀県の知事も10分とか言われていて、おかしいじゃん、うち3分とか言われているのに。10分とか言われていて、10分やって。埼玉県の知事も10分やって、だけどやっぱりね、事務局は10分って言ってないよね。途中でこの人が止めようとしていたのに、2人とも10分やって、みんな中身のあるプレゼンだったんですけども、圧倒的に、申し訳ないけれどここで言うのも、群馬県のパフォーマンスが印象的だったとみんなが言っていました。誰も覚えてないとプレゼンは、歌しか覚えていないと言ったんですけども、これはこれである程度アピールして、その後実は、宇留賀副知事と昼食会でグルグルグルグルとスラロームをやってですね、直接、ネブラスカ州知事とかカンザス州知事とも意見交換をしてですね、連携の話もさせていただきました。来年以降訪問することも考えたいと思います。同じ時期に来年は、オハイオで会議があるということなので、その時にネブラスカとかカンザスにも足を伸ばしたいと思います。

 皆さんご存知だと思いますけど、アメリカの州知事は、日本の知事なんかよりも全然力がありますから、この中から大統領候補が結構出てくるということなので、州知事との関係は大事にしていきたいと思っています。

 今回の中西部会に出て、アメリカの産業がEVにシフトしていることとか、AIとか半導体についても非常にこれを重視しているということが分かりました。アメリカ中西部は、製造業中心の地域です。インディアナには大きなスバルの工場があるんですが、産業構造が群馬県と結構似ているんですよね。今後の群馬県にとって非常に参考となる意見交換となりました。

 また、豊かな自然とか、真面目で親切な人が住んでいると。中西部のアメリカ人は、私が知っているアメリカ人とは違いますよね。私はワシントンDCのジョージタウン大学というところで、河野大臣は4大で、私は大学院だったんです。そこで外交関係の修士を取ったんですけれども、このワシントンにいるアメリカ人とも、あるいはニューヨークでも、UNDPという国連開発計画の本部にも少し勤めていたことがあって、3年ぐらいいたんですけど、やっぱり東海岸の人とは違うと感じました。宇留賀さんはスタンフォードに留学していて、西海岸のDown to earthがね、こんな背広も着たことがないような経営者しかいないように見える西海岸とも違う。中西部の人は本当に真面目で親切なんですよね。これはやっぱり、群馬県ととても共通点があるということを感じました。スバルに勤めている方々もそう言っていました。

 今後も、知事自らが先頭に立って、自治体独自の地域外交を進めたいと思います。群馬県の取り組みをアピールしたいです。前日のアメリカ大使館でもそうだったんですけど、宇留賀副知事とグルグルグルグルとスラロームして名刺を交換する中で、いろんな話を聞くと、群馬県が成長する、群馬県のメリットになるヒントがもうあっちこっちに転がっているんです。これはなかなか他の知事にはできないことだと思うので、群馬県の新たな飛躍を、しっかりとこの地域外交の中でも図っていきたいと、そういう気持ちを強くいたしました。

 

2.令和5年度9月補正予算案

 前置きがすごく長くなりましたが、それでは本題に入りたいと思います。9月補正予算案の中身についてです。今回の9月補正予算案は、群馬県知事として2期目のスタートに際しての予算編成ということになります。2期目の政策については、現在、中身を詳細に練り上げているところですけれども、今回の9月補正では、早急に着手する必要のある政策を中心に予算を計上させていただきました。まずは補正予算案のキャッチコピーを発表したいと思います。キャッチコピーなので、一応フリップを掲げたいと思います。今回の補正予算案のキャッチコピーは「新群馬に向け攻める!~県民幸福度&魅力度加速化予算~」といたしました。大体今まで名詞でやっていたんですが、ちょっと動詞を入れたんですよね。皆さん知らないと思いますけれど、皆さんの年代だと、昔「超人バロム・1」という番組があって、「超人バロム・1」のタイトルが「魔人クチビルゲがバロム・1を食う!!」という感じで、すごく画期的だったので、私の発案でこういうタイトルになりました。

 就任会見でもお伝えしましたが、1期目の4年間は、新型コロナや、台風災害、豚熱、鳥インフル、様々な危機管理に対応する、本当に守りを強いられた4年間と言っていいと思います。2期目のこれからの4年間は、「県民の幸福度向上」と「新群馬の創造」に向けて、あらゆる分野で群馬県の強みを生かした独自の群馬モデルを発案し、実行していきたいと、そういう「攻めの4年間」にしていきたいと思っています。また、その一方で、光熱費とか物価の高騰などによって、県民や事業者の皆さまにとって大変厳しい状況が続いています。そのため、県民生活を支える必要な対策についても、しっかり取り組むという方針のもとで、8月中旬から各部局と真剣な議論を重ねてまいりました。その結果、総合計画の加速化に向けた未来への投資となる事業とともに、県民の暮らしを守るために必要な対策にもバランスをとった予算案になったと考えています。

 スライドをご覧ください。予算案の総額は323億6776万円ということになりました。内訳としては、「総合計画の加速化に向けた未来への投資」として約72億円、「物価高騰対策」として約3億円、県の貯金に当たる財政調整基金などに約248億円を計上しています。先ほども少し言及しましたが、物価高騰対策など喫緊の課題に対応しつつ、未来への投資にあたる「攻めの予算」も計上しているということです。

 それでは、個別の内容について順を追ってご説明いたします。1つ目の柱「県民幸福度の向上」について、スライドをご覧ください。県民幸福度の向上のためには、様々な立場の人からの新しい考えを県政に取り入れ、多様な価値観を反映した施策を打ち出す必要があると考えています。

 1つ目の「高校生リバースメンター」については、先日、10名の高校生を知事の相談役として任命いたしました。高校生ならではの斬新な発想を速やかに事業化する予算を計上します。

 2つ目の「クリエイティブシティ推進」は、前橋駅から県庁までの区間において、MaaSなど新たな移動サービスに対応した道路や街並みとするために、構想デザインのコンペをやりたいと思います。

 3つ目の「保育所等感染症対策事業費補助」は、保育園などで、感染防止と保護者や保育士の負担軽減を図るために、使用済おむつの保管用ごみ箱の購入経費を支援したいと思っています。

 1つ目の柱である「県民幸福度向上」のための予算には、2億9460万円を計上いたしました。

 続いて、基本政策のもう1つの柱である「新群馬の創造」に関する事業です。次のスライドをご覧ください。

 1つ目は「リトリートの聖地」です。「赤城山景観ガイドラインの策定」では、県、市、地域住民、それから専門家で構成する協議会を設置して、景観の構築や土地利用の考え方の指針を策定したいと思います。また、食によるリトリートの価値向上にも取り組みたいと思います。「良質堆肥流通促進モデル事業」では、有機農業の推進を図るとともに、資源循環型農業というものを目指してまいります。堆肥を供給する畜産農家とか、堆肥を利用する農家に対して、堆肥の分析費用とか、運搬、散布経費というものを支援したいと考えております。

 2つ目は「クリエイティブの発信源」です。クリエイティブ人材育成では、国際的に評価の高いアルメニアのデジタル人材育成機関「TUMOセンター」、以前の会見でも言及したことがあると思いますが、このTUMOセンターの設置に向けて、基本構想の策定などに取り組ませていただきます。TUMOセンターは欧州各国に広がっていまして、会見でもちょっと言及した覚えがありますが、米国ハリウッドにも来年設置されることになっています。これが群馬県に設置されれば、アジア初ということになります。現在も、群馬県独自の取り組みとして皆さんご存知だと思いますが、tsukurunを運営していますが、TUMOセンターと連携することで、県内におけるデジタル人材の育成をさらに加速化できると考えています。

 3つ目は「レジリエンスの拠点」になります。「利根川新橋事業化に向けた測量調査」は、新橋及びアクセス道路の測量調査に着手したいと思います。「デジタル新技術を活用した橋りょうの劣化調査」においては、県内で発生した床版(しょうばん)抜け落ち事故も踏まえてデジタル新技術を活用した劣化調査を行っていきたいと思います。効果的なメンテナンスにつなげ、インフラ・メンテナンスの産業化に向けた第一歩としたいと思います。このほか補助公共事業とか、通学路の安全対策としての除草費用などを増額して、県土整備プランを着実に推進してまいりたいと思っています。以上が2つ目の柱「新群馬の創造」の主だった事業です。予算額としては69億1253万円を計上いたしました。

 続いて3つ目の柱、「物価高騰対策」と「財政調整基金積立・国への返還金」についてです。次のスライドをご覧ください。令和4年度の各補正予算や令和5年度5月補正に引き続いて、国の地方創生臨時交付金を活用し、物価高騰の影響を受けている事業者の支援を実施いたします。「酪農経営緊急対策支援」では、輸入粗飼料の価格高騰等の影響を受けている酪農家の皆さんに対して、7月分まで価格高騰分の補助を行ってまいりました。依然として、価格が高騰しているということで、来年の3月分まで継続をしたいと思っています。「製糸工場光熱費高騰対策支援」では、光熱費の高騰によって厳しい経営状況にある製糸工場に対して、光熱費高騰分と設備の省エネ化に係る経費の補助を行うということです。物価高騰対策の予算額としては3億253万円を計上しております。

 次に「財政調整基金」です。財政の健全化に向け、令和4年度決算剰余金の一部である244億円を財政調整基金に積み立ていたします。また、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金について、執行額が確定したことから、未執行分の国庫金4億円を国に返還いたします。次のスライドをご覧ください。9月補正後の財政調整基金の残高の推移です。財政調整基金は、皆さんご存知だと思いますが、気象災害が頻発・激甚化する中で、大規模災害の際にも十分な対応ができるよう、一定の基金残高を確保する必要があります。令和5年度の9月補正後の残高は511億円ということになりました。新型コロナ関連の事業費確定に伴い、国に返還する178億円を除くと、333億円を確保することができました。同年の同時期と比較すると56億円増加したということになります。

 これまでも繰り返し申し上げておりますが、山本県政では、これまでの事業を見直しながら、新規事業にはできるだけ国の財源を活用するなどして、いわゆるワイズスペンディングを心がけてまいりました。こうした取り組みの積み重ねが基金残高の増加に繋がってきていると思います。まだ決して十分とは言えませんが、こうした土台が固まりつつあることから、「新群馬に向け攻める!」ための事業に取り組むことができると考えています。令和5年度9月補正予算案の概要については以上です。引き続き、県庁一丸となり基本政策の実現と総合計画の推進に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

 

3.組織改正(こどもまんなか推進監の新設)

 続いて、組織改正についても説明をさせてください。群馬県では、誰一人取り残さない社会の実現に向けて、「こども政策」を重要テーマに位置付けています。

 そして今回、全庁的な推進体制を構築するため、新たな役職を設置することといたしました。本日9月12日付で新たに部長級の「こどもまんなか推進監」を設置いたします。そして、「こどもまんなか推進監」には、現在、健康福祉部長を務めている唐木啓介さんを任命しました。唐木さんには、健康福祉部長とこどもまんなか推進監を兼務していただくことになります。

 「こどもまんなか推進監」は、全庁におけるこども・子育て政策の実務責任者として、各施策をリードするとともに、全庁的な推進体制を構築し、知事を補佐する役割を担う役職ということになります。具体的には、部局横断的なこども・子育て政策の調整や新たな群馬モデルとなる政策の立案、さらにはこども・子育て政策の計画策定などを、「こどもまんなか推進監」には担っていただくことになります。今後、政府とも連携しながら、知事とともに先頭に立って各事業を進めていただきたいと考えています。政府では今年4月にこども政策の新たな司令塔として、「こども家庭庁」が創設されました。加えて6月には「こども未来戦略方針」が示されました。このように、こども・子育て政策の強化が図られています。

 群馬県としてはこうした政府の動きを念頭に置きながら、さらに一歩踏み込んで、群馬独自のこども政策というものを推進していきたいと考えております。こうしたことから、いろいろと考えたんですけれども、唐木さんにやっていただくということが最もいいだろうということでお願いをしたということです。こどもまんなか推進監には若い世代や子育ての当事者の視点に立って、これから各施策をリードしていただきたいと考えています。そして、全庁一丸となって、こども・子育て政策の推進に取り組んでまいりたいと思います。

 少し長くなりましたが、私からは以上です。皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。

 

質疑応答

●9月補正予算案について

(記者)

 補正予算の説明の中にはいくつか柱がありましたが、知事が特に力を入れた分野を一つ挙げるとすれば、難しいと思うんですが、どこの分野でしょうか。

 

(知事)

 どれもすごく大事ですが、「リトリートの聖地」に関するところはもちろんすごく大事だと思っています。赤城山景観ガイドライン策定とか有機農業推進、これはしっかりやっていきたいと思います。それから、「デジタルクリエイティブ人材の育成」、これもすごく大事だと思っています。TUMOセンターが導入できたら日本で初めてのことになるので、これもやりたいですし、「レジリエンスの拠点」もすごく大事です。利根川新橋はしっかりやり遂げなくてはけないですし、デジタル新技術の橋りょう劣化調査についてはできるだけ産業化していきたいと思っています。それから、「物価高騰対策」は緊急のことですから、しっかりやんなきゃいけないと思っていますし、やはり、今回も見て欲しいのは「財政調整基金の積み立て」の話で、ここもちゃんと(基金残高が)増えてきていると。まだまだ栃木県とか茨城県に比べたらというところはあるんですけれども、こうやって財政健全化に向けた道筋がある程度めどが立ってきたからこそ、今までの知事がなかなか決断できなかった小児医療センターの建て替えとか、あるいは利根川新橋の事業とか、こういうことができたということなので、こういうところもしっかり県民の皆さんにお見せしたいと思いますし、県議会でもしっかり議論していただきたいと思っています。

 

(記者)

 事業の本数というか、中身や予算規模などを見ると、タイトルにも「攻める」という言葉も入っていますし、未来への投資をかなり意識されているのかなという感じがするのですが、そこはそういう思いでしょうか。

 

(知事)

 そうですね。先ほど申し上げたとおり、この4年間守りを強いられてきました。例えば、パンデミックなんかも含めていざという時の備えをしっかりしながらも、やはり次の4年間は少し攻めの、群馬県の未来に繋がる戦略に力を入れていきたいと思います。ただ、喫緊の物価高騰対策みたいなものはしっかりやっていきたいと思います。それでも、やはり群馬県の新しい産業に繋がっていくような形で、予算を活用していきたいという思いがあります。

 

(記者)

 今回の補正予算の額について、過去と比較してどれくらいの規模になるんでしょうか。

 

(知事)

 財政課長の方から説明してもらいます。

 

(財政課長)

 昨年と比べまして、規模的にはほぼ同程度になっております。また、全体的な流れ、傾向を見ますと、令和2年度以降は特にコロナ対策や物価高騰対策等がございましたので、規模が非常に大きくなるという傾向がございます。少し余談ですけれども、令和元年以前の9月補正では、大体50億円程度、2桁、ここ2年以降は3桁という非常に大きな規模になっております。

 ただ、ご留意いただきたいのは、9月補正は当然当初予算でしっかり予算を組ませていただいた上で、その時々の状況により、災害であったりとか、力を入れていく分野とか、そういったところに予算を付けるものでございますので、その内容について、金額の増減ございますので、一概に多いからいいとか、そういったことではないということはご留意いただければと思います。

 

(宇留賀副知事)

 少し補足させていただくと、今年度予算の規模が大きいのは財政調整基金による部分が非常に大きいと思っておりまして、これは一旦国からコロナ対策でもらっていたものを返還するという部分が非常に大きいので、金額としては3桁いっていますけれども、実態としては、ここ(スライド資料)に出ている上の3項目が我々の予算規模という形になります。そして、そこの中でも69億円のほとんどが公共事業で、国から支援を受けて行う事業が大半になっているので、そういった意味でいうと、県土強靱化、いわゆるレジリエンスの拠点化の事業に非常に多く国から支援をいただけたことによって、(補正予算額が)2桁億円の少し高い方になっています。

 

●こどもまんなか推進監について

(記者)

 こどもまんなか推進監に期待する役割と唐木氏(健康福祉部長)を選んだ理由について伺えればと思います。

 

(知事)

 こどもまんなか推進監に期待する役割は先ほど申し上げたとおりなので、繰り返しませんけれども、これから岸田内閣がこども政策を中心的に進めていくと(いう方針なので)、それに連動して、しっかり群馬県も必要なことをやっていかなければいけないということもありますし、必ずしも国の政策だけではなくて、群馬県として発信できる新しい群馬モデルをしっかりと作っていきたいという思いもありまして、それはなかなか簡単にはできないことだと思うんですけれども、健康福祉部長として頑張っていただいている唐木さんならそれができるだろうと思いました。唐木さんは冷静沈着ですし、非常に構想力もありますし、唐木さんならできるだろうということでお願いをしました。それから、これからまた内閣改造もあると思いますが、政府との連携ということでいうと、厚労省とのパイプというのを大事にしたいと思いますし、内閣改造が終わったら早速厚労大臣含め、こども政策に関係のある新閣僚には宇留賀副知事と一緒にみんな約束をとって会っていきたいと思いますので、そんないろんな理由から、唐木さんにお願いすることにしました。

 

●利根川新橋について

(記者)

 利根川新橋のことで少しお聞かせください。今回、測量などの予算案を発表されましたが、今後どういうふうに進めていきたいのか、知事の思いをお聞かせください。

 

(知事)

 利根川新橋は東毛地域の悲願であったわけなんですけれども、いろいろ費用対効果等々も考えて、ここを整備するということはやはり大きな経済的な効果に繋がるということなので、これは必ず最後までやり遂げたい、これに尽きると思います。まずは、しっかりと利根川新橋の事業化に向けた調査を行う。そういう意味で予算案を作成させていただいたということです。

 県土整備部長なにかありましたら、どうぞせっかく来てくれたから。

 

(県土整備部長)

 具体的にいつ頃着手というのはまだ決めている状況にはないんですけれども、今年度補正予算が成立しましたら、早期に地質調査ですとか、地形測量等に着手したいと考えています。次年度以降、道路の予備設計などに着手して、なるべく早く都市計画決定ですとか、そういう手続きを済ませて工事に着手したいと考えています。

 

●こどもまんなか推進監について

(記者)

 こどもまんなか推進監の件ですが、部局横断的なものというようなイメージがあったんですが、健康福祉部長が兼任されるという形となりますが、この辺、横断的な取り組みというのをどういうふうにトップとして確保していきたいかという考えがあれば少しお聞かせください。

 

(知事)

 まずは、宇留賀副知事からどうぞ。

 

(宇留賀副知事)

 これは知事が公約で掲げられたときに、少し話は出ているかなと思うんですけれども、今回、こどもの政策にしても、福祉や介護も含めた社会保障全般に共通するんですけれども、何が効果的な政策なのかをよく考えていかないと、我々生活に身近な部分なので、いろんなことができる分野だと思います。そこに、いわゆるEBPMと言われる、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングといった手法を入れていって、このこども政策について、何がどういうふうに効くのかという話をしっかりやっていかなくてはいけないと思いますし、こども政策の部分で、これからいろいろなアイデアが出てくるものをしっかり群馬県の独自モデルでやっていったり、国の施策についても、必要に応じて一緒にやっていこうというような話をしなければいけないというところ、こういうふうに少し社会保障の分野で、こども政策のところから他の分野にも応用できるような知見を作っていくというのがあります。

 具体的にいうと、例えば育休みたいな制度でいったときに、育休は1年と3年どっちがいいんだろうと考えると、子育てという意味では、長い方がいいかもしれないんですけれども、女性の社会参画という面からいうと、長くてもあまり効果がないみたいなところがあるので、育休制度にとっても何を目的とするか、女性の就業率を高めるということなのか、むしろ子どもを産みやすくするのかというところも実はいろんな複合的な効果があります。また、今、政府の方で導入しようとしている児童手当みたいなところも、出生率を高めたいんだったら児童手当じゃなくて出産一時金を上げた方がいいし、むしろ子育て世代の財政力というか、家庭の家計を楽にするという意味で児童手当はいいんですけれども、そういったところで似たような政策、似たような手法であっても、違う効果が出てくる。これ本当にこどもの分野で様々に出てくると思うので、群馬県としてどういうことをすると出生率を高めていくことができるのか、より女性が社会参画しやすく、子育てを両立できるようになるのかとか、そういう、ゴールも含めて、しっかりエビデンスに基づいた政策をしていく。そこで得た知見で、医療や介護、そういった分野も、より限られた財源の中で適切な制度にしていく、そんなところの司令塔として将来発展していくといいなと思っています。

 

(知事)

 宇留賀副知事の方から、大体、どういうことをやるのか、何を期待するのかというところを更に詳しく説明していただいたんですけれど、今お話があったように、こども・子育て政策は結構幅広いので、いろんな部局が関わってくることになると思うんですよ。だから、それはしっかりこどもまんなか推進監に総合調整をやってもらうと。どうやって、担保するかというのは、知事直属でやってもらうので、私の方からしっかりリーダーシップを持って、各部局にも協力してもらう、それに尽きると思います。

 

(記者)

 要するに、専門性の高い人を置いておいた方が、そういう政策効果が高いというような判断で(唐木さんを任命した)という理解で大丈夫ですか。

 

 

(宇留賀副知事)

 任命のところについては知事からまた補足いただければと思いますけれど、やはり社会保障に対しての制度的な背景ですとか、また財政的にどういったような規模が必要なのか、そういったところの感覚がある方じゃないと、なかなかこのこどもの政策で、これからどんどん政府としての支援、群馬県としての支援が出てくる部分だと思うので、そこのあたりの感覚がある方が適切だと私は思います。

 

(知事)

 宇留賀副知事が言ったとおりですけれど、健康福祉部との連携がやはり中核になってくるので、十分にこういうことに耐えられる人だと判断をしているので、健康福祉部長に兼務していただくというのが一番いいなと思ったのと、政府と連携するという意味でも、厚労省との連携というのが大事ですので、そういうこともすべて勘案して、本人の専門性、それからリーダーシップ、あらゆることを勘案して、最も適切だろうと。宇留賀副知事からも説明してもらったミッションを果たしていくためには、やっぱり唐木さんが最も適任だと思ったので、お願いをして、任命をさせていただいたということです。

 

知事メッセージ

 今日は臨時記者会見ということで、補正予算案の中身を説明するために記者の方々にお集まりいただきましたが、せっかくなのでまた県民の皆さんに知事からお話をさせていただきたいと思っています。

 群馬県の独自の地域外交は、すべて群馬県の発展に繋がるようなヒントを得るために行っています。例えばアルメニアと連携することによってTUMO事業が展開できるとか、あるいはインディアナ州と連携することによって群馬県の方でいろんな事業が始まるとか、この連携を力にして、群馬県の発展をさらに進めていくと、こういう視点からすべてやっているということは皆さんにお伝えをしておきたいと思います。

 中西部会議の、この合同会議は8人の知事が来て、米国から5人の知事と1人の副知事、それから日本側から3人の知事ということで、トップセールス合戦みたいになったんですけれども、しっかり皆さんの代表として群馬県をPRしてまいりました。群馬県のプレゼンの後は、みんな群馬県のプレゼンに言及していましたので、印象は抜群に残ったということだと思っています。またギターを弾いたので、不真面目だと思われるかもしれませんけれど、本当に真面目にやってきたので、基本的に私にとっては知事というのは全人格をかけた戦いなんですよ。他の人たちは、何か少しやると型破りみたいなこと言うけど、そんな何にもやらない方がとってもつまらないことだと思っていて、それ誰だってプレゼンなんかできるんですよ。我々が本気でやれば20分のプレゼンだって作れるけど、その中でどうやって群馬県の良さをアピールしていけばいいか、どうやって人脈を作ればいいかということを考え抜いてやってまいりました。私の持っている欠点も長所もすべて、全人格をかけた戦いが選挙であり、全人格をかけた戦いが知事という仕事だと思っていますので、これからも歌だろうがアニメの知識だろうが、あらゆることをすべて群馬県のために活用して頑張っていきたいと思っております。

 ちょっと今日は超人バロム・1の話をしたけれど、全く受けませんでした。やはり私と同じ世代の人じゃないと分からないんだと思って、ちょっとジェネレーションギャップを感じて、1958年生まれだということを再認識した一面がありました。これあんまり今日は関係ありませんけども、それでも健康ですし、しっかり頑張っていきたいと思います。人生100年時代の先駆になれるように頑張っていきたいと思います。皆さんも、ちょっと何かはっきりしない気候が続きますが、お身体を大切になさってください。次の記者会見でまたいろいろと県民の皆さまにもメッセージをお伝えしたいと思います。

 皆さん急遽集まっていただいて、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。以上で臨時会見を終わりたいと思います。

 

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。