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令和5年度第22回定例記者会見要旨(10月12日)

更新日:2023年10月12日 印刷ページ表示

■日時    令和5年10月12日(木曜日)午後2時03分~2時45分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和5年10月12日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:1.07MB)
 

会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.「湯けむりフォーラム2023」開催

 3.中期財政見通し・令和6年度当初予算編成方針

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは定例会見を始めたいと思います。昨日11日の水曜日、県議会本会議終了後に上京をいたしました。ブログにも少し書いたんですが、第二次岸田再改造内閣で国土交通大臣に留任した、斉藤鉄夫大臣にお目にかかってまいりました。斉藤大臣には、大臣続投のお祝いを申し上げるとともに、群馬県が進める「まちづくり」に関する事業について説明と要望を行ってまいりました。斉藤大臣は、もともと大変誠実で真面目な方なんですけども、本当によく耳を傾けていただいて、群馬県への支援に対して力強い言葉を頂戴いたしました。先週に引き続いての大臣訪問となりましたが、今後も、現職閣僚を訪問していきたいと思います。先週、記者さんに聞かれたんですけれども、とにかく本当いっぱい会いに行かなくてはいけないので、日程取れなくてどうしようかという状況ですが、国との連携というものはしっかりと続けたいと思いますし、各省の大臣との信頼関係も築いていきたいと思っています。今後も必要に応じて政府にはしっかり要望していきたいと思っています。

 話は変わりますが、昨日、令和5年第3回前期定例県議会の日程が終了いたしました。今議会に提出していた9月補正予算をはじめ、様々な議案についてご議決をいただきました。知事として審議に当たられた県議の皆さまに改めて感謝を申し上げたいと思います。本日は、会見の内容に入る前に、昨日の本会議における討論の内容と、私の所感の一部を簡潔に述べさせていただきたいと思います。

 自由民主党の松本基志県議には、会派を代表してすべての補正予算案に賛成をいただきました。今回の補正予算は、知事として再選後初めての補正予算となるわけですが、2期目に目指す「攻めの4年間」に向けた施策を大いに評価していただいたと考えています。特に言及いただいた、千代田町と熊谷市を結ぶ「利根川新橋」の建設の決定にあたっては、県議会の皆さんに大変なご協力をいただきました。引き続き、埼玉県との連携を図りながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

 一方、日本共産党の酒井県議からは、「TUMOセンターの導入」とか、「利根川新橋の建設」について反対の討論がありました。

 そのほか、請願などについても様々なご意見をいただきました。いただいたご意見ご要望については真摯に受けとめ、事業効果が出るようにしっかりと今後も取り組んでまいりたいと思っています。また、物価高騰対策など、県民生活を支える必要な対策については、県議の皆さんにご賛同いただきましたので、こちらもしっかり取り組んでまいります。

 前置きが長くなりましたが、それでは会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。「湯けむりフォーラム2023の開催」、それから「中期財政見通しと令和6年度当初予算の編成方針」について発表させていただきたいと思います。

 

2.「湯けむりフォーラム2023」開催

 まずは「湯けむりフォーラム2023」についてです。「湯けむりフォーラム」は、各界のトップリーダーなどにお集まりいただいて、現代社会が直面する課題とか未来の社会の方向性などについて議論を繰り広げてもらい、群馬県から新しいアイディア、そしてイノベーションを生み出し、発信していくということを目的としたイベントです。県庁の総力を挙げた、本当に群馬県庁最大のイベントだと考えています。

 この度、12月15日の金曜日と16日の土曜日の2日間、昨年に続いて草津温泉で「湯けむりフォーラム2023」を開催することといたしました。リアルでの開催は2回目、オンラインを含めると4回目となります。私の感覚で言うと、2回目のフォーラムという感じですね。

 このフォーラムは群馬県の未来像を描くために、知事就任直後から力を注いできたプロジェクトで、すでにこのフォーラムから実は数々の新たな施策も生まれております。今回の「湯けむりフォーラム」でも、様々な分野で濃密なディスカッションを交わし、群馬県の政策に取り入れると同時に、群馬から日本を変える「群馬モデル」が生まれることを期待しております。

 それでは、2日間にわたるフォーラムの概要を少しご説明したいと思います。スライドをご覧ください。まず、フォーラムを盛り上げるスペシャル企画として、特別ゲストによる「基調講演」や「知事のトークセッション」などを予定しております。今年も大物ゲストにご出演いただく予定ですので、ぜひ楽しみにしていただきたいと思います。詳細は決まり次第、この会見等でお知らせしたいと思います。また、今年は新しいコンテンツも多数用意をいたしました。例えば、ユネスコ無形文化遺産への登録を目指す「温泉文化」について語り尽くす「温泉文化フォーラム」や、上毛新聞・NEWSPICKS(ニューズピックス)とコラボした「起業家育成をテーマとしたトークセッション」、あるいは新経済連盟とコラボした「女性・若者活躍について考えるトークセッション」などです。加えて、多彩なクリエイティブ企画として、ReHacQ(リハック)とコラボした「ひろゆきさんと知事のトークセッション」も実施するほか、群馬県出身で世界的なジャズピアニストの「山中千尋さんによるトリオジャズライブ」なども計画しています。

 フォーラムの開催にあたっては、地元の草津町、楽天の三木谷会長が代表理事を務める新経済連盟からご支援をいただいています。「湯けむりフォーラム」への多大なご協力に対して、この場をお借りして改めて感謝を申し上げたいと思います。

 なお、フォーラムは招待制での開催となり、県内外の企業を中心に、駐日外国大使館とか県内大学、群馬県選出国会議員、県議会議員、市町村長など、約400名の参加を予定しております。開催内容の詳細は、今後特設サイトなどで随時発表していきたいと思います。また、フォーラムの中身は前回と同様に県民の皆さまにもご覧いただけるように、後日、特設サイトでアーカイブを配信させていただきます。

 温泉が持つ熱量とか癒やし、あるいは幸福感の象徴としての湯けむりからネーミングした、この「湯けむりフォーラム」。今年も熱い思いを持って開催しますので、ぜひ皆さんご注目をいただきたいと思います。

 「湯けむりフォーラム」は、やはり毎年県庁最大のイベントとして進化していくということが大事だと思っていまして、今回は前回と違ってかなり国際色も出てきていて、通訳が入ったりもしますし、少し外国からのゲストの方々にも登場していただくということですので、ぜひメディアの皆さんにも関心を持っていただければと思っています。

 

3.中期財政見通し・令和6年度当初予算編成方針

 続いて、令和6年度当初予算編成に向けた中期財政見通しと、編成方針について発表したいと思います。スライドをご覧ください。中期財政見通しは、中長期的な視点を持って持続可能な財政運営を行っていくため、私が知事に就任後の令和元年度から当初予算編成方針と合わせて作成・公表をしています。今回、令和6年度当初予算の編成方針を検討するにあたって、最新の数値をもとに改めて推計させていただきました。

 まず、「今後の財源不足の推計」です。社会保障関係費が想定以上に伸びたことによって、前回推計よりも不足額が増加しています。しかしながら、令和6年度以降は改善傾向になっていくという見込みになっています。これは、現状における県債発行の抑制によって、将来の返済額が減少することなどの影響です。しかしながら、今後も少子高齢化に伴って社会保障関係費は増加していくということは避けられないと思っています。引き続き、ワイズペンディングの考えに基づいて、行財政改革を進めることで、財源不足を圧縮していく必要があると考えています。

 次のスライドをご覧いただきたいと思います。続いて、県の貯金に当たる積立基金の残高の推移です。令和4年度末には646億円の基金を確保することができました。年度末の基金残高が600億円を上回るのは、実は平成7年以来で27年ぶりということになります。全国的に見ると、まだ十分とは言えませんが、前回の推計と比べると非常に大きく改善をしています。前回は令和5年度までで基金が枯渇し、その後は足りない財源を埋めるための県債発行を強いられる見込みでした。ところが今回の推計では、少なくとも令和8年度までは何とか基金を確保できる見通しとなっています。私が知事に就任して以来、財政見直しの取り組みを積み重ねてまいりましたが、その結果、今回目に見える成果として現れたと考えています。しかしながら、このまま財源不足が続けば基金が減少していく傾向自体は変わりません。大規模災害等の緊急事態に対応できる持続可能な財政基盤を構築していくためには、引き続き財源不足の解消とか基金確保に取り組んでいく必要があると考えています。

 次のスライドお願いします。続いて、県債残高の推移です。前回の推計では、県債残高は右肩上がりに増加する見込みでしたが、今回の推計では右肩下がりに減少していくという見込みになりました。これには、先ほどご説明した基金の確保が影響しています。十分な基金を確保できれば、足りない財源を埋めるための県債を発行する必要がないということです。このまま県債残高が減少していくと、県債の返済に必要な歳出を減らすことができます。そうなると、さらなる財源不足の解消に繋がるという流れになっています。財政再建はまだ道半ばですけれども、こうした好循環、ようやくできた好循環を今後も継続していく必要があると考えています。

 こうした現状を踏まえ、「令和6年度当初予算の編成方針」を決定いたしましたので、発表したいと思います。次のスライドをご覧ください。令和6年度当初予算の編成方針についてのスライドです。令和6年度は国際情勢などによって税収等の歳入の先行きが不透明なことに加えて社会保障関係費の歳出が増加することから、引き続き厳しい財政状況が見込まれます。当初予算編成においても、やはりワイズスペンディングの視点による事務事業の見直しや、自ら稼ぐ施策の強力な推進が必要だと考えています。特にワイズスペンディングについては国の財源や民間の知恵を結集して、負担を抑えながら、最大の成果を追求してまいります。ただ単に、事業の廃止とか予算削減を行うのではなくて、必要な規模のリソースはしっかりと注ぎ込んで、「劣化東京」ではない、一流のものを作っていくという方針です。例えば、県と市が同じようなスポーツ施設、文化施設を所有してるケースがありますが、人口減少社会の進展を受けて、こうした既存施設を統廃合していき、そして長く県民に愛されるような、立派な一流の施設に作り替えるケースなどが例として挙げられます。こうして生み出した財源とかマンパワーなどのリソースは、「県民の幸福度向上」と、それから「新群馬の創造」に向けて、群馬の強みを生かした「群馬モデル」を実行するということで、そのための「攻めの県政」を推進する予算に集中していくということです。また、物価高騰対策などの必要な事業は、国の方針を踏まえて、補正予算での緊急的な対応を含めてしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 以上、令和6年度当初予算の編成方針をご説明させていただきました。今後県議会、そして県民の皆さまの声をよく聞きながら、各担当部局と議論の上、予算編成を進めてまいります。

 ここからは皆さんのご質問をお受けしたいと思います。私からは以上です。

質疑応答

●湯けむりフォーラムについて

(記者)

 湯けむりフォーラムについてです。概要のご説明をいただいたところですが、今回の議論の大くくりのテーマですとか、特別ゲストでご紹介いただける方がいらっしゃるようであれば、その点についても教えてください。

 

(知事)

 まずは、担当部長からお話をさせていただきます。

 

(知事戦略部長)

 ご質問の件ですけれども、そちらにつきましては、詳細決まり次第、また改めて知事の方から発表がございますが、担当部長の方から申し上げさせていただきますと、昨年を上回るものというか、昨年よりもパワーアップというかレベルアップしたものとなるようにスタッフ一同やっておりますので、ぜひご期待いただければと。ここにいらっしゃる記者の皆さまにも、湯けむりフォーラム当日もぜひ取材に来ていただければと思っています。詳細については、次の知事の記者発表をお待ちください。

 

(知事)

 湯けむりフォーラムに取材に来ていただいて、草津に泊まってもらえばいいんじゃないすかね。それぐらいの取材費は出るんじゃないでしょうか。いろいろなセッションもあるし、温泉にも入っていただいて、ぜひ今年は、多くのメディアの皆さんにも来ていただきたいと思っています。

 詳細はこれから詰めていくので、会見で報告していきたいと思いますが、とにかく、基本は前回よりも進化しているということが大事なんですよね。よりインターナショナルになっていくし、よりインパクトのある発信源になっていくと思います。

 

●中期財政見通しについて

(記者)

 財政見通しと予算編成方針についてお伺いをいたします。まず、財政見通しについて、表の見方について教えていただきたのですが、いただいた資料にあります一覧表について、財源不足額が200億円超でずっと続いていきまして、そのために基金を同額程度取り崩していくという流れになっているんですが、下の方の基金残高を見ますと、取り崩し額に見合った額は載っていないと思うのですけども、その基金の積み立てというのはどこから持ってくるものなんでしょうか。

 

(知事)

 総務部長の方から仕組みを説明してください。

 

(総務部長)

 まず、財源不足というのは、各年度の単年度ごとの歳入と歳出を比べて、これだけ不足するだろうという額です。それに対して何が対応できるかというと、財政調整基金であったり、あるいは、あまり借りたくないですけど、県債をさらに増やすなどの対応があるかと思います。

 今ご質問の話は、財政調整基金の対応で、たぶん基金残高とその対応額が合っていないのではないかというお話だと思うんですけれども、この後年度ごとにも、決算の剰余金等が出た場合に、一定額また積み増しができて、財政調整基金はあくまで年度末時点の残高で比べていますが、年度の途中でも増えたり減ったりというのがありまして、そういうのも加味した上での対応額となっていますので、今の残高イコール今後の取り崩しにはなってないということかと思います。

 

(記者)

 今回の中期財政見通しは、令和5年度も含めて、当初ベースで立てているということでよろしいですか。

 

(総務部長)

 はい、そうですね。

 

(記者)

 県債の残高は減っていく傾向であって、これまで取り組んでこられた財政改革の取り組みが実を結んだとおっしゃっていましたけれども、これから、先ほどお話にチラッと出た利根川新橋なども含めて、大型事業も予定されていたりとかですね、あとは先ほどおっしゃられていた災害が発生した場合には、大きな支出も想定される。それについて、今後また新たな取り組みといいますか、財政再建の取り組みも何かされていくお考えなんでしょうか。どうやって大型事業の財源を確保されるお考えなのか、お聞かせください。

 

(知事)

 まずは総務部長から。

 

(総務部長)

 財政再建はここまで道半ばということで進んできました。それはいろいろな取り組みをやった上で、こういう形になりましたけども、これでその取り組みを止めるわけではございません。

 当然これから大型事業をやっていくに当たっては、やはり引き続き、いろいろな財政再建、事業の見直しですとか、施設の見直しですとか、そういうことをやっていかなくてはいけないことになりますので、あるいは国からの財源をなるべく使うとか、あるいは民間の力をお力をお借りするというケースも当然あるかと思います。そういった、すべて県の一般財源でやるのではないというやり方を、今後も引き続きやりながらということになりますので、「財政再建は道半ば」と知事がおっしゃったのは、これからもそういう見直しというのは引き続きやっていかなくてはいけないということかと思います。

 

(知事)

 記者さんもご存知のとおり財政再建の方法はっきりしているので、今までもあらゆるやり方で財政再建に取り組んできましたが、これをしっかり続けていくと。事業の見直しは不断にやっていかなくてはいけないし、事業を見直すとか歳出を削減するだけじゃなくて、今、部長の方からもありましたけど、国のシステムや補助金をしっかり使うとか、あるいは民間としっかり組むとか、あるいは県が自ら稼ぐとか、ありとあらゆる方法で財政再建の努力を、今までのメニューをしっかり続けていくということだと思います。

 

●予算編成方針について

(記者)

 予算編成方針について1点だけ。先ほど、稼ぐ政策にも取り組むんだということをおっしゃっていましたが、具体的にどういったことをお考えなのか教えていただけますか。

 

(知事)

 稼ぐ仕組みというのは、これは宇留賀さんから細かく説明してもらいますけれど、例えば、水力発電。パワーパーチェスアグリーメント(Power Purchase Agreement:電力販売契約)というのを作りましたよね。これから電力の仕組みも変わりますので、この部分でかなり群馬県は収益を上げられると思います。宇留賀さんの方から少し。

 

(宇留賀副知事)

 稼ぐというところで、いろいろな形が群馬県でできると思うんですけれども、少し分かりやすい例で言うと、草津町があるかなと思っています。草津町は自分たちで湯畑の辺りを再整備して、それにより民間の投資が誘発されて、入り込み客が300万人を超えるようになり、コロナ禍で非常に苦戦した時期もありましたけれども、それでも賑わっていたと。しっかりビジネスの方にもお金が回りましたし、町の方にも入湯税を通じてしっかり財政が返ってきたということで、投資をした分を、むしろ行政としてリターンがあったというのがあります。

 群馬県でいうと、今、デジタル産業ですとか、デジタルクリエイティブの産業ですとか、主力の製造業に加えて、群馬県を拠点に世界と戦えるような新しい産業づくりというところがあります。これは、企業を通じて、また個人の所得、賃上げを通じて、いろんな形で行政に返ってくるので、そういう新しい投資がしやすいような形というのは、行政が主導してやれる部分で非常に大きいと思っておりまして、こうした部分の稼ぐ仕組みというところは、いろいろな形で県内に好影響を与えられるかなと思います。

 

(記者)

 県庁を中心としたにぎわいの創出とか、そういうものが私の頭の中には浮かんでいたんですが、それだけではなくて、政策的な投資を行うことで県内産業の活性化・拡大を図っていくというものも含まれるということでよろしいでしょうか。

 

(宇留賀副知事)

 はい。

 

●群馬の森 朝鮮人追悼碑について

(記者)

 発表案件外で恐縮なんですけども、群馬の森の朝鮮人追悼碑についてお伺いいたします。昨日、碑を建てた団体の方々が、県から出ている撤去命令の取り消しと、改めて追悼碑の設置管理を認めるように求める訴訟を前橋地裁に起こしたということなんですが、これについて、現時点で知事のお考えと、県のこれからの対応について教えてください。

 

(知事)

 その質問も出ると思ったので、ちょっとメモは作ってもらっていたんですけれども、まず、裁判所から訴状が届いていないので、訴状の中身を承知してないので、あまり軽々なのことは言えないので、その点はコメントを差し控えたいと思います。

 どういう中身の訴訟が提訴されたのかよく分からないので承知していませんが、自ら撤去・移設をしていただけない場合には、関係法令に従って撤去手続きを進めるという方針は全く変わりません。

 

●中期財政見通しについて

(記者)

 財政見通しの関係なんですけれども、数字の関係で分からないので伺いたいんですが、社会保障費の増大で財源不足の幅は大きくなるんだけども、現状積んでいる基金を取り崩すことで、令和8年ぐらいまでは何とか持ちこたえられる、基金を積んでおける状況だという認識でよろしいんでしょうか。

 

(総務部長)

 おっしゃるとおりです。財源不足は、先ほども申し上げましたけども、年度ごとの不足額ということで見ていますけども、それに対応できる対応力という点で言うと、やはり財政調整基金が積み増しできたことによって対応能力がかなり上がって、昨年までだとすぐになくなりそうだったのが、何年か持つようになったということかと思います。

 

(記者)

 これはあくまで現状であって、今後、財政改革とかを進めることで、基金を減らないようにしたり・・・

 

(総務部長)

 もちろん、そうです。

 

(記者)

 基金残高の推移ですが、現状の令和4年646億円とかは、コロナの返還金を含んだ額になるんでしょうか。

 

(総務部長)

 年度末の残高ですので、コロナの返還金も含めた金額になります。

 

(記者)

 令和8年度だと返還は終わっていると思いますが、それでも8年度はプラスを維持できているというイメージになりますでしょうか。

 

(総務部長)

 令和8年の時点では、当然もう(コロナの返還金は)なくなっていると思いますので、令和4年度末での646億の中に入っているということで、当然これは、今年度、遅くとも来年度には返還することになると思います。

 

●予算編成方針について

(記者)

 予算編成方針の方で、一般事業については、いただいた資料の2ページで、一般事業については、「前年度当初一般財源の90%を目処に既存事業の見直し」と書かれているんですが、これはシーリングが90%ということなんでしょうか。

 

(総務部長)

 90%に見直した上で、当然新しい施策も各部でありますので、新しい施策に充てる財源も、(既存事業を)90%に見直した上で、トータル100%以内で要求して欲しいという意味です。

 

(記者)

 シーリングとしては100ということでよろしいですかね。

 

(総務部長)

 はい。

 

(記者)

 公共事業については、「今年度の補正予算の状況も踏まえながら、編成過程で規模を決定」となっているんですが、これは、よく言っている「15カ月予算」として公共事業は見るというイメージになるんでしょうか。

 

(総務部長)

 そういうイメージもございますし、公共事業については、例えば「県土整備プラン」で、全体10年計画の計画もあります。その進捗状況も踏まえながら決定するということになるかと思います。

 

●小渕優子衆議院議員に関する知事ブログについて

(記者)

 知事のブログで、小渕優子選対委員長について書いていた「その4」という回の関係で、「自分の言葉で説明すべきだ」ということで、アドバイスといいますか、おっしゃっていましたけれども、それは、メディアなどで地元以外での説明が足りないというような指摘もありますが、どのような思いで、こういったことを書かれたのでしょうか。

 

(知事)

 あのブログは、読売の群馬版か何かに取り上げられたんでしょうか。それはそれで正確な記事だったんだけど、あれだけ見ると批判していると勘違いする人がいるかもしれませんが、基本的にはあれは優子さんへのエールで書いたんですね。やはり本当の支持者はそう思っているから。みんな表面的なお世辞ばかり言うけど、本当の復活を望んでいる人たちはあのように思っているので、ブログもその時の感情によるのであれなんですけども、ああいうブログを書いたと。10年ぐらい前にもたぶん同じブログを書いているんですよ、優子さんが辞められたときに。ご本人にもいろいろなお考えもあると思うし、いろんな人がいろいろなご意見もあると思いますが、私はむしろ、ご自分でいろいろなことについて、いろいろ苦しいこともあると思うけど、説明された方がいいんじゃないかなと思っているので、それはあくまで意見として書いたと。やっぱり本当に、小渕優子さんには、本当に政治家として復活して欲しいなと。いろんな主要大臣でも活躍できて、本当の意味で総理候補としてみんなから認められるような存在になって欲しいと思うので、そのためには、個人の意見ですよ、いろいろなアプローチがあると思うんですけども、本当に大変だと思うんですけど、いろいろなことについて、前回も含めて、やはり1度しっかりご自分の口から説明された方がいいんじゃないかなというのが一貫した考えです。彼女に対するエールのつもりで書いたということです。

 

(記者)

 説明のほかに、(小渕衆議院議員の)事務所のスタッフをきちんとしたらいいというアドバイスをしていましたが・・・

 

(知事)

 あまり具体的なことは言いませんが、全体として言うと、前の事件も古い政治慣習から起こったことじゃないですか。そういう意味で言うと、そういう体質が残っているのであれば、これは全部見直したほうがいいと思いますよ。一応、私も二世議員なんですけれども、父親のことをとても尊敬してやってきましたが、やはり古い体質を変えるためにすごい大変だったんですよ。だけど、その苦しみを乗り越えて、おそらく最もクリーンな事務所になったわけですよ。だから、その政治活動の物差しは、記者さんご存知のとおり、時代によってどんどん変わっていくわけじゃないですか。昔の慣行を見直していかないといけないので、本当に大変だったんですよ、父親の時の体制を変えていく、体質を変えていくのは。本当に苦しかったけれど、それをやり遂げたので、今は「お天道様の下でできないことはやらない」という哲学が浸透しているわけですよね。だからもしそういうもの(古い体質)があるんだとしたら、全部そういうことも一掃したほうがいいんじゃないかなと。これも以前からそういうふうに思っているので、そのことを率直に書かせていただいたということです。

 

●群馬の森 朝鮮人追悼碑について

(記者)

 先ほども質問に出ましたけれども、「群馬の森」の関係です。市民団体の方が、昨日提訴したということで、それについては、訴状をお読みになっていないということで、詳しいことは(コメントを差し控える)ということだったんですけれども、群馬の森に建てられているその追悼碑は、当時の知事や県議会の合意の下で建てられてきたもので、今司法の場で争われていることについてどのようにお考えになっていますでしょうか。そして、日韓関係への影響なんですけれども、この間調べてみましたら、確か2014年の提訴時にあたって、在日韓国大使館の総領事が副知事に対して強制的な撤去は差し控えて欲しいという要望もあったと聞いています。そのようなことも踏まえて、日韓関係に及ぼす影響とお考えをお聞かせください。

 

(知事)

 まずは担当の部長からお話をさせていただき、その後、私がコメントします。

 

(県土整備部長)

 当時確かに建てるときに請願が提出されて、議会でも採択をしたということは存じ上げています。その後、やはりその追悼碑の前で、政治的な発言であったり、そういう活動をしたということで、紛争の道具になってしまったということで、逆にその後、県議会に対して撤去を求める請願が提出されまして、それも採択をしていると承知しています。やはり公園というのは、一般の方が健やかに安心して過ごせる場所ということで考えていますので、そういう政争の具になり得るものということで、司法の場でそれを認めていただいて、公園施設ではないという判断が下っておりますので、県とすれば粛々と撤去に向けて関係機関と調整させていただくことを考えています。

 

(知事)

 今(県土整備部長から)説明があったように、作る時には県議会の了解を得て、設置したということですけれど、いろいろな経緯があって、県議会はむしろ撤去すべきだという意見も強くなっていたという流れがあるんですよね。それからこの問題は、しっかり憲法にある三権分立に則って、しっかり司法の場できちんと議論してきて、最高裁でも結論も出たということなので、そこについては法に基づいて粛々とやらせていただくということです。日韓関係のことを言う方がいるんですけれども、今、(記者さんが)おっしゃった経緯のことはよく分からないんですけれど、特に私のところにこの問題について領事館や大使館からお話もありませんし、この問題が日韓関係に影響するとは思っていません。

 

(記者)

 今の県土整備部長からの答えで、政治的発言が問題の原点になったというご説明がありましたけれども、知事はこの司法の場に持ち込まれていることについては、先方の行動に問題があったとお考えになっているのでしょうか。

 

(知事)

 それは知事になったときに、これまでのいろいろな経緯も拝見させていただいて、今まさに記者さんがおっしゃったような部分がずっと争われてきたわけですよね。県側の主張、それから相手側の主張もよく拝見させていただきましたけれども、これはやはり県側の主張が当然正しいと思っています。ですから、当然最高裁に持っていったわけなので、最高裁からしっかりとした判断をしていただいたなと思っています。

 

(記者)

 一度は合意して建てられた碑について、どのような解決策が良い解決といいますか、想定しているお考えはございますでしょうか。

 

(知事)

 今の質問は少し意味が分からないところがありますが、先ほど申し上げたとおり、この司法の場でしっかりと議論してきたと。経緯も全部拝見させていただいて、これは県としても、しっかり最高裁で判断を仰ぐべきだということでやってまいりましたので、結論が出ましたから、これは最高裁の判断に従って、県として必要な手続きをやっていきたいと思います。

 

(記者)

 やはり撤去しかないというお考えでしょうか・・・

 

(知事)

 県で定めた方針でやっていきたいと。そのような中で、こちらとしては少しご意見を伺う期間を設けましたので、そこは知事の強い意思もあって、時間を少し伸ばしたりしながら、ある意味で言うと交渉してきましたので、そういう努力もした上でこの状況だったならば、この判断に従って当初の方針をしっかりとやっていきたいと思います。

 

●台風19号についての所感

(記者)

 台風19号で県内でも4人が亡くなった日からちょうど今日で4年になるんですけれども、当時は知事に就任されて日も浅かったと思うんですが、4年経った今の心境や受け止めをお聞かせください。

 

(知事)

 台風19号はものすごく印象的な出来事で、知事になってそんなに時間も経たない時にこの台風19号が来て、県庁舎に泊まり込んだんですよね。その時に、その防災の重要性というものについて再認識しました。それからやはりこの時に、前も会見で話したことあると思うんですけれども、明け方の午前4時か5時ぐらいに、宇留賀副知事の故郷の長野県で、千曲川が氾濫したというニュースを聞いて、これは被害が大きくならなければいいなと思ったら、やはり大変な被害総額になって、確か新幹線まで水浸しになっちゃったんですね。だから、やはり水害というのは本当に恐ろしいと言いますか、本当に甚大なダメージを与えるというイメージもあってですね、これを踏まえて、(記者さんも)ご存知だと思うんですけれども、利根川で、国交省のいろいろなデータも踏まえて、危ないところは緊急的に堤防のかさ上げをやったりしましたし、緊急宣言を出して、特に防災、水害対策にしっかり力を入れていくということも宣言いたしましたので、ある意味、防災の重要性というものを認識させてくれた出来事でした。今のところ幸運なことに、これも群馬県の地形によるものかは分かりませんが、あれほどの台風がたまたま来てないと思うんですけれども、やはり(台風19号のような)災害がいつでも来る可能性があるということをしっかり頭に置いた上で、県としても防災対策に力を入れていかなければいけないと思います。

 

(記者)

 知事がおっしゃったように、防災対策に力を入れるというのはもちろんのことだと思うんですけども、やはり災害が少ないということを県のアピールとして、企業誘致やそれに関連した政策も進めていらっしゃると思います。危機感が薄いんじゃないかという指摘があることにはあると思うんですけれども、改めてになりますが、そこについてのお考えはいかがでしょうか。

 

(知事)

 危機感は薄くないです。世の中は何でも起こり得ると思うんですよ。昨今、「これまでに例のない」「いまだかつてない」というような表現もよく天気予報で使われていますし、(統計調査などが)始まって以来の大雨、大雪とか、自然災害は激甚化していると思うんですけれども、科学的なデータによれば、(群馬県は)関東地域では最もその災害が少ない、圧倒的に少ないということは事実なので、それはやはり県の強みの1つとしてアピールするということは理にかなっていると思います。それから同時に、避難計画(避難ビジョン)についても最先端のものを作りましたから、群馬県というのは災害に強い県だということは、もちろん事実として、そういう体制をつくり上げると同時にそれをアピールするということは県にとっては非常に意味のある戦略だと思っています。

知事メッセージ

 それでは最後に県民の皆さまに少しお話をさせていただきたいと思います。報道を見ていたら、今年の9月は今までで最も暑い9月だったというニュースがありましたけれども、ようやくここに来て気温も下がってきて、随分涼しくなったんですけれども、ちょっと急激に寒くなってきている感じがしますので、ぜひ県民の皆さまには体調に気をつけていただきたいと思っています。

 今日の会見は、主に財政状況のお話をさせていただきましたけれども、やはり財政再建の道筋、まだまだ財政再建は道半ばとはいえ、財政状況の目処がついてきたということは本当に大きな意味があるので、改めて県民の皆さまにお伝えしておきたいと思います。今後大きな事業も控えていて、ここからどのように全体の財政を運営していくのかという話もありましたが、利根川新橋は、地域にとっては30年、40年来の悲願だったわけですけれども、こういう新橋を作る事業に踏み出せたのも、この会見で以前に申し上げた小児医療センターの建て替えも大きなお金がかかるんですけれど、これに踏み出すことができたのも、さらに言えば、本当に大勢の県民の皆さんに関わってくる高校生までの医療費無料化、最も手厚い形で実施する判断ができたのも、財政状況の目処が立った、まだまだ道半ばですけれども、この流れができたからなんですね。

 ですから、ここのところは、ぜひ県民の皆さまにもご理解をしていただきたいと思いますし、この4年間の山本県政の中でも、最も大きな実績の1つだと思っています。ぜひ、この財政再建の取り組みについては県民の皆さまにも関心を持っていただきたいと思いますし、県の取り組みを応援していただきたい。このことは改めて申し上げておきたいと思います。

 それから、12月に「湯けむりフォーラム」があります。この湯けむりフォーラムは、本当に群馬県から日本を動かす、世界に影響を与えるような「群馬モデル」を発信する場所として、知事の肝いりでスタートした事業なんですけれども、今年が2回目の開催ということで、さらに前回よりも充実したものにしていきたいと思います。これは招待制なので、県民の皆さまに自由に来ていただくということはできないんですが、主要なコンテンツはしっかりアーカイブとしてネットでも発信いたしますので、これについても1人でも多くの方にご覧いただければと思います。

 ということで今日も最後まで記者の皆さんにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。これにて会見を終わりたいと思います。

 

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。