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令和5年度第29回定例記者会見要旨(12月14日)

更新日:2023年12月14日 印刷ページ表示

■日時    令和5年12月14日(木曜日)午後2時5分~2時39分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和5年12月14日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:555KB) 

会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.ベトナム首相来県

 3.特定都市河川の指定

 4.ぐんま有機JAS農産物等デジタルマップ

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは定例の会見を始めたいと思います。本日、令和5年第3回の後期定例県議会の日程が終了いたしました。今議会に提出していた11月補正予算をはじめとする各議案に、ほとんどの県議の皆さんに賛成をいただいて、ご議決いただきました。知事として、審議に当たられた県議の方々に改めて感謝を申し上げたいと思います。今日は、会見の内容に入る前に、本日の本会議における討論の中身と私の所感の一部を述べさせていただきたいと思います。

 穂積県議には自民党を代表して、賛成の立場から討論をいただきました。運送事業者、医療・介護・福祉施設への補助などの物価高騰対策、それから次世代交通システム「GunMaaS」のシステム改修など、すべての補正予算案に賛成をいただき、力強い後押しを頂戴しました。県民生活を守る、そして新しい時代を切り開くための予算にご理解をいただいた県議の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。

 共産党の酒井県議は、反対の立場から討論されました。一部の補正予算案や、条例議案、請願に対して反対意見がありましたが、議決をいただいた補正予算は、速やかに執行させていただいて、事業効果を高められるように、これから県庁一丸となって取り組んでまいりたいと思います。

 県議の皆さんからのご意見、ご要望については真摯に受け止め、引き続き緊張感を持って県政運営に当たってまいりたいと思います。何度も申し上げていますが、知事と県議会は、地方自治における二元代表制の両輪、両翼です。これまでと同様、県議会との信頼関係を常に重視をし、丁寧に議会に対しては対応していきたいと考えています。

 それでは、会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。本日は「ベトナム首相来県」「特定都市河川の指定」「ぐんま有機JAS農産物等デジタルマップ」等について発表させていただきます。

 

2.ベトナム首相来県

 まずは「ベトナム首相の来県」です。以前の記者会見でもお伝えしましたが、群馬県とベトナムの関係をより深いものにし、群馬県の発展につなげていくことを目的として、私が知事として10月にベトナムを訪問いたしました。その中で、ファム・ミン・チン首相と会談を行うことができました。チン首相から「来日の際はぜひ、群馬県を訪れたい」ということで来県については前向きな言葉をいただいておりました。そして、この度、チン首相が「日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議」への参加に合わせて、群馬県にお越しいただくことになりました。明日12月15日の金曜日に、ベトナムのファム・ミン・チン首相が群馬県を訪問します。首相にはベトナム政府の複数の国務大臣、それからヒエウ駐日ベトナム大使を含む訪問団が同行しており、総勢約50名の訪問となります。今回の来県では、チン首相にベトナム人が活躍している群馬県内の企業を視察いただくほか、県庁で知事とも会談を行わせていただきます。また、訪問団には先日のベトナム訪問で訪れたハナム省の行政トップであるチョン・コック・フィー人民委員長も同行されています。

 今回はチン首相に立ち会っていただいて、群馬県とハナム省の発展、経済交流等に関するMOU、基本合意書を締結する予定です。加えて、ベトナムへの投資を考えている群馬県の主要企業の経営者幹部とチン首相による意見交換会も開催したいと思います。今回は、知事のベトナム訪問時に同行できなかった企業も含めて、群馬県内の企業がチン首相に直接、ベトナムでの事業展望をプレゼンするほか、ベトナム政府への要望も伝えたいと思っています。

 再三申し上げているとおり、ベトナムは県内企業にとっての生産拠点として、そしてマーケットとしても非常に魅力的な投資先となっています。今回、チン首相が、群馬県を訪問先に選んでくださったということは、群馬県にとって非常に重要な出来事だととらえています。「日ASEAN特別首脳会議」に参加される、こうした要人がわざわざ忙しい日程の合間を縫って、群馬県まで足を運んでいただけるということです。群馬が進めてきたベトナムとの関係構築の取り組みがまた1つ、こうして大きな成果として現れたと考えています。そして、チン首相はじめ、訪問団の皆さんが、より群馬県に親しみを持っていただけるよう、精一杯ベトナム訪問団の皆さんを歓迎したいと考えています。県民の皆さまにも、ベトナムからの訪問団への歓迎について、ぜひご協力を賜りたいと思います。当日の様子は改めてお伝えさせていただく予定です。

 なお、明日の15日から16日にかけては、県庁最大のイベントである「湯けむりフォーラム」を草津温泉で開催いたします。今回の首相来県に伴い、1日目の一部のプログラムに知事がリアルで参加することができなくなってしまいますが、参加者の皆さまには、ぜひその点ご理解をいただきたいと思います。今週末は、群馬県にとって、大変大きなイベントが重なることになりました。ブログには「2正面作戦」と書いたんですけれども、なかなかぴったり日程が重なるということはないと思っていたんですけれども、見事にばっちり重なってしまいまして、今県庁内の関係部局がフル稼働で準備を行っているところです。群馬県としては、両方成功させなければいけませんので、どっちもしっかり成果を上げられるように、県庁一丸となって全力で取り組んでいきたいと思います。

 もう一度申し上げますが、ベトナムの首相が、わざわざ群馬県まで来県される、一国の首相が来県するのはもちろん初めてだと思います。ぜひ県民の皆さまにご理解をいただきたいのは、知事としてベトナムに行って首相にお目にかかり、次回来る時にはぜひ群馬県に来て欲しいと申し上げて、今度首相が来日されて、群馬県に来ると、これは、普通ないことだと思っています。私は「群馬モデル」の1つとして、独自の地域外交という形を作りたいと言っていたことが、ある意味形になってきたと。首脳会談、つまりシャトル外交的なことがここで行われているということは、本当に今までにないことなので、この点は、ぜひメディアの皆さんにもご注目をいただきたいと思います。知事が、ベトナムの首脳としっかりとした関係を構築するということの重要性については、もう再三申し上げておりますので、記者の皆さんにもご理解をいただけると思っています。

 

3.特定都市河川の指定

 続いて、「特定都市河川の指定」について申し上げます。群馬県では、県の総合計画において「災害レジリエンスNo.1」の実現を掲げ、ハードとソフトが一体となった防災・減災対策を進めています。特に、気候変動の影響によって近年頻発化・激甚化する水害に対応するため、河川整備にも力を入れています。そして、この水害対策として新たな取り組みを行うことになりました。今日発表したいと思います。スライドをご覧ください。

 明日の15日の金曜日から、太田市、大泉町、千代田町を流れる休泊川、それから新谷田川、新谷田川放水路を特定都市河川及び特定都市河川流域に指定いたします。特定都市河川の指定は群馬県内で初めてのことになります。

 特定都市河川の指定というのは、都市化などの影響によって、河川整備だけではなかなか浸水被害対策が困難な河川を、法に基づいて国交大臣や都道府県知事が指定するという制度になっています。指定された河川の流域内においては、浸水被害軽減のための規制がかかるようになります。例えば、流域内の1千平米以上の土地に対して舗装を行うなど、雨水の浸透を阻害する開発行為を行う場合は知事の許可が必要ということになります。加えて、雨水浸透ますや調整池の整備など、雨水の流出抑制対策が義務化されるということになります。指定の範囲や許可申請の手続きなどの詳細は、このスライド記載のQRコードから群馬県の公式ホームページをご確認いただきたいと思います。

 今回、特定都市河川に指定する休泊川流域は、令和元年の台風19号で床上浸水16軒、床下浸水64軒など、大規模な震災被害が発生いたしました。こうした被害を受けて、群馬県では、これまで河川の幅を広げるなどの河川改修を行ってきたところです。群馬県では、今回の指定を契機に、新たに休泊川流域の水害対策について議論する協議会も立ち上げます。この協議会には県だけではなくて、国や市町、学識経験者などが参加をする予定になっています。こうした協議会で議論を行うことで、流域内のあらゆる関係者が、協働して水害対策に取り組む「流域治水」がより一層進むことになります。群馬県としては、今後も特定都市河川の指定をはじめ、「災害に強いまちづくり」というものを推進してまいります。

 

4.ぐんま有機JAS農産物等デジタルマップ

 続いて、「ぐんま有機JAS農産物等デジタルマップ」についてご報告をいたします。群馬県では、環境にやさしく持続可能な農業の実現に向けて有機農業を推進しています。しかしながら、現状では有機農産物が実際にどこで販売されているのか、どこで有機農産物を使った食事ができるのか、こうしたことは、あまり県民の皆さんに知られてないと考えています。そこで、群馬県産の有機農産物を取り扱う販売店や飲食店を掲載した「ぐんま有機JAS農産物等デジタルマップ」を作成いたしました。

 現在、マップには県産有機農産物を取り扱う販売店46店舗、飲食店14店舗が掲載されております。マップからはそれぞれの店舗の店舗名、所在地、営業時間といった情報はもちろんのこと、取り扱っている有機農産物の情報も得ることができます。先週8日金曜日にマップを公開したばかりですが、実は早速県民の方から「デジタルマップを見た、大変ありがたい」という言葉もいただいたところです。

 このマップの作成にあたっては、県職員が農家の方々から出荷先を聞き取ったり、直接飲食店に訪問したりして、マップに掲載する販売店や飲食店の情報を集めました。群馬県の得意技ですが、予算をかけずに県職員の努力で作成したということを申し上げておきたいと思います。今後もマップに掲載する情報は随時更新、充実していく予定です。

 群馬県としては、この取り組みを通じて、有機農産物が広く認知され、消費が拡大することを期待しております。県民の皆さまは、スライド記載のQRコードから、ぜひマップをご活用いただきたいと思います。

 私からは以上です。何か皆さんからご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

●ベトナム首相の来県について

(記者)

 10月に知事がベトナムを訪問されてから、このタイミングでの首相の訪問ということで非常にスピード感のある動きだったかなと思います。知事も先ほど普通はないことだと思うとおっしゃられていましたけれども、現在の率直な受け止めと、ベトナム側にどのようなことを群馬県に対して期待しているとお考えか、お聞かせください。

 

(知事)

 まず訪問の方針というのは、少し前からかなり可能性としては高くなったんですが、なかなか正式に発表できるところまでいかなかったので、今日こうして発表できることを大変嬉しく思っています。ベトナム首相に前回の訪問でお会いした時にも、群馬県の取り組みを非常に評価していただいていましたし、何と言ってもこの会見で申し上げましたけれども、30近い県内の優良企業に同行してもらって、国のレベルからいけば少し規模は小さいかもしれませんが、そこで70億、80億(規模)の投資を決めたと。これは非常にインパクトとしてあったと思うんですよね。なおかつ、まだ(他にも)群馬県にはベトナムに興味のある企業もあるという話をしたら、来年もぜひ来てほしいと首相からのお話があったので、そこの辺りからも群馬県に対する評価というのが感じられました。

 これまで群馬県がベトナムに対して、いろいろな形で働きかけてきたこと、知事の外交もそうですし、あるいはここで活躍しているベトナム国籍の方々に対してもそうですし、いわゆる多文化共創カンパニー認証制度も設けていると。こういうものがしっかりと新首相にも受け継がれて、伝わっているんだなということを強く感じました。先ほど言ったように、こういうことは普通ありません。知事が首相に会って、今度は首相がすぐに来てくれると。これは4年間ずっと描いてやってきた群馬県独自の群馬モデルである地域外交が、ようやく一つの形になってきたかなと思っています。ベトナムが日本に期待するのは、もちろん企業の進出、企業誘致であったり、投資だったりということなんですけれども。我々としてもマーケットとして非常に魅力的になりつつあるベトナムからの投資もしっかり期待しているということを首相に伝えてまいりましたので、今回、投資担当も含めて相当ハイレベルのミッションが来ますから、その中で改めてWin-winの関係を議論できるんじゃないかと。もちろん人材交流も含めて、非常に中身の濃い訪問になるんじゃないかと思っています。

 

(記者)

 こういったスピード訪問が実現した背景には、両者の信頼関係が非常に固いものがあるかなと思うんですけれども、こういった時に山本知事の方から、直接腹を割ってではないですけれども、本心として直接伝えたいこと、予定していることなどがあれば教えていただけますでしょうか。

 

(知事)

 それはもう首相に会った時にも、計画投資大臣に会った時にも申し上げましたが、群馬県の企業がベトナムへの投資をまず決めて、なおかつこれから投資をしたいというところもあるわけなので、やはり群馬県の企業が進出した時にしっかりとした環境を整えていただきたいということなんですよね。国柄によっていろいろあると思うんですけれども、ベトナムの今の体制を考えれば、例えば何か制度が変わったりとか、法律が変わったりとかしたときには、普通はやはり政府を通じて申し入れたりしなければ動かないところが、群馬県は知事がベトナムの首脳としっかりと関係を持っているので、直接私の方からいろいろな交渉ができると。ここが最大の強みかなと思っていますので、首相には、とにかくWin-winの関係を作っていきたいということ、もちろんベトナムから、本当に優れた人材にも来ていただかなくてはいけないし、我々もベトナムへの投資を進めていく、特に今回は先ほど言ったように、県内の主要企業の経営者と首相の懇談会も設けますので、そこでも伝えてもらいますが、しっかりとした投資環境を整備してもらうということかなと思っています。

 

(記者)

 まず、チン首相はベトナムでどれくらいの順位の方になるのか、外国の首脳級の方が群馬県にいらっしゃるのはいつ以来になるんでしょうか。

 

(知事)

 知事戦略部長の方から説明をさせていただきます。

 

(知事戦略部長)

 先ほど順位のお話がありましたけれども、そういった意味では第3位の方でございます。ただし、基本的に首相が行政と外交をすべて取り仕切るということで、そういった意味では我々は順位ということではなく、先ほど知事が申し上げたとおり、知事がベトナムを訪問した後、2カ月経たないうちにシャトル外交があったということで、そちらを重視しまして、しっかりと対応していきたいと思います。

 

(宇留賀副知事)

 補足させていただくと、ベトナムはトップ4と言われる、4人の指導者がいらっしゃいます。基本的に、例えば岸田首相がお会いされる時もこのナンバースリーの首相とお会いするということになっておりまして、今回の日本ASEAN友好協力首脳会談にナンバースリーの首相がいらっしゃるというのは、日本のカウンターパートの方が群馬にお越しいただくことになりますので、大変光栄なことだなと思っています。

 

(記者)

 そういう首脳級の方がいらっしゃるのは、いつ以来になりますでしょうか。

 

(知事戦略部長)

 記録上は平成30年5月に、当時の国家主席が群馬県に来たことがございます。ただし、このときは当時の大澤知事と短時間お会いして、その後県内の企業を少し視察して、すぐに帰られたということなので、今回(の来県は)、レベル感が全く違うものでございますので、本格的な訪問というのは初めてという形で、首相(の来県)は初めてということで、そのような対応をさせていただいております。

 

(記者)

 ハナム省とはMOU(を締結する)ということで、どのような協定を交わすのでしょうか。

 

(知事)

 宇留賀副知事から。

 

(宇留賀副知事)

 また明日取材もしていただければと思いますけれども、基本的には投資を相互にしやすくなる、我々からハナム省に投資する時、また逆にハナム省から群馬県に投資する時、それぞれいろいろな形でサポートしましょうということになっています。このハナム省なんですけれども、現在日本でもHondaが進出していて、ハナム省にとっての直接投資は日本が1番というところで、非常に親日的なエリアになっています。特に彼ら自身は製造業を中心にこれまで発展をしてきたんですけれども、今回の群馬県が結ぶMOUの中では製造業だけではなくて、観光もそうですし、その他のサービス業も含めて全般的な産業を対象としながら、投資促進をしていくMOUになっています。

 

●温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた活動について

(記者)

 温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録について、今年は政府の骨太の方針に温泉・旅館について「日本固有の観光資源・文化資源」といった文言が記載されたり、知事の会として全国調査を進めたりするなど、登録に向けた動きが進んだ1年だったと思います。1年を振り返って、その前進した部分と課題となっている部分について、知事の所感を伺えればと存じます。

 

(知事)

 そうですね、前進した部分という最初の質問(についての回答)なんですけれども、これは、そもそもこの運動のファウンダーは群馬県議会だと思うんですよね。そこにいろいろと温泉協会の方々などが加わって、何とか温泉文化をユネスコの無形文化遺産に登録できないかという、取組が始まったんですが、正直に言うと、私が知事になって、この運動の先頭に立つまでは1ミリも動いていませんでした。これは関係大臣に会ってみて、分かったんですけれど、可能性ゼロみたいな感じだったんですよ。そこから、いろいろな方々のご協力を得て、群馬県だけでやったわけではないので、もちろん石川県の馳知事、それから知事の会の会長を引き受けていただいた熊本県の蒲島知事、それから全国知事会の前会長である鳥取県の平井知事、そういう方々のご協力をいただきながら、知事の会も36道県がメンバーになってくれて、まず、その知事の会をしっかりと立ち上げ、それから自民党と公明党を中核とする120人を超える議員連盟を立ち上げたということで、これまでに比べれば、大いに実現に向けた体制を作れたと思っています。それから、これは皆さんご存知だと思うんですけれど、やはり骨太の方針に入れるということはものすごく大変なことなので、ここに入ることによって、この運動をしっかりと将来も続けていくという道筋を作るということだったので、(骨太の方針の)本文に「温泉文化」という言葉では入らなかったですが、温泉を文化資源として磨き上げていくという文言が入ったというのはとても画期的だと思っています。ここまでは本当に皆さんのご協力を得て、かなり頑張ってきたなと思いますし、全国推進協議会には、今までいろいろ慎重だった旅館業界も相当本気で協力をしてくれていますし、ホテル関係、観光関係も幅広くいろいろな企業に入っていただいて、この間もJR東日本とJTBの社長に会ってトップセールスをしてきましたし、いわゆる温泉アドバイザリーボードみたいなものも作りましたし、体制はかなり良くなってきていると思います。

 課題としては、もう何度も言っているように、温泉文化の何が文化に当たるのかということをしっかりとまず決めなくてはいけないということで、技や担い手を特定すると。文化財として位置付けるためにはこれが必要なわけですよね。ということで、今悉皆調査を始めているところなので、これを全国的にも一生懸命展開して、しっかりいろいろな材料を集めているというところです。もう1回言いますけれど、どのように文化的な保護措置を作っていくかということと、国内での機運醸成ですよね。やはり2020年フィンランドがサウナの無形文化遺産登録に成功しましたよね。これは、本当に国民運動として盛り上がっているので、この点では、さらにこのユネスコ無形文化遺産登録の推進というものをもっと広げていくという必要があると思います。これも何度も言っているように、結構人気があって、先行しているライバルが、ウェイティングサークルにいるわけですよね。だから、現時点でも、非常にハードルが高い挑戦であるということはあると思うんですが、我々としては最短の登録を目指して頑張っていきたいと思っています。最初から、このぐらいでいいみたいに思ったら問題は進まないので、全力で、できる限り早く実現ができるように、あらゆる手段を講じて、時には柔軟にこの問題に対応していきたいと思いますし、私自身はある程度時間がかかっても必ず(ユネスコ無形文化遺産に登録)できると確信しています。

 

(記者)

 加えて、来年に向けてどのような取り組みをしていくのかというのを伺えればと思います。登録に向けたスケジュールについては伺おうと思いましたが、それは今おっしゃられたところかと思います。

 

(知事)

 来年に向けての取り組みは、今、悉皆調査とかやっているんですが。担当部から。

 

(温泉文化推進主監)

 来年度に向けての取り組みについては、先ほど知事の方から申し上げましたとおり悉皆調査を行いまして、さらにその悉皆調査をベースに深掘り調査、実地調査等もしまして、温泉文化の技、担い手、そういったところをしっかりと定義付けができればと考えております。それと合わせまして、機運醸成ということで、引き続き関係団体とともに、主に全国推進協議会の方がメインになってくると思いますが、そちらの方の支援をしっかりとして国民的な動きにしていければと考えております。

 

●ベトナム首相の来県について

(知事)

 先ほどベトナムの話があって、宇留賀さんの方からも説明があったんですが、ベトナム首相が来てくれるということにとても意味があると思っています。宇留賀さんが言ったように、ベトナムは4人のトップがいるわけですよね。序列からいくと、1番は共産党のトップの方、2番が国家主席、3番が首相、4番目が国会議長なんですよね。

 前の国家主席はフックさんだったんですよね。フック国家主席は安倍元総理と非常に親しかった。フック国家主席が首相の時に何度か来日して、安倍元総理がいろいろな会議や首脳会談として会うのは、フック首相でした。本当に外交の顔を担当しているのは首相なんです。フック首相が国家主席になってから何度もお目にかかりましたが、もちろん国家主席に会って、いろいろなサポートしていただいたんですけれども。今回(10月の知事のベトナム訪問)は、まさにベトナムの外交の顔である首相に会ったことがものすごく意味があって、なおかつその首相が群馬県に来るという意味でいうと、これがまさに地域外交の目指すべき姿だと思っていることは付け加えたいと思います。

 

●安倍派の政治資金パーティーの裏金問題について

(記者)

 中央政界の話で、安倍派のパーティーの裏金問題をめぐって、松野官房長官が辞任するなど政界がかなり混乱しています。先週に続いて、知事の受け止めと岸田首相に期待したいことについて伺えればと思います。

 

(知事)

 前回も記者さんからこの質問があったという記憶があるんですけれども、政府の方が少しガタガタしているので心配しています。あまり個別の人事について申し上げるつもりはないんですが、何度も言っているように、県としてはやはり中央の政治が安定しているというのはとても大事なんですね。群馬県は、政府ともいろいろ連携してやってきたこともあるので、ぜひ1日も早くしっかりと説明をして、国民の皆さんの信頼を回復させていただきたいと思うし、政治の安定を取り戻してほしいなと思っています。

 それからこの問題がまだ広がりを見せていることについて、前回も言いましたが、私自身はキックバックをもらったことはありません。でも、もう1回言いますけれど、やはり国会議員として24年間いて、この仕組みの中で生きてきて、そこで異論を唱えたりしたこともないので、何ができたかというのはあるかもしれませんが、だから国会議員を辞めた方々がいろいろなことを言っていますけれども、私はとても他人事だとは思っていないので。国会議員をこれまで務めてきた与党の者として、あるいは今、知事として群馬県の政治に携わってるものとしては、これは本当に他人事ではないと思っていますし、改めて透明な政治というものをしっかり進めていかなければいけないという決意を新たにしています。これを機会に、さらに政治家として襟を正していかなければいけないかなというのが私の率直な感想です。

知事メッセージ

 今日も記者の皆さんに大勢集まっていただいたんですが、最後に知事から直接カメラの前の県民の皆さんにお話をさせていただければと思っています。今日申し上げましたが、明日ベトナムの首相が来県されます。こういう形で、一国の首相が群馬県に来るというのは初めてのことです。同時に、群馬県にとっては最大のイベントともいえる1年に1回の草津温泉における「湯けむりフォーラム」。これは、実質的にコロナのことを考えると、リアルで開くのは2回目ということなんですけれども、群馬県として最大のイベントとして、全力で準備を進めていたんですけれども、これが見事に重なってしまいました。これは、もう盆と正月と美空ひばりショーが一緒に来たみたいな、すごく古い言い方かもしれませんが、結構大変なことになっているんですが、どちらも群馬県にとってはとても大事なことなので、今、県庁職員が全力で2つとも成功させようと頑張っておりますので、ぜひ県民の皆さまにも、今群馬県がこういう状況にあって、しっかりと地域外交の面でも、あるいは群馬県の存在を高めるというフォーラムにおいても成功させようと頑張っていることをご理解いただいて、応援していただきたいなと思っております。

 おそらく今日の夜から金・土、おそらくこの1年で最も忙しい、最もチャレンジングな3日間になりますが、全力で頑張りたいと思います。2つとも群馬県の発展に繋がるよう、県庁職員と力を合わせて成功に導きたいと思っております。もう1回言いますが、ぜひ皆さん、県の取り組みを応援していただきたいと思います。

 はい、ということで、今日も記者の皆さんには大勢最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。毎回申し上げていますが、この記者会見には真剣勝負で臨んでおりますので、引き続き緊張感を持って様々な発信をさせていただきたいと思います。これをもって今日の定例会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。