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令和5年度第30回定例記者会見要旨(12月21日)

更新日:2023年12月21日 印刷ページ表示

■日時    令和5年12月21日(木曜日)午後2時4分~2時49分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和5年12月21日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:7.4MB) 

会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.ベトナム首相来県と湯けむりフォーラムの報告

 3.群馬県PR番組の配信

 4.ぐんまちゃんお誕生日会2024

 5.2023年の振り返り

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは、定例の会見を始めたいと思います。早いもので定例会見としては今年最後ということになります。後ほど、この1年の振り返りをさせていただきますが、今年も本当にいろいろなことがありました。記者の皆さまには、本当にお世話になりました。このことに対して、冒頭まずお礼を申し上げたいと思います。

 先週の後半から県庁は大変慌ただしかったわけですが、昨日の20日に何とか時間を作って上京してまいりました。今回は9月の内閣改造で初入閣した木原稔防衛大臣にお会いをしてまいりました。ブログにも書いたので読んでいただいている記者の方もおられるかもしれませんが、初入閣後、実はすぐ木原大臣に会いたかったんですけれども、なかなか予定が合わずにこのタイミングでの面会となってしまいました。これまで、台風や豚熱、林野火災などに対して、自衛隊には群馬県として本当にお世話になっています。今回、まず木原大臣にそのことについてお礼を伝えてまいりました。加えて、群馬県が進める核シェルター群馬モデルに向けた取り組みについても協力を要請してきました。

 現在、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、国政が本当に揺らいでいる状態です。群馬県としては、皆さんご存知のとおり、これまで政府としっかり信頼関係を構築してきました。これからも政府と連携してやらなければいけないことが多くあります。従って、今回の件がとにかく早期に収束をして、安定的に国政が運営されることを願っております。

 それでは、会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。「ベトナム首相来県と湯けむりフォーラムの報告」「群馬県のPR番組『つまずいて、群馬。』」、それから「2023年の振り返り」、こんな流れで今日は会見を進めていきたいと思います。

 

2.ベトナム首相来県と湯けむりフォーラムの報告

 まずは、「ベトナム首相来県と湯けむりフォーラムの報告」です。先週は、群馬県にとって非常に重要なイベントが同時期に2件ありました。まず、「ベトナム首相来県」についてご報告をします。スライドをご覧ください。

 先週15日の金曜日に、ベトナムのファム・ミン・チン首相が来県されました。2名の国務大臣やヒエウ駐日ベトナム大使を含む総勢約50名に及ぶベトナムの訪問団も同行をしていました。群馬県庁では、群馬県職員と県内に住むベトナム人の皆さま、一緒になって盛大にお迎えをさせていただきました。

 その後、チン首相と会談を行いました。私からは、群馬県がこれまでベトナムとの関係を重視してきたこと、そして今後は相互投資の促進などによって、この関係性をさらに深めていきたいということを伝えました。チン首相からは、「交流をさらに強化して、力を合わせて双方の発展につなげていきましょう」と、こんな力強い言葉も頂戴いたしました。

 会談の後は、チン首相立ち会いのもとで、群馬県と10月に訪問したハナム省との間で、経済交流等に関する基本合意書、MOUを締結いたしました。ここにも首相に同席していただきました。これによって、両地域の経済交流などを進めていく環境は整ったと言っていいと思います。

 続いて、群馬県にゆかりがある、日本を代表する企業9社の経営者や幹部の皆さんにお集まりいただいて、チン首相との意見交換会を開催させていただきました。各企業からそれぞれの強みとか、ベトナムへの投資計画などを首相の前でアピールしていただきました。チン首相は、各社からの投資を歓迎し、群馬県の企業が進出した際には、「関係省庁でしっかりサポートしていきたい」と、前向きな発言がありました。そして、首相の方から「来年はさらに多くの企業を連れて、ぜひベトナムを訪問して欲しい」と、こんな言葉もいただいています。

 県庁での行事の後は、臨江閣で県主催の夕食会を開催いたしました。夕食会では群馬県産の食材を使ってベトナムの食文化を取り入れた創作料理を提供させていただきました。そして、チン首相のお誕生日が近かったので、サプライズでお祝いをさせていただきました。担当部局のアイデアによって私が歌まで歌いました、アコギで。もう大体こういうのが来るんじゃないかと思ったんですが、でも、これもすごく首相には喜んでいただきました。ベトナム側全体に本当に喜んでいただきました。大変にぎやかな夕食会でした。群馬県としては最高のおもてなしができたと、他の都道府県にはないおもてなしができたと思っています。首相からも、県職員による最初の県庁前でのお出迎えから夕食会まで、群馬県の温かい歓迎について繰り返し感謝の言葉をいただきました。

 このほかにも、チン首相はベトナム人が数多く活躍している甘楽町の株式会社柴田合成を視察されました。これは私が県庁で出迎える前だったんですけれど、宇留賀副知事に同行していただきました。

 皆さんご存知だと思いますが、10月に私がベトナムを訪問した際に、チン首相と会談をして、ぜひ群馬に来て欲しいと、日本に来るときは群馬に足を伸ばしてくださいとお伝えをいたしましたが、今回、早速このことが実現をしたということになります。これは、ベトナムが群馬県との関係を重視していることの表れだと思いますし、群馬県が進めてきた独自の地域外交の成果だととらえています。何度も申し上げていますけれども、やはり知事が一国の首相に会って、それを受けて首相がこちらに来ると、こういうシャトル外交みたいなことはほとんど今まで例がないと思っています。言うまでもなく、ベトナムは県内企業にとって生産拠点とか、マーケットとして魅力的な投資先です。群馬県としては今後も引き続きベトナムとの協力関係を強化して、県内経済の発展につなげていきたいと考えております。

 次に、「湯けむりフォーラム」についてもご報告したいと思います。スライドをご覧ください。12月15日の金曜日と16日の土曜日の2日間、草津温泉にて群馬県庁最大のイベントである「湯けむりフォーラム2023」を開催いたしました。今回は、楽天・三木谷会長とのオンライン対談を実施したほか、河野デジタル担当大臣とのリアルでの対談も実現いたしました。

 まず、15日の三木谷会長との対談では、「新AI時代を切り開く地域の未来」をテーマに、官民協働や税制改正、再生可能エネルギーなどについて熱い議論を交わしました。三木谷会長からは、現在の中央集権的な行政体制を修正して、各地域が競争するという枠組みに変えなければいけないんじゃないかという問題提起がありました。具体的には、例えば各県がアメリカの州みたいな権限や柔軟性を持つべきではないかと。そうやって、各県が企業の立地環境や規制改革について独自の制度を作れるようにすると、これが大事なんじゃないかという提案がありました。また、日本のようなゼロリスクを追求する社会では、新しいイノベーションが生まれにくいという指摘もございました。

 さらに、16日の河野デジタル担当大臣との対談では、「デジタルの力で群馬、そして日本を前に進める」というテーマで様々な角度から議論をさせていただきました。特に、「群馬県が描く未来の公共交通の姿」についての議論はとても心に残っています。河野大臣からは、未来の公共交通の姿として、自動運転やライドシェアなど、新たなイノベーションの必要性について大変有益なご示唆をいただいたと思っています。加えて群馬県が進めている「GunMaaS」への期待も寄せていただきました。

 このほかにも、今年の湯けむりフォーラムはグローバルな視点から議論を展開するセッションを多数盛り込みました。昨年に比べて、より国際的なカンファレンスへと進化したと言っていいと思います。例えば、「温泉文化フォーラム」では、フィンランドのサウナ協会のリトバ副会長をゲストにお招きし、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた議論をしました。加えて、昨年に続きReHacQとのコラボでひろゆきさんとのトークセッションもありました。このセッションも相当大勢の皆さんに見ていただきました。各セッションとも素晴らしい登壇者の方々に来ていただき、非常に充実した内容のフォーラムになったと、それぞれ担当部局から報告を受けて、そのことを感じました。私自身にとっても、非常に充実した、わくわくするような2日間だったと申し上げておきます。湯けむりフォーラムの概要は以上です。

 当日の内容は、後日公式サイトでアーカイブ配信いたします。準備が整い次第改めてお知らせしますので、ぜひ多くの皆さんに、湯けむりフォーラムに参加できなかった方々にもご視聴いただきたいなと考えています。

 このフォーラムの最大の特徴は、フォーラムで行われた議論やここで生まれたアイデアを実際にしっかりと政策に反映していくことです。私は、この湯けむりフォーラムを他の地域のありふれたカンファレンスイベントみたいに、議論とかアイデアを出して終わりみたいにはしたくないと、そうしてしまっては意味がないと思っています。ここで出たアイデアを実現していくところに湯けむりフォーラム最大の特徴があると考えています。そして、群馬モデルとして最先端の地方行政を群馬県で展開する、さらにはそれを発信することで群馬から日本や世界を変えていくと、そういう思いでこのフォーラムを毎年進化させていきたいと思います。今回、参加していただいた記者の方もおられますけども、ぜひ多くの皆さんに注目をしていただいて、来年もメディアの皆さんには、この湯けむりフォーラムに実際に来て、体験していただきたいと思っています。

 以上、ベトナム首相の来県と湯けむりフォーラムについてご報告をさせていただきました。群馬県にとって重要なイベントが2つ重なったということで、この1年でいうと最大のハイライト、最も忙しい2日間だったんですけれども、どちらも非常に成功したと言っていいと思っています。両イベントに携わった多くの関係者の皆さまに、知事として改めて心からの感謝を申し上げたいと思います。

 

3.群馬県PR番組の配信

 続いて、「群馬県PR番組『つまずいて、群馬。』」についてです。群馬県では、県の魅力をより多くの方に、より効率的に発信していくため、テレビ、Web、雑誌など多様な媒体を組み合わせた戦略的な広報を進めています。先日の記者会見で発表した、群馬県出身Vtuber大神ミオさんとコラボした一連のPR動画は、現時点で再生回数30万回を超えました。大神さんのファンを中心とした多くの方に群馬の魅力を発信することができたと考えています。そして、このたび新たな旅番組を制作し、群馬県のPRを行うことにしましたのでお知らせします。スライドをご覧ください。

 「つまずいて、群馬。」です。群馬県では元AKB48メンバーで、歌手で起業家の板野友美さんと、雑誌「VIVI」の専属モデルである藤井サチさん、この2人が出演する観光PR番組を配信することといたしました。番組名は「つまずいて、群馬。」です。番組では様々なつまずきを経験しながら、東京で慌ただしい毎日を過ごす2人が草津温泉での癒し旅を通じて、日々の疲れを癒やしていく姿を描いています。特に若い女性をターゲットに「リトリートの聖地」を目指す群馬県をアピールしたいと、こういう中身になっています。草津温泉の様々な癒しスポットめぐりを通じて、この2人の心境にどんな変化が起こるのか、ぜひ皆さまにはこの番組をお楽しみいただきたいと思っています。

 番組配信の詳細についてですが、来週30日土曜日午後8時から3回に分けて、県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」で配信いたします。加えて、本編の公開に先立ち、今週24日日曜日の午前10時から30分間、BSフジでダイジェスト版を放送いたします。ダイジェスト版については、番組配信サービス「TVer」でも放送終了から2週間、見逃し配信を行います。

 今回の番組を通じて、群馬県が持つ「癒やし」の力を改めて実感いただけるのではないかと思います。忙しい毎日をお過ごしの皆さん、ぜひ番組をご覧いただき、群馬に足を運んでいただきたいと思っています。

 

4.ぐんまちゃんお誕生日会2024

 続いて、「ぐんまちゃんお誕生日会2024」の開催について発表します。ぐんまちゃんは来年2月22日で活動30周年を迎えます。ぐんまちゃん30周年をお祝いするため、昨年よりもスケールアップしてお誕生日会を開催することにしましたのでお知らせいたします。スライドどうぞ。

 お誕生日会は、ぐんまちゃんの誕生日当日である2月22日木曜日18時から、昌賢学園まえばしホールで開催いたします。昨年度は群馬会館で開催しましたが、今年度は30周年の節目ということもあって、過去最大規模の大きな会場で開催をさせていただくことになりました。お誕生日会にはアニメ「ぐんまちゃん」のメインキャストの高橋花林さん、内田彩さん、小倉唯さんが出演してトークを行います。また、彦根市のひこにゃんや千葉県のチーバくん、こうした人気ご当地キャラもお祝いに来てくれることになっています。ほかにも、子ども向けの童謡、手遊び歌などの披露も予定をしています。

 お誕生日会の現地観覧者の募集は今日から開始しています。参加費は中学生以上が1000円、小学生以下が500円です。また、会場の2階小ホールでは、出演キャラクターによるPRステージやアニメ放送を行います。こちらは入場無料でどなたにもご参加をいただけます。詳しくは、このスライド記載のQRコードからお誕生日会の特設サイトでご確認ください。

 お誕生日会に関連して、実はさらにお知らせがあります。次のスライドどうぞ。この度、ぐんまちゃんのダンス曲「ミンナノグンマ」のリメイクが決定いたしました。2013年2月にリリースしてから、リメイクは今回が初めてになります。新タイトルは「ミンナノグンマCHANCE!(チャンス)」です。今週23日の土曜日に曲の配信を開始し、県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」でミュージックビデオも公開をさせていただきます。ぐんまちゃんの誕生日会では、この新曲を参加者の皆さんと一緒に踊る「1000人で踊るミンナノグンマ」を実施いたします。今回のリメイクで原曲よりも歌いやすく、踊りやすいものになっておりますので、皆さんぜひ「ミンナノグンマCHANCE!」をお楽しみいただきたいと思います。

 今回の誕生日会は活動30周年を記念して、小さなお子さんから大人の方まで楽しめるコンテンツをたくさん用意しました。ぜひ多くの皆さまにお越しいただきたいと思います。

 

5.2023年の振り返り

 最後に、本日は今年最後の定例会見となりますので、簡単にこの1年を振り返ってみたいと思います。2023年は物価高騰への対応など、県民生活や事業者の皆さんを支えるための対策に全力を注ぎました。同時に、2023年は約3年に及んだ新型コロナとの闘いを乗り越えた、一区切りつけた、こういう年でもありました。7月には知事として2期目となり、皆さまのおかげで8割の得票率で再選をさせていただき、攻めの4年間のスタートということで、新しい群馬を創るための取り組みもしっかり進めることができた1年だったと思います。内容が盛りだくさんですので、駆け足で振り返りたいと思います。

 今年一番のトピックは何と言ってもやはり「G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合」だと思います。この会合で群馬県が重要な国際会議の開催地となり得ること、そして群馬県がデジタル先進県であることを国内外に示すことができたと考えています。就任当初から掲げてきたデジタルの取り組みの成果がようやく出てきました。G7に続いて、「デジタル田園都市国家構想実現会議」が初の地方開催として群馬県で開催されました。岸田総理とも一緒にお昼を食べる時間がありました。また、日本DX大賞で大賞を受賞したということも知事としてとてもうれしい出来事でした。GunMaaSもサービスが開始され、公共交通の定義そのものを刷新するような新たな取り組みを進めております。

 続いて、地域外交(の内容に)行きたいと思います。韓国、ベトナム、スコットランド、アメリカを訪問いたしました。特に、先ほど申し上げたベトナムのチン首相の来県は、群馬県が取り組んできた、いわゆる自治体独自の地域外交の一つの象徴・成果だと考えております。また、大臣や各国の在日商工会議所、民間企業へのトップセールスも精力的に行いました。

 ぐんまちゃんは今年アニメシーズン2を放送しています。また、アメリカでプロモーションを行ったほか、ぐんまちゃん30周年を記念して開催した「ご当地キャラカーニバル」では92体ものご当地キャラが全国から集まりました。3万人ぐらい(の方に)お越しいただきました。

 若者の声を政策に反映させるため、全国で初めて群馬県の高校生を知事のリバースメンターに任命するということもやらせていただきました。

 先ほどお伝えした「湯けむりフォーラム」は、今年も大勢の方に参加していただいた大きな会議となりました。今後もさらに進化させていきたいと思います。

 防災の観点では、災害派遣用トイレトレーラーを導入しています。また、前橋赤十字病院が首都直下型地震発生時の航空搬送拠点に選定されました。これは我々が防災担当大臣に直訴した、要請をした結果ですけれども、群馬県が進めている「レジリエンスの拠点化」を目指す取り組みを象徴する出来事になったと思っています。

 県庁のリノベーションも大きく進んでいます。アクセンチュア株式会社という世界を代表する企業が県庁30階に入居しました。県民広場も巨大な芝生空間になりました。31階に整備したソーシャルマルシェ&キッチン「GINGHAM」の来場者数が早くも5万人を突破しました。4年経って、ようやく31階、32階が私のイメージした空間となってきたと感じています。

 新しい取り組みを次々行った一方で、財政の健全化の確保にも力を注ぎました。緊急時の財源である財政調整基金は、直近の令和4年度決算では646億円と、27年ぶりの水準に戻っています。物価高騰には機動的な対策を講じました。一方で、窓口でのキャッシュレス支払いの導入など利便性の向上にも努めてまいりました。また、2029年に開催予定の「湯けむり国スポ・全スポぐんま」については、現在急ピッチで準備を進めております。

 今年、県内の移住者と移住相談件数が過去最多なんですよね。これはオンラインなどでの情報発信の成果とともに群馬県の魅力が正しく評価された結果だと考えています。

 温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録の推進では、この活動が認められ、国の「骨太の方針」に位置付けられるという大きな前進もありました。全国初の「群馬パーセントフォーアート」推進条例が制定されたのも今年です。ぐんま推しナンバープレートは、同時期に導入された図柄入りナンバープレートの中では、全国で最多の申込数を記録しています。

 今年は「こどもまんなか推進監」も設置しました。子ども政策にも注力した1年になりました。「ヤングケアラー支援窓口」の開設、それから「ぐんま保育士就職支援センター」の開設、そして、当事者の声に寄り添った「ぐんまリトルベビーハンドブック」の作成を行いました。県民幸福度の向上に重要な要素である健康に関する施策も進めた1年でした。最も大きな出来事は、新型コロナの5類感染症への移行です。その他、県内全域で医療費無料化を高校生世代に拡充しました。これは全国で一番手厚い制度です。犬の嗅覚を活用した医学研究のために、探知犬を目指す2頭の犬の育成も全国で初めて開始いたしました。

 福祉の面では医療的ケア児等支援センター「やっほ」を開所いたしました。障害者の芸術文化活動の拠点となる「こ・ふぁん」もスタートさせました。

 環境森林やグリーンイノベーションの分野でも様々な取り組みが進みました。EVカーシェアリング実証実験「EGシェア」を開始したり、ヤマト運輸株式会社やKDDI株式会社・auリニューアブルエナジー株式会社との連携協定も締結しました。ヤマト運輸株式会社が200から300億、KDDIは全体で1500から2000億円ぐらいの投資を、特にエネルギー分野、再生可能分野で、群馬県に行っていくという協定を結びました。

 農政分野では、私が就任当初から進める、G-アナライズ&PRチームでギンヒカリやブルーベリーの分析結果を発表しました。また、有機栽培に取り組む農業者育成の取り組みも実施いたしました。農政としては家畜防疫対策などもあります。豚熱、鳥インフルの対策を講じるとともに、降ひょう被害を受けた農家への支援も実施いたしました。

 産業経済分野では、設置されればアジア初となるクリエイティブ人材育成施設「TUMOセンター」の導入に向けた取り組みを進めました。リトリートぐんま宿泊プランの販売も開始しました。また、内閣府から衛星データ等を活用した宇宙ビジネス創出を推進する「宇宙ビジネス創出推進自治体」にも実は選定されています。

 県土整備としては、利根川新橋の整備方針を公表しました。この地域の30年来の悲願だったということですけれど、決断をいたしました。加えて、「災害レジリエンスNo.1実現」のために、防災インフラ等の整備も進めてまいりました。また、クリエイティブシティの推進について言うと、前橋駅から県庁までの区間をMaaSなどの新たな移動サービスに対応した街並みとするために、現在、デザインコンペに向けた準備を進めています。

 電力供給の新たな仕組みとして、群馬県が協定を締結した県内事業者に対して、県有の水力発電所で生み出した再エネ電力を使ってもらう「地産地消型PPA群馬モデル」を導入いたしました。

 県立病院に関しては、財政再建の目処が立ったことから、小児医療センター再整備の方針を公表させていただきました。現在、マスタープランの検討を進めています。加えて、県立4病院の決算、2年連続で黒字ということになっています。

 教育としては、日本で唯一OECDの社会情動的スキルに関する調査を、県内の公立私立高校全校で実施いたしました。また、年齢や国籍に関わらず、多様な人々が安心して学べる「群馬県立みらい共創中学校」の開校に向けた準備、フリースクール等に対する支援を実施してまいりました。

 以上、マッハで簡単にこの1年を振り返らせていただきました。他にもこの場では申し上げられないほど、様々な取り組みをやってまいりました。本当にこうやって振り返ってみると、いろいろなことをやってきたなという感じがしています。来年2024年は、新・群馬県総合計画ビジョンに掲げた「誰一人取り残すことなく、全ての県民が幸福を実感できる社会」の実現に向けて、あらゆる分野で群馬モデルを発案、実行、発信してまいります。厳しい時代にあっても、誰もが健康で豊かに暮らせるように、これまでにない新しい発想、そして群馬県から日本を変えていくという攻めの姿勢で、引き続き県政を前進させていきたいと思います。ということで、随分(内容が)ありましたけれど、早口だったので、何とか30分で終えることができました。私からは以上です。皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

●群馬県PR番組「つまずいて、群馬。」について

(記者)

 「つまずいて、群馬。」について1点お伺いしたいんですけれども、こちらは一応1泊2日というところでの紹介だったと思うんですけれども。リトリートということであれば、若干イメージと異なるかなというところもあると思うんですけれども。今回この1泊2日を設定された意図だったり、狙いだったりとかあれば。

 

(知事)

 まずは担当者の方から、そのあと私の方からコメントします。

 

(知事戦略部長)

 この1泊2日なんですけれども、先方のタレントさん側の都合もございまして、こちらの番組の設定上、このような形になっております。この物語全体で、疲れた2人が群馬の草津温泉に来て、そこで癒されて、また立ち直って戻っていくとそういった内容を想定しております。

 

(記者)

 ちなみに、こちらの制作自体はBSフジが制作なのか、それとも県の方が別途制作会社さんに依頼されているのか、また予算規模とかがあれば、教えてください。

 

(知事戦略部長)

 制作につきましては、プロポーザルで株式会社tonariさんに依頼をしております。予算につきましては700万円を上限にプロポーザルをさせていただいております。こちらとしてはメディアミックスということで、様々な媒体でこれをPRしていこうという中で、tsulunosで動画配信をするんですけれども、それだけでなくテレビの方でもしっかりと発信をしていくという中で、この受託業者の方でBSフジさんとの交渉がまとまったということで、BSフジで放送になります。

 

(記者)

 知事はこの番組を通して、リトリートを最近かなり進められていると思いますけれども、どのような効果をさらに期待されていますでしょうか、改めてお聞かせください。

 

(知事)

 やはり今回は若い女性がターゲットなんですけれども、初めて、悩んでいる人たちが群馬県の温泉に行って、癒されていくという過程を描くことで、ずっと癒やし旅みたいなことを言っていたんですけれど、よりビビットに温泉の効果や群馬県でリトリートをやってもらうことの効果をかなり効果的に伝えられるんじゃないかと思うんですよね。大神ミオさんにも(群馬県内を)冒険(という内容)でやってもらったんですけれども、すでに(再生回数は)30万回ですから、やはりメディアミックスすることによって、ものすごく効果が広がるという感覚がありますので、今回のようにYouTubeでやって、同時にテレビでもやるというのは方向性としては正しいんじゃないかと思っています。

 

(記者)

 ちなみに人選の理由はあったりするものですか。

 

(知事)

 これはどうでしょうか。

 

(知事戦略部長)

 人選につきましても、株式会社tonariさんのプロポーザルの企画の中でまとまったものでございます。

 

●今年の振り返り・来年重点的に取り組みたいことについて

(記者)

 今年の振り返りというところで聞かせていただきたいんですけれども、先ほどG7の話もありました。なかなか挙げづらいかもしれませんが、今年1年間を振り返って、知事ご自身が一番印象に残っている出来事を、あえて1つ挙げるとすれば、どういったところが挙げられるんでしょうか。

 

(知事)

 いや、余りにもいろいろなことがあったので、なかなか難しいですよね。でも、記者さんに言っていただいたG7、これは群馬県が初めてこうした国際会議を誘致できたということと、それからこの国際会議を誘致するために宇留賀副知事と組んで、東京のG7全ての大使館を回って、伊香保温泉をアピールしたということを思うと、たった1つ挙げるというのであれば、湯けむりフォーラムもあるし、それからOECDの話もあるし、ベトナム等への出張もものすごく中身が濃かったんですけれど、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合を群馬県に誘致できたということでしょうか。

 

(記者)

 この1年間、自己評価というところであえて点数を付けるのであれば、どのぐらいになりますでしょうか。

 

(知事)

 それ難しいですね。去年は何点だっけ?難しいですね、あまり点数を高く付けて、慢心していると思われてもあれなんだけど。去年は68点なので、78点。ちょっと高すぎるかもしれないけれど、県職員の皆さんの頑張りも入れて。

 

(記者)

 県内には課題が山積していると思うんですけれども、来年、特に重点的に取り組んでいきたいポイントを改めてお聞かせください。

 

(知事)

 次は攻めの4年間ということなので、本格的に「群馬モデル」をどんどん発信していきたいと思いますし、当初予算の中でも強調していく3つの柱ですよね。「県民の幸福度の向上」「新群馬の創造」「群馬モデルの発信」、これらをしっかりやっていきたいと思いますし、OECDとの共同プロジェクトは全国に先駆けた取り組みになるし、それから先ほどちょっと言ったPPAを含めた群馬県の水力発電、これも他にはできない群馬モデルなので、こういうことも着実に前に進めていきたいと思います。

 

(記者)

 先ほど点数の話で78点ということで・・・

 

(知事)

 75点にしておこうか。78点だと偉そうだから、75点。

 

(記者)

 足りなかった25点分はどういうところになりますでしょうか。

 

(知事)

 いやまずね、現状維持は後退ですから。そもそも何か満足していたら進化はないので。あと25点は、それはやっぱり知事自身が欠点だらけですから、いろいろ判断ミスとかもあったと思うので、そこら辺をちょっと引きました。

 県庁職員の頑張りという点ではもっと高い点を上げたいんですけれど、全体でいくと、知事の能力もあってやや押し下げていますけど、75点。次は80点にしたいと思います。

 

●群馬県PR番組「つまずいて、群馬。」について

(記者)

 「つまずいて、群馬。」の話なんですけれども、放送の時間としては、BSフジは30分で、(tsulunosでの)本放送の方はどれくらいになるんでしょうか。

 

(知事)

 どうぞ。

 

(知事戦略部長)

 本放送は、tsulunosでの動画配信なりますけど、30分番組3本という形になります。

 

●温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録について

(記者)

 温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録について伺います。18日の国の文化審議会で、次の候補として「書道」が選ばれました。これを受けて、温泉文化は最短のスケジュールでの実現が難しくなりました。温泉関係者からは「残念だけど、ここから再出発だ」という声も聞こえました。改めまして、今回の文化審議会の決定について、知事の受け止めを伺えればと思います。

 

(知事)

 まずはですね、私たちが目指していた最短での国内候補の選定が実現しなかったということは大変残念だと思っています。でも、もともとウエイティングサークルで書道が先行していたということを考えれば、最初からなかなか最短で行くのは簡単ではないと思っていましたが、当然物事をやるときには最短を目指すべきであって、この最短で行くという目標を掲げたことは間違っていないと思います。

 何度もここで言っていますが、知事になって実際に政府と接触してみて、ほとんど実現の見込みがないという状態でしたから。そこから関係大臣に会い、馳知事達とも協力して、有力な知事の皆さんにリードしていただき、なおかつ議員連盟を作り、全国推進協議会を作り、記者さんも分かっていただいていると思いますが、やはり「骨太の方針」に入れるのはものすごく大変なことなので、温泉文化という言葉は入らなかったんですけれど、温泉とか旅館が文化資源として認められたというのは大きな成果だと。先に続く、ある意味でいうと、道を確保したということなので、これは大きな成果だと思います。

 引き続き、体制は整っているので、何度も言うように、そもそもが難しい挑戦なんですが、1つ1つ乗り越えてですね、頑張っていきたいと思います。次が2026年なので、大体ライバルも具体的に出てきて分かっているので、この辺と競い合いながら、もう1回言いますが、必要なハードルを1つ1つ乗り越えていきたいと。やはり一番よかったのは、全国推進協議会が立ち上がったということなんですけれども、これまで少し躊躇していた旅館・観光の皆さんが本気で立ち上がってくれたということですよね。これは本当に力強いと思うし、こういう方々と力を合わせて、さらにこれを国民運動にしていけるように、観光以外のところにも広げながら、頑張っていきたいと思います。

 最短では実現しなかったんですけれど、県民の皆さんには、この我々の努力をきっと評価していただけると思うし、もう1回言いますが、これは必ずやり遂げようと思っていますので、ぜひ皆さんにも応援していただきたいと思います。

 

(記者)

 次の最短を目指すということでよろしいですか。

 

(知事)

 はい。

 

●県庁周辺のトランジットモール整備について

(記者)

 知事が、2期目の最初の会見でもおっしゃっていたことなんですけれど、県庁周辺をトランジットモール化すると。先日の湯けむりフォーラムでも、河野大臣との間でお話をされていましたが、知事が考えるトランジットモールの姿について、今の段階でお話できるものがあれば教えてください。

 

(知事)

 これは、これから構想を作っていくということなんですけれども、少なくとも、県庁を前橋発展の1つの核にしていくというところからきているので、ここにしっかり人を集めていくと。そこからまた賑わいを広げていくような流れにしていきたいと思いますし、トランジットモールはやっぱりウォーカブル(walkable歩きやすい)で、なおかつ公共交通機関もあるという未来の姿で、韓国のセジョン地域とか、いくつか先進的なモデル、ヨーロッパにもありますけど、我々もそういうのも研究していますから、できるだけいいものを作っていきたいと。細かいことはこれからよく考えたいと思いますけど、構想としては、例えば、将来的には自動運転みたいなものを走らせるとか、そんなこともいろいろ考えながら、よく全体を見てやっていきたいと思います。これはとても重要な構想だと思っています。

 

(記者)

 構想のデザインの策定時期はいつごろを考えていますか。

 

(知事)

 これは県土整備部から。

 

(県土整備部長)

 9月の補正予算で予算を付けていただきまして、今コンペの手続きを進めているところでございます。国道・県道・市道がございますので、国・県・市での実施体制の検討であったり、コンペの募集要領の策定手続きを進めているところでございます。

 年度内、3月末前までにはコンペの公告をして、来年度コンペを仕上げて、できればその後、基本構想という流れに繋げていきたいと思ってございます。

 

(記者)

 年度内ということは年明け頃かなという・・・

 

(県土整備部長)

 そうですね。今、コンペの募集要項の作成をいろいろ詰めていまして、なかなか普通のコンペではなくてかなり大規模になりますので、今、土木学会ともやりとりをしていますので、ちょっと時間がかかっているということで、その辺はちょっとまだ、いつというのがはっきり明示できない状況でございます。

 

●桐生市の生活保護不正支給問題について

(記者)

 桐生市で起きている生活保護の問題でお伺いします。先日、1944本の印鑑の使い回しなども報道されていますが、行政の信頼性等に関わる問題ですので、知事の受け止めをお願いいたします。

 

(知事)

 まず担当から話をして、その後、私がコメントします。

 

(健康福祉課 地域福祉推進室長)

 この関係につきましては、生活保護の受給者の方から、(保護の)開始当時からハンコを預かってそれを無断で使用したり、他の方のハンコを書類に使ってしまったというような話がありました。いずれもあってはならないことと考えています。

 

(記者)

 県も定期監査をなさっていると思いますけれども、これまで見抜けなかったのはどういったところが理由なんでしょうか。

 

(健康福祉課 地域福祉推進室長)

 監査は毎年行っているんですけれども、まず、ハンコが押されているかどうかというところはもちろん確認をさせていただくんですけれども、そのハンコが別の方のハンコであるというところは、なかなか分からない部分かなと思います。

 

(知事)

 そこは想定外のところだったので、どういう状況だったのかは検討したいと思いますが、なかなかそこまでは難しかったと思うんですね。今、話があったとおり、基本的にあってはならないことだと思うんですよね。こういうのは、どこもそうだと思うんですけども、もちろん他人事じゃないし、県も監査する立場なので、やはり我々もしっかりこういうことについては襟を正していかなければいけないと思います。

 桐生市長は非常に真面目な方なので、前回の時も連絡があって、しっかり対応していきたいとおっしゃっていましたが、今回も非常に深刻に受け止めているとおっしゃっていたので、自分もそうだけど、行政にはやはり誤り、こういうことはあるので、その時にしっかりこれを明らかにして、認めて、謝罪すべきことは謝罪して、いかに改善していくかということが大事だというので、ぜひ頑張って欲しいということは申し上げておきました。

 これから、この事案については我々も研究して、なかなかちょっと想定外の話なのであれなんですけれども、どんなことができるのかということは考えたいと思います。

知事メッセージ

 それでは最後に、県民の皆さんに知事から少しお話させていただきたいと思います。

 あっという間に12月の下旬になって、今日が今年最後の記者会見になりました。今回も会見を見ていただいてる方がおられると思います。前回、大神ミオさんに出ていただいた会見は(視聴回数が)3万回か4万回になったんですけれども、ここは本当にメディアの皆さんと真剣勝負の場所なので、何度も言いますが、記者の皆さんの後ろには県民がいる、国民がいると思って対応してまいりました。もっともっと大勢の皆さんにこの会見を見ていただけるように、いろいろと来年も工夫していきたいと思いますが、1年の振り返りを見ていただいて、今、群馬県で本当にいろんなことが起こっていることを、改めて県民の皆さんにも感じていただけたと思っています。

 私が知る限りこの1、2年で、群馬県の露出度は3倍とか4倍になっていますよね。東京の某大手メディアのプロデューサーからも電話が来てですね、ここのところ群馬を取り上る番組が多いと、ニュースも多いと聞いていますし、ウェブ上でも群馬県の存在感がかなり上がっています。今、群馬県、非常に元気で注目されています。そうでなければOECDも声をかけてこないし、そうでなければベトナムの首相も来ないということで、何度も言っていますが、群馬県にはそれだけの魅力と潜在力があるということで、ぜひですね、県民の皆さんと力を合わせて、県民の皆さんがもっともっと群馬県民であることを誇りに思えるような、そういう群馬県を目指して来年も頑張っていきたいと思っています。

 年の瀬で、何かざわざわしている感じで、でもちょっと華やかな雰囲気でいいなと感じているんですが、急に寒くなっていますので、ぜひお体に気を付けてですね、いい年末、そして素晴らしい新年を迎えていただければと思います。

 今年の会見はこれにて終わりたいと思います。記者の皆さんには、今回も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。来年もですね、この会見には県としてしっかりと真摯に真剣に対応してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。今年もお世話なりました。来年もぜひよろしくお願いします。これにて会見を終わりたいと思います。

 

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。