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令和5年度第33回定例記者会見要旨(1月18日)

更新日:2024年1月18日 印刷ページ表示

■日時    令和6年1月18日(木曜日)午後2時5分~2時40分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等15人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和6年1月18日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:742KB)


会見項目

■知事冒頭発言

1.はじめに

2.知事による県産農畜産物のライブショッピング

3.ぐんま多文化共創シンポジウム

4.「ぐんまアニソン選手権」の出場者募集

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは定例の会見を始めたいと思います。元日に能登半島地震が発生してから、既に2週間以上が経過しています。ここ数日は特に寒さも厳しくて、被災地では降雪などもあり、被災された方々が大変な生活を強いられていると感じます。こうした中で、未だ多くの方が体育館などで避難生活を送っているということで、大変胸を痛めております。

 現在被災地では、被災された方々をより環境の整った場所に避難させる「2次避難」が急ピッチで進められていると報道されています。こうした状況を受け群馬県では、先週の記者会見で発表した「県営住宅の提供」に加え、新たに「宿泊施設」を提供することといたしました。本日時点で県内各地の旅館やホテル73施設396室で、計1161名分を用意させていただきました。これらの宿泊施設は原則1日3食を提供し、被災者の負担なくご利用いただくことが可能です。被災地から要請があれば早急に避難者の方々を受け入れられるように準備を進めています。

 (フリップを掲げ)ご覧のとおり、県では、被災した建物に急な倒壊の可能性がないか調査する建築技師、それから、被災者の健康管理を行う保健師を今派遣しております。建築士については、実際にその建物に居住してる方や通行人の安全確保のために、今、従事をしていただいております。保健師については、被災した後も自宅で生活されている方々、いわゆる在宅避難者の健康状態が懸念されることから、ご自宅を訪問して健康相談などを行っております。

 ちなみに、保健師については、県民健康科学大学がですね、実は、保健師と看護師、それから診療放射線技師の資格については全国で最も合格率が高いということで、かなり多くの保健師の方々も活躍しております。

 加えていうと、この他にも、災害発生直後から、DMAT(災害派遣医療チーム)などの医療関係者の皆さんにもご協力をいただいています。医師会はJMAT(日本医師会災害医療チーム)ですかね、医師会、JMATにも、大変お力添えをいただいています。この場をお借りして、ご協力をいただいた皆さまに改めて心から感謝を申し上げたいと思います。

 人的支援に加えて、この度、支援物資の提供も決定いたしました。石川県に対してブルーシート500枚を提供いたします。早急に作業を進め、明日にも石川県に届けられるように準備を今しているところです。

 何度も申し上げているとおり、今回の災害は群馬県にとっても決して他人ごとではありません。今回のように、他県で災害が発生した際にバックアップできる体制を整えるということはもちろんですけども、群馬県で同じような大規模な災害が発生した場合に備えて、しっかりシミュレーションしておくように、関係部局にも指示をしております。

 群馬県としては、近未来構想の1つに掲げる「レジリエンスの拠点」の実現に向けて、市町村とも連携しながら、今後の防災・減災対策を進めていきたいと考えています。

 それでは会見の中身に入りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。

 今日はですね、「知事による県産農畜産物ライブショッピング」とか「ぐんま多文化共創シンポジウム」、さらには「ぐんまアニソン選手権の出場者募集」などについて発表させていただきます。

 

2.知事による県産農畜産物のライブショッピング

 まず、「知事による県産農畜産物のライブショッピング」についてです。

 群馬県では、標高差に富んだ地形と豊富な水資源などの自然条件、また、都心に近いという恵まれた立地条件を生かしてですね、多彩な農畜産物が生産されているのは皆さんご存じだと思います。これらの農畜産物を、群馬の魅力を県内外に向けて発信するためのキラーコンテンツだとずっと申し上げてきました。当然、農畜産物についてはこれまでも、様々なPRを行ってまいりました。

 例えば、東京ガス株式会社とコラボして、首都圏向けに、県産食材を使った料理教室などもずっと実施してまいりました。スライドをご覧ください。そしてこの度、産直ECサイト「ポケットマルシェ」と連携して、知事による群馬県産農畜産物のライブショッピングを実施することといたしました。

 「ポケットマルシェ」と連携した知事によるライブショッピングは、昨年度に続いて2回目ということになります。ご存じの方も多いと思いますが、「ポケットマルシェ」は、全国の農家や漁師の方々から直接食材を購入することができる、日本最大級の農畜産物の産直ECサイトです。特に、首都圏の女性によく利用されているということです。

 今回は、群馬県が力を入れている有機農産物、あるいはG-アナライズ&PRチームで調査・分析した「ギンヒカリ」「上州地鶏」「やよいひめ」、そして、群馬県が全国の生産量の9割以上を占める「こんにゃく」などを紹介させていただこうと思っています。

 特にギンヒカリや上州地鶏は、通常、旅館や飲食店での取り扱いが多くて、一般向けの流通量が少ないのですが、今回のライブショッピングに合わせて特別に確保させていただきました。加えて、番組内ではお得なキャンペーンの発表も行う予定です。

 撮影は県庁31階GINGHAMで行います。食材を活用した料理の実食などを通して、県産農畜産物の魅力を私が直接PRさせていただきます。ライブショッピングは、明後日1月20日土曜日の13時から、ポケットマルシェ公式YouTubeで配信いたします。スライド記載のQRコードからぜひご覧いただきたいと思います。

 なお、知事によるライブショッピングですが、令和4年12月に初めて実施をいたしました。通常、ポケットマルシェにおける県産農畜産物の月の平均販売額が約280万円であるのに対してですね、ライブショッピングを行った月の販売額は、何と573万円と2倍以上増えたということです。こうしたことから、知事によるライブショッピングを行うことは、県産農畜産物のPRや消費拡大に効果があると私たちは判断をしています。

 群馬県としてはこうした取り組みを通じて、まずは群馬のイチオシの農畜産物をより多くの方々に知ってもらい、そして味わってもらいたいと考えております。あわせて、実際に群馬県に足を運んでいただいて農畜産物を味わっていただくとか、温泉とかアクティビティも楽しみながら心と体を癒やす「リトリート」の体感にもつなげていきたいと思っています。

 ライブショッピングは、実はですね、かつて「ジャパネットたかた」とやろうということで、知事のテレフォンショッピングという企画があったんですけども、「やよいひめ」をやろうと思ったらロットが足りなかったということで、しっかりまずは生産を確保して、ロットを確保してですね、いずれは「ジャパネットたかた」みたいな場所でテレフォンショッピングをやろうということを密かな目標にしております。

 

3.ぐんま多文化共創シンポジウム

 続いて、「ぐんま多文化共創シンポジウム」についてご説明したいと思います。群馬県では、外国人を積極的に雇用し、共に活力を創り出している事業者を認証する「多文化共創カンパニー認証制度」を、令和3年度から開始しております。これは全国初の独自の試みなんですけれども、今年度、新たに3者を認証して、認証事業者が今、計11者となっています。

 こうした中、認証事業者のすぐれた取り組みを広め、多文化共創の機運をより一層高めていくため、シンポジウムを初めて開催することといたしました。スライドをご覧ください。

 「ぐんま多文化共創シンポジウム」は、多文化共創のロールモデルとなる事業者と専門家を招いて、外国人材と日本人がともに活躍できる社会について考えるイベントです。シンポジウムでは、農業、建設、そして医療福祉の各分野の多文化共創カンパニー認証事業者、この3者とJICAの外国人材・共生の専門家を招いて意見交換を行う予定になっています。

 なお、私自身もモデレーターとして参加いたします。各事業者の先進的な取り組みを伺いながら、群馬県が目指す多文化共創社会の実現に必要なことを一緒に語りながら学び合いたいと思っています。

 既に外国人材を多く雇用しているとか、外国人材を確保したいと考えている企業の皆さんには、ぜひこのシンポジウムに参加していただきたいという内容になっております。

 開催日時は、来週23日火曜日の14時30分から、場所は県庁32階の官民共創スペースNETSUGENです。なお、対面での参加はすでに定員に達しておりまして、もういっぱいなんですけれども、オンラインでの参加も受け付けておりますので、ぜひ積極的にこの機会を活用していただきたいと思います。

 参加料は無料ですので、ぜひ多くの方々にご覧いただきたいと思います。申し込みについてはスライド記載のQRコードから、県の公式ホームページを確認してみてください。

 

4.「ぐんまアニソン選手権」の出場者募集

 最後に、「ぐんまアニソン選手権」の出場者募集についてです。群馬県では近未来構想の1つとして、クリエイティブの発信源というものを掲げています。多くのクリエイティブな人材を集めて、それによって地域が活性化していくという姿を描いております。その取り組みの1つとして2月23日から26日に、今回で11回目になるんですけども、11年の歴史を持つイベントということになりましたが、11回目の「GUNMAマンガ・アニメフェスタ」、通称「ぐんあに」を開催いたします。今回はそれに合わせて、県庁舎の賑わい創出に向けた新たな取り組みを行うことになりましたのでお知らせしたいと思います。スライドにご注目ください。群馬県では、この度、テレビ東京とタッグを組んで、「ぐんまアニソン選手権」を開催いたします。

 「ぐんまアニソン選手権」は、アニメソングで個人の歌唱力を競うカラオケ企画なんですね。動画による1次審査、カラオケ採点機を使用した2次審査を通過した方が、決勝大会に進むと、こういう立て付けになっています。申し込みは1月31日の水曜日まで受け付けています。年齢国籍プロアマ問わず、誰でも参加可能ですので、「俺は」「私は」と、歌に自信のある方はぜひご参加をいただきたいと思います。

 そして決勝大会は、2月25日に県庁32階の動画・放送スタジオ「tsulunos」で行われます。その様子は、カラオケ採点番組のノウハウを持つテレビ東京が撮影を行って、県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」と、テレビ東京公式YouTubeチャンネルで同時に配信を行う予定になっています。決勝大会の優勝者には旅行券20万円の他、テレビ東京の番組出演権が贈られます。参加方法など詳しくはスライド記載のQRコードから、ぐんまアニソン選手権公式ホームページをご覧ください。

 今や、アニメは日本が世界に誇る文化であり、世界中に多くのファンを抱えております。アニソンについても、文化や言葉の違いを越えて世界中の人を感動させ、日本文化への興味、あるいは経済的な効果などに貢献していることは皆さんよくご存じだと思います。大会当日は会場での観覧も可能ですので、ぜひ多くの皆さまに県庁にお越しいただきたいと思います。今日集まっていただいている記者の皆さんの中でも、歌に自信があるという人はぜひ出ていただきたいと思います。

 私から以上です。何か皆さんからご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

●能登半島地震に対する支援について

(記者)

 まず能登半島地震の支援の件で教えてください。ブルーシート500枚は明日にでも(被災地へ届ける)というような話がありましたが、他に何か協議でこういう話が出ているとか、そういうことがあれば教えていただけますか。

 

(知事)

 それでは危機管理監からご説明します。

 

(危機管理監)

 今回ですね、今週の頭に知事会の方から支援物資についての照会がございまして、具体的に申し上げますとブルーシートと段ボールベッドについて提供可能個数を教えて欲しいという連絡がございました。そうした中で、当県としては両方とも現在在庫として持っているものについて手を挙げたわけなんですけれども、今日の11時頃に、「とりあえず至急欲しいブルーシートについて提供をお願いします」という話がございましたので、明日の朝積み込んで、明日中に石川県の方に着くように準備を進めているという状況です。以上です。

 

(記者)

 県営住宅とか宿泊施設の準備をしているという話ございましたが・・・

 

(知事)

 担当部から、健康福祉部長の方からまず説明します。

 

(記者)

 県営住宅とか宿泊施設の準備をなさっているという話ですが、現在申し込みなど、そういう問い合わせみたいなものの現状を教えていただけますか。

 

(健康福祉部長)

 (健康福祉部は)宿泊施設、ホテルの方を担当しているんですけれども、宿泊施設、ホテルに関しては石川県からは、今のところ要請はございません。

 

(知事)

 県土整備部長から少し追加の説明をお願いします。

 

(県土整備部長)

 県営住宅につきましては、この間(前回の記者会見で)説明しました50戸を確保してございまして、問い合わせが5件来ているんですけれども、まだ入居に至ったケースはゼロという形になってございます。

 

●群馬県職員の国籍条項撤廃について

(記者)

 多文化共生の関連でお伺いしたいのですが、昨年末に大泉町が国籍条項の撤廃を表明しました。県としても今のところ検討というか延期という状態になっていると思うんですが、もしその辺の検討状況があるようなら教えていただけますか。

 

(知事)

 まず大泉町が県の中では先駆けて、ああいう形で方針を打ち出したということは高く評価しています。さすが村山町長だと思うし、特に大泉町は多文化共生はもう避けられないといいますか、課題といいますか、認識が非常に強いんだと思いますけれども、こういう大泉町の取り組みは県としても参考にさせていただきたいと思っています。

 私自身は、今言った国籍条項の話については進めるべきだと思っていますが、ただ慎重意見もあります。特に最大会派の自民党の中では、いろいろ慎重意見もあるので、これは時間をかけてしっかり説得をさせていただきたいと思っています。

 やはり新しい人を入れる、何か新しいものを入れるということについては、みんな不安を持つというところも分かりますので、正確に、どういうことをしようとしているのかということをよく説明をさせていただこうと。やはり、これを群馬県でやるときは、もちろん県議会のほとんどすべての会派、自民党も含む、あるいは市長会、町村会、こういうところが全体でやりましょうと、こういう形にしっかりなってから、これをしっかりと実施したいと思っていますので、しばらく時間かかると思いますが、いつまでとは決めていませんけれども、ゴールとしては、多文化共生社会を目指す群馬県としては、必要なことだと思うので、丁寧に説明しながら、実現に向けて努力をしていきたいと思っています。

 

●ぐんまアニソン選手権について

(記者)

 ぐんまアニソン選手権の関係ですが、ちょっと予選落ちしちゃいそうなので私の参加は見送りたいと思います。ちなみに知事の参加の予定とかはありますでしょうか。

 

(知事)

 現段階ではありません。

 

(記者)

 テレビ東京の番組出演権なんですけれど、番組とかは決まっていたりはするんでしょうか。

 

(知事)

 知事戦略部長の方から説明します。

 

(知事戦略部長)

 ご質問の件ですけれども、テレビ東京の番組につきましては現在テレビ東京と検討中でございますので、まだどの番組というのは決まっておりません。

 

●能登半島地震に対する支援について

(記者)

 先ほどの危機管理監のブルーシートを送るという話の中で、段ボールベッドについても照会があったということですが、こちらも送る方向で調整しているということでよろしいでしょうか。

 

(危機管理監)

 当県とすれば、今500個在庫がありますので提供可能と回答はしてございます。求めがあれば、すぐに提供できるような準備を進めているという状況です。

 

●群馬県の災害対策について

(記者)

 先ほど、能登半島地震に関連して知事が「他人ごとではない」ということで、いくつかシミュレーションを担当部局に指示されたというお話がありました。それについて複数お尋ねしたいんですけれども、まず能登半島地震の関係で、発災直後に幹線道路が寸断されるなどして安否確認が難しかったり、救助活動がなかなか思う通りに進まなかったりという現状がありましたけれども、同じような大きな地震が県内で起きた場合、知事が不安に感じるような、気がかりになっている場所などがありましたら、そうした場所がどういったところか、もしあれば、何かその対策ですとか、力を入れていることをお話いただけたらと思います。

 

(知事)

 まず、危機管理監の方から、そのあと少しコメントします。

 

(危機管理監)

 今回、能登半島で発生した地震が、やはり半島であったという地理的要因が非常に大きかったのかなと考えています。そうした点で考えると、群馬県が被災した際に、全く同じような状況に陥るかというと、必ずしもそうではないのかなと思っております。ただ一方で、群馬県も約7割が森林でして、中山間地も多いという状況ございますので、やっぱり、孤立の発生というものは懸念されるところであるかなと思っています。

 そうしたことを受けながら、災害レジリエンスNo.1の実現を目指して、知事を筆頭にソフト・ハード両面から様々な対策を進めておりますので、今回の能登半島地震の被害等、しっかり踏まえながら引き続き対策については進めていきたいと考えております。以上です。

 

(知事)

 今記者さんがおっしゃったような、この地域が危ないのでみたいな話を議論していないのは、能登半島とは少し事情が違うということなんですけれども、今危機管理監から話があったように、森林が多くて、交通の便が必ずしもよくないところもありますので、そういうところで発生した場合にはどうするかみたいなことは、これから県と市町村で、いろんな機会に、いろいろと議論しておくということは大事だと思っていますので、もうそれは危機管理監の方でプロセスを始めてもらっています。

 

(記者)

 もう1点なんですけれども、能登半島地震の被災地、過疎地であったり高齢化が進んでいる地域で、甚大な被害が起きているということですけれども、過疎でしたり高齢化はどの地域でも課題になっているところで、群馬県の場合ですね、例えば、住民の共助ですとかそうした消防団の問題ですとか、そうした課題について、何か具体的な取り組みがあれば、そのあたりの現状ですとか課題を教えていただけますか。

 

(危機管理監)

 今回の能登半島の地震で、共助がなかなか機能していなかったというふうに見えるのかなと思うんですけれども、細かくは最終的に国の方とかで分析されると思うんですが、我々が見て思うのは、やはり建物の耐震化が進んでいなかったこと、また、地震の揺れが特殊だったことから多くの建物が倒壊して、その下敷きになる事案が数多く発生した。ただ、大津波警報がすぐ発表された関係で、実際にそのところに人が瓦れきに埋もれていても、救助できないで避難せざるをえなかったという非常に悲しい状況で、そういったような事実から、何かいかにも共助が機能していなかったような感じに受け取れるんですけれども、実際は少し違う部分もあるのかなという分析はしております。

 そうした中で、群馬県における災害時の共助なんですけれども、高齢化や人口減少など様々な要因がありますので、地域に応じた体制整備とか、対策を考えていかなきゃならない。これは市町村とも一緒に考えていかなければならない時期に来ているのかなと思っています。そうした中やはり、まず最初にとらえていただきたいのは、県民一人一人の方に災害を自分ごととしてとらえていただくということをまずしていただいて、その上で、地域の自主防災組織や消防団による活動などが、それぞれの地域で住民と自治体がどういった共助の仕組みがよいのかということについて、お互いに共通認識を持ってもらって、今後の取り組みを進めていただく、これが重要なのかなと思っているところでございます。

 

(知事)

 危機管理監の説明にほとんど尽きると思うんですけれども、今回の政府の対応を見ていて、私はかなり初動が迅速だったと思うんですね。ただ、その能登半島という地域の特殊事情もあって、今言ったように、いろいろとそこから得られる教訓というのはあるので、我々としてはそれをしっかり生かして、今言った「共助」についても、全く危機管理監の言ったとおりなんですが、これがきちんと発揮できるような状況になるように、いろいろな準備をしていきたいと思います。

 

●被災者の避難先について

(記者)

 発表に関して1つ伺いたいんですが、先ほど県営住宅50戸にプラスして、旅館やホテルも(避難先として)お手伝いされるというお話がありましたけれども、温泉地の旅館やホテルを想定しているんですか。

 

(知事)

 唐木部長の方から正確にちょっと説明してください。

 

(健康福祉部長)

 旅館、ホテルなんですけれども、群馬県旅館ホテル生活衛生同業組合の会員さんの方にお願いして、今対応できるという旅館、ホテルに全部出てきていただいておりますので、温泉地も含まれれば、温泉地でない都市部も含まれるということになっております。

 

(記者)

 県内いろいろなところに点在するような形でしょうか?

 

(健康福祉部長)

 そうですね、施設数としては、73です。

 

(記者)

 既に(この件については)石川県の方には情報提供されていらっしゃるということでしょうか。

 

(健康福祉部長)

 先週の金曜日にお伝えしております。

 

(知事)

 これについて、宇留賀さんの方からも少しお話してください。

 

(宇留賀副知事)

 群馬県でも同様の災害が起こるかという話はいろいろな可能性があると思うので、そこは(言及を)控えたいと思うんですけれども、群馬県の方で(同様の災害が起きた場合に)ちゃんとした対応ができるのかというと少し心配な部分がありまして、大きく2つの問題意識を持っています。

 1つは、今、「災害関連死」ということが言われているんですけれども、日本の避難所というのは(原則)体育館が指定されていますが、やはり長期で避難する場所としては適切でないと思うんですよね。最初の揺れが起こってから避難して、一晩過ごすという場所としては、みんなで情報を集めるということでいいかもしれないですけれど、1週間、2週間という単位で避難する場所ではないと思っています。群馬県としては基本的に避難する(場所を)体育館ではなくて、ホテルや旅館にしようと。(発災直後に)体育館に来ても、その後すぐに旅館やホテルに移動できるようにという方針を出しているんですが、実際、県内の市町村の取り組みを見ていると、やはり体育館を避難所として使うことがベースになっているところがあって、我々が出した避難ビジョンというのがちゃんと市町村に浸透しているかというと不安な部分があります。そういったところも含めて、シミュレーションをしながら確認しなければいけないというのがあります。

 また、全国各地から物資が届くんですけれども、あらかじめ物流の事業者とか日々大量のものを扱っている方々と事前に連携しておいて、いざ災害が起こった時に、体育館や避難所で地区のニーズを収集した上で、物流事業者でうまく捌いていくというように・・・行政の職員は物流のプロではないので、受け入れたいけど受け入れ切れないとか、送りたいんだけど送れないということが発生してしまうので、こういったところも、事前に民間のプロの方々と話をしておくことは必要だろうと話をしています。

 もう1つは「共助」の話なんですけれども、なかなか共助で回復しようと言っても、過疎の問題ですとか高齢化の問題で、現実的には難しいところがあると思います。これをカバーするのはデジタル技術だと思っています。例えば、避難の前線基地となる体育館で、ここの地区には誰が住んでいるかという情報は、デジタル的にあらかじめ把握できるはずなんです。なので、「おじいちゃんやおばあちゃんがいないぞ」となって、そこから住所を探すというよりは、「今、この人が安否確認できていない。なので、あそこに行ってくれ」というように、その安否というところも(生存率が極端に下がる発災後)72時間までの早い段階で確認ができるはずです。こういう準備が整っていないというのが、これまで日本の災害において常にそういう形になっているので、これだけ災害の多い国なので、避難所を体育館ベースにしないこととか、デジタル技術を平時からしっかり準備しておくことが欠けていることを痛感しています。

 群馬県ではレジリエンスNo.1(を目指すこと)を掲げているんですけれども、これは、災害が少なくて安全だということだけではなく、いざ災害が起こったときにもしっかり対応できるように、また、他県で起こったときにもしっかり対応できるようにしていこうということで、先ほど知事から話があったシミュレーションの中で、しっかり実行できるか、ビジョンどおりにできているかということを確認したいと思っています。メディアの方々にも、経験を踏まえた形で鋭いご意見をいただければと思っております。

 

(記者)

 ご説明ありがとうございます。今、副知事の方から案内がありましたデジタル技術を活用した安否確認ですとか、避難所についてもホテルや旅館を活用していくということを県民に広く周知したり、これからより深めていくと、そういう方針ということですね。

 

(知事)

 今、宇留賀さんの方から極めて良いポイントをお話しいただいたんですけれど、群馬県では3年前に、前の病院局長で最先端の避難計画(避難ビジョン)を作っているので、ぜひ記者さんにもそれを見ていただきたいと思うんですけれど、最初の問題意識が、やはり避難所は体育館ではないほうがいいということだったので、それも含めてかなり最先端の計画(ビジョン)を作っているということと、まさに宇留賀さんが言うように、デジタルで何をカバーできるかというのはこれからもいろいろな形で議論していきたいと思います。あまり思いつきで言ってはいけないですが、デジタル(技術)がしっかりしていれば、安否確認ももっと楽にできると思うので、そこは群馬県としてしっかり研究していきたいと思います。

知事メッセージ

 それでは、知事の方から直接カメラの前におられる県民の皆さんに少しお話をさせていただきたいと思っています。今日、震災の話をさせていただきましたが、毎日結構寒い日が続いていましてですね、朝起きて、なるべく暖房をつけないようにしているんですが、どうしても床暖だけでは耐えられない日もあってですね、本当に寒いなと思って、朝起きるんです。それから、必ず私は夜でも外に出るので、散歩をしている時にも、あまりにも風が冷たいなと思っているんですが、その度に実は被災地の皆さんのことを思い出すんですよね。被災直後よりは少し落ち着いてきたところもあるかもしれませんけれども、まだ道路が寸断されて孤立している方々がいて、そういうところは暖房がないですよね。この気候の中で、しかも、あれだけの雪が降って、暖房もない中で毎日過ごすというのは、どれだけ辛いかと。体育館でも(発災直後に比べると)少しは環境が改善されているようですけれども、群馬県が送ったトレーラートイレも喜ばれています。(断水地域では)トイレの水が流れなくて、そういう中で、体育館で集団避難をしなければいけないということも、どれだけそこにいる方々がつらいか、我々は常に頭に置いていかなければいけないと思いますし、何度も申し上げますが、今回の災害は、もちろん群馬県にとっても他人事ではありません。そういう意味では、引き続きしっかり現地のニーズを踏まえて、向こう側の要請をよく見た上で、群馬県としてできることをやっていきたいと思います。義援金の募金箱も設置してありますので、県民の皆さんにはぜひお力添え、ご協力をいただきたいと思っています。

 それからもう1つ、やや軽い話だったんですけれども、群馬県のマンガとアニメのフェスというのは11回目ということで、歴史があるんですが、今回はアニソンのコンテストをやるということですので、冒頭でも言いましたが、歌に自信のある方は参加無料ですから、ぜひどんどん応募していただいて、アニメやデジタルクリエイティブを目指す群馬県の流れを応援していただきたいと思いますし、盛り上げていただきたいと思っています。

 明日からも、時々暖かくなったりしますが、本当に寒い毎日ですので、皆さんにはぜひ健康に気をつけていただきたいと思います。年末からアメリカではインフルエンザが流行ってまして、呼吸器系の疾患も増えているので心配しているんですが、マスクは(常に)必要(というわけでは)ないんですけれども、例えばアメリカの州の医療機関でも、マスクを推奨しているところが出てきましたので、十分、風邪にも、コロナにも、それからインフルエンザにも気をつけてお過ごしいただければと思います。ということで、今日も記者の皆さんには大勢最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。これにて、今日の定例会見を終わりたいと思います。

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。