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令和5年度第34回定例記者会見要旨(1月25日)

更新日:2024年1月25日 印刷ページ表示

■日時    令和6年1月25日(木曜日)午後2時1分~2時49分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等14人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和6年1月25日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:1.37MB)



会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.インディアナポリス子ども博物館との連携

 3.「湯けむりフォーラム2023」のアーカイブ動画配信開始

■質疑応答

■知事メッセージ


知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは定例会見を始めたいと思います。今週の23日の火曜日に上京いたしました。私のブログにも少し書いたんですが、渋谷にあるGoogleの日本オフィスで、Google本社のクリス・ターナー副社長と面会してまいりました。クリス副社長はアメリカのGoogleの本社で検索エンジンとか広告、それから地図データ、それらに関連する事業のリーダーを務めていて、Googleではかなり重要な役目を担っている方です。また過去20年以上にわたって公共政策などの分野で高い影響力を発揮してきたアメリカ産業界の重鎮でもあります。

 面会ではクリス副社長から、Googleの事業の紹介とか、群馬県への提案がありました。そして、私からはGoogle系の自動運転車「Waymo(ウェイモ)」と、それからGunMaaSの連携、さらには群馬県が掲げる「全県リビングラボ構想」、それからデジタルクリエイティブ人材の育成についてご紹介をさせていただきました。約1時間にわたって非常に中身の濃い意見交換ができたと思います。加えて言うと、クリス副社長は私が留学していたアメリカのジョージタウン大学の卒業生で、クリス副社長はミュージシャンで、ギタリストみたいなんですけど、大学時代にバンドやっていたということで、私自身とも多くの共通点があって、終始和やかな雰囲気の中で会談を行うことができました。

 今回の面会については、知人を介して先方から「群馬県にGoogleの取り組みを紹介したい」と、こんなお話をいただいて、今回クリス副社長の来日に合わせて、この面会が実現したということです。今回Googleという世界を代表する企業から、こうした提案があったことは、これまで群馬県が独自の地域外交やトップセールスを通じて、いろんな発信をしてきたことの1つの成果だと言えます。OECDの非認知能力の調査への参加も、やけに群馬県が元気だからということで、実は関係者から声がかかったということも申し添えておきたいと思います。早速、今後の具体的な連携に向けて、Googleとの協議を進めていきたいと思っています。

 それではここから会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。今日の主な会見の中身です。今日は、「インディアナポリス子ども博物館との連携」、それから「湯けむりフォーラムのアーカイブ動画の配信」について発表したいと思います。

 

2.インディアナポリス子ども博物館との連携

 まず、アメリカの「インディアナポリス子ども博物館との連携」についてです。スライドをご覧ください。このたび、専門知識の共有やお互いの取り組みを学ぶことを目的に、県立自然史博物館とインディアナポリス子ども博物館で連携協定を締結することにしました。インディアナポリス子ども博物館は、アメリカインディアナ州にある、子ども博物館の中では世界一と称されている博物館です。

 (スライド資料を指さしながら)見てくださいこれ、実物大の恐竜(の標本)がいて、まずこれに結構度肝を抜かれたんですよね。この大型恐竜標本、外だけじゃなくて中にもあって、そういう貴重な標本もあれば、子ども向けの体験型アクティビティが非常に充実していて、年間利用者が確か向こうの説明だと約130万人ということでした。

 群馬県は、これまでインディアナ州との関係を重視し、知事による訪米やホルコム州知事の来県などを通じて関係を深めてまいりました。令和4年9月、私がインディアナ州を訪問した際に、この子ども博物館を視察させていただきました。視察では、ジェニファー・ペース・ロビンソン館長に施設を案内していただきました。規模も大きいんですけれども、とにかく独自のコンセプトを持ったいろんな展示や教育プログラムに大変感銘を受けました。併せて私の方からジェニファー館長に対して、県立自然史博物館との交流を提案いたしました。県立自然史博物館も、群馬県では最も人気のある博物館の1つだということご存じだと思いますが、今回の協定締結はこの提案が実現したということです。

 協定では、来館者向け教育プログラムの開発とか、化石の貸与で連携を行うほか、両博物館で専門知識やノウハウを共有するということとしています。私としてもこの協定によって自然史博物館がより魅力的な施設へと進化していくことを期待しています。

 協定締結式は、明日の26日の金曜日、自然史博物館に、子ども博物館の職員をお招きして行います。各報道機関の皆さまにもお忙しいと思いますが、ぜひ取材をしていただきたいと思います。

 次のスライドをご覧ください。そして明後日27日の土曜日には、協定に基づく取り組みとして、インディアナポリス子ども博物館で人気の恐竜について学ぶワークショップを自然史博物館で特別に開催させていただきます。対象は、4歳以上の未就学児とそのご家族で、参加無料ということにさせていただきます。このワークショップは大変好評のために1度参加者募集を締め切っておりましたが、今回特別に急遽追加募集を行うことにいたしました。スライド記載のQRコードから、皆さん奮ってご参加いただきたいと思います。

 この他にも、今後インディアナポリス子ども博物館所有の化石を借りた企画展を開催するとか、両博物館をオンラインでつなげたイベントなども開催する予定となっております。群馬県としては、今後もこの協定に基づいて、教育支援や展示の充実など、幅広い分野でこの子ども博物館との交流を深めていきたいと思います。そしてインディアナ州との友好関係をより強固なものにしていきたいと思います。

 

3.「湯けむりフォーラム2023」のアーカイブ動画配信開始

 続いて、「湯けむりフォーラム2023」のアーカイブ動画配信開始についてお伝えしたいと思います。昨年12月15日と16日の2日間に草津温泉で「湯けむりフォーラム2023」を開催いたしました。フォーラムでは、多彩なセッションや企画が行われて、各界のトップリーダーによる熱い議論が繰り広げられました。スライドを用意しておりますのでご覧ください。そして、このたび「湯けむりフォーラム2023」で交わされた議論やその熱量を多くの方にご覧いただくために、アーカイブ動画を配信することにいたしました。

 アーカイブ動画は本日17時に配信される、私のウェルカムスピーチと、20時に配信されるエンディングスピーチを皮切りに、毎週続々、これから配信してまいります。来週の2月1日には、楽天の三木谷会長や河野太郎デジタル担当大臣とのトークセッション、それから草津町の黒岩町長の特別講演を配信させていただきます。

 次のスライドをご覧ください。続いて2月20日には、料理研究家・リュウジさん、今大人気ですけれど、リュウジさんをゲストにお招きした、エフエム群馬の公開収録の様子も配信させていただきます。料理研究家ならではの視点から群馬の食材の魅力を語っていただいたほか、下仁田ねぎや上州地鶏を使ったバズレシピも考案いただきました。これも湯けむりフォーラムのイベントの一環としてやらせていただきました。

 この他にも、県庁舎の利活用について熱い議論が交わされた「群馬県庁Re:born会議」や、「温泉文化フォーラム」とか、多彩なプログラムを毎週続々と配信してまいります。

 具体的な配信スケジュールなどは、スライド記載のQRコードから湯けむりフォーラムの特設サイトをご覧ください。なお、この他にも、私とひろゆきさんが一対一でトークを行った「ReHacQ」の特別セッションが、「ReHacQ」公式YouTubeチャンネルで現在配信中です。こちらは1月2日に前編、3日に後編の配信が行われていますが、現段階での再生回数は、2つ合わせて60万を超えております。こちらについても、ぜひより多くの方にご覧いただきたいと思います。

 今日は比較的冒頭のご説明が短いですけども、私からは以上です。何か皆さんの方からご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

 

●インディアナポリス子ども博物館との連携について

(記者)

 まず発表項目のことで1点お伺いします。子ども博物館との連携ですが、この連携で化石の貸与という話がありましたが、具体的に決まっていることがあれば教えていただきたいのと、これを通じて自然史博物館をどういうふうにしていきたいかというのをまずお聞かせください。

 

(知事)

 まず地域創生部の新井部長の方から少し説明してもらいたいと思います。

 

(地域創生部長)

 先ほど申し上げたようなワークショップが決まっているところになっておりますけれども、実際にインディアナの方がこちらにこられてではなくて、オンラインで双方を通じたワークショップ、こういったところも計画しているところでございます。それと、先ほど出た化石貸与の話ですが、R8年度に、実は自然史博物館が30周年を迎えます。できればそれに合わせて企画できればということで、まだこれについてはこれから相談を進めるという段階になっております。以上です。

 

(記者)

 何か将来像みたいなものがあれば(知事からも)コメントをお願いします。

 

(知事)

 もう付け加えることないんですけれども、ぜひ記者さんにも見せたかったけれど、このインディアナ州の子ども博物館って素晴らしいんですよ。例えば、ここに来た子どもたちが将来学者を目指すみたいなプログラムがあったりとか、化石の発掘なんかもあったし、こういうのをできるだけ我々も学び合いながら、いい形の交流を作っていきたいと思うし、こういうことで、より多くの群馬県の子どもたちがいろいろ勉強したり楽しんだりする空間もつくれると思います。もう1回言いますが、今ホルコム州知事との関係も深めているので、群馬県とインディアナ州の連携強化にぜひつなげていきたいと思っています。

 

(地域創生部長)

 もう少し補足させてください。今知事から説明していただいたように、子どもたち向けの教育というのが非常に優れております。自然史博物館にも多くのお子さんが来ていただきますけれども、ここの部分をもう少し強化することができれば、より多くの子どもたちにも楽しんでいただけるように、自然史博物館の魅力が高まると、そういうことを期待しております。

 

●朝鮮人追悼碑について

(記者)

 群馬の森の朝鮮人労働者追悼碑を、行政代執行で撤去するという方針が示されております。知事としてどういう判断でそういうふうに至ったのかを改めて説明していただきたいと思います。

 

(知事)

 私がコメントする前に、まず担当部長がしっかり経緯を説明したいということなので、どうぞ。

 

(県土整備部長)

 群馬の森の追悼碑、こちらにつきましては最高裁判所の決定によりまして確定しました、東京高等裁判所が示しますように、設置者が開催した追悼式典におきまして、宗教的・政治的行事及び管理を行わないという条件に違反する行為を行ったことによりまして、公園施設としての都市公園の効用を全うする機能が喪失したと。それに伴いまして、都市公園法における公園施設に該当しなくなった。公園施設に該当しなくなった追悼碑を依然として公園内に存置するということは著しく公益性に反するということで、今回、相手方とも丁寧な交渉をしてきたんですけれども、なかなか合意に至らなかったという中で、行政代執行をせざるをえなかったと考えてございます。

 

(知事)

 少し私もコメントします。今の説明が、この代執行を決意した背景なんですけれども、かなり丁寧に相手方にも説明をさせていただきました。そもそも、担当部の方としては、もう少し早く進めたいということだったんですけれども、私の方から、もう少し丁寧に説明をして欲しいということで、かなりのプロセスを、ある意味交渉といいますか、いろいろ調整の期間を延長してやってまいりました。その中には、例えば代替地の提案とか、いろんなことがあったんですけれども、結局ご了解を得られないという中で、最高裁の判決に基づいて、法治国家ですから、これも粛々とやらせていただくしかないと、こういう結論に至ったということです。

 

(記者)

 今、著しく公益に反するという解釈がありましたが、著しく公益に反しない限り代執行はできないと思うんですけれど、その辺はどういう公益に著しく反しているのかを少し詳しく教えていただけますか。

 

(県土整備部長)

 都市公園法の中で、都市公園における施設というのはある程度限定列挙されてございます。追悼碑につきましても、もともと文化教養施設として許可をしたと。ただ、それが文化教養施設とするためには、政治的宗教的な活動をしないという条件のもとで許可をしたということがございます。それに伴いまして、その違反活動が繰り返されたことによって、文化教養施設ではなくて、政争の対象施設という形になってしまったことから、公園施設にそぐわないということで、都市公園法で認められております施設でなくなったということから、公園からの除却を当然行うべきと。逆に言うと、公園施設でなくなったものを公園に存置することが公益性に反すると考えてございます。

 

(記者)

 それは現在でも公益性に反する施設、都市公園法に基づくものではないという理解になっているという・・・

 

(県土整備部長)

 おっしゃるとおりです。

 

(記者)

 紛争時はともかく、紛争時から現在、少し時間が経って、今はそういう大きな騒動が特にないような状態だと思うんですけれど、それでも、放置することが著しく公益に反するという判断をしたところを、もう少し詳しく説明していただけると分かりやすいんですが。

 

(県土整備部長)

 当時問題があって、そういう裁判を起こされて、碑そのものが今はその対象ではないという話もございますけれども、その行為があったことによって、もうすでに碑そのものが政治的な紛争の対象ということになってございますので、そのことは時代が経過しても、その碑が持つ意義付けというのは変わりませんので、公園施設には該当しないという判断をしてございます。

 

(記者)

 知事も特に何かコメントがあれば・・・

 

(知事)

 今の説明が一番合理的ですし、我々が判断した理由を非常に明快に説明していると思います。

 

(記者)

 追悼碑に関連してなんですけれども、知事は多文化共生社会の実現を目指していると再三おっしゃっております。その中で、追悼碑云々は別として、労務動員があって厳しい環境の中で労働をさせられていた朝鮮人の方々がいらっしゃるという不幸な歴史についてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

 

(知事)

 それは、日本政府の立場と同じです。

 

(記者)

 具体的に言うと、どういうお立場でしょうか。

 

(知事)

 日本政府がとっている対応と同じ考え方です。

 

●自由民主党の派閥問題について

(記者)

 安倍派、岸田派や二階派が派閥の解消を相次いで発表しています。一方で、新しい集団を作ろうという動きもあるようなんですが、これに関して知事として受け止めを伺えればと思います。

 

(知事)

 知事なので、政治家としては言いたいこといっぱいあるんですけれども、ちょっと気をつけて答えないと。記者さんにいろいろと誘導されて、余分なこと言っちゃうので。

 まず、国民の不信を招いているということは事実だと思うんですね。この問題、前も申し上げましたが、今、政界から引いた人たちがいろいろ言っているんですけど、私はそういう気持ちにはなれないです。私は国会議員だった時代が24年間あって、その間、10年以上、安倍派に所属していました。キックバックをもらったことはありませんが、少なくとも政治家としてそのルールの中で、私が何か言ったからといって変わったか分からないですが、そのルールの中で、私も政治活動をしていたということで言うと、これはとても他人事とは思えないと思いますし、その点は反省すべき点もあるかなと思っています。

 そこで、やはりこれだけ国民から不信を招いたということから考えると、派閥を解消するという議論は、いろいろなことがごっちゃになっているので、理論的に言うといろいろおかしいなところもあるかもしれないけど、とりあえずはまず、今、派閥を解散するというのは、国民にとっては、非常に分かりやすいメッセージなんじゃないかなと思っています。

 あとは、もうこれ以上言わないようにしたいと思いますけど、派閥というものはなくならないと思うんですよ、人間社会では。今の派閥の何が問題かというと、やはり、餅代を配ったりとか、あるいはパーティーをやってお金集めたりとか、あるいは人事のときに派閥が交渉するとか、こういうところだと思うんですよね。こういうものが本当になくなれば、今の派閥の機能というものは基本的になくなるので、派閥にいるメリットというのはなくなっていくんじゃないかなという気がしています。

 ただ、岸田総理が率先されて派閥を解消されたと。これは、国民の感情からいけば、特に私は今、政界からちょっと離れたところから見ていると、これはこれで1つの考え方かなと感じています。

 

●朝鮮人追悼碑について

(記者)

 追悼碑の関係で、具体的な代執行のスケジュールとか教えていただけるものがあれば、伺えればと思うんですが。

 

(知事)

 まずは、部長から。

 

(県土整備部長)

 手続きに付きましては、基本的に、行政側からの公表は差し控えさせていただいてございます。ただ、昨日なりその前に、相手方から公表されている事実というのは認めさせていただくという形になると思います。

 

(記者)

 29日から代執行に入るということは認めるということでしょうか。

 

(県土整備部長)

 向こうの公表どおりという形です。

 

●鳥インフルエンザについて

(記者)

 今日付で、鳥インフルエンザの搬出制限が解除されました。そのことに対する知事の受け止めをお聞かせください。

 

(知事)

 今回の鳥インフルエンザは4例目だったと思いますけども、県庁職員を正月元旦から動員しました。これは当然のことだと思うんですけども、本当によく頑張ってもらって、まず県庁職員にはお礼を言いたいと。県民から見れば、これは当然のことなんですけど、知事としてはそう感じています。

 それからいつものとおりですけども、建設業界を中心に、例えばバス協会もそうですし、ペストコントロール協会もそうですし、トラック協会もそうですけども、こういう皆さんのご協力もいただきながら、農協もそうですし、自衛隊にも入っていただいたので、何とか防疫措置は終了したということで、残っていたところもほぼ終わってですね、こういう状況になったということは大変よかったと思っています。

 ただ、いつも言っているように、豚熱も鳥インフルも危機が去っているわけではないので、今回も国のチームが入って今検証しているので、どこまで原因が判明するのか分かりませんけども、ここからしっかり学んで二度とこういうことを起こさないように、なかなか難しいんですけども、とにかくリスク管理を一生懸命やっていくと。当然、農家の皆さんにもお願いをしなくてはいけないし、県としてもできる対策をしっかりやっていくということかなと思います。

 

(記者)

 今後の警戒や対策について何かお考えはありますでしょうか。

 

(知事)

 それは今までも、毎回こういう事案が発生する度に、まず、政府の検証もしっかり見極めながら対策を打ってきたので、今までもいろいろやってきているんですよね、石灰をまいたりとか。かなりやってきたつもりなんですけどまた起こってしまったということなので、よく原因を分析した上で、さらに追加的に必要な対策があれば、またよく検討していきたいと思います。

 

●朝鮮人追悼碑について

(記者)

 追悼碑の関係ですけれども、(代執行が)なぜこのタイミングかということについて、冒頭で、もう少し早くやるところを丁寧にするということで少し遅らせたという話だったんですけど、あるいはもっと時間をかけるというやり方もあり得るかもしれないので、なぜこのタイミングになったかというのを教えてください。

 

(知事)

 細かい経緯は、まず、部長の方から説明をしていただいて、その上でコメントしたいと思います。

 

(県土整備部長)

 一昨年の6月だったかと思うんですけども、判決が確定いたしまして、その約6カ月、9カ月ぐらい、相手の方といろいろ交渉させていただいたと。その交渉の過程で、先ほど知事からも出たんですけれども、代替地の提案をさせていただくとか、何度か交渉する中で、なかなか相手の方もそこが受け入れられない、群馬の森にあることがいいということで、また、その存置を求める訴訟ですとか、そういうことを起こされたという中で、県とすれば、まず、都市公園法に基づく撤去命令を出すことによって、相手方にその撤去を促すと。それについても期限を設けてやらせていただいて、それでもなかなか動かなかった。それで、その後の戒告という形になってございます。

 ですので、県とすれば、話し合いをしても十分に(撤去が)見込めなくなった。それに伴って、都市公園法に基づく手続きを開始した。それでもまだ動かしていただけないので、行政代執行法に基づく戒告を出して、今回の代執行令書の発出と言う形で、ステップを踏みながら、ある程度期間を設けて相手方と交渉して、相手方が納得いただけないということが確認できた時点で次のステップに進ませていただいたということで今の時期になったというふうにご理解いただければと思います。

 

(記者)

 今後の対応なんですけど、撤去時に市民団体が物理的な抵抗はせずに見届けたいという意向があるようですけれども、県はそれに対してどう対応するんでしょうか。

 

(県土整備部長)

 昨日の守る会側の記者会見の報道という形で承知しておりまして、相手方からの正式な申し入れというのはございません。ですので今、県とすれば対応は考えておりません。通常で考えれば、立ち入りは難しいのではないかと考えてございます。

 

(記者)

 申し出があったらまた検討するという感じなんですか。

 

(県土整備部長)

 検討はいたしますけれども、県のスタンスとすれば、立ち入りは難しいというのが今のスタンスになります。

 

(知事)

 今、部長が言ったとおりなんですけども、まずは、そもそも公益に反する状況がずっと続いているわけで、1日も早くしっかりとこれは正さなくてはいけないと、ずっと知事として考えていました。これは、やはり法治国家としてもだし、きちっと行政のリーダーとして判断しなくてはいけないという中で、担当部の方はもうちょっと早くというのを、とにかくぎりぎりまで丁寧に議論して欲しいということで伸ばしてきて、最初からマックスでもここまでと決めてやってきたんですね。

 それでもう、ここまでが限界というか、そもそも、できるだけ早くやるべきだというところ伸ばしてきているので、我々が考えたタイムリミットのところまできたので、これはここでしっかりやらせていただこうということです。

 それから、ずっと丁寧に説明してきたんですけども、なかなか、これ以上やってもご理解を得られないという判断をして、今になったということです。

 

(記者)

 県が考えたタイムリミットはどこら辺だったんですか。

 

(知事)

 県が考えたタイリムリミットは、そもそもできるだけ早くやりたいと思ったんですけども、少なくとも半年とか、あるいはそれ以上の交渉期間を取ってくれということで延ばしてきたので、我々が考えているタイムリミット、もうここがぎりぎりなんです。来年くらいまでには、いろいろな努力をした上で結論を出そうという方針でやってきたので、粛々と最高裁の判決に従ってやらせていただくということです。

 

(記者)

 細かい話なんですが、撤去した碑の引き取りを市民団体に求めているということで、具体的にどんな手順でどこに持っていくかというのは、今のところどんな方針なんでしょうか。

 

(県土整備部長)

 これについては当事者間の話になりますので、こちらから公表するつもりはございません。

 

(記者)

 今日午前中に、社民党が要請書を持ってきたということで、韓国が反発することなどを念頭に置いていると思うんですけど、国内外に悪い影響があるんじゃないかというような要請書だったんですけど、それについて受け止めはいかがでしょうか。

 

(知事)

 社民党から要請が来たということは伺いましたけども、そもそもこの問題は、東京の社民党の方々が決める問題でもないし、それから韓国政府の意向で決まる問題でもないと。これは知事である私の責任で決めるべき問題だと思っています。

 それから、外交への悪い影響というんですけど、まず外交ルートで何か話が来ていませんので、今の段階で、そういう事態が起こるというふうには思っていません。

 

(記者)

 引き続き追悼碑のことでお聞きします。まず、物理的なことでお伺いしたいんですが、撤去のスケジュールが1月29日から2月11日と、結構長く取られてるのかなと感じたんですが、実際にはどのくらいの作業日数がかかると見込んでおられるんでしょうか。

 

(県土整備部長)

 細かいことは申し上げませんけども、示した期間がかかる考えて、この期間を代執行の期間ということで定めさせていただいています。

 

(記者)

 撤去費用が3000万円と通知に書かれてありましたけれども、建立したときには570万円で建てられて、撤去するのに3000万と聞いてちょっと驚いたんですけれども、内訳ですとかそのように膨らんだ理由というのは何かあるんですか。

 

(県土整備部長)

 あくまでもこれは当事者間、県が守る会に対して説明する内容であって、公表する内容ではないと考えておりますので、この場では差し控えさせていただきたいと思います。

 

(記者)

 1月29日からということで日が迫っていますが、実際に工事される方々の入札等はもう済んでいるという状況なんですよね。

 

(県土整備部長)

 準備は進めさせていただいています。

 

(記者)

 先ほどから認識等々で質問を重ねる形で恐縮なんですが、まず知事にお伺いしたいことがあります。碑を撤去することで、植民地支配した当時の歴史を消す行為に繋がるのではないかとか、歴史修正を加速させてしまうのではないかという懸念がありますけれども、知事としてはこの辺りどのようにお考えになっていますか。

 

(知事)

 今まで県が主張してきたことを(部長が)言った上でコメントしたいと思います。

 

(県土整備部長)

 私どもとすると、追悼碑の碑文そのものについては、外務省も含めまして設置当時協議をしてきたものでありますので、日韓日朝の友好の記として建てた碑ということに、その碑そのものに対して(認識が)変わったということでは考えてございません。

 ただ、先ほど申し上げたとおり、追悼式の中で政治的発言、宗教的な発言をされているということで、碑そのものの持っている意味合いが変わってきてしまった。そのことに伴って今回は撤去せざるをえないという形なので、過去のことに対しては何ら否定するものではないというふうに、撤去そのものがその否定に繋がるものではないと考えてございます。

 

(知事)

 碑文の中身を見たこともあるんですけども、これは、記者さんもご存じだと思うんですけども、日韓日朝の友好を目的としたものだということで、これ自体に何か問題があるとは思ってません。ただ、もう何度も説明しているとおり、設置者によって、許可条件・ルールを決めたのにもかかわらず、それに違反する行為が繰り返し行われて、この設置目的が、日韓日朝の友好関係の推進というところから外れてしまって、存在自体がもう論争の対象になってしまったということが最大の問題だと思っています。

 

(記者)

 先ほど他の記者さんからの質問の中で、タイムリミットの話がありました。ちょうど2月7日に、守る会側の方が県を提訴した裁判が始まるというタイミングですが、その前に撤去の日取りを決めておられるというのは、司法でこれ以上長引かせたくないというご判断だったんでしょうか。

 

(県土整備部長)

 そういう意図は全然全くございません。ただ、県としましては、最初に行われた追悼碑の裁判について最高裁の判断が出て、その判断に基づいて行政手続きを粛々と進めています。今起こされている裁判につきましても、執行停止の申し立てが2件、都市公園法の移設・撤去の件と、代執行法の戒告、こちらについて執行停止が求められているんですけれども、これについてはすでに却下がされておりますので、県とすれば別法ではありますけれども、前の手続きに基づいて粛々とやるということで、今回の5つの裁判とは切り離して考えてございます。

 

(知事)

 今の話も、記者さんご存じだと思うんですけれど、撤去命令の執行停止の申し立ては1月22日に、それから戒告の執行停止の申し立ては1月24日に、前橋地裁から申し立てを却下する決定があったということで、新聞報道でしか分からないんですけれど、設置者の方々がこの前橋地裁の却下決定に対して即時抗告を行ったと伺っています。残る3件の訴訟ですけれども、たしか2月7日に第1回の口頭弁論があると聞いていますけれども、我々としては、追悼碑が都市公園法における公園施設に該当しなくなったということは最高裁で決定しているということで、県としてはこの棄却を求めて、ここではしっかり主張していきたいと思ってます。

 

(記者)

 さらに、知事に質問なんですけれども、戦時中にその植民地支配でお亡くなりになった方、県内の労働現場で亡くなった方々がいらっしゃいますけれども、そうした歴史的な事実に知事として疑問をお持ちですか。要するに、その戦時中に県内の過酷な労働現場でお亡くなりになった朝鮮人がいらっしゃるという歴史的な事実に対して、疑問をお持ちかということです。

 

(知事)

 疑問を持っているというよりは、それも新聞報道とか様々な情報があっても、確実にそれを証明するところはなかったというのが国の主張だと思うので、私の感覚はそこと同じだということです。基本的に、日本人が戦争で、特にアジアの植民地の方々を苦しめたことについての反省は安倍(元)総理も繰り返し述べられておられるので、ここは全く同じ考えです。

 

(記者)

 追悼碑の撤去では、実際に心を痛める方もいらっしゃると思います。経済交流を結んでいくにも信頼関係というのが大切なところかなと感じますし、その1つが歴史認識のところでもありますが、そうした方々への知事なりに何かメッセージがあればいただきたいです。

 

(知事)

 いろいろなお考えがあることは分かっているんですけれども、やはりこの法治国家の日本において、この裁判を通じて、お互いのいろいろな主張を議論してきたと。それで、最高裁で決着がついたということで、法治国家でもありますし、やはり最高裁の結果・・・議論の中で(追悼碑が)静かに佇んでいるからそのままでいいじゃないかと言うんですけれど、静かに佇んでいたらそもそも裁判になっていないし、最高裁の判決も出ていないと思うので、私はそれが全てだと思いますけども、これに従って、粛々と代執行をすることについてはご理解いただきたいと思いますし、その目的は、先ほど申し上げたように、この日韓日朝関係の友好を目的にしているということ自体に問題はないと思っていますが、やはり、その後のいろいろなルール違反みたいなことが発端なんだということは、ぜひご理解をいただきたいと思っています。

 

(記者)

 知事は、群馬の森の追悼碑を訪れたことはあるんでしょうか。

 

(知事)

 あります。

 

(記者)

 どのような印象をお持ちになりましたか。

 

(知事)

 碑文についていうと、日韓関係、日朝関係の友好を深めるための碑文だと、そういう中身であるということを確認させていただきました。

 

(記者)

 群馬県の方も、この追悼碑を建立するにあたっては、随分踏み込んだ、作る方のグループと随分話し合いをして、県有地にこういった施設を建てるというのは1つの英断だったと思うんですけど、それを同じ群馬県が撤去するというのは、知事としてどのように受け止めますか。

 

(知事)

 先ほども言ったように、当初の目的は決して間違っているとか、この当初の目的についてクレームを付けるつもりはないんですけども、そういう目的で作ったものが、先ほど申し上げたとおり、設置者の方が設置許可条件に合わないことを繰り返す中で、これが政治的な論争に発展してしまったということが問題なのであって、そこも含めた状況から考えると、碑をそのままあそこに置いておくということは公益に反すると思いますし、もう1回言いますが、法治国家である日本の仕組み、つまり最高裁で判決が出たということを踏まえて、知事として必要な行動を取るというのは当然のことだと思っています。

 

(記者)

 一方で、碑を巡っては、「あの追悼碑は反日的である、書いてある内容もでたらめじゃないか、どこに犠牲者がいるんだ、証拠を出してみろ」みたいなグループもいます。この意見についてはどう思っていますか。

 

(知事)

 私はそういう考えは持っていません。もう1回言いますが、あの碑が作られた目的、それについては、県としても否定はしておりません。その目的のもとで、しっかりと運営されていればこういう問題はなかったかもしれませんが、先ほど言ったような理由で、今や公益に反する存在になってしまったと。それについて、裁判という民主的なプロセスでしっかり議論した結果、最高裁で判決が出たと。それを踏まえて、しっかり対応していくということに尽きると思います。

 

(記者)

 ただ、非常に気を付けないといけないのは、県民や一般の日本の人達に対してですね、間違ったシグナルを送ってしまうんじゃないかと。一部のグループが言っているとおり、あれは反日的な追悼碑だから、あの内容は嘘だから、群馬県も撤去に踏み切ったんじゃないかというふうに受け止める人も非常に多いと、私は非常にそれを危惧しているんですけど、知事はいかがですか。

 

(知事)

 その点については、今日もこうして記者会見の中で、記者さんからの質問に答える形で、しっかりと県民の皆さんに説明をしていくということです。あの追悼碑を撤去する理由は、担当部長にも来てもらいましたが、先ほど申し上げた理由であって、あれ自体が反日だとか、今言ったような理由ではありません。それだけは明確にしておきたいと思います。

 

(記者)

 群馬県としてですね、知事もよくご存知のように、発電所とか中島飛行場とかですね、多くの朝鮮人あるいは中国の方が動員されたわけですよね。それはなぜかというと、戦時中、日本の若者はみんな戦場に引っ張り出されて、国内のいわゆる戦争継続するための体制というのは、彼ら外国人の手、当時朝鮮・韓国は植民地でしたが、彼らの手を借りなければ、日本は戦争を継続できなかったわけですよね。その点のことを、きちっと戦争の本質を伝えるためにもですね、これは国の方針とか国の見解と同じだではなくてですね、やっぱりそれぞれの県にそれぞれのケースがあったわけですから、それはきちんと伝える必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

 

(知事)

 先ほど記者さんからもご質問がありましたけども、知事として、この碑を撤去すると決めたのは、先ほど申し上げたとおりの理由です。ですから、もう1回言いますが、最高裁の判決をしっかり踏まえて、行政の長として、必要な対応をとらせていただくと。これに尽きると思います。

 

(記者)

 歴史認識の将来に対する引き継ぎという点はどうでしょうか。

 

(知事)

 歴史認識の将来の引き継ぎというか、ここは今言ったように、歴史認識の問題ではなくて、そもそも決めたルールが破られたということ原因なので、この碑を撤去するということと歴史認識をねじ曲げるみたいなことは、私の中では全く繋がっておりません。それだけは申し上げておきたいと思います。

 

(記者)

 それは分かります。知事として別の方法で、群馬特有のこういった過去についてですね、県民に、若い世代に引き継いでいく何か考えがありますか。

 

(知事)

 それは、国としてのいろんな方針は国がしっかり示していけばいいと思うんですけども、知事として、今回、設置したときの条件に違反したことが繰り返されたことによって、最高裁で判決が出て、その最高裁の判決に基づいて、この碑を撤去するということです。この碑を撤去するから特別に、今言ったような歴史の話を、これを契機にあえて知事として発信するみたいなことは考えていません。

 

(記者)

 かえって際立ってしまうからということですね。

 

(知事)

 はい。

 

(記者)

 現時点で、代執行に反対するような抗議のメールが何件来ているとか、もし分かれば教えていただきたいんですが。

 

(県土整備部長)

 県としては特に把握しておりません。逆に、撤去求めるメールだとかも来ていまして、その件数まで今、詳細な数字を持っておりませんので。

 

(記者)

 先ほど、相手側の立ち入りの希望はちょっと難しいんじゃないかみたいなお答えがあったんですが、その理由を教えていただいてよろしいですか。

 

(県土整備部長)

 行政代執行で相手方の立ち入りを認めなくてはいけないという規定がないという中で、県とすればより安全に速やかに撤去ということで立ち入りは認められないだろうと。

 

(記者)

 2週間ぐらい期間があるわけですけど、そのどのタイミングでも難しいということでしょうか。

 

(県土整備部長)

 そう思っています。

 

(記者)

 そんなに危険性の高い工事ということなんでしょうか。

 

(県土整備部長)

 工事というよりも、相手方が入ることによって他の方が入る可能性も出てきてしまったり、いろいろ公園の管理上支障が出るというふうに判断してございます。ただそれは今時点の判断なので、またいろいろ検討はしたいと思いますけども、現時点ではそういうふうに考えてございます。

 

(記者)

 要するに、誰も入らない状態じゃないと安全に工事できないと判断してるということでしょうか。

 

(県土整備部長)

 おっしゃるとおりです。

知事メッセージ

 今日は、追悼碑の問題が主な議論になってしまったんですが、この記者会見は多くの県民の皆さんがご覧なっていますし、特に経済人の間の視聴率が高いということも、改めて分かったので申し上げますが、今日の問題はですね、今日お答えさせていただいたとおり、私が知事の責任で、この最高裁の判断に従って粛々とやらせていただきたいと思います。この点はぜひ、県民の皆さまにもご理解をいただきたいと思っています。

 寒い日が続いていますけども、先週も申し上げましたが、やっぱり朝起きて本当に寒いなと思って、床暖だけでといつも頑張っているんですが、どうしても暖房を入れてしまうと。その瞬間、それから毎日私はどんな寒いときも夜散歩するんですけども、本当に風が冷たいなと。昨日もとても寒かったんですが、その度にですね、被災地の皆さんのことを思い出します。何日か前に、馳知事に電話をさせていただいて、本当に大変だと思うけど頑張ってくれと。皆さんご存じのとおり、孤立集落は実質的になくなったということですけども、まだ避難所で本当に不自由な生活を強いられている方々がおられるということで、馳さんにはですね、群馬県は避難者の方に対して、例えば県営住宅とかですね、あるいは県内の旅館ホテル、おそらく1000人分以上確保しているので、もしニーズがあって必要があればぜひ使ってくださいとメールをしたら、馳知事の方から「ありがとう」というメールが返ってきて、こことここの部が担当なの知らせて欲しいということで、今、事務方にも言って連絡を取っているところです。

 県内のいろいろな団体とか、個々の皆さんにも、例えば義援金等々を通じて協力をいただいていますが、何度も申し上げますが、これは決して他人事ではありません。やはり、群馬県としてはこれからも、ひどい被害だったので相当復旧に時間かかると思うんですが、できる限りの支援をさせていただきたいと思っています。

 寒い日は必ずそのことをぜひ皆さんに思っていただいて、県民の皆さまにはですね、この群馬県の被災地に対する様々な支援にご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 今日は冒頭の説明は短かったんですけども、少し議論が白熱して長くなってしまいました。記者の皆さんには、今日も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。これにて今日の会見を終わらせていただきます。

 

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。