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群馬県知事・伊勢崎市長・信越化学工業(株)合同記者会見要旨(4月11日)

更新日:2024年4月11日 印刷ページ表示

■日時    令和6年4月11日(木曜日)午後2時50分~3時30分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和6年4月11日群馬県知事・伊勢崎市長・信越化学工業(株)合同記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:2.42MB)

会見項目

 ■知事冒頭発言

 ■質疑応答

 ■知事メッセージ

知事冒頭発言

 それでは、信越化学工業株式会社と伊勢崎市、それから群馬県による合同記者会見を始めさせていただきます。記者の皆さまには、定例会見に続いてお集まりいただき、感謝申し上げます。ありがとうございます。

 本日は、信越化学工業株式会社の代表取締役である斉藤恭彦社長と伊勢崎市の臂泰雄市長にお越しいただいております。お忙しいところご同席いただきまして、斉藤社長、臂市長ありがとうございます。お二人には、後程お話を伺いたいと思いますが、まずは知事である私の方から、群馬県にとって非常にうれしいニュースをご報告させていただきます。

 この度、信越化学工業株式会社が群馬県内に新たな拠点を設置することが決定いたしました。設置場所は群馬県企業局の「伊勢崎南部国領産業団地」です。面積は団地の全面となる約15ヘクタールで、投資額はおよそ830億円になります。

 今回の投資は、今最も注目を集める半導体分野において最先端部材の拠点を構築するという計画です。群馬県経済にとって大きな起爆剤となることは間違いありません。知事として心から歓迎をさせていただきたいと思います。スライドをご覧ください。

 皆さんに申し上げるまでもないと思いますが、信越化学工業株式会社は世界有数の総合化学メーカーです。AIなど高度な情報化社会に欠かせない半導体シリコンや、幅広い分野で用いられている塩化ビニル樹脂の製造では世界のトップシェアを誇っています。売上高は2兆8,000億円で、海外にも多くの拠点を有しています。時価総額は13兆円を超え、日本国内の企業では10番目に入ります。まさしく日本を代表するスーパー企業の1つだと言っていいと思います。群馬県内には、安中市に磯部工場と松井田工場の2拠点があって、今各種シリコーンに加えて、半導体ウエハーなどの半導体材料を製造していただいております。これまでも雇用の創出や地域経済の活性化において大きな役割を果たしていただいていました。次のスライドをご覧ください。

 次に、新たな拠点を設置する伊勢崎南部国領産業団地についてご紹介したいと思います。この産業団地は、北関東道と関越道の2本の高速道路に加えて、上武道路や東毛広域幹線道路など、大きな道路にアクセスしやすい非常に便利な地域であります。この新たな拠点で、最先端半導体の製造に欠かせないフォトレジストなどの新機能材料の製造を行うとともに、将来的には研究開発も行っていただけると伺っています。詳しくは、この後斉藤社長の方から直接ご説明をいただきます。次のスライドご覧ください。

 今回の新たな拠点の設置に当たり、群馬県が評価された点を2つご紹介させてください。

 1つは、群馬県との信頼関係です。信越化学工業株式会社は昭和13年に現在の安中市内で操業を開始して以来90年近くにわたり群馬県と信頼関係を構築してまいりました。加えて、私自ら斉藤社長にお会いしてトップセールスを重ね、信頼関係の強化にも努めてまいりました。

 そしてもう1つ、これは群馬県庁のスピード感だと思っています。今、経済安全保障の観点から半導体は世界中で重要な物資となっています。先日、アメリカ政府が台湾の半導体製造大手TSMCに約1兆円の補助金支給を発表したほか、日本政府も国内生産の強化に巨額の支援を行っているところです。まさに半導体サプライチェーンの構築というものが、今国内の産業政策での喫緊の課題となっていると思います。

 こうした中、群馬県は企業局を中心に、産業経済部、あるいは県土整備部を巻き込んで、県庁一丸となって、スピード感を持って、産業団地の整備を行いました。また、伊勢崎市も今日は臂市長もおられますが、地元調整などにご尽力をいただいたと聞いています。こうしたことも、信越化学工業株式会社に評価をしていただいた点だと思っています。

 また、今年度から群馬県は県の持つ水力の電気を供給する「地産地消型PPA群馬モデル」、これをスタートしておりますが、信越化学工業株式会社はその最初のユーザーのうちの1社となっています。群馬県の豊富な再生可能エネルギーもご評価をしていただいたのではないかと考えています。

 これに加えて、自然災害が少ないなどの群馬県のレジリエンスの高さも、今回の新拠点の開設に繋がったと私たちは考えております。

 現在は、この産業団地の造成工事を進めておりまして、令和7年の4月には完了できる見込みです。その後、令和7年11月に分譲契約を締結する予定になっております。

 繰り返しになりますが、今回の投資は群馬県の経済にとって大きな起爆剤になると考えております。加えて、この信越化学工業株式会社の新拠点では、半導体材料の製造だけでなくて、将来的には研究開発が行われる、そういう可能性があると伺っています。このことは、群馬県内での高付加価値の産業分野での雇用創出にも繋がると私たちは考えています。群馬県では、これまで教育イノベーションやリスキリングの支援、大学と連携した講座などを通じて、産業人材の育成に取り組んでまいりました。加えて、今年度から県庁内に「人材活躍支援室」というものを新たに設置いたしました。こうしたことを通じて、次世代産業人材の育成に、今群馬県は力を入れています。群馬県としては、今後様々な施策を駆使して、人材育成の面からも、この信越化学工業株式会社をサポートさせていただきたいと思っています。

 それでは、新拠点の詳細については斉藤社長の方からお話をいただきたいと思います。斉藤社長よろしくお願いします。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 斉藤でございます。山本知事、臂市長、群馬県、県庁の方々、そして伊勢崎市の関係者の方々、皆さんのおかげをもちまして、この度当社信越化学の新拠点を群馬県に設営することになりました。誠にありがとうございます。

 今、知事からほとんど、雄弁に当社がやろうとしていることを説明していただきました。重なる部分も多々ありますけれども、私の方から二、三、お話をさせていただきたいと思います。

 先ほど知事からもご紹介ありましたように、当社は安中市に主力工場の1つを有し、当県で90年近く仕事をさせていただいています。そうした馴染みもありましたけれども、検討いたしました複数の候補地の中から伊勢崎市の敷地を選ばせていただいたのはですね、山本知事の強いリーダーシップ、それから関与してくださった方々の対応の速さ、それから柔軟さがあったからでして、なかんずく、親身にいろいろな提案、それからアイデアをご提示いただきまして、まさに企業家精神に富んだチームを知事がお持ちであったということ、これが決め手になったと申して過言ではありません。我々一同、大変感銘しておりまして、この場を借りまして、改めて御礼申し上げます。

 先ほど知事からお話がありましたとおり、この新拠点では半導体材料の1つである、露光材料の生産、これが中核となります。半導体はその重要性が増す一方でして、近年、経済安保に関わる重要物資と位置付けられ、日本の半導体産業で多くの投資がなされています。そのことは皆さんもご案内のとおりかと思います。

 当社は、60年以上も半導体材料を生産してきております。日本の各地に半導体材料を生産する工場拠点を保有しております。今回、露光材料を中核とした拠点を作りますが、すでに日本で2工場、新潟県上越市にございます直江津工場、それから福井県越前市にございます武生工場、この2拠点で露光材料を作っております。加えまして、台湾にも露光材料を生産する工場を運営しております。伊勢崎市は、日本で3つ目、台湾も加えて4拠点という体制で供給を行っていくという考えでおります。

 投資金額は約830億円で、これは工事第1期分ということで、2期、3期と将来に向けて取り組んでまいりたいと思っております。第1期につきましては、2026年完工を予定しております。先ほど知事からもお話ありましたように、研究施設も将来ぜひ設けたいなという気持ちを持っておりまして、ぜひここが半導体の、特に露光を中心とした材料の拠点、一大拠点というふうに持っていきたいと、そういう希望を持って取り組んでまいりたいと思いますし、これ(スライド資料の新拠点完成予想図)が先ほど申した第1期分の完成図のようなものですけれども、ここを起点に群馬県から世界の顧客へ供給をしていくということを1日も早く実現したいと思います。私からは以上です。

 

(知事)

 ありがとうございました。次に産業団地が立地する伊勢崎市の臂市長からも一言いただきたいと思います。臂市長、よろしくお願いします。

 

(臂伊勢崎市長)

 ご紹介いただきました、伊勢崎市長の臂泰雄です。本日はこうした合同記者会見の席を設けていただきましたこと、山本知事、本当にありがとうございます。また斉藤社長さんよろしくお願いいたします。今回、信越化学工業株式会社様が、本市進出をしていただけること、本当に心からありがたく思っております。斉藤恭彦社長様はじめ、関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。また、山本知事はじめ、ご尽力いただいた県職員の皆さまにお礼を申し上げますとともに、ご理解をいただきながら、用地を提供していただいた地権者の皆さま方にも感謝を申し上げたいと思います。また、この産業団地を計画の段階から様々関わっていただいた先輩皆さま方に、多くの皆さまに心から重ねて感謝を申し上げます。

 信越化学工業株式会社様の本市進出は、当市にとって新たな雇用を作り、定住者の増加や地域経済の発展に大きく寄与していただけるものと考えております。新工場は半導体関連の資材の生産をされるということでありますけれども、先ほど来お話があるとおり、経済安全保障上にも大変重要な物資を作るということであります。円滑に事業が開始できるようにしていかなければならないと思います。

 本市といたしましても、本市が担当する道路整備、また周辺の整備、これを行うとともに雇用を安定させるための環境整備にも努めてまいりたいと思っております。信越化学工業株式会社様には、間もなく創業100年を迎えられると伺っておりますけれども、今後、信越化学工業株式会社様と強固なパートナーシップを構築して、この地で次の100年、さらなる発展をするべく、そうした拠点になっていただく、そのために本市もともに歩んでいきたいと思っております。

 この工場進出の1つのきっかけに、事業継続を考えながらの拠点ということもあるということであります。災害に強い伊勢崎市をつくっていかなければならないと思っておりますので、これからも様々な社会資本整備含め本市としても努力をさせていただきたいと思います。これから本当によろしくお願いいたします。

 

(知事)

 臂市長ありがとうございました。群馬県としても、地元の伊勢崎市と協力して新拠点での製造開始に向けてしっかりとサポートさせていただきたいと思っています。発表内容は以上です。それではここで斉藤社長と臂市長とフォトセッションを行いたいと思います。よろしくお願いします。

 

 ~フォトセッション~

 

(知事)

 それでは、ここからはご質問を受けたいと思います。記者の皆さん、どなたかご質問があればどうぞ。

質疑応答

(記者)

 斉藤社長にお伺いしたいのですが、今回の新工場の具体的な生産品目と、あと生産計画について、出せる範囲で教えていただきたいんですけれども。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 どういうものを作るかとか、どのぐらい作るのかとか、そういうことについては申し上げておりません。どういうものを作るかというのは、やはり競争上、控えさせていただきたいですし、これは量で勝負するようなものでもございませんので、どのくらいの能力を持ってとか、そういうことも一貫して開示はしておりませんので、そこはご理解いただきたいと思います。

 

(記者)

 雇用の方も、伊勢崎市も県の方も雇用に対してかなり期待をされてると思うんですけども、大体どれくらいの新規雇用を生み出すというような試算とかはございますでしょうか。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 先ほど申したとおり、第1期分ということで2026年にかけて、大体80人程度と考えています。ちなみに、建設工事に関わる方々はピーク時に大体1,500人ぐらいと考えています。

 

(記者)

 斉藤社長にお尋ねします。現状土地の取得が約15万平米ということですが、工場は大体どれぐらいの敷地面積を使うとか、工場どれぐらいの面積とかというのは分かりますでしょうか。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 先ほど、完成予想図で示しましたものは、先ほど来申し上げている敷地のごく一部ですので、これから第2期、第3期と拡張していく、そういう大きな余地を残した将来の可能性に向けて、まさに拠点、一大拠点という位置付けですので、まだまだ敷地は十分ゆとりを持って、第1期分をやるということになります。

 

(記者)

 第15万平米のうち何割ぐらいとか、ざっくりとした数字でいいのですが。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 その辺も後々姿が現れますので、乞うご期待ということでお願いいたします。

 

(記者)

 将来の研究開発というのは、例えばどういう研究開発を担いたいとか、現状分かっていることがあれば教えていただきたいです。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 やはり半導体関連であり、先ほどから申しているとおり、露光材料を中心とした拠点になりますので、やはり露光、それから、それに関連したそういったものが研究の主たる目的になると思います。

 

(記者)

 今回、群馬県の立地のよかった点など、一番評価した点があれば。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 それは先ほど申したとおり、もう、いや本当にいろいろと案なりアイデアを一緒になって、むしろ我々が教えていただく、そういう関係が知事のおかげでできましたので、やはりこの分野は速度というのは大変重要で、もたもたしていると本当に仕事にならないんですね。そういう点で本当に知事には感謝していると、そういうことです。

 

(記者)

 例えばどういう反応がよかったとか、少し具体的に。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 例えば、その工事を始める(前に)、まずまとまった土地(が必要です)。これをうまく取りまとめていただいたこと。市長の方にも協力していただいて、そういうまとまった土地が用意できたということ。それから工事の段取りも考えて造成をしていただける等ですね。私はアメリカではいろいろと拠点づくりを経験していますけれど、このように対応していただいたのは初めての経験で、大変感謝しています。

 

(記者)

 トップセールスの話が出てきておりましたけれども、知事はいつごろから口説き始めて、どのような形で、どれぐらいの頻度でといいますか・・・

 

(知事)

 いつごろからというか、いろんな計画が聞こえてきたあたりから、正確にいつということは分からないのですけれど、いろんな形で情報収集をしながら、いろいろ話し合いを重ねてきたということなんだと思います。ポイントは斉藤社長に直接お目にかかったという局面があったことです。

 この話をする前に、1度どうしても信越化学工業株式会社の社長にお目にかかりたいということで(社長を)お尋ねして、(直接)お目にかかりました。(斉藤社長は)アメリカも大変長いんですけれど、(斉藤社長の)お人柄にも、リーダーシップにも大変感銘を受けたので、どこかで食事でもしましょうと言っていたんです。事務方が、企業管理者も含めて、いろんな交渉を信越化学工業株式会社のチームとやっていましたが、その中でもポイントは、私が(直接)伺って、いろいろとお願いをさせていた点だと思います。

 なんと言っても、今回、県民の皆さんにもぜひ申し上げたいのは、信越化学工業株式会社側では、いくつか候補地があったわけです。どこも信越化学工業株式会社に来てほしいに決まっているじゃないですか。こんなすばらしい企業で、みんな来てほしいに決まっているのに、その中でやっぱり群馬県を選んでいただいたのは本当うれしかったですよね。今お話を伺ってみれば、もちろんいろんな理由があって、例えば今日説明したように、安中での100年近い歴史というのもありますが、その中で、やっぱり知事の熱意というか、リーダーシップなんてあんまりないんですけれど、結構独走しているような感じなんですけれども、知事の熱意とか、あるいは、何しろうれしかったのは、政策決定のスピード(を評価していただいた点)。これはやはり一緒にやってきた企業管理者もそうですし、関係部局がみんなで頑張った成果を評価していただいたと。これは本当にやっぱり群馬県として大きな自信になりました。いろいろあっても、そこを今日会見で斉藤社長が言及していただいたというのは本当にうれしいです。

 しっかり信越化学工業株式会社に仕事をしていただけるように、臂市長とも協力して、県としてもできるサポートさせていただきたいと思っています。

 

(記者)

 スピード感の評価がありますが、先ほど社長からもありましたけれども、そういう意味で大体どれぐらいのスパンで交渉をまとめたとお考えになっていますでしょうか。

 

(知事)

 どれぐらいのスパンかというのは分からないのですが、こういう話はやはりいろんな話し合いがあった中でのことなので、状況をずっと見ていて、どこで出てこうかなと、どこかで少し社長に直接アピール場面があるかなと思って(タイミングを計ってい)たのですけれども、事務方が(信越化学工業株式会社の)チームといろいろ相談する中で、だんだんその環境を作っていただいて、おそらくここが多分判断のポイントだなと、そろそろもう(斉藤社長が)ご決断されるなというときにアポを取ってお目にかかったという感じです。

 

(記者)

 斉藤社長に伺ってもよろしいでしょうか。発表であったり、これまでの記者の質問に重なるところはあると思うんですけれども、伊勢崎市を半導体材料の先進拠点にするというようなお話がありました。改めて、この地方でどういうふうにしていきたいか、どういうふうにどんどん展開していきたいか、そのあたりの今後の意気込みをぜひ社長の言葉でいただければと思います。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 これは新聞にも書かれましたけれど、56年ぶりの、実は半導体社というのがありまして、そこの基幹工場である白川、そこを入れれば56年ぶりではないんですけれども、いずれにしろ、新工場というのは歴史的な決断でもありました。それから、今まさに世の中、半導体の重要性が頻繁に語られているという中で、当社の果たす役割が大きくなる一方であり、それにきちっと応えていかなきゃいけない、お客様からも「どうするんだ」といろいろと聞かれている中で、それなりの解を今回お出しすることができたということが1点目です。

 それから、先ほど第1期の建屋の完成予想図というのをお示ししましたけれども、これはまず第一歩であって、次、そしてまたその次ということで、この拠点を、日本を代表するような半導体材料の工場に持っていこうという意気込みで取り組んでいます。

 

(記者)

 知事もよろしいでしょうか。県内の企業進出をめぐっては、例えば前の会見でもあったIHIエアロスペース株式会社さんだったり、いろいろこういう県内進出の動きが高まってると思います。今回もその1つだと思うんですけども。そういう今流れが起きていることへの知事の受け止めをお願いします。

 

(知事)

 こんな言い方するとあれなんですけれど、明らかに群馬県に勢いがあると思います。今回はといいますか、信越化学工業株式会社にこういう投資をしていただくというのは本当に特別なことだと思っているので、さっきも言いましたけれど、群馬県経済にとっては非常に大きな起爆剤になると思います。今社長におっしゃっていただいたように、この群馬県を中心に半導体製造の一大拠点にしたいと、日本を代表するような製造拠点にしたいと、そういうお話が(社長本人から)発信されるだけで群馬県の存在感も上がりますよね。県の知名度が上がり、存在感が上がれば、当然いろんな形で情報とか、ものも入ってくるということで、これ本当に、近年ない、とてもうれしいニュースでした。

 いずれにせよ、今日いろいろとお話もいただいたのですけれど、群馬県に今、企業がいろいろ本社を移したりとかしているのは、いろんな条件があって、信越化学工業株式会社の場合は別としても、東京に、すごく首都圏に近いとか、これだけの自然があって、物価が2番目に安いとか、住環境が結構いいとか、あるいは自然災害が少ないとか、いろんな理由があるんだと思います。それから、今回水力発電のプロジェクトで再生可能エネルギーも提供できるようになりましたし、これで年間約30億円が新たに稼げますので。ここでまた再生可能エネルギーに投資するという計画を立てていますから。そういう再生可能エネルギーの可能性というのも結構魅力になっているのかなと思います。

 いずれにせよ、今回のことは群馬県にとって大きな起爆剤になると思いますし、これからの企業誘致にも、すごくアピーリングな出来事だと思っています。

 

(記者)

 斉藤社長にお願いします。

 

(知事)

 あと2問ぐらいにしましょう。わざわざ東京から来ていただいて、(ずっと斉藤社長にお答えいただいているので、)あと2問ぐらいで。

 

(記者)

 伊勢崎市という地の利について、場所ですね、交通の便がいいですとか、群馬県全体、災害のリスクが少ないこともあると思うんですけれども、BCPの観点で見たときの伊勢崎市のよさというのをもう少し詳しく教えていただいてもいいですか。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 やはり災害が少ないという、そういう特性というのは、これはもう今BCPの観点からは満点に近いです。利根川に近いから交通費がどうしたという、そういう辺もきちっとデータを見させていただき、安心して工場を建てることができるということです。先ほど知事からもご説明がありましたように、東京にも近く、それから手前どもの安中市の拠点からも当然近いわけで、そういう利便性、そして自然災害が少ないといった観点、人の雇用も多分やりやすいんだろうと思っておりますし、BCPの観点からはほぼ満点の場所であると思っています。

 

(記者)

 国内で最近半導体工場の投資が増えてきている中で、先ほども56年ぶりではないみたいな話もありましたけれども、改めて国内にこうやって拠点を構えるという大きな判断だと思ったんですけども、そこの判断に至った思いといいますか、その重さについてお伺いしてもいいですか。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 御社の記事には、サプライチェーンという文脈と、それから日本回帰という、そういう2つの文脈で記事をお書きになりたかったのかと思いますけれども、手前どもは、日本回帰とか、そういうことよりはまず速度、繰り返しになりますけれど、お客さんの要望に早く応えなければいけないといったときに、先ほど言われたBCPもありましたし、それに加えて、あるいはそれ以上に、早く必要な生産能力、供給能力を構えるのに適した場所、そういう工期ですね。これがやはり一番のポイントであるという、その点に関して、知事、そして市長に実に深いご理解をしていただいて、対応をしていただくことができたということです。ですので、日本回帰だとかそういう文脈ではなくて、実はとにかく早く工場を立ち上げなければいけない、それにピタッと対応していただいたということです。

 

(記者)

 知事に伺いたいのですが、この群馬県伊勢崎市に、こういった半導体工場が来るということで、経済的起爆剤になるということなんですけれど、今後、望む変化のありようといいますか、どういうふうに構想を描いているのかを教えていただけますか。

 

(知事)

 まず、この新工場の投資によっての経済効果、いろんな形があると思うんですけれども、これについては先ほど社長の方からもお話がありましたが、雇用も生まれますし、あるいは建設関係、ここに携わる方々も相当おられるということなので。第1期ということだったので、先ほど社長の話ですと、ここを中心に日本有数の拠点にしていきたいというお話もありましたし。それからやっぱり将来、研究開発も考えているというのは、これもとても大きいことなので、我々もしっかりサポートさせていただきますので、やり遂げていただいて、これを契機にさらなる展開をしていただければ、大変うれしいと思います。

 

(記者)

 今後さらに研究開発を望むというのは、そこに新しい人材だとかが入って・・・

 

(知事)

 もちろん。やはりその研究開発をやっていただけるというのはものすごく大きな意味があると思います。人材開発、人材育成という意味でもそうなんですけれども、我々としても信越化学工業株式会社に対して、群馬県としても様々な形で人材供給ができるような、そういう流れも作っていきたいと思っています。

 

(記者)

 社長に伺いたいんですけれど、震災が少ないだとか、そういったメリットがあるということでお話されていましたけれども、県のスピード感というのも先ほどすごい素晴らしいとおっしゃっていたと思うんですが、今後県に何か望むこととか、要望というのがありましたら教えてください。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 まずは第1期の工事を完成させて、次の投資においてもいろいろとご相談させていただくことが出てくるかと思うんですけれども、そこら辺に関しましては、今回のご対応を踏まえると、全く私心配しておりません。やはり今後日本全体として人手が足りなくなってくるというところで、やはり知事、それから市長はいろいろとお考えだということで、施策ですね、それに対応をお頼りするということになるかと思いますので。やはりこういう仕事ですので製造に携わる人、一人一人が優秀でないと半導体グレードはつくれないんですね。ですので、やはりそういう人材をきちっと確保させていただくと。そのためにも、県・市といろいろとまたご相談させていただくと、そういうことになると思います。

 

(記者)

 雇用のところで確認させていただきたいんですけども、先程おっしゃっていた伊勢崎市の新工場の雇用の人数が80人程度というのは、工場ができて80人という・・・

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 そうですね、26年に完工して立ち上がるときの人数が80人。その日以前から人を徐々に、段階的に雇用してまいります。

 

(記者)

 そうすると、工場自体にお勤めになる方は80人ということを想定しているということでよろしいでしょうか。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 はい。

 

(記者)

 斉藤社長にお聞きしたいんですけれども、御社は既存拠点もある中で新工場を決断したというのはどのような理由があるんでしょうか。

 

(信越化学工業株式会社 斉藤社長)

 端的に申して、既存の工場、例えば安中市の工場も安中市、それからもちろん県の方々にいろいろとご指導、ご協力をいただいて敷地を拡張してまいりました。じわじわと、いわゆるフットプリントというのは大きくなっているんです。ただ、やはり先ほども触れましたように、まとまった土地と言ったときに、もうまとまった土地が必要な段階に来ておりましたので、それに加えて、お客様からの強い要請で能力を早くつけなければいけないという2つの事情で、繰り返しになりますけれども、知事のリーダーシップ、これが大きく物を言って今回の新拠点の設置、こういう流れでございます。

知事メッセージ

 ありがとうございました。皆さんの関心が大変高いのはありがたいんですけれども、社長わざわざ今日群馬県まで来ていただいたので、このぐらいでちょっと解放させていただかないといけないかなと思っています。

 記者の皆さん、今日は定例会見の後で随分長くなりましたが、最後までお付き合いいただいてありがとうございました。信越化学工業株式会社がさらに群馬県に投資をしてくださるということで、今日社長にも、市長にもお話をしていただきましたが、ぜひ今後の展開にご期待いただきたいと思います。

 斉藤社長、臂市長、記者の皆さん、今日は本当にありがとうございました。以上をもって、この合同会見を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。