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令和7年度第5回定例記者会見要旨(5月15日)

更新日:2025年5月15日 印刷ページ表示

■日時    令和7年5月15日(木曜日)13時30分~14時58分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等18人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和7年5月15日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:2.3MB)

会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.知事の米国訪問

 3.群馬県民会館

 4.TUMO Gunma

 5.「赤城山景観ガイドライン」の策定

 6.新しい県広報番組「アニメの星」

 7.グリーンボンドの発行

 8.直滑降ストリームの告知

 9.公用車などのNHK受信契約状況

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは定例会見を始めたいと思います。今日はですね、かなり発表事項が多いんですね。この知事会見は、ある程度事前にですね、記者の皆さんからどんなことを聞きたいのかというのを一応聞き取りをやっていまして、さらにそれ以外のことでも皆さんから質問があったことは、もちろん何でもお答えをするということにしているんですが、今日はですね、3時までに終わらせないといけないということです。金井幹事長が任命された自民党県議団の5役があいさつに来るということで、5役の方もいっぱい日程が入っているので、ちょっと3時半過ぎということになって、そのあとですね、未来構想フォーラムという大イベントがあるので、その準備もしなければいけないので、最初に断っておきますが、今日の会見は3時で終わらせていただきたいと思います。その時に、皆さんから事前にちょっとこういうことを聞きたいということを一応聞き取っているので、答えられない質問はですね、一週間後の会見であらためてしっかりと私から説明させていただきますので、最初にその点ご了解いただければと思います。

 さて先週の10日ですが、神流町の田村利男町長がお亡くなりになられました。田村町長は町議を4期やって、その後町長としてですね、今3期目になっていたところでした。長年に渡り、田村さんはですね、林業振興をはじめとして、地元の地域活性化に熱心に取り組まれておられました。また面倒見がよくて、親分肌の個性溢れる町長として、多くの方々に親しまれていました。田村町長のこれまでのご功績に敬意を表すると同時に、謹んで哀悼の意を表したいと思います。ご遺族の皆様には心からお悔やみを申し上げます。

 さて、先週9日、前橋市内の農場で発生した県内13例目の豚熱の対応状況について、ご報告をさせていただきたいと思います。11日に殺処分が終了して、現在埋却作業を実施しているところです。現在もですね、関係団体などの協力を得ながら作業を進めています。農場や周辺の消毒作業を含む全ての防疫措置は、地元住民の方々のご理解、ご協力によってですね、おかげさまで順調に進んでおりまして、計画より1日早い16日の金曜日に完了する見込みとなっています。あらためて、この場を借りて知事として、ご協力いただいている全ての方々に感謝を申し上げたいと思います。私としては、こうして立て続けに県内で豚熱が発生していることに強い危機感を抱いております。農政部には、一歩踏み込んだ対策の検討をすでに指示しています。群馬県としては、まずは防疫措置の完了に注力をして、今後原因分析とかですね、発生予防に向けた対策を着実に進めていきたいと考えています。

 話は変わりますが、週刊少年サンデーで連載中の「葬送のフリーレン」の公式Xについてですね、またも群馬県に関する投稿をしていただいたということなので、ご報告をしたいと思います。スライドをご覧ください。これですね。今回の投稿はですね、フリーレンがぐんまちゃんの靴下を履いて四万温泉を訪れると、こういう内容でした。週刊少年サンデー編集部に確認したところ、ぐんまちゃんのことをご存じで、かわいいと感じて取り上げていただいたということです。フリーレンの公式Xで再び群馬県に触れていただけたということをですね、知事として大変うれしく思います。この件を通じてですね、ぐんまちゃんの可能性をあらためて実感いたしました。引き続きぐんまちゃんを活用して、群馬県の魅力発信に取り組んでまいりたいと思います。皆さんご存じだと思いますが、私は週刊少年ジャンプを創刊号からですね、知事になった今も1週間に1回コンビニで最新号を買ってオンタイムで読んでいるという、ある意味でいうと、マンガ、アニメについては、相当オタクとまでは言いませんけれども、大変な、一応マンガ、アニメファンなんです。葬送のフリーレンは高く評価をしていまして、アニメの方は1シーズン終わっちゃって、そうか連載の方もちょっと今一時休止しているんでしょうか。来年か何か分かりませんが、新しいシーズンがどうも放送されるということで、大変楽しみにしております。フリーレンに群馬県に来ていただくっていうのは、大変光栄に思います。フリーレンはですね、そもそもエルフなので、もうなんか、時間の感覚が数千年みたいな感じなので、それでもおそらく長く、この群馬県のことを記憶に留めていただけるんじゃないかと思って、これからもフリーレンのXには注目をしていきたいと思いますし、フリーレンを作ってこられた皆さんに対しても本当にうれしく思っていると。知事としても、コンテンツを愛するファンの一人としても、大変うれしく思っているということをですね、ちょっと時間を長く使い過ぎちゃいましたが冒頭申し上げておきたいと思います。

 それでは会見の中身に移ります。スライドをご覧ください。本日の会見の主な中身になります。今日はですね、「知事の米国訪問」、「群馬県民会館」、「TUMO Gunma」などについて発表いたします。冒頭発言がかなり長くなると思いますが、少し早口でしゃべることをお許しください。

 

2.知事の米国訪問

 まずは知事の米国訪問についてです。今月の1日から8日にかけて、アメリカのネブラスカ州とインディアナ州を訪問いたしました。今回の訪問の主な目的は、日本の知事として初めて、インディアナ州で新たに就任したブローン知事と会談し、群馬県とインディアナ州の関係を強化すること。また、トランプ大統領による関税措置を踏まえて、現地に進出している群馬県企業の現状について、理解をしていただくこと。それから、ネブラスカ州ではですね、一昨年の日米中西部会で、ブログにも書いたので皆さん読まれたかもしれませんが、関係構築ができたピレン知事と再びお会いして、群馬県とネブラスカ州とのさらなる関係強化、それから新しい連携の可能性を探るということでした。インディアナ州政府やネブラスカ州政府の関係者をはじめ、今回の訪問をサポートしていただいた、全ての皆様にあらためて感謝を申し上げたいと思います。それでは、訪問の結果についてご報告いたします。スライドをご覧ください。

 まずネブラスカ州での訪問結果です。ネブラスカ州を訪問するのは、今回が群馬県知事として初めてということになります。ネブラスカ州のピレン知事からですね、一昨年に開催された日米中西部会で、ぜひネブラスカ州に来てほしいと、こういうお誘いをいただいておりました。また昨年の日米中西部会でもですね、州政府を通じてさらにお願いを頂戴したということです。今回、一昨年の日米中西部会で会って以来、初めてとなりますが、ピレン知事とこうして再会することができました。ピレン知事とはですね、ネブラスカ州立大学に県職員を短期派遣させる計画などの話、これを知事に伝えて、群馬県とネブラスカ州との連携を深めたいと、Win-Winの関係を構築していこうと、こんなことで合意をすることができました。次のスライドをご覧ください。

 ネブラスカ州ではですね、他にもネブラスカ州立大学の3つのイノベーション拠点「リンカーン校・イノベーションキャンパス」、それから「メディカルセンター・イノベーションハブ カタリスト」。そして「ビジネス開発センター」の各代表者と意見交換することができました。ここら辺のことについては、私のブログでもかなり細かく具体的に書いてありますので、もう少し情報がほしいという方はぜひそれを読んでいただければいいと思うんですけれども、こうした各機関での議論を踏まえ、群馬県内の大学や企業等との連携策について検討するように関係部局に指示を出したところです。

 またネブラスカ州ではですね、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が代表を務める投資会社、皆さんご存じだと思うんですが「バークシャー・ハサウェイ社」の株主総会を視察いたしました。これは投資家のウッドストックって言われている有名な会議で、メディアでもこの日のバフェット氏の発言が相当報道されましたが、これバフェット氏の話を聞きに、世界各国から何万人の人が押し寄せると。今回特に多くて、4万人ということだったんですよね。今回はネブラスカ州政府からの招待を受けて、特別に参加させていただいたと。それは私がネブラスカ州知事でもですね、これやっぱりネブラスカ州の一年に一度の大イベントですから、この時期に来るんだったら、ぜひ見てほしいと言うのは当然だと思います。おかげさまで、非常に刺激を受けるとともに、何万人も集まっているこのスタジアムというか、そこで聞いたんですが、世界経済の見通し等についても、最新の知見を得ることができたと考えています。以上がネブラスカ州での主な訪問結果です。

 ピレン知事は非常に有名な方で、ネブラスカ州はですね、ネブラスカ州の名物として、ネブラスカ大学のリンカーン校にコーンハスカーズっていう有名な大学のフットボール部があるんですよね。皆さんご存じだと思うんですけど、アメリカンフットボールの場合、大学の大会もほとんどプロみたいな注目を受けるっていう中で、このピレン知事はですね、実はコーンハスカーズの名選手で、ホールオブフェイム、殿堂入りもしているってことなので、本当地元のヒーローなんですよね。今は養豚関係の非常に大きな会社を経営していて、こちらも成功しているってことなんですけれども、ピレン知事からですね、こういうのをいただいたんですよね。これ、ここに書いてあると思うんですよね。これはネブラスカ州の海軍、各州で軍隊を持っていますから。ネブラスカ州の海軍の提督に任命するってやつなんですよね。これ結構しびれましたよこのプレゼント。ピレン知事に、「群馬県知事を辞めた後やることがなければ、ネブラスカ州に来て海軍提督をやったらどうか」と言われていまして、こういうやっぱりなんかね、ただのギフトの交換でも、こういうのがないといけないなと思って、ちょっと反省しました。これ結構感動したので、ちょっと皆さんにお見せしたいと思います。はい次行きたいと思います。

 インディアナ州の訪問結果です。インディアナ州はですね、SUBARUをはじめ県内企業が多数進出している地域です。これはもう皆さんご存じのとおり、群馬県経済にとっても大変重要な州となります。その州知事に新たに就任されたブローン知事に一刻も早く会って、インディアナ州との関係強化をする必要があるというふうに思って、いろいろ調整を進めてきたところ、日本の知事、日本のおそらく政治家として初めてお目にかかることができました。ブローン知事との会談ではですね、ホルコム前知事と同様、群馬県とインディアナ州との関係を重視し、より一層関係を深めていくことで一致いたしました。また、今の状況ですよね、トランプ政権の関税措置についても言及をして、交渉の結果によっては、群馬県とインディアナ州の間で、さらなる互恵関係を生み出せるということを確信いたしました。当然初めてお目にかかるということで、非常に前向きな、ポジティブなトーンでお話をさせていただきました。会談を通じて、インディアナ州に進出している群馬県企業に対して、ブローン知事が大きな関心と期待を寄せていただいていることが分かりました。ジャスパーというインディアナ州の田舎で生まれ育って、ハーバードのビジネススクールに行って、お父様からいわゆる製造業関係の会社を受け継いで、実は非常に大きくして、大成功をおさめているビジネスマンでもあるので、非常になんて言うんでしょうかね、頭脳明晰な方なんですけど、特にSUBARUのSIAへの貢献についても、上院議員時代から行かれたことがあるということで、非常に認識を持ってらっしゃったっていうのが分かったのは大変うれしかったです。ブローン知事との間においてもですね、群馬県とインディアナ州の友好関係をさらに発展することはできるということを、確信して戻ってまいりました。次のスライドをご覧ください。

 ブローン知事との会談に先立ち、トランプ政権の関税措置による影響、課題を把握するために、群馬県から進出している現地企業との対策会議を開催いたしました。対策会議には、SUBARU、それからSUBARUの現地法人であるSIA、そして現地サプライヤー企業4社の代表などにご参加いただきました。今回の関税措置の影響や、現地での操業の課題についてですね、率直な意見交換を行い、現場の生の声を聞くことができました。またブローン知事の目玉政策の1つとして設置する予定の「インディアナ・イノベーション庁」、こう呼ぶのか分かりませんが、こういう組織の関係者とも会談を行わせていただきました。この他にも、IEDC、これインディアナ経済開発機構って言うんですけれども、この関連の機関を訪問してですね、主に製造業のDXやイノベーションの促進を支援する機関、これはConexus (コネクサス)と言うんですけど、こういうところの説明も受けました。加えてARI、アプライド・リサーチ・インスティテュートの略なんですけど、このARIと自動車バッテリーの開発研究を行うBIC、バッテリー・イノベーション・センター、こういうところの関係者とも会談を行いました。これについてもブログにかなり詳しく書きましたので、もしメディアの皆さんの方で、もうちょっと中身にご関心があるということならば、ちょっと私のブログを見ていただけるともうちょっと細かく分かると思います。こうした各機関との議論を踏まえて、群馬県とインディアナ州のお互いがプラスとなるような連携策についてですね、具体的な検討をするように関係部局や教育委員会に指示をいたしました。はい、次のスライドをご覧ください。

 そして、インディアナポリス子ども博物館で開催された歓迎レセプションにも参加いたしました。このレセプションはですね、さっき申し上げたIEDC、インディア経済開発機構とJASI、インディアナ日米協会というのがあるんですけれども、この2つが知事をはじめとする群馬県訪問団のために開催していただきました。それで、IEDCのブレード長官、新しい長官です。それから子ども博物館。この種の博物館としては世界で最も多くの人を集めている博物館なんですけど、ここのロビンソン館長。それから、SIAのスコット社長。SIAの社長はアメリカ人なんですけど、非常にこの方は評判が良くて、いろんなところでSUBARUのPRをしていただいています。それから州政府の職員、現地の大学教授、現地の日系企業役員など、相当幅広い方々に声をかけていただいて、おかげさまでこうして大勢の方と交流を深めることができました。レセプション終盤にはですね、これはもうインディアナ州の強い要望により、もう1回言いますね、私がやりたいって言ったわけじゃありませんから。インディアナ州側の強い要望によってですね、今回もこのギターのパフォーマンスを披露いたしました。実はこれが一番プレッシャーがかかったんじゃないかって噂もあるんですけれども、もう当然、このパフォーマンスについては、大きな拍手をいただいたということです。

 今回のインディアナ州での訪問ではですね、インディアナ州の皆さんが、我々群馬県訪問団のためにいろんな企画をしていただいて、本当に大歓迎をしていただいたことに大変感動いたしました。これこそ、ホルコム前知事の時代から積み重ねてきた、群馬県とインディアナ州との関係構築が実を結んだ象徴的な、ある意味でいうとイベントだったというふうに思っています。このイベントに出席された日系企業関係の方から聞いたんですけど、いまだかつて自治体に対してこんなイベントをやったのは見たことがないというぐらい、本当に大歓迎をしていただいて、もう口々に、ここでSIAのスコット社長もそうですけど、この新しい機関の代表とか、ここに登壇する人たちは全て、群馬県のこれまでの取り組みについてですね、大変称賛をしていただいたという普通では考えられないような歓迎を受けたと。もう1回言いますが、これは我々がずっと努力してきたことの成果だと思います。そして、実はこの州政府からもですね、これもぶったまげるようなギフトをいただいたんですよね。これです。これ、あり得ないでしょ。これほとんどMLBの人形と同じような感じなのね、大谷人形みたいに首が揺れるんです。これ見てください。これちゃんと本当によく作ってあって、似ているでしょ。ここに書いてあるんですよね。「私たちは山本一太知事を愛しています。フロムユアフージャーファンクラブ」。「フージャー」っていうのはインディアナ州の人々を総称する言い方なんですけどね。フージャーファンクラブから、ということですね。これ一応、インディアナ日米協会なんですけど、これ本当に驚きました。やっぱりね、これ今までもらったプレゼントの中でも、ちょっとナンバーワンに近いような感じで。今回はネブラスカ州もインディアナ州もですね、こういうギフトをやっぱりミッションに対して用意しているっていうのは大変勉強になりました。ちなみにこれ持って帰ってくるときに、首が取れないようにどれだけ気をつけたかっていうことだけちょっと申し上げておきたいと思います。ということで、訪問の結果は以上です。とにかく今回の両州への訪問は8日間という長い行程でした。日々の日程に全力を尽くして、群馬県の発展に貢献する貴重な議論をすることができました。無駄な時間は1分もない、大変有意義な訪問になったと感じています。今後も知事自らが先頭に立って、自治体独自の地域外交を進めることで、群馬県の取り組みを世界に発信し、群馬県の新たな飛躍につなげていきたいというふうに感じております。まだまだ言いたいことはあるんですけれども、時間がなくなっちゃうので。

 

3.群馬県民会館

 続いて、群馬県民会館についてご報告をしたいと思います。県民会館の存廃に関しては、ここでも随分皆さんからご質問もいただきましたし、これまで県民の皆さん、県議会、前橋市をはじめとする様々な方々の意見を伺いながら、慎重に検討を重ねてまいりました。今回これまでの検討を総合的に判断し、知事として決断をいたしましたので、発表させていただきます。

 現在の県民会館は廃止します。もう1回言いますね。現在の県民会館は廃止いたします。来週開会予定の令和7年第2回定例県議会で、群馬県民会館の設置及び管理に関する条例を廃止する議案を提出いたします。あわせて、県民会館の周辺エリアも含めて、新しい文化拠点の整備を検討するための予算議案も提出させていただきます。廃止に伴い、基本的には、県民会館の建物は解体する方針です。ただし、新しい文化拠点の整備検討結果によっては、今の施設のリノベーションなのか利活用か分かりませんが、その可能性は除外をしないことにしたいと思います。この知事の決断をご理解いただけるように、県議会に対して丁寧な説明を行うとともに、県民の皆さんの声やニーズをしっかり聞きながら、新しい文化拠点の検討を進めてまいりたいと考えています。それでは、今回の判断に至った理由やこれまでの経緯についてご説明をさせていただきます。次のスライドをご覧ください。

 まずはこれまでの経緯についてです。群馬県では、行財政改革の一環として、令和元年11月から県有施設のあり方見直しに取り組んでまいりました。外部有識者で構成する県有施設のあり方見直し委員会を設置し、見直し対象の施設の1つとして、県民会館のあり方についても検討を行ってまいりました。令和2年10月に公表した県有施設のあり方見直し中間報告では、老朽化した施設を存続させるには、多大な改修費用が必要であることなどから、県有施設としては廃止を検討すると、こういう方向性を示させていただきました。これに対して、令和2年、覚えてらっしゃると思いますが12月にですね、この県議会で、性急に結論を出さず幅広い意見を取り入れて慎重に検討するべきだという決議が、全会一致で可決されました。また、令和3年1月には、市民団体の皆様から約2万筆の署名が提出されるなど、存続を求める要望をいただいておりました。そうしたこともあってですね、その後もいろいろと議論してまいりましたが、令和3年の10月に、県有施設のあり方見直し最終報告(改訂版)というものを公表させていただきました。最終報告では、多大な費用をかけてまで県有施設として将来にわたって維持する必要性は低いと、こういう結論に至りました。一方で、存続を求める要望を踏まえて、大ホール及び附帯施設のみの利用に縮小し、当面の間施設を存続させることといたしました。この方針に基づいて、皆さんご存じだと思いますが、令和4年度からは、前橋市まちづくり公社による管理運営に変更してですね、群馬県と前橋市が連携して施設を存続させてまいりました。この間も、群馬県としては県議会の決議も踏まえて、引き続き施設の必要性について慎重に検討を続けてまいりました。具体的には、継続的な利用状況の分析、それから県民アンケートの実施、さらには、前橋市との意見交換を何度も実施をする中で、丁寧な対応を行ってきたつもりです。また、群馬県の文化審議会からもご意見をいただきました。加えて、記者の皆さんに随分ご同行いただきましたが、私自ら現地調査を行って、施設の実態把握にも努めてまいりました。このように検討を重ねてまいりましたが、結論として、県有施設のあり方見直し報告書の最終報告で示した、多大な費用をかけてまで県有施設として維持する必要性は低いと、こういう方針と異なる要素は認められないと判断をいたしました。具体的にその理由について説明をしたいと思います。次のスライドをご覧ください。

 廃止理由は大きく2点あると考えています。1点目は、施設に対する県民ニーズの減少です。施設の存廃の検討にあたっては、当然その施設に対して県民のニーズがあるかどうかという点が非常に重要です。県民会館の大ホールの利用者数の推移を見ると、ピークを迎えた平成元年度にはですね、年間約42万人に上りました。しかし平成10年代以降は利用者が年間20万人台となり、ピーク時の2分の1程度まで減少しています。さらにコロナ禍を経て利用者数は減少いたしました。全国的に需要が回復した令和5年度以降も利用者数は回復せず、約10万人程度にとどまっています。これはピーク時の4分の1程度ということになります。様々な要望を受けて施設を存続した後もですね、残念ながら利用者が大きく減少する結果となっています。県民会館に対する県民のニーズの低さを表しているというふうに我々はとらえています。この背景には、大ホールの音響が悪い、それからバリアフリーに対応していない、駐車場が不足している、こういう施設固有の課題もあります。加えて、高崎芸術劇場をはじめとした競合施設に利用が分散した、こういうことも要因として考えられます。いずれにしても、これらの根本的な問題は、仮に大規模改修を行ったとしても解決するのは容易ではありません。このことはこの会見でも何度か申し上げました。加えて次のスライドをご覧ください。

 また利用状況にも変化が見て取れます。県有施設のあり方見直し報告書では、県民の音楽発表などの場としての大ホールの利用が減少していることを指摘しています。このような傾向は、令和4年度以降も継続しており、コロナ前後で半減しています。現在では、市町村単位でホールが整備されており、文化活動の拠点は、より身近な場所に移行しているというふうに分析されます。同様のホールが非常に少なかった建設当時とはですね、ここでも何度も言っていますが、前提が大きく異なっているということで、県民が文化活動を行う際に進んで県民会館を選ぶ理由がない状況になっているというふうに言えると思います。こうした状況を総合的に分析して、現在の県民会館に対する県民のニーズはですね、大きく減少していると判断いたしました。次のスライドをご覧ください。

 廃止理由の2点目は、施設存続に多額の改修費が必要となることです。令和元年度の実施設計に基づく試算では、今後10年間で50億円以上の工事費用が必要だとされています。加えて現在の物価状況なども考慮すると、さらに費用が上振れる可能性が高いと考えています。こうした大規模な改修を行う場合には、当然ながら、長期的な視点を持って、改修することが、県民全体の幸福度向上に寄与するかを、冷静に見極めなければなりません。この視点に立って考えると、県民のニーズが大きく減少している県民会館に、これだけ多額の工事費をかけてまで改修を行う理由は見当たらないと考えています。昨年実施した県民アンケートでも、改修費用を示した上で施設の必要性を確認したところ、必要ではない、またはどちらかといえば必要ではないという回答がおよそ半数を占めていました。そういった意味でも、今回の方針は多くの県民の皆様にご理解いただけるものととらえております。

 以上の理由から、知事の責任において、知事である山本一太の判断において、現在の県民会館は廃止する方針を固めました。私としては、県民会館は多くの県民の文化活動を支えてきた大切な場所だったと思っています。いろんな皆さんのノスタルジーを否定するつもりもありません。県民会館は県民会館として、歴史があると思うし、いろんな実績を残してきたんだと思うんですね。しかしながら、建設から50年が経過した今、県民会館はその役割を終えたというふうに考えております。なお先日、一部市民団体の皆さんからの要望書において、より安価な費用で改修が可能という提案をいただきました。これ、一応拝見させていただきました。要望書から具体的な改修内容は見えませんけども、優先度の低い改修を見送ることで、一時的に改修費を抑えるような提案となっているようです。しかしながら、群馬県としては県民の皆さんに安心安全な形で、施設全体を継続的に利用いただくためには、先ほど申し上げたとおり多額の費用が必要になると試算をしています。この試算は、建物を熟知している岡田新一設計事務所による改修設計に基づいて計算したものであって、必要な箇所の改修を行うと、こういう内容となっていまして、決して過大なものではないと認識をしています。また、当然のことながら、施設を改修するということになったらですね、長期利用を前提に効率的に実施する必要があります。改修の見送り、見直しによる一時的なコスト削減では、これはもう当然ですけど、本質的な解決にはならないと私たちは考えています。さらに申し上げると、群馬県の皆様、県民の皆さんに安全に利用いただけるということが何よりも重要だととらえています。決して、施設の存続ありきで、安易に改修費を削減するようなことがあってはならないとも考えています。また仮に費用を抑え、整備を行ったとしてもですね、現在の施設の維持に主眼を置いた改修で、この県民会館将来のことを考えた上で、県民会館の価値が高まるとは到底思えません。知事としては、多くの県民の皆さんが利用したくなるような施設でなければ、多額の投資を行う必然性、必要性はないというふうに考えています。次のスライドをご覧ください。

 あらためて強調しておきたいのは、知事として、県民会館を潰したいと別に思ってるわけではないし、決して文化の重要性を軽んじるわけでもないということです。これまでも群馬県では、県予算の一定割合をアート振興に充てることを明文化した全国初の条例、これ全国でやっているところはありませんが「群馬パーセントフォーアート推進条例」を施行しました。また、群馬交響楽団や障害者アートへの支援、上毛かるたの普及にかける予算化も進めてまいりました。さらにはtsukurunやTUMOなど、デジタルクリエイティブ人材の育成についても、これは実は多様化する文化活動を支える取り組みの1つととらえています。このように群馬県としては、幅広い文化活動の支援を行ってまいりました。また私個人としても、先ほどちょっと申し上げましたが、音楽、映画、アニメ、マンガ、このコンテンツ研究をですね、個人的な趣味として何十年も続けてまいりました。昨年には、例えば高崎駅前で、人生初のストリートライブまでやらせていただいたということからも、それはよく分かっていただけると思います。そんな私がですね、文化を軽んじることはありません。文化は県民の幸福度を向上させる重要な要素だと、この点はですね、強く認識しています。だからこそ、県民の多様な文化活動を支える場を提供することはですね、これからも群馬県が担うべき重要な役割だと考えています。群馬県文化審議会からも、文化活動の多様化は間違いない、新しい文化活動の方向性を汲み取って、ニーズに合った拠点をつくる未来志向の考え方はあり得ると、こういうご意見もいただいています。私もまさにその通りだというふうに考えています。建設から50年が経過しました。世の中が変わって、ニーズも変わってきました。その中で、今ある施設を大規模なコストをかけて維持改修するという観点だけでは、県民の文化活動を支える場を提供する県の役割は果たせないと考えています。未来を見据え、時代のニーズに沿った新たな文化拠点のあり方を考えていくべきではないでしょうか。今後県議会とも議論を重ねながら、そのニーズを汲み取るところからですね、真剣に丁寧に、この件についての検討を進めてまいりたいと思っています。次のスライドをご覧ください。

 もちろん具体的な検討はこれからになりますが、現時点で想定している1つのイメージをスライドに示させていただきました。多様化するニーズ、変化する環境、さらには人口減少時代にあって、より持続可能な施設運営を目指していくためには、施設の統廃合も含めて、長期的な視点を取り入れるべきだというふうに考えています。こうした考えのもと、例えば、文化、アート、学び、こういう多彩な機能を集約したシナジーですよね。これを生むような文化拠点を目指すべきではないかと考えています。あくまでこれ例示ですね。いろいろ具体的なことはこれからいろいろ議論していかなければいけないと思いますが、例えば音楽、ダンス、演劇、動画撮影など、新たなニーズにも対応した、多機能練習スタジオとかですね。最新の設備を備え、県民の発表の場からプロの興行まで対応できるライブハウスとかですね。あるいは、専門的な教養と県民相互の交流を生む、新しい時代の図書館とか。こういう複数の機能が組み合わさって、多くの県民が集う場所、こういったイメージを想定しています。今までにない新時代の新しいハイブリッド型の文化拠点を整備し、ワイズスペンディングの視点と県民幸福度の向上を両立させていくと。そんな群馬モデルと呼べるような文化拠点の整備をぜひ検討してまいりたいと思っています。令和2年の県議会の決議では、県民会館に隣接する群馬県立図書館等の敷地を含めたエリア全体の活性化、これについても言及をいただきました。新たな文化拠点の検討を通して、この点に関しても、引き続き前橋市など関係の皆様との連携を密にしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 

4.TUMO Gunma

 随分長くなったんですけど次にいきたいと思います。続いてTUMO Gunmaについてです。群馬県では近未来構想の1つとしてクリエイティブの発信源を掲げています。この構想を具体化するための基盤として知事就任以来、全国に先駆けて取り組んできたのが、デジタルクリエイティブ人材の育成です。そして今年の夏に向け、アルメニア発祥の中・高生向けデジタルクリエイティブ人材育成施設、TUMOセンターをですね、アジアで初めてTUMO Gunmaとして高崎市のGメッセにオープンするため準備を進めてまいりました。この件については何度もこの会見でもご説明していると思います。この度、TUMO Gunmaのオープン日が決定いたしましたので、お知らせしたいと思います。はい。TUMO Gunma。7月19日の土曜日にGメッセ群馬4階にオープンいたします。知事として、アジアで初めてこのTUMOセンターを群馬県に開設できるということを大変うれしく感じています。ぜひ多くの中高生にTUMO Gunmaを利用していただきたいと思いますし、ここから日本を代表し、世界に羽ばたいていくデジタルクリエイティブ人材が生まれることを期待しております。加えてデジタルクリエイティブ人材育成の先進地として、群馬県の名が国内外に高まる、こういうことも確信をしております。なおTUMO Gunmaには、小中高生向けのデジタルクリエイティブ人材育成施設「tsukurun TAKASAKI」も併設して、こちらも同じ日の7月19日にオープンさせたいと思います。TUMO Gunmaの正式オープンに先立ち、まず6月1日に、アルメニアからTUMO関係者をお招きしオープニングセレモニーというものを行います。そしてセレモニーの翌日から、TUMO Gunmaの無料体験会を開催しますので、こちらについてもお知らせしたいと思います。次のスライドをご覧ください。

 期間は、6月2日から7月18日までの原則土曜日と日曜日になります。希望があれば、平日も開催する予定です。対象は県内外の中高生です。体験会ではTUMO Gunmaの見学ツアーを実施した後で、プログラムを先行体験するということができます。プログラムはデジタルクリエイティブに深く関連する、3Dモデリングとか、ゲーム開発、映像制作、ここに書かれている8分野になります。この中から、希望するプログラムを体験することができます。なおプログラムには今後、ここにですね、生成AIというものも追加する予定です。加えて保護者の方や教育関係者などを対象とした見学会も開催いたします。体験会、見学会の日程や参加申し込み方法など詳細は、今後群馬県の公式ホームページに掲載していきますので、ぜひご確認ください。国際的に評価の高いTUMOのプログラムを群馬県で体験できる貴重な機会になります。ぜひ大勢の皆さんの参加をお待ちしております。群馬県としては、TUMO Gunmaとtsukurunを核に、県内どこにいても無料で最先端のデジタルクリエイティブを体験できる環境、これ無料ですからね。例えば、どこに住んでいるかとかね、あるいはご両親の収入とか環境の差とか、こういうことを抜きに、全ての子どもたちにやっぱりイコールのチャンスを提供すると。こういう環境をぜひ整備してまいりたいと思っております。さらには人材育成をはじめ、企業集積や情報発信等により、デジタル・クリエイティブ産業のエコシステム構築をですね、これを通じて加速していきたいと思っています。

 

5.「赤城山景観ガイドライン」の策定

 はい続いて、赤城山景観ガイドラインの策定です。スライドをご覧ください。この度、赤城山の自然豊かな景観を守るため、群馬県と前橋市が共同で赤城山景観ガイドラインを策定いたしました。ガイドラインでは、Akagi Well-Viewing(赤城ウェルビューイング)という基本理念を掲げています。この理念には、赤城山が誇るべき自然景観、ガイドラインに沿った整ったデザインによって生まれる質の高い景観体験を将来にわたって守り伝えていきたいという思いが込められています。そして理念の実現に向けて3つの基本方策を設定しています。「らしさを守る」では、カルデラ地形により形成された赤城山独自の景観的特徴や豊かな動植物、そして歴史などを守ってまいります。「地をつくる」では、景観を効果的に見せるために、映えさせたいものとか、馴染ませたいものなど、景観をつくる要素を分類分けしていきます。3つ目「まとまりで演出する」ではですね、景観の統一性、一貫性を担保するため、関係者で赤城山の魅力を共有し、エリア全体の価値を向上させます。ガイドラインの策定にあたっては、地元の方々や関係者の皆様にも多大なご協力をいただきました。知事として感謝を申し上げます。本日は、ガイドラインの対象地域や施設、景観を守るために定めたデザインコードについても説明させてください。次のスライドをご覧ください。

 ガイドラインの対象範囲は、群馬県の県立赤城公園とその範囲内にある民有地ということになります。そしてエリア内の建築物や広告物、工作物などがデザインコードの対象となります。デザインコードでは、エリア内で建築物などを新しく建てたり、修繕したりする場合は、赤城山の石、土、木などの、自然に近い色を使用することを定めています。また高さを13メートル以下に抑えることなども定めています。この他にも、ウォーカブルな遊歩道にすることとかですね、あるいは歴史と品格を維持することなど、全部で84のデザインコードを設定しております。ガイドラインの詳細についてはスライド記載のQRコードから、いつもの通り、群馬県の公式ホームページをご確認ください。群馬県では、皆さんご存じだと思うんですが、現在大沼キャンプフィールドをはじめとした赤城公園の活性化にも取り組んでいます。こうした取り組みについてもガイドラインに沿った形で進めると。そうすることによって、赤城山らしさを持った統一感のある景観づくりを目指してまいります。

 

6.新しい県広報番組「アニメの星」

 続いて、新たな群馬県広報番組についてです。スライドをご覧ください。この度、群馬県の新たな広報番組「アニメの星」の放送を開始いたします。アニメの星はですね、県内の中高生の中からオーディションにより声優を発掘し、子どもたちの夢を応援していく番組です。群馬テレビの30分番組として、6月17日火曜日の19時から始まります。今回放送するのはシーズン1で、初回以降、9月30日まで毎週火曜日の19時から放送させていただきます。メインのMCはですね、群馬県出身の声優、服部想之介さんと関根有咲さん、この2人に務めていただきます。番組ではまず、プロの声優が県内の高校を訪問して、アニメや声優に興味のある生徒を対象とした出張オーディションというのを行います。あわせて、県内在住または在学の中高生を対象とした一般オーディションというものも開催いたします。そしてこれら2つのオーディションの通過者を集めた最終オーディションを開催し、オーディションの優勝者を決定すると、こういう流れになります。優勝者は、オーディションと同時並行で制作が進む群馬県を舞台にしたショートアニメ、この声優を務めることができます。一般オーディションについては本日から募集を開始していますので、詳細はスライド記載のQRコードからご確認ください。アニメの星はですね、群馬テレビの他、TVerや群馬県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」でも配信を予定しております。県内外多くの方々にご覧をいただきたいと考えています。この番組を通して群馬県からより多くのクリエイティブ人材が生まれることを期待しています。なおアニメの星のシーズン2も決まっています。11月から放送する予定になっています。放送日時など決まりましたら、あらためてこの会見等でお知らせをしたいと思います。

 

7.グリーンボンドの発行

 続いてグリーンボンドの発行です。スライドをご覧ください。群馬県では「ぐんま5つのゼロ宣言実現条例」に基づいて、「環境と経済の好循環の創出」、いわゆるグリーンイノベーションに向けた取り組みを進めています。こうした取り組みの資金調達を目的に、今年度もグリーンボンドを発行したいと思います。グリーンボンドの発行は、令和5年度から行っておりまして、今回が3度目となります。今年度は昨年度同様10年満期一括債100億円、5年満期一括債50億円、これを発行します。購入対象は法人投資家で購入単位は1,000万円、10年債、5年債の両方を購入することも可能です。発行時期は今年の7月です。利率などの詳細は7月上旬に決定予定です。調達した資金はですね、尾瀬国立公園の環境整備、水害対策など、脱炭素社会の実現、気候変動対策に活用していきます。詳しくはスライド記載のQRコードから群馬県公式ホームページをご確認ください。過去2回の発行では、県内外の多くの投資家の皆さんからご賛同いただき、発行額を上回る応募をいただきました。特に、令和5年度は200件を超える投資表明をいただきました。これは、現在でも、調べてみたら全国の地方債グリーンボンドにおいても、過去最多の件数なんですね。群馬県としてはグリーンボンドを通じて、県内外の投資家の皆さまへ群馬県のグリーンイノベーションの取り組みを発信し、環境問題解決に向けた機運醸成を図ってまいります。そして、調達した資金を環境問題への取り組みに活用し、環境と経済の好循環を目指してまいります。

 

8.直滑降ストリームの告知

 続いて、直滑降ストリームの配信についてお知らせしたいと思います。スライドをご覧ください。「県議と知事の紅茶懇談」配信のお知らせです。この企画は、群馬県議会議員の皆さんお招きし、親しみやすく、身近なテーマで話をするというシリーズです。第5回目のゲストは、日本共産党の酒井宏明県議です。番組では、幼少期から始めた趣味の将棋、それから高校時代にSF小説を執筆されていたこと、お気に入りの本などについてですね、酒井さんからいろいろお話を伺いました。酒井県議の非常に人情味のあるお人柄が伝わる、すごくいい内容になっていると思います。明日16日金曜日の20時から、群馬県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」で配信しますので、ぜひご覧をいただきたいと思います。

 

9.公用車などのNHK受信契約状況

 これ最後になりますが、これも大事なお話なので報告をさせていただければと思います。群馬県が所有する公用車などのNHK受信契約状況についてのご報告です。スライドをご覧ください。昨今、全国の自治体において、カーナビ付き公用車などに関するNHK受信料の未払いが報道されています。今年の2月には、愛媛県がテレビ視聴可能なカーナビ付き公用車、携帯電話などについて、NHKの受信契約が行われておらず、受信料が未払いであったと公表しました。以降、全国の自治体で同様に未払いが発覚しています。この背景にはですね、一般家庭と事業所で契約条件が異なる点があると私たちは考えています。一般家庭においては、テレビやカーナビなどの受信設備が複数台あっても、1家庭で1台分の受信料を支払えばいいということになっています。一方、自治体を含めた事業所においては、受信設備ごとに契約して、その台数分の受信料を支払う必要があります。多くの自治体でこの認識が周知徹底できていなかった、これが原因だと伺っています。この度、群馬県においても同様の事案がないか、契約状況の調査を実施いたしました。その結果、群馬県においてもNHK受信料の未払いが判明いたしました。群馬県ではこれまで必要な受信契約を締結してきたほか、新たに機器を導入する際はテレビ視聴の必要性を確認した上で、必要がある場合は契約を行う運用としていました。しかしながら、こうした対応が徹底できておらず、結果として未契約が発生してしまいました。法令遵守の模範となるべき立場にありながら、こうした事態を招いたことを重く受け止めております。県民の皆さんにこの場を借りて深くお詫びを申し上げたいと思います。それでは調査結果の詳細をご報告したいと思います。スライドをご覧ください。

 今回の調査は、地域機関を含めた群馬県の全部局が所有する公用車と公用の携帯電話を対象に実施いたしました。群馬県警については県警が独自に調査したものを聞き取りました。そのうち、公用車については、ここにありますが、テレビ視聴可能なカーナビが設置された車両が338台あってですね、その中でNHKとの受信契約が行われていなかったものは257台でした。公用携帯についてワンセグなどの機能が付いている95台全てにおいて未契約でした。未契約による受信料の未払い額を試算したところ、公用車と公用携帯合わせて約2,000万円ということが分かりました。

 次に、今後の対応についてお話をしたいと思います。まず、未契約となっている公用車、公用携帯については速やかに契約を締結した上で、未払いの分の支払いを進めたいと考えています。その上で今後、テレビ視聴の必要性が低いと判断されるものについては費用面も考慮しながら、設備の入れ替えなども検討してまいります。そして、NHK受信契約に関する適切な取り扱いが徹底されていなかったことを踏まえ、改めて適切な対応を取るよう周知徹底を図ってまいります。群馬県としては、今回の事案を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいりたいと考えています。冒頭の発言が長くなりましたが、私からは以上です。あと40分残っておりますので、皆さんからご質問があれば、ぎりぎりまで対応させていただければと思います。

質疑応答

 

●群馬県民会館について

(記者)

 まず1点目、案件内で質問ですが、県民会館について、この時期に決断した、この時期的なもの、理由がありましたら教えてください。

 

(知事)

 まず担当の方から。地域創生部長。

 

(地域創生部長)

 まず、ちょうどこれまで3年間、施設の方を運営してまいりまして、一定の利用者の状況等を踏まえてきた、実績も把握してきたということと、あとはこれまで県民の方から要望書という形で出された内容について、県議会の方で一部趣旨採択をされまして、その内容についても、例えば県民アンケートであるとか、また文化審議会の委員からの意見聴取なども行ってまいりました。また今年の4月から、実はもう県民会館は今、利用停止をしておりますので、ちょうどこのタイミングで、知事の方で判断されたということで認識をしております。

 

(知事)

 今、地域創生部長からも説明がありましたし、ちょっとここでも示しましたが、県議会でいろんな要望も受けて、かなり丁寧な議論をしてきました。それから例えば、設計した事務所の方も呼んで、あらためて、もう何度も行っていましたけれども、私自身が施設を視察したりですね、あるいは、アンケートをしっかりと行って、情報を把握したり、そういうことをやりながら、もうそろそろ決断ができるタイミングだなと。というか、決断をしてもいい条件がそろったなと。それをいつまでも引っ張っていっても良くないので、そういう意味で言うと、このタイミングでやるのが一番いいだろうというふうに判断いたしました。

 

●県内政治の動きについて

(記者)

 案件外の質問になります。政治的な人の動きなんですが、まず渋川市長選に星名自民党県議が立候補を表明することになりました。また、自民党県連の幹事長は金井さんに決まり、県議会議長の候補としては井下県議の名前が挙がっています。それぞれ受け止めをお願いします。

 

(知事)

 まず渋川市長選挙に、星名県議が立候補を表明されたということはもちろん存じ上げております。これについては、現職の高木市長が、どうされるかを決めていないということなので、そこをしっかりちょっと見極めていきたいなと思っています。結論から言うとですね、高木市長も再選を目指して、もし出馬されるということであれば、中立を貫いていこうと、これはもう中立でいこうと思っています。それはなぜかと言うと、まずは高木さん、現職の市長として頑張ってこられて、知事と県ともですね、いろんな形でこれまで連携をしてきたという歴史があるということと、前の知事選でも、渋川地域の選対委員長として本当に頑張っていただいたということで、普通だったら、現職が出たら、現職を少なくとも応援する立場を表明するというのは普通ですが、やっぱり星名県議はですね、私の渋川高校の先輩でもあり、特に知事に就任してからの最初の何年間か、自民党の幹事長としてですね、本当にその調整に骨を折っていただいて、助けていただいたと。そういう個人的な関係とか思い入れもあるので、この2人が、2人とも出るというときは、そういう意味で言うと、本来ならば現職なのかもしれませんが、これはもう、いつも正直に言うことにしているので、その時は中立を保ちたいと思います。もし、高木市長が出られないということで、それ以外の、分かりませんどうなるか、だけど、高木市長が出られないということであれば、どなたが出てもですね、星名県議を応援したいというふうに思います。ただ、応援したいと言ってもですね、私が応援すると負けるという恐るべきジンクスができつつあるので、その場合でも、あまりもう顔を出さないようにしたいなというふうに思っていますが、もし高木市長が出られないということであれば、渋川高校の先輩でもある星名県議を応援するという表明をさせていただこうと思っています。

 それから、井下幹事長が県議会議長になるというのは、いつもの流れだと思うんですけれども、井下さんにも幹事長として大変頑張っていただいてお世話になりましたので、もちろん、県議としてはもうベテランですし、素晴らしい議長になっていただけるんじゃないかと思います。

 金井幹事長のことについては、皆さんも、もうブログをお読みになっているので、個人的な感想は書いたんですが、とにかく政策通なんですね。非常に勉強家だしアンテナも高いし、幹事長って、実質的な県議団のリーダーで、知事にとっては調整や交渉の窓口ですよね。そういうところに、ああいう非常に政策ができて、ある意味政局、選挙も強い、こういう人が来てくれたというのは大変ありがたいと思っていますので、ここからしっかりですね、信頼関係を築けるように、努力をしたいと思います。

 その他、県議会に対する心情は全部(ブログに)書いてあるので、ここでは繰り返しません。6歳児の、やっぱりその甘さでですね、何かこう人間関係さえあれば乗り切れるみたいな、自分がそうだから。昔こういう歴史があったとか、こういう助け合ったりとか、友情とか、そういうものは役に立たないって分かったので、しっかり冷静に、粛々とプロとして進めていけるような、そういう関係をつくりたいと思います。もう1回言いますが、金井幹事長は非常に、多分県議団のリーダーとしては活躍をしていただけるんじゃないかと思うので、とても、井下議長も金井幹事長もいい人事かなと思っています。

 

●藤岡市の官製談合事件及び神流町で発生した水道水による食中毒について

(記者)

 もう1点、群馬県内の事件、事故の関係なんですけれども、藤岡市で官製談合事件が起きました。あと、一方で神流町では、水道水に起因する食中毒事故が発生しています。それぞれの受け止めをお願いします。

 

(知事)

 水道事故のことは、担当部から説明させたいと思いますけれども、まず、藤岡市で現職の副市長が逮捕されたと。なおかつ、藤岡の経済界のリーダーともいうべき方と2人で逮捕されたと。これは結構衝撃を受けました。新井市長さんのことはよく存じ上げておりますが、市長自身はとても真面目な方で、本当に一生懸命やってこられたというのを拝見していたので、そこは人ごとではないというか、お気の毒というか、大変だろうなと。ある意味、副市長に裏切られたということになっているので、そこは大変残念だし、市長大変だなというような気持ちがあります。ぜひこういうことが二度とないように、しっかり原因も究明して、まだ事件の全容って明らかになっていないと思うので、その中でしっかり対策を講じていただければなと思います。

 まずこれを前提で言った上で、私の率直な感想を申し上げますが、やっぱりですね、こうして、ここ何年か群馬県で、官製談合で逮捕者が出るみたいな不祥事が続いてきているわけですよね。特に、副市長が逮捕されたということでいうと、例えば少し前ですけれども、渋川市の副市長が逮捕された。それから、前橋市、県都前橋、これは辞めたとはいえ、直前までやっていましたから、もう実質的に副市長が逮捕された。さらに続いて、今回は、現職の副市長が逮捕されたということなんだと思うんですけどね。やっぱり、ここではっきりしていることはですね、こういう官製談合に関わった人たちの中に必ず、時の首長と親しい人がいるということなんですよね。今度のケースもそうだと思うんですけれども、当然、この商工会議所の会頭、存じ上げていますが、当然市長との関係も非常に、おそらく良好に保っておられる方だというふうに思っています。やっぱりですね、これ本当に、自らも身を引き締めたい、襟を正していかなければいけないと思うんだけど、例えば、首長とすごく近い人がいる、側近みたいに呼ばれている、あるいはすごく影響力のある人がいるとしますよね。その時に、例えば行政側の人間で、いろんなケースがあると思うんですけれども、例えばね、この人と親しくしておくことによって、例えば自分の利益が図れる、あるいは自分が出世できるとか、自分の行政、職場っていいますか、組織におけるメリットになるから、そういうことで近づく人もいれば、逆に首長と近い、非常に影響力があるということを、ある意味振りかざして、どっちかというといろんな要求をしてくるという2つのケースがあると思うんですね。今回のことはよく分かりません。ただ、副市長はとても真面目でおとなしい人なんで、もしかしたらいろんな、何か圧力がかかったんじゃないかなという気はするので、ちょっと分かりません。ただこれを見ながら思ったことは、やっぱりですね、副市長、現職の副市長と、それからその地域の最も力のある経済人が、2人とも捕まったと。まだこれから、どういう中身になるか分かりませんが、一応不正行為ということで捕まったと。これはものすごく大きな深刻な話だと思うし、市長が深刻に任命責任を受け止めたいというのは、これは申し訳ないけど当然のことだと思います。それからするとですね、やっぱり6年近く、県庁の庁議で毎回のように、山本県政の根本哲学は、「お天道様の下でできないことはやらない」と言ってきたことは正しかったと思いました。それから、特にいろんなケースがあると思うんですけれども、私がここでも申し上げたようにね、何度かここで言っていると思うんですけど、知事はね、やっぱり県庁職員を守らなければいけないわけですよね。だから、これもなんか手前味噌で僭越ですけれども、全国で唯一、ガバナンスを機能させるための、コンプライアンスをしっかり維持するための、4人の弁護士のチームをつくっていると。このコンプライアンスをしっかりと維持するための組織をつくっている。これどこにもないですから多分、47都道府県で群馬県以外。これも正しかったんじゃないかなと。細かい内容は申し上げませんけど、県庁職員にもいろんな要請があるわけですよ。いろんなところから。それで、いちいち、もちろん報告を全体として受けているんですが、群馬県については県議会も含めて良質なので、そんな何かものすごく悪質な話というのはないです。ただ、やっぱりその中に、どういうところからというのは言いませんけれども、やっぱりちょっと問題になり得ることとか、あるいは、これは、ここでパワハラの話ってありましたよね、明らかにパワハラを伴った要求だみたいなことはやっぱり散見されるので、これについても、やっぱり群馬県がやってきたことは正しかったと思っています。いずれにせよ、もう1回言いますが、そんな悪質なケースはありません。例えば、行政側というか県議会の側も、良識のある人ばっかりなので、そういうことが、そんな悪質なケースがなくて良かったと思うんだけど、それも、やっぱりコンプライアンスのチームがあるということが、ものすごく実はいい影響を及ぼしているんじゃないかということをあらためて痛感しました。

 最後に言うとですね、もう国会議員時代から、秘書たちに絶対にルール違反はやるなと言っている理由は、やっぱり国会議員時代も思ったんですけど、私のために頑張ってくれている、うちの秘書たちを守らなければいけないわけですよね。万が一どんな理由であれ、そういうことがあって、今回みたいに逮捕されたりとかしたらね、もう1人の人間の人生めちゃくちゃでしょ。これは絶対にできないと思っているんです。何でそれをあらためて思ったかというと、ちょうど国会議員時代に、名前は申し上げませんけれども、ある大物政治家の秘書が、ある事件で逮捕されたのか、起訴されたのかちょっとよく覚えてないんですけれども、そういう事件があって、それがやっぱり、大々的に当然ですけど報道されたんですよ。その取り調べを受けているときとか何か覚えていませんが、その秘書の奥様が自殺したんです。その事件があった後、みんな事務所のスタッフ、その時5人ぐらいいたかな、集めて、こういうことを決して自分はやってはいけないと思っているから、自分に隠れて、例えば、そういう人1人もいなかったですよ山本事務所ではですね、何かこう、キックバックじゃないけど、何かこうお金を受け取るとか、口利きするとかいうことは絶対にするなと。そしてみんなの人生がもうめちゃくちゃになっちゃうんだということをですね、口を酸っぱくして言ってきたんで、やっぱりこういうことは必要なんじゃないかなと思いました。ちなみにこれを受けて、昨日かな、一応総務部長名だったと思いますけれども、しっかりみんな襟を正せというような、一応通達(通知)、これは全部局に配りました。これもやっぱり来週の庁議でも取り上げて、いや群馬県ではそういうことはないですよ、私の任命した部長のことを、幹部のことをみんな信じているから、2人の副知事についてもあり得ないけど、ただやっぱりこれは他人ごとじゃないということで、しっかり襟を正していかなければいけないんじゃないかなと思いますね。このことは、私は新井市長、大変真面目で、本当に頑張ってこられたと思うんですけれども、これよっぽどちゃんと有権者に説明しないと納得を得られないと思います。渋川のときも納得は得られていませんでした。前橋のときも実は多くの市民は納得していませんでした。そこからいくと、しっかりこれを受け止めて、本当に説明責任を尽くしていかれた方がいいんじゃないかなと。応援の気持ちも込めて、それだけは言わせていただきたいと思います。

 

(知事)

 それから、じゃあ(健康福祉部長)どうぞ。

 

(健康福祉部長)

 健康福祉部長でございます。神流町で発生しました水道水による食中毒事件でございますけれども、4月19日に医療機関から神流町へ、複数の住民が健康被害を訴えているという通報があったものでございます。保健所で進めております食中毒調査を進めてきた結果、水道水を介したカンピロバクター食中毒であると断定しまして、4月29日に、公表を行ったものでございます。今回の食中毒の原因は、農業用水と水道水の配管が地中でつながっておりまして、配管の詰まりにより、農業用水が逆流しまして、水道水を一時的に貯めておく配水池に、流入したというところが原因でございます。速やかに、神流町におきまして、再発防止策をとっていただきまして、水道水の安全性が担保されたということを県で確認しましたので、5月7日に、飲用水として供給が再開しているという状況でございます。群馬県といたしましては、本件を踏まえまして、同様の事例が存在していないか、水道事業者に対して、設備の整備及び水質管理を、徹底するよう指示しているところでございます。今後このような事件が発生しないよう、県としても、水道事業者の監視指導を徹底してまいりたいというふうに考えてございます。

 

(知事)

 一応ご自分で、名前も含めて自己紹介してください。

 

(健康福祉部長)

 健康福祉部長の國代でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

(知事)

 國代さん、多分ここの会見で出てくるの初めてだと思うので、大勢の方々も見ているので申し上げますが、うちの健康福祉部長、國代さん、今、厚労省の方から出向していただいていますが、大変素晴らしい方なので、これからもしっかりこの分野で活躍していただこうと思っておりますので、あらためてご紹介させていただきたいと思います。

それで、ほとんどもう、これに尽きると思うんですが、やっぱりこういうことが起こったときにはちゃんと原因を分析してですね、対応するということで、二度とこういうことがないようにですね、やっぱり水道事業者の監視指導をしっかり徹底していきたいと思いますし、それに尽きると思います。

 

●宇留賀副知事の後任人事について

(記者)

 すみません、最後にもう1点、今日午前の議会運営委員会で、宇留賀副知事の後任の人事案について、今度開会する第2回定例会に示されるということを、お示しされたと思うんですが、第2回定例会は5月22日に開会され、6月13日に閉会ということですけれども、どのタイミングでご提案なさるというおつもりかどうか・・・

 

(知事)

 まず今日の議運でも、一応予告をさせていただきましたが、この議会中にですね、宇留賀副知事に代わる、副知事人事の案をですね、提案させていただきます。宇留賀副知事の任期は、もう本当に大活躍をしていただきましたが、6月17日までということなので、当然この議会に人事案を提出するということで、おそらく、いろいろ県議会側からの感触もありますけれども、おそらく最終日になるんじゃないかなと。現段階では、ちょっとその、人事案の候補者の名前を明かすところまでいっていないので、そのお話はちょっと避けますが、少なくとも、県議会中に、最終日になる可能性もあると思いますが、そこで出したいと思います。

 

●知事の米国訪問について

(記者)

 訪米についてお話がありました。トランプ関税の対応という観点で見てのですね、今回のこの訪米の成果と言いますか、知事としての受け止めというのを教えていただければと思います。

 

(知事)

 まず1つは、トランプ関税の影響についてですね、現地で実際にインディアナ州でビジネスを展開している事業者の人たちから直接、現状、課題についてお聞きできたということと、それからもう何て言っても、州知事の力は絶大なので、新しく就任したブローン知事、日本政府も会っていませんから誰も、総領事も会っていないんでしかも、それで、最初に会えて、そのブローン知事が、SUBARUの貢献について、非常に、何ていうか認識を持っていらっしゃるというのを確認できたというのはとても大きかったと思うし、私の方からやはりポジティブなメッセージをかなり強調しましたが、いかなる流れになったとしても、必ずインディアナと群馬県、日本と米国というのは、Win-Winの関係を見つけられるという話をしてまいりました。やっぱりその、トップであるブローン知事にそういうことを伝えられたということと、やっぱりさっき言ったように、現地の人たちの声も、いろいろと直接聞けたということはとても大きかったというふうに思います。

 

(記者)

 先程の関係なんですが、インディアナ州知事にSUBARUの関税施策の関係で何か要望めいたものはされたんでしょうか。

 

(知事)

 インディアナ州知事ですか、はい。要望というか全体のトーンとしてはとにかく、ポジティブな流れをつくろうということだったので、そもそも、今の状況、トランプ大統領のいろんな大胆な政策によって変わってきている状況というのは、もう山ほどご存じだと思いますし、特にブローン知事は熱烈なトランプ大統領支持者ですから。そんなことも踏まえながらお話をさせていただいた中で、ぜひSUBARUの貢献というものを、しっかり考えていただければありがたいというお話はしっかりやってきました。それと、必ずこのWin-Winの関係を見つけていきましょうと、そういうふうに信じていますと、そういうメッセージは伝わったというふうに思います。

 

(記者)

 可能な範囲で、ブローン知事からはですね、SUBARUの貢献についてどういう言葉があったのでしょうか。

 

(知事)

 あんまり細かく言うとあれなんだけど、ブローン知事は、かなり大物知事なんですけどね、インディアナ州の上院議員をやっている、その前は下院議員もやっているんですけれども、上院議員時代に何度かSIAを訪問したことがあると言っていました。非常に感銘を受けたとその工場に。だから、SUBARUのインディアナ州に対する貢献についてはものすごく認識があると言っていました。その前に、私から一応申し上げたのは、SUBARUは、まずインディアナ州に日本の自動車メーカーとして初めて、ある意味、拠点を作ったと。しかもその後も、このSIA、現地法人ですけど、ここがもう、唯一の、まさにアメリカ市場における拠点としてずっと頑張り続けていると。そのことはぜひこの大きな貢献をインディアナ州にしたということについては、もちろんご認識はあると思うけど、ぜひそこら辺はご理解をいただいて、またこれからもいろいろインディアナ州と群馬県の連携促進に力を貸してくださいと言ったところ、もうブローン知事の方から、「いや、SUBARUについては、もちろん訪問したこともあって、非常に高い評価をしている」と、こういうお言葉をいただきました。

 

●SUBARUの業績について

(記者)

 SUBARUの関係なんですが、昨日決算発表がございまして、今年度についても業績が未定であるということと、米国の生産については拡大したいという意向も発表されましたけれども、知事としてSUBARUの業績見通しが立っていないということについては何かご見解は。

 

(知事)

 これは、やっぱりなかなか難しいと思うのは、まだどんな展開になるかって分からないですよね。アメリカの立場がどう変わるのか、今ちょうど交渉をやっているところなので、その流れも見ないとなかなか全体を把握することができないということなんじゃないかなと思います。先ほど申し上げたとおり、SUBARUの方も、いろいろ情勢を見ながら判断をしていくということですが、いずれにせよSUBARUが、群馬県にとって宝のような大事な存在だということは変わらないと思うし、いかなる判断をしていく上でも、しっかりSUBARUの方と連携したり、いろんな協議をしながら、進めていただければというふうに思いますし、おそらくそういう形で進んでいくんじゃないかと思います。ちょっと今の段階で、全体の流れはまだ見通せないのかなと思います。

 

●群馬県民会館について

(記者)

 あと最後に1点、県民会館の関係なんですけれども、一昨日、知事が小川前橋市長に面会されて廃止の意向を伝えられたというふうに聞いているんですが、どういうやりとりされたのか可能な範囲でお願いします。

 

(知事)

 あんまり細かいことは、もう申し上げないつもりなんですけれども、今回ここで初めて県民会館のことを発表させていただいたんですが、やはり前橋市長にはしっかり事前に伝えておくべきだと思って伺わせていただきました。その前にちゃんと副市長レベルで、ある程度、中身は伝えてあったんですけれども、ここはやっぱりトップ同士でやっておかなければいけないということで、お話をして、あまり細かいことを言うとあれですけれども、基本的に群馬県の立場は理解していただいていると思います。それから、これからおそらく県民会館を基本的には解体しますから、そのあと、どういう、例えば今日はシナジーのある文化拠点みたいなことを言いましたけど、どういうものをつくり上げていくかってことについては、当然県議会とも議論しなければいけないんですけど、前橋市ともいろんな協議をしていかなければいけないと思うので、そういう連携もしていければなと思いますし、そういうところは多分できると思います。

 

(記者)

 それに、連携していきましょうという話もされたということでしょうか。

 

(知事)

 はい、いろいろこれから連携していきましょうというか、ここから次の拠点を考える上では、いろいろ前橋市とも相談させていただきますということで、それは了解しましたと言っていました。

 

(記者)

 いくつか県民会館関係で、まず解体から新しい文化拠点設置までのスケジュール感といいますか、何年ぐらいを目処に設置したいというお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

 

(知事)

 それはですね、これからいろいろ、県議会、我々ももうちょっとこの中身については構想を詰める時間が必要ですし、それについていろいろ県議会からの意見を伺ったりとかですね、あるいは前橋市といろんな協議をしながら決めていくということなので、少なくとも、ある程度この後に考える、何て言うんでしょうか、空間がどうなっていくのかということを、ある程度の絵ができてから、ということになるというふうに思うので、これはいつになるかちょっと、今のところはっきりは言えませんが、もしこれがちゃんと絵ができればですね、当初予算に出せるかどうか分かりませんけれども、そんな遅くない時期に、それがちゃんとできた時点で、解体費用とか、そういう予算も計上できればなと思っています。

 

(記者)

 続けて、先ほど知事は新しい文化拠点で、一例として、あくまで一例でライブハウスですとか多目的スタジオとか挙げられましたけれども、やはりホールに代わる人が何か集まれるような場所をつくりたいという思いはあるということでしょうか。

 

(知事)

 それはあくまでも今こちらの考え方ですけれども、やっぱり文化の拠点というのは必要だと思うので、そういう中で言うと、例えば図書館とか、県立図書館についても、いろいろこれから考えなきゃいけないでしょ。そういうものも全体を網羅して、機能できるようなものがあればいいかもしれないし、時代の流れから言うと、さっき言ったスタジオ機能みたいなものもいいかもしれないし、図書館といっても、最先端の、本当にやっぱりこう、ものがあれば一番いいと思うし、そういうのはこれからよく考えていきたいと、あくまで一例として申し上げたと。ただ文化拠点と言ったときに、ちゃんと多彩な機能がここに書いてあるシナジーを生むという、ここがポイントですよね、新たな価値を創れるようなものじゃないといけないと思うんですね。だからこういう一応コンセプトで、一応議論をしっかり重ねて、我々として案もしっかり詰めていくと。その中で、前橋市とちょっと議論したり、あるいは県議会のご意見を聞いたりしていくということになると思います。

 

(記者)

 あと最後です。長年親しまれた文化拠点、大切な施設というお話がありました。閉館セレモニーのようなことをしたいという考えはあるんですか。

 

(知事)

 それは現時点ではまだ、特に予定はありません。まずは、条例で廃止条例をしっかり出しますので、これをしっかり県議会の方に説明して、了解してもらって、これをまず、成立させると。それでもう基本的には廃止の方向が確定するので、やっぱりですね、こういうのって、何か中途半端に延ばしたりとか、中途半端なことをやると、いろんな、何か誤解も生じるし、かえって良くないと思うんですね。だからはっきり方針を、この廃止条例を出すということで、しっかり方向性をまずつくるということがとても大事かなというふうに思っています。その上で、実際にこの、分かりませんよ、解体予算みたいなのは、やっぱりちゃんとこっちをまとめてからがいいと思うので、その上で例えば、この日に解体するみたいなことがあれば、それについて何かいろいろね、セレモニーかどうか分からないけど、何かいろんな形で、気持ちを表すことというのはあるかもしれません。

 

(記者)

 それは県民の方が参加できるような形も考えられると。

 

(知事)

 それも今、特に議論していませんけど。でも、そういうことはあり得る話だと思います。

 

(記者)

 県民会館の件でちょっと教えてください。いろいろなアンケートなどで情報収集したんですが、その中で特に利用者の声を直接聞く機会がなかったと思うんですが、その辺についての考え方をちょっと教えていただけますか。

 

(知事)

 利用者?

 

(記者)

 利用者、実際に利用して、残してほしいという方々が結構いらっしゃったと思うんですが、その方の声を直接聞く機会がちょっとあまりなかったように思うので、その辺どういう考えだったのか教えてもらえればと。

 

(知事)

 直接聞くというのは、まずアンケートでしっかりお聞きできているので、それはもう十分いろんな形で、いろんなところから意見を頂戴しているので、これ特に、何て言うか足りなかったということは思っていません。すでに、ある程度もうその有識者の考え方で、これは役割を終えたというところから、やっぱり要望を受けて、かなり延ばして、丁寧にやってきたという中では、例えば前橋市との協議であったりとか、いろんな方々の意見というのはちゃんと来ていましたから。それをいちいち会って聞く必要があったかというとそれはないと思っていますし、それはもう十分、こういう中では議論をさせていただいたと思います。

 それから、そもそもこの県民会館のね、改修の方向を決めた報告書、これ、読み込みました。ここでも言ったけど、何度も読みました。それで、やっぱり2年間ぐらいやっていたでしょ。それで8回ぐらい議論やっていて、実は議事録残っているんです。それも議事録も全部読もうと思って、全部読んでいないけど、読み始めました。それで、まず文化審議会のメンバーの方々、みんな立派な方々です。これはもうはっきり言っておかなければいけない。この方々に対して、何のあれもないし、本当にいろいろ県に貢献していただいたと思っているんですけど、報告書、4ページぐらいの、記者さんもご覧になっていただいたら分かると思うんだけど、例えばね、県民会館が県民にとっての文化の拠点で、聖地だって書いてあるじゃないですか。それはいいんだけど、なぜ聖地なのかという説明がやっぱりないと思うんですよね。こういうデータに基づいて、そう判断したのかというのはまずないなと思ったのと、それからあと、交流の場になっているみたいな話はあるんだけど、こういう結論に至った理由みたいなのは、ちょっと書いていないなと思ったのと、あとほとんどは、継続することを前提にした改革プランばっかりなんですよね。だから、これ何度も読んだんです、これが元じゃないですか。だけどやっぱり、どうしてもそこは何ていうか、そういう役割を果たした時期もあったと思うし、ノスタルジー、いろんな方々のノスタルジーは否定はしていないけど、そこはどうしても最後まで違和感があって、また読み込んだんですけれども、今まだ全部読んでいないんで言いませんけど、議事録も読み始めましたから8回の、この間から。これ全部読みますけど、やっぱりその、例えば存続するかどうかというのを決めるんだったらね、高崎の芸術劇場ができたときに、どのくらいの影響があるのかとかいうのは普通分析してしかるべきでしょ。ないもん。何か役割分担できているから大丈夫です、で終わっているわけですよね。だから、ここが一番のことだと思って何度も読み込んだんだけど、やっぱり結論として言うと、50年経って大きく状況は変わっているということだと思うんです。それで何か2,000席のホールがあることは、何かいろんな芸術家にとっていいことだって書いてあって、なぜいいことなのかということが、全然その中で分からないでしょ。例えばね、今、群馬県で1,000席以上あるホールを持っている(市町村)、ホールって全県で見ると13あるんですよね。そのうち1,500人以上が5つぐらいあるんですよね。これ何で1,500人がだめで2,000人がいいのかというのも分からないし、2,000人のホールというのは高崎に少なくとも2つありますから、だからそれを見ただけでも、やっぱり大きく時代は変わっているんだということをあらためて認識しています。ただ、やはりこういう決断を下した以上、今までずっといろんなことを見てきましたが、議事録も全部読ませていただこうと思っていますので、結論はもう、もちろん変わらないと思いますが、あらためてそこら辺の、私にとっても、なぜこういう中身になっているのかというのはあるので、そこら辺のところはしっかり把握しておきたいなというふうに思っています。​

知事メッセージ

 奇跡的に15時までに終わりました。これもし、手話通訳の方がいたらちょっと速めに読んだので、ご迷惑かけたかもしれないので、本当にすみませんでした。今日はどうしても15時までということで、あれだったんですけど、皆さんにご協力をいただいたことを感謝したいと思います。15時まであと5分あるので、最後に知事の方から、少しお話をさせていただきたいと思います。今日申し上げたいことはいっぱいあったんですが、もう5分しかないんですが、県民会館の廃止はですね、これは決して簡単な判断ではありませんでした。何度も言うように、私は文化に興味がないわけでもないし、例えばパーセントフォーアート推進条例というのは全国にどこにもないので、文化の力というものは信じているし、それは県民の幸福度向上にも繋がるというふうに思っていますが、今の、もう1回言いますけれども、この県民会館の施設をですね、非常に大きなコストをかけて改修するという、価値、必要性、これはいろんな角度から議論をしましたけど、ないと。県民全体のやっぱり利益に資するというものでなければいけないというふうに思っています。それをぜひ県民の皆さんにはですね、ご理解をいただきたい。もちろん県議会の皆さんにも、しっかり丁寧に説明をしていただいて、廃止条例は通していかなければいけないと思いますが、これはご理解をいただきたいと思いますし、ちゃんと説明を聞いていただければ、ご理解を得られると思っています。それから、県民会館を、これはもう基本的に解体するわけですが、そのままにするわけじゃなくて、その後どうするか、ここにやはり新しいシナジーを持った、やっぱり群馬県ならではというか、新しい時代に合った文化拠点みたいなものはですね、しっかりとこれから考えてつくっていきたいと。このために県議会のご意見も聞き、前橋市ともいろんな相談をしながらですね、そこはしっかり、やっていきたいということで、ここからまた丁寧な、議会でも丁寧な説明を繰り返していきたいと思いますが、ぜひその点は、県民の皆さんにご理解をいただきたいと思います。知事である私の責任で決めたことですので、もう全て私が責任を取るつもりですし、このことが県民の幸福度向上につながるということを確信してですね、判断をさせていただきました。最後まで丁寧な説明を繰り返していきたいと思いますが、もう1回言いますが、ぜひ県民の皆様には、この決断をご理解賜れば幸いでございます。

 ということで、3時ちょっと前ということで、今日はここで終わりたいと思います。今日も皆さん最後まで長くなりましたが、いつものとおりお付き合いいただきまして、ありがとうございました。これにて定例会見を終わりたいと思います。 

 

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。