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■日時 令和7年10月9日(金曜日)14時03分~15時26分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等14人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
20251009山本一太群馬県知事定例記者会見<外部リンク>
■知事冒頭発言
それでは、定例会見を始めたいと思います。本日をもって、令和7年第3回前期定例県議会の日程が終了しました。今議会に提出していた9月補正予算をはじめとする議案を県議会でしっかりご議決いただきました。知事として、審議に当たられた議員の皆さまにあらためて感謝を申し上げたいと思います。本日は、本会議における討論の内容と私の所感の一部を述べさせていただきたいと思います。
自由民主党の大和県議には、会派を代表してすべての補正予算案に賛成していただきました。喫緊の課題である「米国関税対策」や「物価高騰対策」、「猛暑対策」などについて、評価していただきました。
一方、日本共産党の酒井県議からは、「TUMO Gunmaの運営」や「補助公共事業」などについて反対の討論がありました。いただいたご意見、ご要望は真摯に受け止めて、これから事業効果を高められるようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。さて、会見の内容に入る前に、私から3つご報告がございます。
1つ目はですね、今月2日に桐生市内の農場で発生した豚熱についてです。発生した当日から防疫措置を開始して、8日の水曜日にですね、合計で6,036頭の殺処分が終了いたしました。現在も関係団体の協力を得ながら埋却作業などを進めております。農場や周辺の消毒作業を含むすべての防疫措置は、予定どおり来週15日の水曜日に完了する見込みです。あらためて、知事としてですね、ご協力をいただいているすべての方々に感謝を申し上げたいと思います。群馬県としては、防疫措置の完了にまず注力をするとともにですね、今後疫学調査を踏まえて、とにかく要因を分析し、発生予防に向けた対策を着実に進めてまいります。
2つ目は、「Gunma Flower Park⁺(ぐんまフラワーパークプラス)」についてです。一昨日の7日火曜日にオープニングセレモニーを開催いたしました。取材に来ていただいた記者の方々にもお礼を申し上げたいと思いますが、スライドをご覧ください。
今回のリニューアルでは、「ENJOY~花と遊ぶ~」をコンセプトに据えました。園内では、花を観て楽しみ、触れて楽しみ、香りを味わい、作品をつくり、味覚でも堪能すると。五感で花と触れ合う体験がいくつも用意されていました。このセレモニーを通じて、まさにコンセプトどおりの施設に生まれ変わったと感じています。今までの施設とは魅力が全く違うということで、このセレモニーの挨拶で申し上げましたが、群馬県の新たな観光名所になるということを確信しております。「Gunma Flower Park⁺」は、明日オープンを迎えます。ぜひ県内外から多くの皆さまにお越しをいただければと思っています。
3つ目は、群馬県にとってちょっと嬉しいニュースが入ってまいりましたので、ご紹介をさせていただきます。今週6日月曜日発売の「週刊ダイヤモンド」において、「公務員の危機」と題した特集記事が掲載されております。その中で、群馬県庁の働きがいとか人事制度などが高く評価されました。記事では、ダイヤモンド編集部が地方公務員230名を対象に行ったアンケートの結果に基づいて、都道府県別にランキング形式で掲載されております。群馬県は「働きがい」で2年連続全国1位、「人事の改革実感度」で全国1位となりました。アンケートとしては、サンプル数が非常に少ないということで、本来もっと細かく言いたいんですけれども、統計上、ちょっとサンプル数が少なすぎるなと思うんですけれども、ただ、それはそれとしても、この結果は知事として本当に嬉しく思っています。サンプルの数はともかくとして、毎年調査をして、回答したほとんどの人たちが大変前向きな回答をしているということは大変、これは群馬県にとっても心強い話だと思っています。
群馬県では、私が知事に就任してから、皆さんご存じだと思いますが、在宅勤務制度の全面的な導入とか、フレックスタイム制なんかを拡大して、選択的週休3日というものを可能にいたしました。このほか、執務室のフリーアドレス化とか、庁舎内のエアコン設定温度を快適な温度に変える。これ、どの知事もやらなかったことなんですけれども、職員が働きやすい環境づくりを積極的に進めてきたというふうに自負をしています。また、人事についても能力に応じた適材適所の配置を徹底してまいりました。そして、皆さんご存じのとおり、若手職員が別の業務にチャレンジできる仕組みとして、庁内副業制度というものを設けて、これも試行しております。こうしたことが、県職員の働きがいや人事の改革実感度の向上につながったというふうに捉えています。今後も私の大事な同志である県職員の皆さんが十分に力を発揮できるように、群馬県庁を働きやすく、そして魅力のある組織にしていきたいと思っています。
もうちょっと大きなサンプリング調査をしてほしかったなと思うんですけれども、これはこれである意味、移住希望地ランキング1位と同じぐらい、もうちょっと精緻な調査だったら、たぶんもっと嬉しかったんじゃないかと思うんですよね。それは、ここで何度も言っているように、私は欠点だらけの人間で、いろいろ欠点の多い知事ではあるんですけれども、この6年間やってきて、ここで何度も言っているように、群馬県職員は非常に優秀だということを皆さんにお話をさせていただいています。本当に全国都道府県でNo.1だと思っているんですね。こういうふうに思って、こういうことを言える知事はたぶん私以外にいないということで、そういう意味ではとても幸運だと思っているんですけれども、少なくとも県職員の方々も、今の知事のやり方に対してポジティブな気持ちを持ってくれていると。これもおそらく他の都道府県でやってないと思いますが、私が直接コンタクトができる職員の皆さんの数っていうのは限られているんですけど、例えば、十数人の部長の皆さんと紅茶懇談というのをやっていまして、最初の2クルーは1時間ずつ1対1でずっと話をしてきたというのもやりまして、今だいたい15分でミニ紅茶懇談って言っているんですけど、こういうことも一生懸命やって、いろいろコミュニケーションを図ってまいりましたし、あとフラットギャザリングもかなり多くの若手職員が出てきて、幹部と触れ合うということで、だいたいいつも2時間くらいいて、いろいろ意見交換もしていますし、それからこれもちょっとPRになっちゃいますが、若手職員の政策プレゼンっていうのはものすごく効果を上げていて、例えば先般ここで発表させていただいた、LINEを使った群馬県在住の外国人に対する発信も、実は県庁職員、若手職員のプレゼンから来ているっていうことなんですね。ですから、もし本当にこの傾向があるのであれば、群馬県、働きやすい、働きがいがある、フラットでなんか風通しがいいと、こういうふうに本当に職員の皆さんに思っていただいているとしたら、知事としては最高の勲章だと思っています。
この6年間、別に県庁職員からの評判をよくしようと思ってやってきたわけじゃないんで、いろいろ難しい注文もさせていただいたし、おかしいと思うことはしっかり注意をさせていただいたり、いろんな形で難しい注文もしてきたんですけれども、各部局は本当に真剣に応えてくれて、ようやく群馬県もいろんな形で存在感が上がってきたっていうことで言うと、もう1回言います、サンプリングの感覚からいって、統計的にどうかということがあるんですが、この記事は本当に私にとっては励みになる嬉しい記事でした。一応、そのことだけはちょっとここで少しPRをさせていただこうと思ってお話をさせていただきました。
それでは会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。本日は、「クマ対策」、それから「ぐんま森林・林業イノベーションプラットフォーム」、それから「拉致問題を考える国民の集い in 群馬」などについて発表させていただきます。
まず、クマ対策についてです。皆さん、よくご存じだと思いますが、おとといの7日火曜日、今年度4件目となる、クマによる人身被害、非常に衝撃的な事件が発生いたしました。沼田市のスーパーの中にクマが侵入して、店内などで2名の方がクマに襲われて負傷したと、こういうショッキングな事件でした。このうち、お二人は病院に搬送されたと伺っています。被害に遭われた方は、本当に恐ろしい辛い経験をされたと思っています。心からお見舞いを申し上げたいと思います。群馬県としても、クマ対策の取り組みは進めているところなんですけれども、そういう中で今回の事故が発生してしまったということを大変残念に思っています。今の時期、クマは冬眠に備えて餌を求めて、活発に活動しているというのは皆さんご存じだと思うんですよね。群馬県は毎年、クマの主な食べ物、餌となるドングリの状況調査を行っているんですが、調査の結果、今年はもう7段階評価のうち下から3番目の凶作っていう部類に入っているんですね。ドングリの実りが悪い年には、クマが人里に出没する可能性が極めて高くなります。このため、県民の皆さんにあらためて注意を呼びかけたいと思います。スライドをご覧ください。
山に行く場合だけじゃなくて、今回の事例のように市街地でクマに遭遇することも、今全国的に増えているんですね。遭遇してしまった場合は、走って逃げたり大声を出したりせず、落ち着いて行動し、クマを刺激しないよう、ゆっくり距離を取るようにお願いしたいと思います。山に近い地域とか山に近い川沿いでは、なるべく一人の行動を避けていただきたいと思います。特に早朝とか夕方以降の外出の際は、十分注意していただくようにお願いいたします。昨年、県職員が「ある日、森じゃないのにクマに出会ったら」という動画を作成して、今、群馬県公式YouTubeチャンネルの「tsulunos」で公開をしています。クマから身を守る情報なんかが凝縮されていて、すでに1万6,000回以上再生されています。こちらもぜひご覧いただきたいと思います。そもそもクマに遭遇しないようにすることも大事だと思います。山に行かれる際には、クマ鈴とかラジオの携帯なんかもお願いをしたいと思います。さらに、やはり万が一の遭遇に備えて、クマ撃退スプレーの携帯もお願いしたいと思います。また、クマを人里に引き寄せないための対策も重要になります。柿などの果物が収穫期を迎えるこの時期には、果物とか、出荷に適さないということで一時的に野積みをしている野菜とか、家庭のゴミとかありますよね。こういうものはぜひ皆さん、クマの餌になるので、屋外に放置しないようにしていただきたいと思います。クマ対策をめぐっては、今年4月に皆さんご存じのとおり、改正鳥獣保護管理法が成立をいたしました。人の生活圏でクマが出没した際に、安全確保など一定の条件を満たせば、市町村長の判断で銃による捕獲が可能になりました。これを受けて、群馬県としても、今後、市町村を対象に研修を行うなどして、緊急捕獲が適切に行える体制を整えていきたいと考えています。引き続き県民の安全のため、人身被害防止とクマの適正管理の取り組みを進めてまいりたいと思います。
クマはものすごく嗅覚が鋭いらしくて、犬よりも嗅覚が発達しているっていう話もあって、覚えていらっしゃると思いますが、確か安中でクマが出没した時は、ハチミツの匂いに引き寄せられてきたということなので、何度でも言いますが、この季節、そういうクマの餌になるようなものを外に出して置いたりすることがないように、重ねてお願いを申し上げたいと思います。
続けて、「ぐんま森林・林業イノベーションプラットフォーム」についてお話したいと思います。群馬県は県土の3分の2が森林、関東一の森林県になっています。しかしながら、森林・林業分野は、収益性の低さなど様々な課題を抱えています。こうしたことから、持続可能な産業へと転換するべく、新たな取り組みを開始することといたしましたのでご報告をいたします。スライドをご覧ください。
この度、専用ウェブサイトによる「ぐんま森林・林業イノベーションプラットフォーム」を創設いたします。このプラットフォームは、県内の森林・林業関係者と全国の異業種、異分野の民間企業をつなぐことを目的にしています。他分野の知見を取り入れることで、業界と地域の枠を超えた関係を作って、森林資源とか技術を生かした新商品、新サービスの共同開発につなげるみたいなことができればいいなと。つまり、長期的な協働体制を構築していきたいと考えています。具体的には、森林・林業関係者と全国の民間企業の方々に専用ウェブサイトに会員登録をしていただくと。そしてサイト上のマッチングの機能とか交流会等のイベントを通して、参加企業の連携を促進するという形になります。この取り組みによって、森林・林業分野で全国の先駆けとなるような群馬モデルが生まれ、持続可能な産業へと転換が進むことを期待しています。次のスライドをご覧ください。
そして、このプラットフォームへの参加申し込みを本日から開始いたします。参加は無料です。対象は、県内の森林・林業に関わる事業者・団体のほか、群馬県の森林・林業に関心のある民間企業など、幅広く募集したいと思います。また、プラットフォームの運用を開始する11月14日の金曜日にキックオフイベントを開催いたします。場所はビエント高崎エクセルホールになります。イベントでは、先進企業による好事例の紹介とか、各業界の方々のトークセッション等を行います。なお、当日は参加者同士でのリアルなマッチングも行わせていただく予定です。イベントには一般の方も参加可能ですので、興味のある方はぜひご参加ください。イベントの参加申し込みについても、今日から始めたいと思います。プラットフォームの参加申し込み、イベントの参加については、いつもの通り、スライド記載のQRコードから、群馬県公式ホームページをご確認いただきたいと思います。群馬県としては、県内の豊かな森林を最大限に活用したいと、森林・林業分野を魅力的で持続可能な産業にしたいと、このように考えております。
続いて、「拉致問題を考える国民の集い in 群馬」の開催についてお知らせをしたいと思います。群馬県では、拉致問題に関する認識を深めるため、北朝鮮拉致問題解決促進議員連盟とか救う会・群馬等と協力して、これまで講演会を県内各地で開催してまいりました。北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権と国民の命、安全にかかわる重大な人権侵害であり、今なお多くの被害者が帰国を果たせない状態です。この問題の解決に向けて、国民一人一人が関心を持ち、理解を深めていただくことは極めて重要です。現在、拉致被害者のうち5人の帰国が実現した2002年から20年以上が経過いたしました。被害者家族の親の世代でご存命なのは、横田早紀江さんお一人になってしまいました。こうした状況を受けて、今回群馬県として初めて国と連携した啓発イベントを実施いたしますのでお知らせします。スライドをご覧ください。
この度、「拉致問題を考える国民の集い in 群馬」を、政府拉致問題対策本部と共催で開催いたします。開催日は12月6日の土曜日で、会場は群馬会館となります。イベントでは、拉致の可能性を排除できない失踪者である高野清文さんの妹で、特定失踪者家族会の高野美幸さんによるご家族の訴えを話していただくつもりです。また、拉致被害者である横田めぐみさんの弟で、拉致被害者家族連絡会の代表である、横田拓也さんによる講演も予定しております。拉致問題の現状や課題について、被害にあわれたご家族の方々から直接お話を伺える貴重な機会となっています。加えて、若い世代にも関心を持っていただけるよう、県立高崎女子高校2年の小林桃寧さんによる意見発表も行われます。参加には事前申し込みが必要です。入場は無料です。どなたでもお気軽にご参加をいただけます。なお、当日は政府公式YouTubeチャンネルでライブ配信も実施される予定になっております。ご来場の難しい方は、そちらを視聴いただければと思っています。申し込み方法、イベントの詳細は、スライド記載のQRコードからご確認をいただければと思います。全拉致被害者の帰国が実現するためには、国民、県民の皆さんの理解と協力が不可欠です。ぜひこの機会に、一人でも多くの皆さんにご参加いただいて、拉致問題について共に考える機会を作っていただきたいと感じています。
続いて、「ぐんまちゃんPOP-UP@渋谷スクランブル交差点」についてです。スライドをご覧ください。この度、ぐんまちゃん史上初の、東京・渋谷に、期間限定のポップアップストアを開店いたします。期間は10月22日水曜日から26日日曜日までの5日間、午前11時から午後7時までです。会場は、スクランブル交差点に面したイベントスペース「三千里跡地」になります。このポップアップストアは、ぐんまちゃんの魅力を首都圏の皆さんに広く発信し、より多くの方々に知っていただくことを目的にしています。ポップアップストアの上にある、この大型モニターで、ぐんまちゃんの紹介映像を放映し、渋谷を訪れる多くの人にアピールしたいと思っています。映像では、「アニメぐんまちゃん」に登場する、あおま、みーみ、ヤヨイヒメ、古墳さまとか、個性豊かなキャラクターも紹介し、作品とキャラクターの魅力を伝えてまいります。また、会場では、ぐんまちゃんのグリーティングを実施して、来場者をお出迎えします。あわせて、公式グッズなどの関連商品の販売、新商品のテストマーケティングなども行います。なお、入場は無料ですが、現場での混乱を避けるため、来場には事前の申込みが必要となります。詳細は、スライドに記載のQRコードから、ぐんまちゃん公式ウェブサイトをご確認ください。渋谷のど真ん中で、ぐんまちゃんの新しい魅力に出会えるということで、特別なポップアップストアです。多くの皆さまのご来場をお待ちしています。ぜひ記者の皆さんもご興味があったら、ここを取材していただくといいんじゃないかと思っています。
最後に「直滑降ストリーム」の配信です。スライドをご覧ください。「県議と知事の紅茶懇談」配信のお知らせです。この企画は、ご存じのとおり、群馬県議会議員の皆さんをお招きして、県議の魅力とか、その人となりを伝えると、こういうシリーズなんですけれども、第19回目、もう19回もやってきたなと思うんですが、自民党の大林裕子県議が登場しています。番組では、大学で考古学研究に没頭していたこととか、県議を務めていたご主人、私の渋川高校の同級生の大林俊一ですが、このご主人との思い出、今、韓国ドラマにハマっているらしい、こういうことを語っていただきました。大林県議の物事を一つ一つ丁寧に積み上げていく姿勢、それから周囲を和ませるお茶目な人柄。もう本当、大林裕子さんって天然なんですよね。これはもう天然ぶりが、この番組でも遺憾なく発揮されております。明日10日金曜日の20時から、群馬県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」で配信いたします。ぜひ、一人でも多くの皆さんにご覧いただきたいと思います。
ということで、25分かかりましたが、私からは以上です。ここからは皆さんのご質問をお受けしたいと思います。
●自民党総裁選等について
(記者)
もう早速案件外で申し訳ないんですけれども、先週末、自民党総裁が決まりました。総裁も決まって、あと新執行部の顔ぶれも決まりましたので、それを踏まえてあらためて受け止めをお願いします。
(知事)
そうですね、もうよく皆さんご存じのとおり、今回の総裁選挙では小泉進次郎候補を応援させていただきました。なかなか群馬県選出の国会議員の方で、進次郎さん(の応援)をやると表明している方がいなかったので、今回のまさに群馬県での党員選挙っていうのは、山本一太事務所を中心にして、あえてまだ名前は言いませんが、4人か5人の自民党県議にも協力をしていただいて、みんなでチームを組んで戦ったと。結果は党員票、皆さん覚えていらっしゃると思いますが、高市候補が1位で、2位が小泉進次郎さんだったんですけれども、確か5,000票対4,000票くらい、4,000票対3,000票くらい、よく覚えていないんだけど、そんなに大きな差はなかったと思うんで、小泉進次郎さんの票は、前回の総裁選挙の時より倍近く増えているので、それは本当にうちの事務所の秘書たち、それから助っ人の皆さん、それから県議の皆さんに頑張っていただいたということで、一応、小泉進次郎候補の応援を群馬県では中核となってやった知事としては、本当に皆さんのご奮闘に感謝をしたいと思っています。残念ながら小泉新総裁の誕生は実現しませんでしたが、今回、いつもそうですけど、小泉進次郎候補を応援したということについては1%の後悔もありません。自分の信念に基づいてやったことなので、これはこれで良かったんじゃないかと思っています。今回の総裁選挙の結果、これはほとんどのたぶん、地上波とかレガシーメディアとかYouTubeとか、そういうことは関係なく、どのメディアでもいろんな方々が、例えば政治ジャーナリストとか選挙研究家とか有識者みたいな人たちが、あらゆるメディアに出て予想していたんですけれども、ほとんどの人たちが外したと思うんですよね。ほとんどの人たちはやはり、いろんな不確定要素はあっても小泉進次郎候補が勝つという予想だったところ、ある意味逆転っていうかね、そういう予想を全て裏切って、高市早苗総裁が誕生したということで、これは私の中でもかなりのドラマでした。私も一応、選挙研究家を自負しているんですが、私も思ったより僅差だとは思ったんですが、やっぱり小泉さんが逃げ切るんじゃないかと思っていたので、高市総裁が誕生したということについてはかなり衝撃を受けました。ただ、その直後のブログにも書いたんですけれども、高市早苗さんの執念、政治家としての執念とか意志の強さ、精神力にはもう本当に感服します。何度かの挑戦を経て、たぶん前回も高市さん、すごい悔しい思いをされたと思うんですけれども、結局今回こういう形で大方の予想を裏切って、総裁になったと。まだ分かりませんけれども、日本の総理大臣になる可能性も非常に高いわけですよね。やっぱりこういう日本みたいなところでガラスの天井を破ったっていうのは、すごいことだと思うんですね。だから、本当に憲政史上初じゃないですか。やっぱり女性総裁として選ばれたからには、これはもちろん日本のために本当に頑張ってほしいと感じています。それから、いろんな人たちがいろんな選挙の分析をされていて、だいたい選挙前後から終わった後も、ずっとざざっとネットサーフィン、メディアサーフィンしながら見ていたんですけどね。ほとんどの方々が言っているのは、今回ブログにも書いたので、もしかしたら記者さんも見ていただいているか分かりませんが、最大の勝者は麻生元総理であると。麻生元総理とコバホーク、小林鷹之さんだという人がほとんどで、特にやっぱり麻生元総理が、本当にある意味すごい戦略を使って、麻生派の数を使ったレバレッジ戦略で、この結果をもたらしたみたいな話があってですね。菅元総理とか岸田元総理とか、小泉陣営だったと思うんで、そういう政界の長老、キングの争いに勝って、キング・オブ・キングスになったみたいな、そういう結構報道がすごく多いわけですよね。この麻生元総理が復権したと。当然ものすごくこれから影響力が復活していくっていうことは間違いないと思うんですけれども。それとあと具体的な戦略でいうと、「1・4・5位連合」みたいなものを作っていたとかね。そういう話を聞きながら、そういうことなんだろうなと思いながら、私の感覚で言うと、これもブログに書いてあるので、ご覧になった記者の方も中にはいると思いますが、やっぱりね、最大の要因は、これはもう自民党員だけじゃなくて、自民党支持者。これまで自民党支持をしていて、自民党に嫌気がさして離れた人たちも含めて、自民党支持者がこの5人の候補者の中では高市早苗さんを待望していたと。それがもう全てだと思うんですよね。いろんな動きがあって、政局の中でいろいろ決まったことってあると思うんですけれども、それが本当の基本であって、やっぱり自民党員、自民党支持者は高市早苗さんが一番いいと今回思っていたということだと思うんですよ。だから党員票で、例えばまともに調査していたのって日テレだけだったと思うんですけど、その日テレとどこかが組んだ調査が、前回の総裁選挙でもほとんど当たったので、どの評論家とか政治ジャーナリストも日テレの調査みたいなものを一応踏まえてやっていましたよね。日テレの調査だと確か、党員票でいうと高市さんが36(ポイント)とかで、小泉進次郎さんが26とか27ぐらいで、そのぐらいで10ポイント離れた林芳正さんみたいになっていましたよね。でも開いてみたら、高市さんが4割以上も得票したわけじゃないですか。だから私の見方から言うと、党員票が予想を超えて4割を超えていなかったら、ああいう国会議員の雪崩現象っていうのは、いくら偉い人たちが動いた結果とはいえ、ああいうふうには行かなかったんじゃないかなって思っているので、やっぱり一つは高市早苗さんに人気があったと。昔からよく存じ上げておりますが、若手議員の頃からね、今はそんなに親しくお付き合いしているわけじゃないんですけれども、やっぱり高市さんにはそれだけの魅力があったと。多くの人たち、特に自民党支持者の間には保守に回帰するっていうかね、保守回帰を求めるみたいな気持ちが強かったっていうことがあったと思いますよ。うちの、例えば群馬県においても、秘書たちから毎日のように報告を受けていましたけど、ここでもお話ししたとおり、私のすごく長年の支持者の方も複数の人が、うちの担当秘書、みんな可愛がられているんでね、地元での信頼は抜群なんで、後援会関係者からの。頼りになる秘書たちには「ごめんな」と、「高市早苗さんって書いちゃった」と、「一太さんには言わないでくれよ」という人が複数出ていたんで、やっぱり高市さん強いなと思っているんで、それが最大のポイントだと思います。ただ、逆に言うと、これもちょっとブログに書いたんですが、逆の見方をすると、小泉進次郎総裁が実現しなかったっていうのはね、これはもうたった一言で言うと、やっぱり多くの自民党議員が変わりたくないんだと思うんですよね。つまり、小泉さんがなるっていうことは、憲政史上初の女性総理(になる見込み)である高市さんもすごくインパクトがあるんですけど、憲政史上最年少の44歳の総理大臣ができるってね、すごいインパクトだと思うんですよね。いろんなことが、物事が、時代の流れが変わっていく。例えば政治の世代交代も、ここでもちょっと申し上げたんですけど、コバホークはやっぱり若いし、コバホークを応援している人たちも若いし、あと茂木さんも自分が総理になったら閣僚を10歳若返らせるとか言っていたけど、やっぱり総理大臣自身が44歳になったらものすごく大きなインパクトがあってね、やっぱり多くの中堅以上のベテラン議員にとっては、歯車がグーンと動いて自分たちの居場所がなくなっちゃうんじゃないかみたいな、たぶん警戒心があったと思うし。それからやっぱりね、高市さんはもちろん、自民党の保守の中でも結構強い保守だから、自民党の中のですよ、穏健な保守層が、保守が主流を占めている自民党の中で、保守的な人とリベラルに近い人たちがいて、リベラルな方に近い人たちは、この高市さんの保守的な思想をいろいろ警戒はしていてもね、やっぱり高市さんってベテラン政治家だから予測可能性が高いですよね。今回の人事もいろいろ言われていますけれども、非常に予測可能性が高いじゃないですか。いろんなことを言う人いるんですけど、そもそも、小泉進次郎さんもそうなんですけど、とっても義理人情を大事にする、信義に厚い人なんですよ。だからもう、だいたいこうなるっていうことはみんなが分かっているから、高市さんがなったとしても、そもそもいつも言っているように、自民党っていうこの政党の、保守政党の理念を大きく踏み外したような政策ができるわけがないんでね。5人のうち誰がなったとしても、ある程度日本のこれまでの国家戦略の範囲内で動くだけだから、そういうことで言うと、高市さんはやっぱり予測可能性が高い。
小泉進次郎氏はね、やっぱり何をやるか分からないみたいなところがあるんですよね。特に党改革みたいなこととかね。だから小泉さんは予想がつかない。そういうことからずっと考えると、やっぱり良くも悪くも、良くも悪くもっていう言い方はよく分からないけど、やっぱりね、いろいろ口では言っていても、多くの人たちは変わりたくない。特にちょっとベテランの域に達している人たちは変わりたくない。変わることによって、党内における自分たちの政治家のポジションが脅かされると思っているんだと思う。だから、小泉さんとかコバホークとか、もちろんベテランもいたんですけれども、やっぱり若手が応援していましたよね。そこら辺の人たちは、変化に飛び込む勇気があるんだと思うんですよね。
だから高市総裁、総理になって本当に活躍してほしいなと思うんですけれども、昨日書いたブログ、結構いいブログだなと勝手に今日朝見て思ったんです。自分で勝手に思っただけですけど、なんかいいブログじゃんなんて思ったんだけど。やっぱりね、自民党のっていうか、世代交代っていうのは起きない。もうこれはあと10年経って、私もすでにもうこの世にいるか分からないジジイだから分からないけど、やっぱりもうほとんど長老みたいな人がいなくなって、小泉進次郎とかコバホークが本当に総理とか、幹事長とかいうポストで活躍して、そこら辺と一緒にやってきた、あの時も挙げた、若手中堅の、本当に次世代の総理候補みたいな人たちが中核に来て競い合うような話にならないと、世代交代もないし、自民党が本当に根本から変わるっていうことはですね、私はないと思います。それが今回、政治の現実っていうね、この人事、高市さんの人事を見ながら、政治ってもちろんシンプルな権力闘争なんでね、あらためてそうなんだなと思ったんだけど、やっぱり日本の政治の世代交代っていうのは、そういう人たちが主流にならないと起きない、変化も起きない、ということを思いました。
それからもう1つ言うとね、自分でなんかすごい勢いで、すごいスピードで(ブログ)書きながら、なんか勝手に悦に入っていたんだけど、今回のこともずっと見ながらね、ブログに書いたんですが、今から20年ぐらい前に、朝日新聞の記者さんがいますけど、週刊朝日の「田原総一朗のギロン堂」っていうコラムがあって、そこに田原総一郎さんがね、佐藤優さんのことを書いているんですよ。ちょうど鈴木宗男さんの事件があったりして、彼が獄中で『国家の罠』を書いて、すごい本なんです。佐藤優さんってすごい人なんですよね、あらためて。その中で田原さんが、ご本人に聞いたわけじゃないんで、佐藤優さんと実は会ったことはないんで、ご本人に聞いたわけじゃないんだけど、その中で田原さんが、佐藤さんの話として紹介していたのが、「きれいな鷹」と「汚れた鳩」の話で。「汚れた鳩」っていうのは、いわゆる経世会、メインストリームみたいな、鈴木さんみたいな人たちで、「きれいな鷹」っていうのは、小泉さんとか安倍さんの系譜ですよね。国民はやっぱり鳩を求めていたんだけど、汚れた鳩に嫌気がさして、もういい加減にしてくれっていうところで「きれいな鷹」の方に心が移ったみたいな話があって。やっぱりそこからもう完全に国民は「きれいな鷹」を求めるような流れになって行ったと思うんですよね。「汚れた鳩」と「きれいな鷹」だと、やっぱり「きれいな鷹」の方に行くような感じになったと思うんですけど。私は、安倍総理が最初に第一次安倍政権で、1年で最初の政権はかなり苦労されて、ああいう形で撤退を余儀なくされちゃったんですけど、安倍総理を見ながらね、これも当時のブログに書いたんだけど、「きれいな鷹」は鳩を演じることができると。「汚れた鳩」は、普通の鳩もそうだけど、鷹を演じるってことができないんですよね。安倍総理の一番卓越していたところは、鷹の本性っていうかね、その魂は持ち続けながら、国益のために鳩も演じていたっていうところだと思うんですよ。もっと言うと、リアリスト外交を展開していたと。だって最初に総理になって行ったのは中国でしょう。ここで戦略的互恵関係という言葉を発明するわけだけど、これしかないですよね。だから高市総理には、総理になれると思うんですけど、ぜひ人間の心情っていうのはあるかもしれないから、魂は鷹でもいいけど、やっぱり時には国内外の難問を克服して、日本をいい方に進めるためには、時にはやっぱり、したたかに鳩の役割も演じながら国政を動かすような、本当に安倍元総理のようなリアリスト外交・安保政策を展開してもらいたいと思うし、それもブログに書いたんですけど、最大の試練は、例えば今、公明党との連立協議が揉めていますけど、ここから物事を動かしていくためには、時にはやっぱり高市色を薄めなければいけないですよね。そのことをいかに周りに理解してもらえるかっていうことだと思うんですよ。安倍総理はね、いろんなことをやったんだけど、時にやっぱりね、鳩だったら、もうちょっと例えばリベラルに見られている人だったらできないこともやった。それはね、右の人たちの反発を抑えられるんですよ、安倍総理だと。だからそうやって安倍総理は、時にはたぶん、安倍さんを応援してきた、これまで議員時代に言ってきたことと違うこともいろいろやったんだけど、そういう中でもやっぱりリアリストとしての姿勢を貫いて、その中でもコアのファンは去らなかったっていうね、そういうところがすごかったと思うので、ぜひ高市総裁にはですね、ブログのタイトル、勝手にものすごいスピードで書いているから、1人で悦に入っていたんだけど、「いいタイトルじゃん、作家でもないのに」と思ったんだけど、「きれいな、時には鳩を演じられるしたたかな鷹になってほしい」と言ったんですけど、結構、1人で朝、紅茶を飲みながらそれを読み返して悦に入っていたということなんですけど、そんな流れでしょうか。
最後の最後に言うと、コバホークが政調会長になったっていうのは、すごい嬉しかったですね。小林鷹之さんのことは個人的にはすごく勝手に、じいさんなんだけど、ジジイ殺しだから。考えてみたらジジイ殺しって言うけど、自分もジジイだっていうことに気がついたのね。彼を嫌いな人っていないと思うので、コバホークがああやって政調会長になるっていうのはすごいファンとしては嬉しいですよね。
ただもう1つ言うと、小泉進次郎っていう人はね、スター性があるんですよ。彼は、これはやっぱりなかなか他の人が努力してもまとえないオーラとかスター性っていうのがあってね。じゃあ例えば分からないですよ、今度防衛大臣とかになってほしい、経産大臣でもいいけど、何かになりますよね。どんなポストに行ったとしても閣僚で、必ず注目されますよね。メディアから注目される、あるいはまたネットから叩かれる、褒められたり叩かれたり。だけどね、どういう、何をしていてもみんなが気になる、一挙一投足が気になるっていうものは、これはね、やっぱり政治家として持って生まれたスター性だと思う。前回の総裁選挙で届かなかった時も、群馬県のいろいろ山本後援会の人たちがね、「小泉さんすごいと思ったけど、なんか総裁選やってみたらあまり大したことなくてパッとしないね」みたいなことを言ったから、これ1年前のブログに書いたんだけど、「そんなことありませんよ」と。「菅総理に対して最後まで信義を尽くしたあの姿勢を見て、素晴らしいと思った」と。「いつか必ず復活しますよ」って言ったら、なんか進次郎、思ったより大したことないっていうのが、また落ち着いたら(人気が)戻ってきたじゃないですか。結局また、国民の次の総理にしたい人のナンバーワンになっていくわけですよ。だから、そういうものを持っているんで、今回はいろんなことを言われて、あれだけ悪口を言われるってすごいよ。もうね、ネットのインプレッションとか、たぶん関連動画とかネット上の拡散とかを見たら、小泉進次郎さんと高市さんがずば抜けて多いわけよ。だけど小泉さんのやつは全部ネガティブだから、高市さんのやつは全部ポジティブでしょう。やっぱりネットメディアで毎日のように中身がないみたいに、ああやって刷り込まれていったら、それはなんとなくこう、自民党員の間にもそういう感覚になってくると思うんだけどね。それでもね、ここまでみんなから批判されるって尋常じゃない。つまり、そこまでやっぱりね、みんなに物を言わせたいって思わせる存在感があるんだと思う。だから私は小泉進次郎さん、44歳で、ここから何度もチャンスがあると思うんだけど、最後まで貫いていただいて、必ずどこかで総理になってほしいと思うんですよ。小泉選対で一生懸命やっていた、実は若手議員から今日メールが来て、「こうなったら志を果たすまで徹底的にやります」って書いてあったからいいじゃないですか。それからコバホークを応援している30人ぐらいの人たちも結束固いじゃないですか。だからそこもかっこいいね。群馬県で言うと、中曽根康隆さんとか、清水真人さんとか、コバホーク(の応援を)やっていたじゃないですか。だいたいコバホークは決戦投票に行けないのは分かっていたじゃないですか。それでもやっぱりコバホークをずっと(応援を)やっていた、あの2人には結構好感を持ちましたね。いいじゃないですか。
でも小泉さんの、もう最後にしますけど、出陣式に90人以上の国会議員が来たでしょう。たぶん10人ぐらいは秘書でしょう。こんな秘書を送る人たちなんて、どっちかに乗ろうとしている人たちだから計算に入ってないじゃん。やっぱり80人ぐらいのコアの人たちは最後まで残ったんだと思う。なんかこう全体、残りの票を見ていると、みんな90とか100行っているんじゃないかっていうのが、80ちょっとぐらいだっけ。林芳正が、参議院同期のヨッシーが70いくつも取っちゃっているから。だけど、実はその80人しか取れなかったっていうけど、最初に集まってきた80人は離れていないもん。これ結構すごいよね。もっと政治の世界で河野太郎の時みたいに引きはがされたら40人とかになっちゃうところを、みんな踏みとどまって、これからも小泉進次郎を応援しようと、なんか写真に写るのを嫌がったとか、ほとんど嘘だったらしいけれど、もう1回やろうという時にみんな集まって写真を撮っているじゃないですか。だからそういう意味で言うと、コバホークにも小泉さんにも、そういう仲間ができているわけだから、必ずこの2人はですね、またどこかで私が生きているうちに、67歳のジジイの私が生きているうちに、ぜひ2人で本当に総理を争って、総理と官房長官とかね、総理と幹事長とかね、やってほしいと思います。ちょっと長くなっちゃったけど、最初からなんか案件外だったんで失礼しました。
●高市自民党新総裁の発言について
(記者)
高市総裁なんですけど、「ワークライフバランスという言葉を捨てる」と発言されているんですけれど、知事としては、その言葉をどういうふうに受け止めていますか。
(知事)
なんかみんな、ちょっといろいろ、この件で非難しているみたいなんだけど、私はそんなに違和感はないんですよね。高市さんがああいうふうに言ったのは、やっぱりこう、今まで本当に苦労を積み重ねてきて、仲間の応援もあって、ガラスの天井を突き破って、憲政史上初の女性総裁になって、まだ総理になっていないけど、これから自分が日本のトップになって、この日本を立て直さなければいけない、溢れるような気持ちがああいう言葉になったので、とにかく先頭に立って死に物狂いでやりますと、総理大臣になったら命がけでやりますっていう気持ちの表れであって、国会議員にみんな働いてもらいますよっていうのを、あなたたちは1日も、1時間も休暇を取っちゃだめとか言っていないし。それは例えば私だってですね、このOura(オーラ)の、スウェーデンと言ったけど、フィンランドの指輪だったんで、すごいフィンランド人に怒られたんだけど、フィンランドの製品なんですけどね、これで毎日、今睡眠もチェックしていて、4時間とか5時間とか(寝られると)スコア60とか、たまに8時間寝られると80とかになっているんだけど、だいたい50とかだから、(睡眠時間は)4時間とかだけど、できるだけ努力して休むようにしていますけれども、それでもあまり休みないですよね。本当だったら私が率先して休みたいと思って、月曜日はオンラインでやりますとか言ったのに、延々と月曜日に日程が入ってきて、秘書課とかみんなが心配して、休みを入れようとしてくれているんだけど、月曜日に入ってきて。土日も1日は休もうと思ったんだけど、政務もあるでしょう。そしてうちの事務所の秘書たちが「一太さん、これだけは出ないと」みたいになっているけど、全然休めていないんで。でも自分が努力してなんとか休もうと思って、しかしやっぱり結構働きすぎ的なところになっているからといって、県職員が、「知事があんなに一生懸命やっているんだから俺は休み取らない」っていう人は誰もいないから。県職員はちゃんとみんなワークライフバランスを考えてやってもらえばいいんで。高市さんは、あれは気持ちが全面に出ただけで、もちろん高市総裁の下でも、高市さんはちゃんとワークライフバランスを進めると思うので、なんでそんなに、みんなが批判するっていうのは、ちょっとよく分かりませんね、と思います。
(記者)
ちなみに知事というお仕事もかなりの重責だと思うんですけれども、ワークライフバランスを捨てて働くみたいな感じのところはあまりないですか。
(知事)
ワークライフバランスを捨てて働こうとか別に思っていないんだけど。当然だけど、全力疾走なんで、全力でやっているし、当然、森羅万象が群馬県に関わってくるんで、24時間群馬県のことを考えているけど、それでもだってね、何時間もアコギを弾いたりとか。なんかまねきねこ(の予約)が全然取れないから、まねきねこどういうことなの。なんか日曜日も朝から取れないんだけど。昼も全部いっぱいで、じゃあ月曜日の休みの時に取ろうと思ったけど全部いっぱいで、朝8時頃に行って弾くっていうこともあったんだけど。ちゃんと一応私も趣味もありますので、ちゃんと「ダンダダン」も「怪獣8号」も見ているし、映画も、是枝監督の映画を見直したりとか、いろんなことをやっていて、いっぱい趣味もあるので、ちゃんと休むときは、ちょっと睡眠時間だけはなんとかしなければいけないと思うんですけど、休むときは休んでいるんで、自分なりのちゃんとワークライフバランスでやっていますから、大丈夫です。でも、もうちょっと、ただ睡眠時間だけは確保したいと思っています。
●自民党と公明党との連立協議について
(記者)
先ほどちょっと触れられていましたけど、公明党との連立協議はどう決着されると思いますか。
(知事)
それはちょっとよく分からないんですけど、今、永田町にいるわけじゃないんだけど、高市さんにとっては生みの苦しみみたいなものなんじゃないですかね。公明党には公明党の理念とか譲れないものみたいなのがあると思うんだけど、自公政権がこれだけ長く続いてきたわけじゃないですか。だから連立離脱するみたいなことには、何となく感覚として簡単にはならないんじゃないかなっていう気がしますよね。何しろ、あんまり細かいことは言わないけど、一応選挙研究家として言うと、選挙区も絡んでいるからね。やっぱりこれ、選挙の趨勢にも大きく影響を与えるわけですよ。だからそんな簡単に「じゃあ離れましょう」みたいには私はならないと思っているので、どこかでソフトランディングかハードランディングか分からないけど、どこかでうまく収まるんじゃないかなという期待を持っています。またなんかこう、(政党が)群雄割拠したりして、中央政界が不安定になるのが一番困るので、そこは、すごいみんなが深刻だみたいな報道がありますが、最後は枠組みが維持されるんじゃないかなみたいに思っています。
それともう一つ言うと、多くの皆さんが、ここで言ったように、評論家とか政治ジャーナリストの人が「選挙なんてそんなに早くあるわけない」って言ったじゃないですか。それは何でかというと、公明党の意向もあると、参議院も過半数を失っているから参議院が了解するわけがないと、みたいな話があったじゃないですか。だけど選挙が近いって言ったでしょう。やっぱり私は場合によって選挙は近いんじゃないかなと思っていて。そんなだって今、高市さんの人気が上がっていて、だって自民党の支持率が10ポイント上がっているわけでしょう。他の政党の支持率を見ると、そこだけ見ればですよ、自民党を離れて国民民主に行っていた人、特に参政党に行っていた人がね、戻っているわけじゃないですか。参政党の支持率は初めてちょっと落ちたと思うんですよね。しかも「高市さんに期待する」っていうのが65か66%か、なんかそんなんでしょう。自民党の支持者に限ったら75%でしょう。そうしたらあれじゃないですかね、やっぱり解散総選挙という選択肢も考えるんじゃないかなと思って。だからなんか、よく言われていたように、大義名分なんてないんで、解散総選挙にそもそも。例えば連立の枠組みを新しくするんだったら、それで十分大義名分になりますよね。だから分からないんですけど永田町のことで、外から見ているんだけど、あの時言ったように、早期解散の可能性っていうのはあるんじゃないかなと思っています。勝手に評論家として。
●前橋市長の問題について
(記者)
ちょっとお話が変わりますが、先ほどもちょっとお話で触れてられていた、Gunma Flower Park⁺の関係で、その式典にですね、前橋市長の小川晶さんが欠席されたと思うんですけれども、公務を欠席される状況が相変わらず続いていますが、あらためてどう思われますか。
(知事)
それは当然すごく心配しています。やっぱり前橋の人たちと話すと、前橋の人たちもすごく心配していますけど、やっぱり前橋って県都ですからね。群馬県のまさに県都で、いろいろ前橋市と群馬県が連携しているプロジェクトもある中で、残念ながら実質的に市長としての仕事がほとんど機能していないわけじゃないですか。たぶんだから市役所も麻痺していますよね、この状況だと。なんか最大のお祭りである前橋まつりにも行かれないみたいでしょう。だからそれはやっぱりちょっと心配だし、早くこういう不正常な状況を直してほしいなと思います。
●オーバードーズによる救急搬送の社会問題化について
(記者)
またちょっと別件なんですが、最後に、市販薬などの過剰摂取、いわゆるオーバードーズと言われているもので、県内でも、2024年度に332人が救急搬送されていることが分かりました。受け止めと対策があればお願いします。
(知事)
まずは健康福祉部長の方から。
(健康福祉部長)
今ご指摘がありましたように、昨年度、県内において市販薬などの過剰摂取、いわゆるオーバードーズの疑いで、332名の方が緊急搬送されたことについては、極めて深刻に受け止めております。オーバードーズというのは、心身に悪影響を及ぼすばかりか、死に至ることもある危険な行為でございまして、薬物依存症や違法薬物の使用に移行する可能性もございます。このため、群馬県では、オーバードーズの危険性を広く周知するとともに、オーバードーズを未然に防ぐために、薬局やドラッグストアに対して購入目的などの確認のほか、医薬品に関する正しい情報の提供など、適切な販売方法の遵守について指導しております。
また、オーバードーズの背景には、不安や悩みなどを抱えている場合が多いことから、相談窓口の周知や専門的な相談体制を強化しておりまして、今後とも関係機関と緊密に連携しながら、当事者や、そのご家族に寄り添った包括的な支援体制の充実に取り組んでいきたいと考えてございます。医薬品の正しい使用方法などについて、県としては、県民の皆さまにあらためて認識を深めていただくとともに、不安や悩みを抱えている場合には、一人で抱え込まず、身近で信頼できる方、それから専門の相談窓口に相談いただきたいと考えておりますし、また周りに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひこうした窓口にご案内いただくよう呼びかけていきたいと考えております。
(知事)
今、健康福祉部長がおっしゃったように、県としてできるいろんな周知とか啓発みたいなことはしっかりやっていきたいと。この問題は結構深刻な話だと思うんですよね。だからやっぱり、ちゃんとここでオーバードーズが広がらないように抑えていくということが大事で、アメリカはオーバードーズの問題がすごい深刻ですから。オピオイドだっけ、鎮痛剤の話とかも。別の記者さんはアメリカにおられたからよく知っていると思うんですが、これ日本はまだそこまでにはなっていないけど、やっぱりこういうことが起こるとすごく私も少し不安も感じるし、今日、健康福祉部長が言ったように、こういう問題があるっていうことをしっかり県民の皆さんに伝えて、特に、薬局とかにもしっかり、この危機感を共有しておくということが大事だと思うので、それは今、健康福祉部長がおっしゃったようなことを、しっかり我々はやっていきたいと思っています。
●自民党総裁選等について
(記者)
総裁選の関係で、先ほど自民党が世代交代しないと、変化もしないのではないかというような趣旨の発言をおっしゃいましたけれども、知事としては、自民党のあるべき姿というか、変化というのを今求められているとお考えなのか、現状がいいとお考えなんでしょうか。
(知事)
ここから高市総裁のもとで行われる選挙で、自民党はどのくらい勢力を取り戻すかっていうのはちょっとよく分からない。実はここでちょっと申し上げたとおり、自民党一強時代っていうのは終わったんじゃないかって申し上げましたよね。その根拠は、自民党はこの長期政権の中で、とにかく政党の中にリベラルから保守までいろんな人を抱えていると、これを最大の強みにして、時にはある意味保守を掲げ、時にはリベラルを掲げ、そこをぬえのように使い分けながら、社会のウイングを広げ、いろんな問題を克服してきたっていうのがあるわけじゃないですか。それがここ何回かの国政選挙で、ワンイシューで突き抜ける政党みたいのが出てきて、外国人問題に特化するとかね、あるいは減税なら減税みたいなことを言うとか、こういうところに結構はぎ取られてきているから、なかなかここは戻らないんじゃないかと申し上げたんですけれども、群馬県の、意外と年上の自民党支持者の人たちに聞くと、高市さんへの期待っていうのがあったりとかね、あるいはやっぱり40代とか50代でも、おそらく同じことを感じている人もいるんだけど、自民党に対する期待みたいなものを持っている人もいるんですよ。やっと少しまともになってくるんかなみたいな。だから、これはちょっと一強時代には戻らなかったとしても、もしかしたら少し勢力を回復するかなという感じもしていますよね。ただ、自民党はいわゆる皆が解党的出直しみたいな形で、ものすごく党のイメージを刷新するっていうことでいうと、これはなかなかやっぱりここ数年で起きない、10年ぐらいかかるんじゃないかなと。今言ったような、改革派の本当の世代が中枢に来ないと変わらないんじゃないかと。だから、世代交代もそうですよね。だから、自民党が根本から生まれ変わるみたいな話と、それから自民党の人気を回復させる、保守回帰みたいな、これは同じようなことであって、ちょっと違う面もあると思うんですよ。交わるところと交わらないところってあると思うんだけど、自民党を根本的に新しいイメージの党として生まれ変わらせる、世代交代も含めて、それは当分できないんじゃないですかね。やっぱり10年ぐらいかかると。10年かかったら、意地悪なじいさんたちとか私も含めていなくなりますから。そこからがやっぱり大きく時代の歯車が動くんじゃないかなというふうに思います。ただ、高市自民党がどれだけ国民民主党とか、あるいは参政党に流れた票、安倍総理を応援していた票っていうのはちょっと単純な言い方かもしれないけど、安倍自民党のときに、少なくともあの未曾有の国政選挙6連勝っていうのを達成した時代の票がどこまで戻ってくるかっていうのは、ちょっと選挙の状況を見ないと分からないかなと。ただ、昔のような一強時代っていうのは、やっぱり帰ってこないのかなというふうに思っています。
(記者)
分かりました。先ほど早期解散もあるんではないかというふうにおっしゃいましたけれども、時期としては早ければ、例えば年末とかを想定されているんでしょうか。
(知事)
それは本当に知事として言うのは僭越なんで、ある意味ちょっと離れているから適当に言っているんですけど、よく言われている、やっぱり高市さんは総裁選挙には勝ったけど、一番大事な国民の審判を受けていないみたいな話があるじゃないですか。これが、はっきり言って、力の根本なんですよね、民意を得ているかどうかっていうことが。だからそれをやらなきゃいけない、これはもう本当に大きな試練だと思うんだけど。予算をまず通してとかいう人がいるけど、今、期待を持ってバーンって出たわけでしょう。これから組閣とかして、また身体検査とかやっているかもしれないけど、必ず内閣のスキャンダルとか出てくるじゃないですか。それで、今以上バーンって上がるか分からないじゃないですか。特に予算審議をしていくということになったら、また本当にいろんなところで、いろんな交渉しなきゃいけない。その中で、もしかすると高市さんの、今の高市色みたいなものをさらに弱めなきゃいけないみたいな場面が出てくるわけじゃないですか。そうしたら、やっぱり普通はその前に、大義名分は何でも、掲げれば大義名分なんで、後からどっかと組めればね、例えば国民民主と連立組むみたいになれば、もっとやりやすいのかもしれませんけど、それだったら普通はできるだけ早く国民の支持があるうちにやりたいっていうのが、やっぱりこう普通の人の心理なんじゃないですかね。安倍総理を見ていたら、逡巡なかったですよね。やっぱり「まだ一年しか経ってないじゃないか」とか、「大義名分ないじゃないか」みたいなことは多分気にしておられなかったと。世耕弘成さんみたいにすぐ近くにいた人はもっとよく知っていると思うけど。たぶん自民党の世論調査の結果を見て、世の中の流れを見て、野党の準備状況を見て、勝てると思ったときに逡巡なくやったんですよね。だからあの未曾有の国政選挙6連勝ってできたんだと思うんですよね。高市さんはやっぱり安倍元総理の綺麗な鷹の手法を受け継ぐとすると、そこら辺ももしかしたら奇襲作戦みたいなのもあるのかなと、勝手に、本当に無責任なんだけど、そんなことを感じています。
●集英社オンラインの報道について
(記者)
あとちょっと別件で恐縮なんですけれども、先月末ぐらいに、集英社オンラインの報道で、知事が就任の前ですけれども、県の高齢者福祉施設に対する補助金が、一部政治家の関係する施設に偏っているのではないかという報道がありました。実際に意図的に偏っていたかどうかっていうのはちょっと分からないんですけれども、こういった疑念が県の補助金について、就任前ではありますけれども、報道されたことについて、もし報道を把握されていたら、どう受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
まずもちろん、その記事は読ませていただきました。片貝首席補佐官からすぐコピーが送られてきたので、拝見しました。やっぱり以前申し上げたとおり、群馬県で例えば現職の副市長が逮捕されたり、現職の県議が逮捕されたり、そういう事件があってですね、東京のメディアの友人から「利権の構造の親玉か」とか言われて悔しい思いをしたっていう話をしましたよね。特に、この件でものすごく多くのマスコミが、過去のいろんな類似の事業案件をたぶん洗うために入ってきていたから、よその県のマスコミまで。だからいつか群馬県のこういう構造っていうのは叩かれるんじゃないかと1年ぐらい前から申し上げていたじゃないですか、ここで。そういうことがだんだん起こっているんじゃないかと思うんですよね。福祉施設みたいなところにもいろいろメディアの取材が入っているっていうことは聞いていたんで。もしかしたらと思っていたんですけど、この集英社オンラインの記事を読んでみたら、その前の安中も驚いたんだけど、知らないこともあってね、本当にちゃんと細かく取材しているので、当事者にインタビューして、全部読ませていただきました。それで、記事の中で記憶にあるのはね、群馬県の予算の中で老人福祉施設への大規模修繕補助金ってあるんですよ。それが今まで小寺さんのときまで1億円だったと。それが、なんか大澤知事が辞める直前に1億3,000万円になったみたいなことが書いてあって、それが大澤前知事がやっておられる福祉施設と関係あるんじゃないかみたいな話があったわけですよね。この一連の記事をずっと読みながら思ったんですけどね、やっぱりここで何度でも言っているように、ルールを守って、本当に真面目に頑張っている県民、有権者の人たちが一番、何に怒るかっていうとね、政治的な影響力みたいなものを使って、つまり、この予算、県税、税金も入っているこの予算の使い道をねじ曲げることなんですよ。政治的な影響力みたいなものを使って、自分のビジネスとか、あるいは自分に利益を及ぼすためにね、その使い方をねじ曲げる。これを一番、有権者は怒るんだと思うんですよね。今日ちょっと記者さんに言われたからじゃないんだけど、これはちょっと申し訳ないけど、ちゃんと調べさせてもらおうと思う。この記事が言っている、いわゆる、例えばこの群馬県の予算の中の福祉施設に対する補助金みたいなものがね、例えば前知事、あるいはいわゆる政治家のいろんな圧力とか分からないけど、影響力で本当にねじ曲げられてないのかどうか。いや、ねじ曲げられていないと思いますよ。少なくとも私の知っている県議は本当にみんな真面目だから。だけど、それは本当にそういうことはなかったのかっていうのは、大澤前知事も「俺は一切タッチしていない」って言うから、これはここで申し上げておきますが、ちゃんと今日の質問を受けて、知事として調査したいと思います。調査した結果はですね、また何かの形でしっかり発信しておきたいと思います。やっぱりこういう一連のいろんなことがあって、ここを契機に群馬県にある、いわゆる地方の利権構造っていうか、特に政治とお金の問題みたいなものを、逆にやっぱりこういうものを克服していく契機にしていったらいいなと思うので、これは本当に知事として調べて、どこかで報告をさせていただきたいと思います。
(記者)
ないなら、ないに越したことないと思うんですけれども、あるかないか、調査の結果がまとまったら、何らかの形で公表されるっていう理解でよいでしょうか。
(知事)
そうします。
●政治家の取材に対する姿勢について
(記者)
先ほどちょっと出ました前橋市長の関係なんですけれども、既婚者の市職員とラブホテルを度々訪れていた問題をめぐって、9月26日と10月2日にぶら下がり取材の場を市長側が設けたものの、自身の見解を一方的に語ったのみで、記者団からの質問を受け付けませんでした。それについて、今月6日の今週の定例記者会見で理由を問われた際に、報道の過熱やメディアの報じ方というのを挙げて、説明する場として、こうした記者会見の方が適している、定例記者会見の方が適しているというふうに説明をされました。知事はこの定例記者会見以外でも、例えば県議会の出席後などのタイミングで普段からぶら下がり取材に応じておられて、その際、記者団からの質問も受け付けておられます。取材に対する首長ないし政治家の姿勢について知事の見解を教えてください。
(知事)
それはそれぞれの首長のスタイルっていうのはあるんだと思うんですよね。私はこれが一番いいと思っているので、皆さんは結構手強い相手なんだけど、そもそも行政をチェックするのがメディアの役目だし、一応その皆さんの後ろには県民とか国民の声があると思って対応しているので、こういうふうになっているんですけど、首長のスタイルにもよるんじゃないですかね。他の知事では1週間に15分ぐらいしか会見しない人もいるし、大澤知事は1カ月に1回しかやっていなかったし。ただ、あんまり言うと、また知事が批判しているみたいに言われちゃうので、ちょっと言葉に気をつけたいと思うんですけど、あんまり中途半端なことはしない方がいいと思うんですよね、説明するならば、制限するとか。だから、そこは本当にやっぱり説明責任っていうか、説明を求められているわけだから、世の中から、市民から。メディアは世の中の声を受けてやっているわけだから、そこに対しては、あんまり中途半端なやり方はしない方がいいんじゃないかなと思います。
●高市新総裁の今後について
(記者)
別件ですみません、先ほどの他の記者さんの質問で、公明党との連立協議について、「高市さんにとっては生みの苦しみみたいなもの」っておっしゃいました。この「生む」というのは、保守回帰の次期高市政権を生む上でということですか。
(知事)
いや、生みの苦しみっていうのは、高市さんが総理になられて、これからいろいろ総理として高市色を出していくわけじゃないですか。おそらくやりたいこともいろいろあるわけじゃないですか。だけど、例えば高市さんが総理になる前の一議員だった時に論文で言っていたこととか、安全保障とかいくつかの分野で、具体的には言いませんけど、言っていたことは、それはなかなか総理になったらできないこともあるわけじゃないですか。自分の本当にやりたいことを前に進めるためには、常に政治って妥協しなければいけないわけじゃないですか。だから、少なくともまずこれから総理になるっていうプロセスもそうだし、なってからも、やっぱり本当に高市さんが総理として活躍していくためには、必ずそういうハードルを乗り越えなければいけないという意味で、生みの苦しみと。まずはだから連立をしっかり維持できるかどうかということがハードルとして、生みの苦しみの一つなんだと思うんですけど、ここからまたいろんなことを乗り越えて、生みの苦しみって、生みっていうのが総理になるっていうことなのか、その後、総理としていろんな自分のやりたいこと、高市さんがやりたいことを実現していくっていうところを含めて、この生みの苦しみはまだ続いていくんじゃないでしょうかね。その一環なんじゃないかと思うので、私は分かりませんけど、外から見ていて、高市総裁がいろいろ知恵を絞って、最後は落ち着くところに落ち着くんじゃないかなと思っています。
●クマ対策について
(記者)
クマなんですけれども、先ほどスライドの中で、「ある日森の中じゃないのに、クマに出会ったら」という動画の紹介がありましたけれども、知事はこれをご覧になりましたか。
(知事)
ちらっと見ました。
(記者)
私も拝見したんですけれども、職員さんが体を張って、クマの役をしたり、逃げる人の役をしたりして、どうやってクマから身を守るのかという知恵を配信しているように受け止めました。ただ、分かりやすいんですけれども、昨今のクマの現状を見ると、食害するクマとか、人を襲うとか、危害を加えるクマが出没していて、皆さん怖い思いをしていると。そういう中で、あの動画は非常に出来はいいんですけれども、寸劇なので、ちょっとまあ可愛らしいという面もあります。知事はこうした県職員が自作で、自力で動画を作るっていうことを推奨されていますけれども、様々な分野で効果を上げていくということを考えると、何か課題とか感じていることがあれば聞きたいです。
(知事)
この動画、私もちらっと見ましたけど、県職員がいろいろ知恵を絞ってやって、いろんな見方があると思うんですよね。こういう方がいい、ああいう方がいいと。でもこの6年間、特に過去5年間、tsulunosがスタートしてから動画の質はすごい上がっていると思います。みんなが知恵を絞って、作る職員のスキルもだんだん上がってきているし、いろいろ外部の有識者じゃないけど、専門家の意見なんかも聞きながら、かなりブラッシュアップしてきているんじゃないかなと思います。ただ、こういうクマの動画もあってもいいし、さらにまた状況によっては違う切り口のものも使ってもらえばいいと思うので。相当動画のレベルが上がってきているんじゃないかと。動画の価値を決めるって難しいけど、例えば再生回数で言ったら250万回とか職員が作ったものの中で出てきているから、100万回超えるものも出てきているんで。それをチェックしてみると、なるほど、いろんな知恵を使っているなと思うので。それからもう一つは、このtsulunosを作るときにも申し上げたんですけれども、やっぱり群馬県の中に、こうやって県内に、例えばカメラも操作できて、今、全部tsulunosの放送とか生配信とかを県庁職員が当たり前のようにやっていますけど、こういうやっぱりクリエイターの集団を作るっていうことは、ものすごい強みになると思うんですよね。ある意味、コンサルティングチームができるみたいなことなんで。だからそういうのも目指しているので、そういう意味でいうと、このクマの動画もそうですけど、いろいろこう知恵を絞ってやっていく中で、だんだん動画を作る実力とかセンスとか、すごい磨かれているんじゃないかなと評価しています。
●群馬県職員の時間外労働の増加について
(記者)
あと別件なんですけれども、会見の冒頭でダイヤモンド社のご紹介がありました。群馬県庁で働く、働きがいが評価されたというお話を伺いました。昨日発表の群馬県の人事委員会勧告で、知事部局の時間外労働が増えているという報告もあったんですけれども、あらためて知事の思いを聞かせてください。
(知事)
知事部局の話は総務部長から。
(総務部長)
時間外勤務が増えているということですかね。今ちょっと手元に資料がないので、具体的な数字はないんですけれども、やはり全体的な傾向といたしまして、やはり1回コロナが終わったところで少し時間外(勤務)が減ってはいるんですけれども、やはり住民ニーズもいろいろ多様化しているという中で、社会が複雑化している中では、ニーズに対応するため、課題もいろいろ複雑化しているところがあるので、なかなか業務をいろいろ改善はしてはいるんですけれども、少し増えてきているのかなという実態があります。働き方改革というところでも、努力はしているところでもあるんですけれども、やはり職員が働きやすく、あまり疲弊しないように常々改善を心がけているというところです。
(知事)
今言った知事部局の時間外労働が増えているというお話は、あまり細かい説明を受けていないので、ちょっとチェックしてみたいと思います。常にこういう話はあちこちであって、今、総務部長も言ったんですけど、あらゆる知恵を絞って、職員の負担は減らそうとしているし、DX化を進めているっていうのもそれが理由なんで、片や、やっぱりいろんなプロジェクトが動いていたりとか、いろんな事件が起こったりするので、そこは常にやっぱりどうしても仕事が増えちゃうところがあるんですけど、そこはもうその都度一生懸命改善をしていきたいと思っています。時間外労働の時間もやっぱり一つの大事なデータとして、しっかり見ていきたいと思います。
●クマ対策について
(記者)
案件の関係で、クマの対策のことをお伺いしたいんですけれども、冒頭で知事の方から、先日の沼田市での件も挙げていただきましたけれども、県として、今後行っていく対策、クマに遭遇したらですとか遭遇しないためにではなく、県として何か対策を考えている部分があったらお伺いしたいと思うんですけれども。
(知事)
いいですか、環境森林部長の方から。
(環境森林部長)
県としての対策ですけれども、まずクマが今回の沼田市のように市街地に出没するパターンと、人間の方がクマの生息地に入っていく場合の2つの側面がございますので、それぞれに対しての対策を行っております。
市街地の出没対策では、ウェブ上でクマが目撃されたところを地図に落としたクマ出没マップというのをホームページの方で公開をしております。また、出没時の対応マニュアルの作成とか、市町村の方で対応訓練を実施するなど、出没に備えた対応の方を市街地向けではしております。
人間がクマの生息エリアに入っていく場合では、まずなんといっても、もともとクマがいるところに人間が行くわけですので、出会い頭のようなことが起きないようにすることが重要でございますので、クマ除けの鈴の着用とか、最近クマスプレーというのをアウトドアショップや大きなホームセンターで売っておりますので、そちらの携行を呼びかけているところでございます。また、先ほどの動画とか見ていただいて、対策をしていただくように、県民の方には周知をお願いしております。
また最近、話題に上がっておりますのが、9月から鳥獣保護管理法の改正によりまして、市町村長の判断で要件が揃った場合、緊急銃猟というのが可能となっております。こちら、市町村の方が体制整備を整えるのにあたりまして、国の交付金も活用しまして、県の方で支援を行っております。また、市町村の方は体制整備で非常に不安を抱えているところがございますので、きめ細かく市町村の相談に応じているところでございます。
クマと人間、もっと大きな視点で見ますと、住む場所がちょっと今近くなっているところがございまして、河川敷の手入れが悪くて、藪になっているとか、耕作放棄地が藪になっていたりして、クマが人間の生活に近づきやすくなっておりますので、住み分け、ゾーニング管理というところも取り入れていきたいと考えております。
(知事)
今言ったことに尽きるんだと思うんですけど、最近、あまりにも全国でクマが出没していて、市街地とかに。昨日見た防犯カメラに写っている映像だと、歩いている女性の方にちっちゃいクマだけど体当たりしてきていますから、なんか今までの常識があまり通じないみたいに思ったりして、クマ鈴はたぶん専門家もまだ有効だって言っているのかもしれないですけど、爆竹を投げても効かなかったみたいな例が出てきていて、きのこ採りに行って、亡くなられた女性と一緒にいた確か初老の男性が、爆竹を鳴らしたのが良くなかったんじゃないかみたいなことを言っているから。だからそこは本当に心配なんですけど、クマ撃退スプレーはアメリカの統計かなんかで見ると90何パーセント効くらしいんですけど、相当クマが近づかないとできないらしいんですよね。だから、そのクマ撃退スプレーをもうちょっと新しい発明してくれないかなとか妄想で考えていて、どうやったらいいのかなとか。ある地域で、どこだっけ、変なライオンみたいなロボットを作って、吠えさせて、それでイノシシとかクマとかみんな逃げたから、あちこちから注文があるみたいなんですけど、どうすればいいのか、そういうものを作ればいいのか、なかなか難しいですよね。このまま放っておいて、本当に大きな事故が起きちゃうっていう、もうすでに怪我をしている人もいるんでね、それはとても心配しているんですけど、今のところだからね、なるべく山に行くときには気をつけてくれとか、あとクマを引き寄せるような餌は放置しないとか、こういうことは気をつけて、あとイノシシ対策でもあるんで、川のところの伐木をやったりとかはやっているんですけれども、こんなに出てきたりすると、このままでいいのかなっていうのは、正直言ってちょっと心配になっていまして。かといって、なんでもかんでも、すぐ打てるような状況になるわけじゃないし、だから非常にここは難しいですね。我々としてもいろいろ環境森林部でもいろいろ会議をやって、考えてくれているんだけどちょっと流れによって、またもう少し新しく有効な方法があればねっていうふうに思っているんですけど。なんか記者さん知恵あります? クマを遠ざける・・・
(記者)
どうなんですかね。
(知事)
ここで聞くような場所じゃないんですけど、政策提言の場所じゃないのでね。
皆さんご存じのとおり、自民党総裁選で高市早苗さんが初めての女性の自民党総裁、自民党結党以来、初めての女性の総裁になったということで、ぜひ総理になっていただきたいと思いますが、群馬県としては、どんな政権ができても、しっかり政府と連携して、少しでも群馬県の事業を進めていく、そういう体制を維持していきたいと思いますので、また新しい内閣ができたら、今、党人事もだいたい決まったようなんですけれども、ぜひまたこちらの方から出かけていってですね、いろいろお願いできるようなルートを知事として作っていければと思っております。ということで、今日もちょっと長くなっちゃいましたが、記者の皆さんには最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。これにて今日の定例会見を終わりたいと思います。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。