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■日時 令和7年10月16日(木曜日)15時03分~16時09分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事、副知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等14人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
20251016山本一太群馬県知事定例記者会見<外部リンク>
■知事冒頭発言
それでは定例会見を始めたいと思います。このところ、Newさん(大塚副知事)が留守だったんですけど、今日はNewさんいるんで、今日はNewさんコーナーがありますので、最初にちょっと予告をしておきたいと思います。早速ですが会見の中身です。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。今日は、「知事のベトナム訪問」、「中期財政見通しと令和8年度当初予算編成方針」、これ結構大事だと思っています。それから「ぐんま賃上げ促進支援金」等について発表させていただきます。
まず知事のベトナム訪問についてです。スライドをご覧ください。今週、10月18日土曜日から22日の水曜日にかけてベトナムを訪問いたします。ベトナムには昨年10月に訪問して以来、そして私が知事に就任してから、今回が5回目の訪問ということになります。群馬県内には、現在、ご存じのとおり約1万5,500人のベトナム人の方々が暮らしており、県内で暮らす外国人としては最も多くなっております。全国の都道府県のベトナム人の方々の人口比率でも、群馬県と愛知県がほとんど競り合っているぐらい、ベトナムの方が多いということです。いつも言っているように、ベトナム人の方をはじめとする外国人の人たちは、群馬県経済にとっては欠かせない存在になっています。ベトナムは今、経済成長も著しくて、IT人材の育成などにも力を入れておりまして、実は、多くの高度人材を今、日本に送り出しております。そして群馬県内企業からは、投資先としてだけでなく、魅力的なマーケットとしても今、注目を集めているのは皆さんご存じだと思います。これまで群馬県はベトナムとの関係を重視し、関係強化を図ってまいりました。今申し上げたような状況があれば当然のことだと思いますが、私自身これまでベトナムの政府要人と何度も会談を重ねて、2023年12月には、チン首相に来県していただくということで、シャトル外交が実現をしています。これはどの都道府県にもないと思うんですよね。知事と首相が毎年会うみたいな。今年もまだ決まっておりませんけれども、そもそも去年チン首相から来年も来いって言われているので、これはさすがに国家のトップなので分かりませんが、たぶん会えるんじゃないかなと思っています。ベトナム側にこのように対応をしていただいている、わざわざ確かASEANの首脳会談か何かのときに、群馬県まで足を運んでいただいたんですけれども、首相に来ていただいたっていうことを見ても、ベトナムに群馬県との関係を重視していただいていると、私は何よりの証拠だと思っています。ベトナムとの関係性をより深化させるため、今回の訪問でも、政府要人との会談を予定しております。今度の渡航には4名の県議会議員に同行していただきます。加えて群馬銀行と連携して、前回も前々回もそうですが、群馬県内の企業団と一緒にベトナムを訪問いたします。これもたぶん他県の知事はやっていないことじゃないかなと思っています。今回も製造業をはじめ、小売業、卸売業、サービス業など幅広い分野の企業団で、合計23の企業と団体に参加していただきます。また今回の訪問では、ベトナム国家宇宙センターとか、昨年、太田市に事業所を開設したベトナム最大手のIT企業、これ結構日本でも注目されていますが、FPTソフトウェアも訪ねる予定です。このほか、地方省との経済交流促進のための覚書の締結も行う予定になっています。詳しくは来週の帰国後の会見で、しっかりこの場で報告をさせていただきたいと思います。
今週末じゃないか、昨日だっけ、京都に行ってきたんですけれども、もう本当に忙しい日だったんですが、新幹線の中でずいぶん時間があったんで、4本も力作のブログを書いちゃって、その中で、今日の朝か午前中に書いたブログか分からない、来週会見がないんで、今日いっぱい質問があるだろうっていうことだったんですけど、来週会見はあります。火曜日に帰ってくるので。ちょっとここで訂正をさせていただければと思っています。今回の訪問を通して、群馬県とのつながりの強いベトナムと群馬県独自の地域外交をさらに進め、相互の経済発展や教育文化などの交流も深めてまいりたいと考えております。
続いて、令和8年度の当初予算編成に向けた、中期財政見通しと編成方針について発表いたします。スライドをご覧ください。中期財政見通しは、中期的な視点を持って持続可能な財政運営を行っていくため、令和元年度から当初予算編成方針とあわせて作成、公表しているものです。
まず、今後の財源不足の推計です。令和8年度当初予算の編成方針を検討するにあたって、令和7年度当初予算をベースとして現時点で予定されている建設事業等を踏まえて、試算をさせていただきました。推計の前提ですが、歳入については県税収入などの一般財源収入が令和7年度当初予算と同程度で推移すると、こういう仮定のもとですので、それをちょっと断っておきたいと思います。一方歳出については、まず令和7年度当初予算において、物価上昇の影響とか、県有施設の長寿命化対策の強化とか、この歳出が増加したということも前提としております。これに加えて令和8年度以降も、社会保障関係費の増加が見込まれることから、今後も、財源不足が拡大すると考えられます。この不足分は、今後未来への投資による歳入の拡大とか、行財政改革の推進などによる歳出の抑制で補っていく必要があると考えています。次のスライドをご覧ください。
続いて、県の貯金に当たる積立基金の残高の推移についてです。令和6年度末には833億円の基金を確保することができました。これはコロナ返還金を除けば過去最高の水準です。私が知事に就任して以来、ワイズスペンディングの徹底による財政見直しの取り組みを積み重ねてまいりました。その成果は、これを見ていただければ着実に表れていると思います。しかしながら、このまま財源不足が続くと、基金は減少していきます。令和10年度にはなんと枯渇をしてしまうと、こういう恐れがあります。大規模災害などの緊急事態に対応できる持続可能な財政基盤を構築していくためには、引き続き、財源不足の解消とか、基金残高の安定的な確保に取り組む必要があると思います。次のスライドをご覧ください。
続いて県債残高の推移です。今回の推計では、前回推計より残高が増加していく見込みになってしまいました。その要因は、令和7年度当初予算で県有施設の長寿命化対策を強化しましたが、令和8年度以降も同水準で事業費を見込んでいるためです。さらに令和10年度以降は財源不足を補うため、財源対策のための県債発行が必要となることも、残高の増加に影響しております。これまでの財政再建で基金残高を増やし、県債残高を減らす努力をしてまいりましたが、こういう努力を積み重ねても、まだ財政再建は道半ばなんですね。こうした現状を踏まえ、令和8年度当初予算の編成方針を決定いたしましたので、発表させていただきます。次のスライドをご覧ください。
令和8年度当初予算編成方針についてのスライドです。令和8年度は、国際情勢の変化とか経済の先行きの不透明さに加えて、社会保障関係経費とか物価の上昇によって、引き続き厳しい財政環境が予想されています。また、多様化する行政需要にも対応していかなければなりません。このため、ワイズスペンディングを徹底した事務事業の見直し、これを不断にやっていかなければいけないし、自ら稼ぐ政策、いつも私がここで言っているように、あるいはデジタル化による業務効率化が、これはもう必要になると考えています。当初予算編成においては、こうして生み出した財源とか人的資源を、直面する課題への対応、当面のリスクへの備えとか、新たな富の創出に向けた未来への投資、そして県民の幸福度向上に向けた取り組みに集中していくと、こういうことになります。以上、令和8年度当初予算の編成方針をご説明させていただきました。今後、県議会、それから県民の皆さんの声をよくお聞きしながら、各担当部局と議論の上、予算編成を進めてまいりたいと、このように考えております。
続いて、ぐんま賃上げ促進支援金の要件見直しについて、ご報告をしたいと思います。群馬県では、今年1月にぐんま賃上げプロジェクトを立ち上げて、県内企業による賃上げ、生産性向上、それから適正な価格転嫁などを支援する取り組みを進めてまいりました。7月からは、従業員の賃金を5%以上引き上げた県内の中小企業等を対象に、最大100万円を支給するぐんま賃上げ促進支援金の申請受け付けを開始しております。しかしながら、県議会、それから商工会、商工会議所、こういった経済団体から、特に小規模事業者の皆さんにとっては5%の賃上げは難しいと、こんなご意見を多数いただいております。他にも、支援人数を増やしてほしいと、こんな意見もいただきました。また、最低賃金の引き上げは来年3月に後ろ倒しになりましたけれども、群馬県としては、各企業において、できるだけ年内に引き上げを行ってほしいと、こういう思いもございます。こうした状況を踏まえ、引き続き、物価上昇を上回る賃上げを目的としつつ、ぐんま賃上げ促進支援金の要件を見直し、より利用しやすい制度へと改善いたします。スライドをご覧ください。
まず支援金の支給対象です。これまでは5%以上賃上げした中小企業等を対象としておりましたが、いろんなところからの要望を踏まえて、3%以上賃上げした小規模事業者も対象に追加いたします。次に支援額についてです。これまでは従業員1人当たり5万円としていましたが、小規模事業者に限定して、3%以上の賃上げを行った小規模事業者に対しては、1人当たり3万円を支給いたします。なお、従来どおり5%以上の賃上げを行った場合には1人当たり5万円を支給させていただきます。
次に1事業者当たりの支援人数です。申請人数の上限について、これまでの20人から40人に拡大したいと思います。これによって、5%以上の賃上げを行った場合、最大200万円の支援が可能となります。また、これまで申請は1法人または個人事業者につき1回限りとしていましたけれども、上限の40名に達するまでは複数回の申請も可能としたいと思います。すでに一度申請いただいた方も、再度申請できるという仕組みになっています。このほかにも、賃上げの実施期限を12月末まで、また支援金の申請期限を1月末まで、それぞれ延長させていただきます。詳細は、このスライド記載のQRコードよりご確認いただきたいと思います。なお、新たに追加された小規模事業者による3%賃上げの申請受け付けは、これはシステム改修が必要なので少し待っていただいて、11月の上旬から開始する予定になっています。
今回の要件変更によって、賃上げに取り組む経営者の皆さんをより広く支援できる制度になったと考えています。経営者の皆さんには、この支援金を積極的にご活用いただくようにお願いをしたいと思います。来年3月からの最低賃金引き上げの発行を待たずに、年内に前倒しして賃上げに取り組んでいただければ、支援金の対象になるということをもう一度申し上げておきたいと思います。ぜひご検討いただくようにお願いしたいと思います。群馬県としては、賃金上昇による地域経済の好循環を通じて、県民の皆さんの幸福度向上を目指し、今後も様々な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
続いて、「湯けむりフォーラム2025」の一般参加者募集について発表いたします。湯けむりフォーラムは基本的に招待制ですが、12月13日土曜日のプログラムについて、この度、一般参加者を募集しますのでお知らせします。スライドをご覧ください。
今回、初日13日に実施する全てのプログラムについて、一般参加者を募集したいと思います。初日は、南カリフォルニア大学のリピット教授による特別講演や、映画監督の片山慎三氏によるトークショーを実施いたします。また、群馬交響楽団のアンサンブル・コンサートとか、声優アイドルグループ「前橋ウィッチーズ」によるミニライブも行われます。そして、今回新たな情報になりますけれども、当日の総合MCは前橋ウィッチーズにやってもらおうということになりました。時間は13時から16時40分までで、会場は草津音楽の森国際コンサートホールになります。募集定員は150名程度です。観覧料は千円で、申込みは、湯けむりフォーラムの特設サイトから、11月10日月曜日17時まで受け付けております。応募者多数の場合は抽選で参加者を決定させていただきます。詳しくは、スライド記載のQRコードから特設サイトでご確認いただければと思います。
何度も申し上げておりますが、リピット教授とか片山監督にね、こういう地方自治体主催のフォーラムに参加してもらうっていうのは決して簡単なことではありません。群馬県だからこそ開催できる特別なフォーラムに毎年なりつつあるということを申し上げておきたいと思うんですよね。ぜひ、多くの県民の皆さまに湯けむりフォーラムにご参加いただいて、今の群馬県の勢い、群馬県が進む未来の方向について、ぜひ実感していただきたいなと考えております。
この会見で何度もお伝えしておりますが、湯けむりフォーラムは群馬県最大、群馬県庁最大のイベントであり、本当に知事の肝いりっていうか、私が熱い思いを持って、毎年開催させていただいているフォーラムです。開催まであと2カ月となりましたが、引き続き県庁一丸となって準備を進めてまいります。
続いてTUMO Gunmaについてです。群馬県では近未来構想の一つとして、「クリエイティブの発信源」を掲げ、デジタルクリエイティブ人材の育成に取り組んでおります。皆さんご存じのとおりです。その中でも、今年7月に高崎市のGメッセ群馬にオープンした、デジタルクリエイティブ人材育成施設「TUMO Gunma」は、現在400名を超える中高生にご登録いただいております。オープン以来、今、順調に登録者が増えている状態です。そしてこのたび、アルメニアのTUMO本部から、AIの専門家をお招きすることになりました。そして、「TUMO Gunma AIラーニングラボ」というものを開催いたします。そのお知らせです。スライドをご覧ください。
このラーニングラボでは、最新の生成AIツールの使い方を学んだあと、アニメとか映画スタイルのショートムービーを制作いたします。そして最終日には、参加者が制作した作品を保護者に披露する発表会もここで行いたいと考えています。このプログラムは、今年5月にインドの「TUMOムンバイ」で先行開催され、大変な好評を収めたと伺っています。講師は、世界を代表するAIエンジニアです。中でもトム・オーガー氏は、TUMO本部でAI教育プログラム開発を担当する本当に中核のメンバーです。開催期間は11月1日の土曜日から3日月曜日祝日までの3日間ということになります。対象は、TUMO Gunmaに登録している中高生で、全日程に参加できる方になります。定員32名、応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。参加者はいつものように無料です。これからTUMO Gunmaにご登録いただく方も参加可能です。この機会にぜひ、皆さんTUMO Gunmaにご登録いただきたいと思います。詳細はスライド記載のQRコードからご確認ください。世界のトップAIエンジニアから学べる貴重な機会になると思います。ぜひとも、何度も言いますが多くの皆さんのご参加をお待ちしております。
続いて、赤城ビジターセンターのオープン延期について、ご報告をしたいと思います。はいスライドです。群馬県では県立赤城公園の活性化を図るため、大沼(おの)キャンプフィールド、それから赤城ビジターセンターの整備を進めております。これらの2つの施設は、令和8年春の同時オープンを目指してまいりました。大沼キャンプフィールドについては現在の計画どおり、こちらは順調に工事が進んでいます。一方で赤城ビジターセンターについては工事の遅れによって、来年春までの完成が難しい状況となりました。この度、オープン時期を来年秋以降に延期させていただくことになりました。新たな観光拠点として多くの皆さんにご期待をいただいている中での延期となり、これは知事として大変申し訳なく思っております。この場を借りてお詫びを申し上げたいと思います。延期の理由をちょっと説明させてください。
赤城ビジターセンターは、長くて緩やかな曲線を描く屋根、こういう感じのね、屋根が特徴のデザイン性の高い建物になっています。そのため、構造を安定させるための技術的な検討とか、曲面加工を行う鉄骨部材の製作に、当初の想定を超える時間がかかりました。さらに、使用する接着剤が摂氏5度以下では固まらないことが分かって、冬季の施工は難しいということも判明いたしました。この結果、屋根工事の開始が遅れて、内装工事もそれに伴って春以降にずれ込む見込みとなりました。群馬県としてはこれ以上の遅延が生じないよう、関係者間で進捗の見える化を図るなど、施工管理を徹底してまいります。今後はより一層の連携と工夫を重ねながら、完成に向けて、着実に取り組んでいくということを約束したいと思います。
最後に直滑降ストリームの配信です。スライドをご覧ください。県議と知事の紅茶懇談。はい、この企画はいつも申し上げているとおりです。第20回目のゲストは、自民党の牛木義県議です。番組では、学生時代に今の奥様への想いからダイエットに励んで、何度も振られてアプローチしたという、非常に情熱的なエピソードとか、県議がアメリカの大学に進学したご経験などについて、いろいろと伺いました。牛木県議の、なかなか、あらためて分かったんですけど、道筋を立てて物事を考える、非常に論理的な思考の人なんだなということも分かりましたし、努力を惜しまない行動力、何度振られてもアプローチする精神力、そして地域の発展に懸ける熱い思いを感じていただけると思っています。今回も、いつもいいんですけど、すごくいい内容になっております。明日17日金曜日の20時から、群馬県公式YouTube チャンネル「tsulunos」で配信いたします。ぜひご覧いただきたいと思います。
私からは以上です。ここから皆さんのご質問を受けたいと思います。
●知事のベトナム訪問について
(記者)
まず案件内の、ベトナムに訪問されるっていうことなんですけれども、今回宇宙センターに訪問されるっていうことなんですけど、何か目的とか、今後の県の政策に結び付くとか・・・
(知事)
まず担当の方から。産業経済部長の板野さんから。
(産業経済部長)
ベトナムの宇宙センター、群馬県にはIHIエアロスペースさんがあるんですけれども、ベトナムのロケット開発プロジェクトに携わっているということで、ベトナムの方からオファーがありまして、今回訪問することになっています。
(知事)
今言ったようにベトナムの政府首脳から、ぜひ今回は宇宙産業関連の企業も、もし関心があれば来てもらえないかっていう話があって、産業経済部長の方からアプローチして、IHI(エアロスペース)の社長に来ていただくことになりました。
●国政の動きについて
(記者)
案件外でお願いします。時間も今日は限られているということなんで、国政の方で、自民党さんが公明党さんと連立を離脱されて、今度維新さんと政策協議に入っているという、そういう一連の流れがこの1週間だったんですけど、どういうふうに知事は見られていますか。
(知事)
まず、先般、自民党総裁選挙が行われて、5人の本当にすばらしい候補者の方々が総裁選を戦って、その結果、高市早苗さんが自民党結党以来、初めての女性総裁になったわけですよね。今回、維新と連立協議が始まったと。これまとまるのかどうか分かりませんが、高市総理の実現の可能性が格段に高まったっていうのはメディアの見方だと思うんですけれども、ここまで来たからにはぜひですね、高市さんには、憲政史上初の女性総理になっていただきたいなと思っていますし、ぜひ頑張っていただきたいと思っています。私もブログを書いたので、もしかしたら記者さんも見ていただいたかもしれませんが、私は高市総裁、「きれいな鷹」なんだけど、強かにちゃんと鳩の顔も演じられる、そういうリーダーになってほしいなっていうこともちょっとブログに書いて、それを産経新聞が取り上げてくれて、早速Yahoo!ニュースになったのを見ましたが、私はこのまま連立ができなくて、自民党が単独野党になったとしてもね、いろんな覚悟さえ決めれば道があると思っていて、例えば、自民党の中には1回下野したらいいんじゃないかっていう意見もあるんですよね。1回下野して、そこからしっかり反省して体制を立て直して、もう一度やり直して政権奪還を目指すっていうことを言っている人もいるので、例えばそういう道だってあるし。これ、万が一、玉木首相になった瞬間に、196人の大野党ができるわけですよね。これは大変なたぶん威力だと思うんですよね。だから、そういう意味で言うと、例えば万が一、玉木さん自身は、これもブログに書いたんですけど、十分総理をできるぐらいの能力と魅力を持った人だと思うんですけどね。そうなった場合でも、別にその覚悟さえあれば、自民党は道を切り開けるんじゃないかと思ったし、総理になったら総理になったで、ちょっと維新と連立できるっていうところまでは考えていなかったんで、もし単独で与党をやるってことだったならば、解散総選挙を仕掛けるっていう方法もあるし、いろんな方法があるんじゃないかなと思っていたんですが、思ったよりもスムーズに維新と連立協議が進んでいるようなので、これはこれで、高市政権が誕生するっていうのは、これは知事としては歓迎をしたいと思います。少なくともこの維新と連立を組むということで、(議席の)数は増えると。でも過半数には届かないんで、どのみち他党とのいろいろ調整は必要なのかもしれませんが、今回、もしこの高市政権ができたら、高市さんのサイドから流しているんで本当だと思いますが、例えば小泉進次郎農相を防衛大臣にするとかね、参院当選同期の林芳正官房長官を総務大臣にするとか、こういう人事が本当だとすると、それはすごく嬉しいなと。やっぱりいろいろなことがあったとしても、戦った4人の人たちがそれぞれ枢要なポスト、党とか政府で入るっていうのは、これは自民党にとっていいことなんじゃないかと。とにかく、どんな組み合わせでもいいので、政権を安定させてほしいというのが知事としての願いですので、そういう思いを持って、これから流れを見ていきたいなと思っています。
●公明党の連立政権離脱について
(記者)
先ほどの関連なんですが、公明党が連立を離脱したことによる、県内の政治体制への影響をどのようにお考えか教えてください。
(知事)
これもブログに書いたんで、記者さんきっと読んでくれたと思うんですけど、群馬県においては、公明党との関係は変わらないっていうのは私の感覚なんですよね。やはり知事になった後も、今、衆議院議員になられましたけど、福重(隆浩)さんがね、一応、群馬県本部の代表ですよね。福重さんともしっかり必要な連携を取ってきたし、公明党の県議会会派の3人の方々とも、しっかり、ある意味信頼関係も、私は維持してこれたって思っているんで、その関係は私の中では変わらないと。これは、いろいろ言う人がいるんですけど私の中では、国政と県政は完全に切り分けられているので、そういう意味ではこれからも、公明党との関係は大事にしていきたいなと思っています。これは私の感覚ですけど、公明党は連立を離脱したからといって、別に自民党と敵対するっていう感覚じゃ私はないと思っているんですね。何かよく分かりませんけど、選挙の影響をいろいろ言う人がいるんですが、たぶん選挙区によっては協力するところもあると。これまでの関係で、おそらく人物本位みたいな感じで決めるようなことを斉藤代表もおっしゃっていたので、群馬県においては、公明党との関係っていうのは、私の中では変わらないということですね。だから連立を離脱した影響、選挙への影響っていうのはなかなか読みにくいところがあると思うんだけど、これも分かりません、これは公明党の皆さんのお話なので私が言うのも僣越なんですが、じゃあ全ての選挙区で、今まで26年間連立を組んできたわけじゃないですか。信頼関係のある場所っていうのはあると思うんですよね。全部引き上げて相手(の候補)を応援するみたいな、ちょっと単純な発想でものを考えなくてもいいんじゃないかなと思っています。私は、高市総裁が解散するかどうかっていうのは分かりませんけど、解散したら、みんなプラマイでいろいろ計算していると思うんですけど、私は、もしかしたら思った以上に(自民党が)議席を回復できるんじゃないかなと思っていまして、これは前も記者さんに何かのときに話したことがあると思うんですけど、まず、総裁選挙を経験して、(自民)党員の高市さんに対する期待がすごく高かったっていうことと、今いろいろメディアが、いわゆる電話調査なんかでやっていますけど、高市総裁を想定したときの支持率っていうのは、石破さんのときよりも随分高いですよね。だから、ある程度保守の人が戻ってくるっていう可能性があるんじゃないかっていうのと、これもちょっとブログで触れましたが、小泉選挙、郵政選挙を経験しているわけですよね。小泉総理のときも遊説局長とかもやったし、全国を応援で飛び回ったんですけど、やっぱりね、国のトップが本当にリスクを懸けて、信念を前面に出して勝負をするっていうことには、意外と国民は反応すると思っているので。高市さんは勝負をかけたらかけたで、私は思った以上の成果があるんじゃないかなと思っています。
それから公明党について言うと、今パッと公明党連立離脱のときに、最初に頭に浮かんだのは、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録の話ですけれども、これはやっぱり公明党でいうと、赤羽元国交大臣、公明党の幹部でいらっしゃいますけど、赤羽さんとそれから福重さんがすごく本当に頑張っていただいて、自民党と公明党を合わせて100人以上の議連なわけですけど、もう、特に赤羽元国交大臣には本当に助けていただいて、非常に男気のある方で尊敬もしているので、この問題については、おそらく自公でしっかり議連を使って、これからもやっていけそうなので、その点はすごく嬉しいなと思っています。ここの面においても、しっかり、今の議連もありますから、公明党との信頼関係というものは、知事として、しっかり維持していければなと思っています。
●前橋市長の問題について
(記者)
お話が変わりますが、前橋市の小川市長の関係なんですけれども、小川さんが、市民を対象にした定員20人で、50分の対話会というものを開かれたそうです。この会は非公開で、出席者は入場時に身分証明書の提示を求められたそうですが、こうした手法が、小川市長が言う、その市民に対して直接説明したということに当たると思われるでしょうか。また、その会は主に支援者が主催したそうなんですけれども、こうした会には出席しつつ、対外的な公務を依然として欠席し続けられている小川市長の姿勢をどう思われますか。
(知事)
それはもう、小川市長には政治家としてのお考えがあるので、それはいろんなお考えのもとにやっているんだと思いますが、タウンミーティングでやればいいんじゃないかなって、私はシンプルに思うんですよね。タウンミーティングをやるっていうのは、覚えていらっしゃると思いますが、小川市長の選挙公約のかなりコアの部分だったわけでしょう。1回目をやらない、次もやらないってことですよね。だから今回、市民の方の声を聞く会をやったっていうことなんですけど、記者さんご存じのとおり、身分証明書の提示を求めたっていうことで、私の知り合いも帰った。身分証明書まで提示して、「なんで(身分証明書の提示を)しなきゃいけないんだ」って言って結構帰った人もいるって聞いているので、それをもって、何となく前橋市民の世論を受け止めるっていうことにはならないのかなと。これは申し訳ないんですけれども、そういうふうに思います。それで、できれば、もう前橋市長のこのラブホテル問題の話は、もうこのぐらいで終わればいいなと。もう今日ぐらいで終わればいいなと思っているんですけど。まず、なるべくこれは最後にしたいと思うので申し上げるんですが、私は小川晶市長に、個人的には何の恨みもありません。いつも言っているとおり別に嫌いではありません。それから、小川市長と10回以上にわたってラブホテルに行かれていたっていう幹部職員の方のことは知りません。すれ違ったことはあるのか分かりませんけど、話したこともないし、まず顔も覚えていません。この方にも何の恨みもありません。ただ、あらためて思ったんですけど、この間、この方がたぶん弁護士と相談されて、かなり長い説明文みたいなものを発表しましたよね。これをちょっと読んであらためて思ったんですけど、この中身をちょっと見たらね、つまり、小川市長とカラオケに行ったりとか、ご飯を食べていたりしたら、これを執拗に追いかける人がいたと。相当執拗だったらしくて、私の耳に入ってくるぐらいだから、この話ってたぶん、市議の間ではすごい評判になっているんだと思うんだけど、あまりにも執拗に追いかけられたと。なんかずっと監視されたと。これはやばいと思って、こんなに監視されて追いかけられたらまずいと思って、ラブホテルにある意味避難したみたいな流れになっているわけじゃないですか。これはやっぱりね、ちょっと論理破綻していると思うんですよね。例えば、監視されたら、普通は会うのをやめるじゃないですか。あるいはもっとすごく注意するじゃないですか。それでやっぱりラブホテルに行くっていうのは、もしそこに行ったときに、例えばそれが外に出たときにどういう反応があるかって分かるわけじゃないですか。それまで10回以上行っているわけじゃないですか。場所も違うけど。だから、そこの理論っていうのは、結構論理は破綻していると思うんですよね。
ちょっと記者さんに聞いてみたいんですけど、いつもその話を聞くんですけど、記者さん、この方の文書にあった、市長を守るためにラブホテルに10回以上行ったって信じます? 信じられます? ラブホテルに行った理由は、女子会で使われるからいいと思ったと。女子会で女子がラブホテルに行くことと、大人の男女が2人でラブホテルに行くっていうことは違うと思うので、これ、素直に納得できます? できないでしょう。皆さん私は本当、自分の感覚がおかしいのかなと思って、周りはみんな同じことを言っているんだけど、今までの説明で本当に納得できる人います? 手を挙げていただければと思うんですよ。これは会見で言うことでもないんだけど、皆さん全然納得していないから、毎回こうやって私に聞くわけじゃないですか。だから、今、記者さんが「ううん」って言って、やっぱり記者の立場から「納得しません」って言えないから、言ったんだけど、もう納得していないってのは表情で明らかですよね。でもこれが一般の人たちの、ほとんどの人たちの感覚なんだと思うんですよね。だからそれは小川市長にも、市長を応援されている皆さんにもちゃんと認識をしていただいた方がいいんじゃないかと思うんですね。なんかこれも、どんな報道でもそうだけど、同じ話がずっと流れていれば、人間ってどこかで飽きるじゃないですか。なんか報道の過熱が収まって、みんなが飽きるのを待っているみたいに見えるんですよね。でも、私は終わらないと思うんですよね。ずっとたぶん波があってもずるずるずるずる、この話っていうのは引きずるんだと思うんですよね。いろいろ皆さん動画を見ていらっしゃると思うんですが、これもちょっとブログで触れたんですけど、昨日友達がわざわざ送ってきたんで、お笑い芸人のラランドが、一昨日かな、YouTubeで、最新のコントを発表したわけじゃないですか。アップしたわけじゃないですか。これはもう明らかに前橋市長をやゆした、誰が見てもそういう中身ですよね。1日で80万回以上回っていますよね。これもう間違いなく今日中ぐらいには100万回超えるでしょう。しかも2つぐらいのウェブメディアで大反響だったって書いてあるわけですよね。だからこういうことってたぶんどんどん起こってきて、なおかつ中学生とか高校生とかみんな見ていると思うんですよね。私はこの話を一番最近恐れているのは、私の10人の大事なアドバイザーである、高校生リバースメンターから聞かれることを恐れていて、説明がつかないですよね。ネットメディアの記事で見て、本当かどうか分からないけど、中学生が市長の表彰状をいらないって言ったとかね。いや本当かどうか分かりませんよ。でもね、こういうことっていうのはすごく実は拡散していくんだと思うんで、これはほとんどそんなことないと思うけど、一歩間違えると、ちっちゃな社会現象か何かになって、もしかしたら「ラブホテル」が流行語大賞の候補になるとかあり得る世の中でしょう。だからもう、自分が最初に言ったとおりの流れになっているなという感じがしています。
それで、これ友達から、「もうメディアから聞かれたからって、コメントはあんまりいいんじゃないの」と、「放っておいたらいいんじゃないの」と。今日記者さんからも聞かれるかな、記者さんとか別の記者さんから聞かれるかなと思ったんで、京都からの行き帰りに力作ブログを4つぐらい書いて、その中で大体私の思いはもう述べたので、繰り返すようなことはしませんが、私が申し上げたいのは、この話が、例えば他県のことだったら、はっきり言ってそんな関心はないんですよね。田久保さん、伊東市長のことってどうでもいいんですよね、群馬県の県政に関係ないから。でも、この前橋市の今のスキャンダルは、やっぱり群馬県政に影響があるんです。何度もここで言っているように、群馬県は前橋市と今いろいろ大事なプロジェクトをやっていて、例えば県庁から前橋駅までのクリエイティブシティ構想もね、非常に大きな目玉構想なんですよね。さっき、ちょっと今日、一部の施設の開設が遅れると皆さんにご報告した、赤城(山)の開発。これも一応民間企業が入っていますけれども、前橋市としっかり連携してやらなければいけないわけですよね。それから今、一番困っているのは、この間もちょっと会議で出たんですけど、(県立)高校の在り方検討会ってやっているでしょう。地域ごとに今、会議をやっているんだけど、前橋だけできないんですよ。前橋市から応答がないから。今日、実はある県有施設の改廃の問題も、いろいろ街の再整備と絡んでくるから、前橋市と相談しなければいけないねと今日の会議で出て、ただ、今前橋市とは協議できる状況じゃありませんということなんで、私が望んでいることは、どんな形かっていうことは別に言いませんが、やっぱりできるだけ1日も早く、ちゃんと前橋の市政が正常に戻って、ちゃんと大事な問題について、協議ができるような状況にしてほしいなと。それは市長ご自身のいろんなご判断もあると思うし、市議会の皆さんも大事なプレーヤーだから、その市議会の動きもあると思うし、なんと言っても、大多数の市民の皆さんの声っていうのもあると思うけど、とにかくどんな形でも、何とかちゃんと決着っていうか、しっかりこの問題にある意味けじめをつけて、しっかりまた、前橋市といろんな大事な協議ができる状況にしてほしいなと思っています。例えば県のイベントでいうと、この後ぐんまマラソンがありますよね、いつも前橋市長に来ていただいている。ニューイヤー駅伝もありますよね。だからこういうところに出てこられるのかどうかとかね、というふうに思っているんで、もうこれ以上言いませんが、どういう流れになるのかっていうのは、やっぱり前橋市民の皆さんとかね、市議会の皆さんとかいろんな方々の、いろんなプレーヤーの考えで決まるのかもしれませんが、とにかく1日も早く、この問題にある程度のけじめをつけて、前橋市政を正常化していただいて、ちゃんとトップ同士の議論ができるようにしていただきたいなと思っています。
●石破首相が発表した戦後80年の所感について
(記者)
すみません、最後にもう1点、石破首相が戦後80年に合わせて先日、所感というものを発表しました。「誤った歴史を繰り返さないために、使命感を持ったジャーナリズムを含む健全な言論空間が必要だ」などと記しています。受け止めをお願いします。
(知事)
これは、まず閣議決定していないから、これは政府の文書というよりは、石破総理の個人的な見解の色彩が強いということがまず大前提だと思うんですよね。中身について言うと、いろいろ事前に少し党内の保守派の方から反発が出ていたりしていたから、例えば歴史認識の話とか、お詫び、謝罪みたいな話は、これはほとんど触れていない。確か歴代の内閣の歴史認識を引き継ぐとだけしか言っていないんだと思うんですよね。あと中身は、なぜ日本が、あのそもそも勝てない戦争に引き込まれてしまったのか、その分析と反省ですよね。そこをざっと読んだだけなんだけど、例えば軍部の暴走を止められなかったとか、大日本帝国憲法自身が、そもそもシビリアンコントロールのあれ(仕組み)がなかったとか、あるいは議会とか、ここにいるメディアもそうですけれども、軍部とか、ポピュリズムみたいなものにブレーキをかけられなかったとか、歴史から真摯に学ばなければいけないっていう話で、その談話の中身自体は特に私には違和感はなかったんで、それはそれで石破さんの思いを残されたのかなと。ただもう1回言いますが、閣議決定されていないっていうことは、石破総理の個人的な見解を述べられたんじゃないかと。中身について、これは問題だみたいなことは私の中ではなくて、これはこれで大事な点なんじゃないかなと感じました。
●知事のトップ外交について
(記者)
トップ外交について伺います。ベトナムは知事就任後5回目ということですけれども、今年度を含めて、他の国も含めると、何回目のトップ外交になるのかお伺いします。
(知事)
どうぞ、知事戦略部長から。
(知事戦略部長)
これまでの知事のトップ外交の状況ですけれども、訪問国数は7カ国になります。国別で申し上げますと、アメリカが4回、ベトナムが4回、フィンランドが1回、イギリスが2回、ハンガリーが1回、フランスが1回、韓国が1回という状況になっております。
(記者)
これは知事就任後の回数ということですか。
(知事戦略部長)
そうです。
(記者)
今年度に絞るとどうですか。
(知事戦略部長)
今年度は、5月にアメリカの方に行きまして、ベトナムが今回2回目ということになります。
(記者)
発表できない内容かもしれませんが、今後のトップ外交のスケジュールなど何か出せるものはありますでしょうか。
(知事戦略部長)
当然のことながら、まだ詳細は調整中なんですけれども、今年度中もさらに、米国の関税対策等の観点から当然いくつか考えているところがございますし、また来年度に向けてもですね、今後またいろいろ一太さんとも協議しながら、予算要求もしながら、来年度につきましてもトップ外交については精力的に進めていくということで考えています。
(知事)
今、記者さんにトップ外交の質問していただいて、ありがたいなと思っているんですが、知事戦略部長から説明があったように、結構いろんなところに行っているなと。でも他の県知事と話をしたら、他の県知事も結構行っているんですよね。その他の県知事が出張についてどんな報告をされているのか、そこでどんな成果を上げているのかというのは分からないんですけれども、これはやっぱり予算を使って、行った意味があるっていうことは、これからも地方自治は二元民主制だから、議会の方々にちゃんと説明して、県議の皆さんに了解を得ていかなければいけないと思うんですが、私自身はすべての出張に意味があったと思っています。ベトナムは4回行っているんだっけ。4回行く中で、首相と3回会っている人って誰もいないですよね。何で首相と会うのか。だって、例えば群馬県の企業も相当向こうに工場とか出していて、例えば政府で法律改正とかあって、ここでも言ったけど、経済活動ができにくくなったときに、大使館にお願いするしかないじゃないですか、普通は。群馬県は、私が直接首相に直談判できるという、まずこういう状況をつくるっていうのは、知事の私の責務だと思っているんですよね。それから群馬県に来て、ここでいろんな産業で働いている外国人の中で、ベトナム人の方の比率が一番多いわけですよね。来てくれるんだったら、いい方に来てもらわなきゃいけないということからすると、例えば知事に就任して、間もなくだったと思いますが、外務大臣に会って、昔から知っているミンさんっていう、今は違いますけど、外務大臣だったので、約束を取って、会いに行ってですね、送り出しの仕組みとかを一部変えてもらったと。これだけでもまず行った甲斐があると思うし、これもよく県議の皆さんに、県議会に理解していただかなきゃいけないんだけど、過去2回ベトナム行ったときには、企業団を連れて行って、これは誰もやってないんですよね。過去2回企業団、大体20社から30社ぐらい一緒に行ってもらって、やっぱり向こうへの投資が50億とか100億とか決まったわけじゃないですか。例えば、群馬県の企業が、私と一緒に行って、投資担当大臣に会い、あるいは、代表は首相にも会ってもらって、それによって、そのぐらい大型の投資が決まったと。これ成果以外の何物でもないと思うんですね。だから、そういう意味では、ベトナムだけじゃないんですけれども、それぞれの出張でどういう成果があったんですかと言ったときには、すべて何も見ずに答えられます。そのぐらいやっぱり真剣にやってきたし、今回もベトナム政府要人ともしっかり会えると思います。韓国に行ったときも、日韓関係が結構大変だったから、後での発表になったんですけれども、主要な大臣に全部会ってきましたからね。総務大臣(にあたる方)を含めて、そのときにはやっぱり微妙だったから外に言わないでくれって言ったんですけど。主要閣僚に3人会った知事っていないから。個人的な人脈もあったんだけど、実はものすごく偉い人にも会ったんですけど、言ってないこともあるし。だからそういう意味でいうと、向こう側も、群馬県の特に高齢化対策とか町おこしみたいなことを勉強したいと。その後、いろんなことで、なかなかコンタクトが取りにくい状況にはなっていますが、これももちろんすごく意味があったし、イギリス(訪問)で行った、世界で最も有名な、世界大学ランキング10年連続トップの芸術系大学院でいうと、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートとちゃんとワークショップができるようになっているじゃないですか。こういうのをちゃんと成果として、我々はちゃんと県議会にも説明をし、県民の皆さんにも説明して理解を得ていく必要があると思うんですが。少なくとも、みんなと一緒に出張してきたんですけど、みんなもう本当に1分1秒を惜しんで頑張ってくれて、フィンランドに行ったときも、相当無理してホンコネン大臣を引っ張り出してですね、30分ぐらい意見交換して、向こうのユネスコ無形文化遺産登録の成功の鍵を聞いてきたから。だから、このトップ外交は、私は群馬県にとってすごく意味があるし、大事だと思っています。今回、すごく良かったのは4人の県議が同行してくれるっていうことで、すごく嬉しいですよね。だから、やっぱり県議にどのぐらい真剣にやっているかっていうのを見てもらいたいなと思っています。
●福岡県において偽造教員免許で逮捕された人物について
(記者)
一部の報道で、福岡県の中学校の補助教員の男が偽の教員免許状の写しを採用試験に提出した疑いで逮捕されたっていうことで、県内でも勤務経験があるという報道が出ています。県教委として把握されている内容など現時点で出せるものをいただきたいと思います。
(知事)
教育委員会、どうぞ。
(学校人事課長)
今回の逮捕者につきましては、群馬県での任用時の氏名を「こばたまさひと」といいまして、名字が違うんですが同一人物であると推定しております。この者は平成25年5月から臨時教員として、片品村立片品北小学校において任用しておりました。任用するに当たりまして、片品村を管轄する利根教育事務所で面接を実施し、履歴書や教員免許状を確認しましたが、失効状態であることを見つけることができず、任用してしまいました。そこで、平成25年8月1日に教育職員免許法違反容疑で埼玉県警に逮捕され、この人物は道路交通法違反により有罪判決を受けており、教員免許が失効状態にあったことが判明しました。そのため、群馬県教育委員会は即日、臨時教員としての任用を無効としました。県教育委員会としましては、この事案を受け、官報情報検索ツールや特定免許状失効者管理システムなど、国のデータベースを活用するとともに、氏名の改姓等については、各都道府県から通知された教員免許状の失効等の情報を県独自でデータベース化しており、これらを併用し、免許状番号等でも厳格に確認をしております。今後も厳密に確認をしてまいりたいと思っております。
(知事)
こんな人を採用してしまったっていうことについては申し訳ないと思っています。教育委員会も真面目にやっているんだけど、こういうことがあったことを踏まえて、二度とこういうことがないようによく検証してもらってですね、気をつけたいと。そのようにしっかり教育委員会にもお願いしたいと思っています。
●公明党の連立政権離脱について
(記者)
先ほど国の政局の関係で、群馬県においては公明党との関係は変わらないとおっしゃったのは、山本県政との(関係)っていう意味なのか、群馬県内の自民党関係者と公明党との関係と、どちらでしょうか。
(知事)
他の人のことを言うのは僣越なので、群馬県政における知事と例えば公明党県議団との関係は変わらないと。私の中でもいろんな形で、やっぱり自民党の国会議員も長かったんで、しかも最後の1、2年ぐらいは県連会長だったから、ちょっとこれもブログで触れましたが、参議院選挙なかなか対応難しいわけですよね、国政選挙で。公明党とどういうふうに調整していくかっていうのは、これも結構本当に腹を割って、福重本部長とやってきたので、そういう人間関係みたいなものは、私は変わらないというふうに思っています。国政は国政で、連立は離脱をしたということなんですけれども。やっぱり今まで26年間の中で培ってきたものはあるんじゃないかなと。特に、これもいつもここで聞かれる前にブログに書いているんだけど、24年間も国会議員をやってきて、一番印象的だったのは、政権交代の後の3年間の野党の時代を一緒に耐え抜いたっていうのがあるから。そういう思い入れも私の中にあるので、個人的には、これはいろいろ地方の政治の事情もあると思うし、国政についてはいつも好きなことを言っていますけど、触れないにしてもですね、さっき言ったように、連立を離脱したから、何か敵対する存在になるわけじゃないので、そこはさっき言ったように議員連盟もそうですし、少なくとも温泉文化の議員連盟は、赤羽元国交大臣もこれは一生懸命やるって言っていただいているので、そういう関係は大事にしていきたいなというふうに思っています。
(記者)
分かりました。仮定の話ですけど、今後維新が連立入りした場合に、維新との関係づくりはどういうふうにお考えなんでしょうか。
(知事)
それは、もし維新が連立に入ったら、私、一応群馬県知事なので、群馬県のことしか考えていないので、それは高市早苗さんが総理になられたら、まずは主要閣僚の皆さんにはぜひ会いに行きたいと。例えば、今回の総裁選挙で応援して、総裁にはならなかったんですけど、小泉進次郎さんは防衛大臣になるわけですよね。やっぱり激励もしたいし、ちょっと選挙のことも話したいから、早速アポを取って行って。防衛省はすごい大事ですよね、群馬県は豚熱とか鳥インフルとか災害で、本当に第十二旅団にお世話になっているんで。小泉さんになったらですよ、報道によるとそうなっているだけだから。(小泉進次郎氏が)防衛大臣だったら、早速アポ取って行きたいし、林官房長官、参議院の同期なんで、きっと会ってくれると思うので、やっぱり総務省との関係は大事だから、今の総務大臣とは本当に1回も約束を取らなかったんでね。今の総務大臣とは会うつもりは全くなかったんで。だから、Newさん(大塚副知事)が本当に頑張っていることも報告できなかったんだけど、よっしー(林芳正氏)が総務大臣だったら、しっかりと総務省の話で会えると思うし、Newさんが頑張って、「Newさんのひとこと」のコーナーをやっていることも芳正大臣に報告したいなと思っています。内閣の新しい顔ぶれには結構注目していて、やっぱり文科大臣、それから自民党に戻ってくるでしょうね、国交大臣。それから、環境大臣、厚労大臣、ここら辺はみんな温泉文化と関係があるので、できればアポを取れれば、たぶん絶対知り合いがなると思うので、会いに行きたいと思います。それから維新が、もし政権に入るとすれば、どこかで維新の代表、そんなに話をしたことはないんですけれど、もちろんお目にかかれるように努力したいと。だって政権の中に入るわけだから、温泉文化のことは、がっちりお願いをしに行きたいなと思っています。
●中長期財政見通しについて
(記者)
ちょっと案件の関係でもあるんですけど、中期財政見通しの中で、年収の壁であるとかガソリンの暫定税率というのは、現状の制度、あるいは決まっている制度変更のみ組み込んだ形の試算になっていると思います。そういったことが今後、国の政党間でも与野党でも協議されていますけれども、あらためて知事として注目されていることがあれば。
(知事)
これはたぶん年収の壁の話とかも含めて、いろんなイシューが出てくると思うんですよね。これはやっぱり国会っていうか、中央でしっかり決めてもらうことだと思うんですけど。これ47都道府県の知事みんなが同じことを言うと思うんですが、やっぱり地方財政に大きな影響が出ないようにしていただきたいなと。これだけは本当にお願いをしたいと思うんですよね。減税するのはいいんだけど、財源って必要じゃないですか。その財源をしっかり確保するっていうことだけは、本当に今、群馬県で暮らしている方々の生活にも直接影響が出るので、地方財政はちゃんとした財源のしっかりした裏付けを考えながら、やっていただきたいなと。高市総理にそんなに簡単に会えるかどうか分かんないんですけど、河野太郎を応援していた後、政調会長になった高市さんに会いに行ったときは、結構怒っていたんで、「ショックでした」とか言われて。今回も進次郎候補を応援したので、会ってくれるかも分かんないんですけど、高市総裁も総理だから、昔の、若いころよりも、進化した政治家になっているので、どこかで1度でも会えたら、やっぱり高市総裁自身も奈良ですから、地方を大事にしてほしいっていうことは、直接訴えられたらいいなと思っています。
●前橋市長の問題について
(記者)
前橋市長の関係ですけれども、ブログでもかなり市長が荒唐無稽である旨、はっきりお書きになっていますけれども、その市長の出処進退についてどうあるべきか、知事として明確におっしゃる気は・・・
(知事)
結構強く書いちゃったんですけど、ここで発言をするとまた切り取られるんで、映像よりはいいかなと思ったんだけど。でも書いたのを後で見てみたら、結構厳しいことを書いているなと思うんですが。何度も言うように、個人的な感情は抜きにして、これまでの説明は完全に論理破綻して支離滅裂だと思います。これは、今日他の記者さんも答えなかったけど信じられるもんかみたいな顔をしていたけど、私は100%嘘だと思います。私のこの認識が変わることはありません。それは、ほとんどの人がそういう認識を持っているっていうことは、やっぱりしっかり市長にも、周りの方にも分かっていただいたらいいんじゃないかと思うんですよね。それで、私の友人たちが「もう、放っておいたらいいじゃないか」と、「もう一太さん、いいんじゃないの」と言われているんですけど、いいんだけど、ただ、おかしいと思っていることでもなかなか人間って言えないじゃないですか。だって、例えば今回のことについて何か、「これちょっとおかしいんじゃないか」って言ったら、必ず世の中から言われるのは「じゃああなたはそんな立派な人間ですか」と。「あなたは失敗してこなかったんですか」と言われるじゃないですか。私は、ここで何度も言っているように、ものすごく欠点だらけの人間で、いっぱい失敗を繰り返してきたわけですよね。だからそんな人のいろんな過ちとか、いちいちコメントしたくてしているわけじゃないんだけど、だけど、やっぱり誰かが言わないと。特に、県政にも関係ある話について、知事が何にも言わなかったら、例えば動画を見たり、親の話を聞いたりしてですね、大人は信用できないと思っている子どもたちに、まるで誰もが嘘だと思っている理屈をそのまま受け入れているかのように見えちゃうでしょ。だから、「お前、そんな立派な人間なのか」と言われることも覚悟して、一応やっぱり自分がやらなきゃいけないかなと。「ここまで言わなくてもいいんじゃないか」っていう意見もあると思うけど、やっぱり「よく言ってくれた」と、「みんなが本当に思っていることをよく言ってくれた」っていう意見もあるので。今日、たぶん最後にしていただければ、ブログにも書いたし、と思うんですけれども。そういう思いで言っているっていうことです。それから進退は市長ご自身がお決めになることじゃないかなと思います。
ただ、そのブログの中で、市議の人たちにしっかりやってくれって言ったのは、ここで何度も言っているように、地方政治、地方議会にも注目が集まっているわけですよ。こういう問題がなかったとしても、例えば政治とお金の問題でReHacQみたいな、ある意味で言うと、ものすごく発信力のある番組が、群馬県の、県議会議員の政治資金の問題を取り上げて、30万回以上回っているわけでしょ。そういう中で、今、この問題がこれだけ全国から注目されて、昨日も知事の「首長リレーセミナー」というところで講演をぶちかましてきたんですけど、最初に危機管理の話で、ちょっとこの問題を出して、「やっぱり初動を間違ったんじゃないか」って言ったら、全員知っていましたよね、全員が。だから、そういういろんな流れも踏まえて、みんなが注目しているっていうことを頭に置きながら、市議の皆さんには、どんな形で市長に対して対応するのかを決めていただいたほうがいいんじゃないかと。これはもう市議の方々も、一人一人が独立自尊の存在ですから、私が何やかんや言うあれもないんですけど、高崎駅の構内で会った某市議は、とっても頭を悩ましていたんで。だからそういう意味でいうと、ちゃんと市民の声を聞いて、行動していただければいいんじゃないかと。繰り返しますが、ちゃんとけじめをつけるためには、市長のご判断もあるし、市議会の動きもあるし。とにかく1日も早く一定のけじめをつけてもらいたいなということで、進退については特にこうすべきだっていうことは言いません。これはやっぱり市長ご自身がお決めになることだと思います。
(知事)
ということで、もしかすると今日で「前橋市長のラブホ問題」は、この中では終結したのかなっていう気もするんですが、何でこの問題を何度もメディアの方々から聞かれるかっていうのは、県民の皆さんがやっぱりおかしいっていうか、納得していないからなんですよね。メディアの人たちの背景には、県民の声があって、国民の声があると。これだけ皆さんがこの問題をここで取り上げるっていうのは、みんな納得していないからだと思うんですよね。でもそれは、そうだとしたら、この問題の本質とか事実を、ぜひメディアの皆さんにちゃんと県民の皆さんとか国民の皆さんにしっかり啓発というか、その事実関係を周知していただきたいなというのが、私の個人としての思いです。私にですね、ブログシリーズとかですね、渾身の、もう絶対書かせないでいただきたいなと。だって、メディアの方々のミッションなんじゃないかなと思っているので、これはあくまでも私の感覚なんですが。やっぱりみんながおかしいと思うことは、しっかり調査して、事実関係を発信していただくっていうのがメディアの皆さんの仕事なんじゃないかと思っていることだけは言っておきます。もう1回言いますが、皆さんの後ろに国民とか県民の声があると思っているから、毎回こんなに真剣に対応しているということは申し上げたいと思います。高校生メンターからこの問題をなるべく聞かれないようにと思っているんですが、聞かれたらなかなか説明しにくいなと思っていることもお伝えしておきたいと思います。ということで、この辺で終わりですが、Newさんがせっかく来ているので、最後にNewさんの一言で締めたいと思います。どうぞ、Newさん。
(大塚副知事)
すみません、時間がかなり押しているから・・・
(知事)
必ず(パネルを)掲げてください。
(大塚副知事)
1カ月ほど前にご紹介した件ですけれども、県立高校の在り方についての議論が、いよいよ今日から太田・館林・邑楽を皮切りに始まります。来週には伊勢崎・佐波というところで。準備ができ次第、来月も引き続き議論を行ってまいります。参加いただくのは、県議の皆さん、それから各市町村の首長さんであるとか、議会の方々、もちろん高校の関係者の方、高校のPTAの方とかですね、あるいは高校に生徒さんを送り出していく中学校の方々とか、あとは商工団体、農業団体とか、本当に高校のあり方っていうのは、その地域のあり方に密接に関わる話ですので、多くの方にご参加いただいて、この意見交換会を行ってまいります。この議論自体は広く公開というわけじゃないんですが、メディアの皆様方には報道で取材に来ていただけるという形になっていますので、ぜひ各社からご参加いただいて、どういうものがやはり教育に求められるのかというのが大きく変わっているということだと思いますし、この少子化に対してですね、どういうふうに対応していくのかというのが求められている、非常に重要な課題を議論する場だと思っていますので、ぜひ注目いただければと思っています。
(知事)
ありがとうございました。この間、何人かの支持者の方から、この「会見が面白い」と言われて、「ほとんどエンタメみたいだ」とか言われて、喜んでいいのか、悲しんでいいのかよく分かんないんですけど、Newさんがこうやってスタンダードに、まともな話をしていただいて、締めてもらうっていうのはいいと思うんで、来週一緒に(ベトナムから)帰ってくるので、来週もNewさんコーナーはありますので、皆さんご期待をいただきたいと思います。ということで、ちょっと10分オーバーしましたが、これで会見を終わりたいと思います。皆さん、最後まで今日もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。