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県指定天然記念物ヒメギフチョウの幼虫を展示します
【ヒメギフチョウについて】
ヒメギフチョウは本州中部から東北、北海道に生息するアゲハチョウの仲間です。春に成虫が発生し交尾産卵を行い、孵化した幼虫は1カ月半ほどで蛹になります。その後、翌春までおよそ9か月間を蛹の状態で過ごします。
本種は関東では赤城山西北面の一部だけに生息しています。このため県の天然記念物に指定されており、群馬県の絶滅のおそれがある野生動物(群馬県レッドデータブック)2022年改訂版動物編では絶滅危惧1B類、2024年にはランクを引き上げて絶滅危惧1A類に分類されています。
【ヒメギフチョウの保護活動及びぐんま昆虫の森における展示について】
近年、生息環境の悪化やシカの食害等によって幼虫の食草であるウスバサイシンや成虫の吸蜜源植物のカタクリなどが減少し、本種の生息数も減少傾向にあります。このままでは絶滅する可能性が極めて高いことから、県文化財保護課の許可を受けて2年前に卵を回収し、渋川市と県立ぐんま昆虫の森で幼虫を飼育し、蛹になるまで育てました。
県立ぐんま昆虫の森では、一昨年、昨年に引き続き、今年も生息域外保全としてヒメギフチョウ幼虫の飼育に協力しています。
県立ぐんま昆虫の森で飼育している幼虫の一部については、蛹になるまでの期間限定で、食草・育成温室内のチョウ飼育室の展示コーナーで展示を行っています。蛹になるまでの期間は短いので、お早めにお越しください。