本文
畜産(畜産試験場・南 真子)
畜産試験場 南 真子
掲載内容については、平成30年3月現在の情報です。
1 現在の仕事
畜産環境担当として、畜舎やふん尿処理施設における臭気対策技術に関する試験研究や、場内で飼育している家畜のふん尿等の排水処理を行うための、家畜尿汚水浄化処理施設の管理業務を行っています。
畜産経営を行っていく上で守るべき様々な法令がある中で、事業規模拡大で増頭することにより増える家畜ふん尿処理、臭気対策に悩んでいる農家のため、現場の視点に立った低コストで導入しやすい脱臭装置の開発を行い、普及することは重要な業務であると感じています。
そのほか、畜産環境対策技術に関する研修会等の講師も担当しています。
2 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
平成24年度 | 畜産試験場 | 主に飼料の品種別生育試験、飼料分析等を行い、飼料に対する知識を深めました。 |
平成26年度 | 浅間家畜育成牧場 | 牛の繁殖管理にあたり、大家畜を扱うことの大変さ、農家の要望に応えることの大切さを学びました。 |
平成29年度 | 現所属 | 「1現在の仕事」のとおり |
3 県職員の仕事の魅力・やりがい
畜産職は、様々な職場で畜産に関する知識・技術を習得し、畜産農家のニーズにあった情報を提供することができます。自分が試験研究を行っている省力化・低コスト化を図る生産技術が農家に普及し、県の畜産業の発展に貢献できることが魅力の一つであると思います。
4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
- 最初の配属先では飼料担当として、中山間地域における飼料作物の生産試験を行いました。群馬県は、山間部から平野部まで地形も異なり、気象条件も様々で、それぞれの環境に適した情報を農家に提供するため、ある一定の地域に対象を絞って対策を検討することも重要であることを学びました。
- 浅間家畜育成牧場では、牛の管理や繁殖が主な仕事でしたが、牛が主食とする牧草を鹿に食べられてしまったり、牧草地が猪に掘り起こされたりと獣害が甚大でした。その対策として、場内にわなを設置して野生動物を捕獲し、被害の低減を確認できたときはとても嬉しく感じました。野生動物対策を行うことが、農家から預かっている牛の飼養環境を整えることに繋がっていることに気づき、農家への貢献の形は様々であると感じました。
- 現在の所属では畜産環境の担当として、県庁や地域機関の農業事務所と連携し、家畜ふん尿処理施設がある農家を訪問して、施設の管理が適正であるか、施設から排出される処理水を採取・分析し、法令の基準値内となっているかの確認を行っています。そこでは、技術的な対策案を提示するだけでなく、実際に自分が実践した体験談を交え、経験に裏打ちされた指導を行うことが大事であることが分かりました。そのため、今後もより積極的に技術・知識を習得し、経験を積み重ねていこうと思いました。
5 採用前と採用後のギャップ
畜産職というと技術の普及活動など、家畜保健衛生所等における農家への指導的な仕事であると考えていましたが、試験研究や牛の繁殖管理など、業務は多様であることに驚きました。
また、農家に技術を普及させるため実際に農家のほ場を借りて現地試験を実施するにあたり、協力的な農家が多いことに驚いたと同時に、関係機関とともに畜産振興を図っていきたいと思う農家が多く、とても感銘を受けました。
6 今後の目標、これから挑戦したいこと
住居と畜産農家が混在する地域で畜産農家が臭気発生を気にすることなく従事できる環境をつくり、農家のサポートをしたいと思っています。今後も様々な所属で畜産に関する知識・技術を身につけ、農家が必要とする情報を提供できる職員を目指したいです。
7 群馬県職員を志望した理由
子どもの頃から動物を飼育することに興味がありましたが、高校の時に県内の酪農家で職場体験させてもらったことから将来畜産に携わる仕事に就きたいと思うようになりました。
就農も考えましたが、様々な畜種の農家に携わりたい、農家が畜産経営しやすい環境をつくりたいと思い、県職員を志望しました。
8 受験時に心がけたこと
筆記試験は、学校で畜産分野の授業を受けていたため、畜産以外の分野にポイントをしぼって、対策しました。面接は「素直に伝える」ことを重視し、学生生活の中で頑張ったこと、アルバイトでの成果などを伝えるように心掛けました。
9 未来の後輩へ
一つの所属に留まらず、人事異動により様々な職種の人と仕事ができ、また、農家の方との出会いがあり、いつも新鮮な気持ちで仕事ができることが県職員の魅力だと思います。
群馬県の畜産振興のため、一緒に頑張りましょう。
家畜尿汚水浄化処理施設での採水の様子