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化学(東部環境事務所・中澤 優人)
東部環境事務所 中澤 優人
掲載内容については、令和6年2月現在の情報です。
1 現在の仕事
東毛地域における、大気汚染防止法や水質汚濁防止法などの環境法令に基づく届出審査、事業場への立入検査、環境汚染事故への対応などを行っています。
大気汚染防止法や水質汚濁防止法に基づく届出審査では、法令で規制されている施設に関する届出書類を受け付け、定められた基準に適合しているか審査します。事業場への立入検査では、事業者に対して届出施設が適正に運用されているか確認します。環境汚染事故のうち、有害物質が河川に流入するなどの水質汚濁事故が発生すると、対象となる河川の水質検査や原因の究明を行い、原因者に対して応急措置の実施指導を行います。
2 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
平成27年度 | 繊維工業試験場 | 繊維素材の性能評価や研究開発を担当し、繊維の多様性・奥深さを追求しました。 |
平成29年度 | 群馬産業技術センター | 工業材料の化学分析や研究開発を担当し、県内企業への技術支援に貢献しました。 |
令和2年度 | 現所属 (令和3年7月~10月:県営ワクチン接種センター運営課と兼務) |
「1現在の仕事」のとおり (兼務先所属において、東毛ワクチン接種センターの運営に携わり、県民のワクチン接種率向上に尽力しました。) |
3 県職員の仕事の魅力・やりがい
県の化学職は、環境保全、廃棄物処理、水質管理(上・下水道)、企業支援、研究、分析など、専門知識を活かして幅広く業務を行います。いずれの分野においても、さまざまな職種の職員と一緒に仕事をする機会があるため、日々新たな知識を習得しながら業務を進められるのが魅力です。
また、現在担当している環境保全の業務では、県民からの環境に関する苦情を解決したとき、環境が目に見えて改善されることがあります。このように、自らの業務が県民の安全・安心な生活に結びついたとき、やりがいを感じます。
4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
(1)繊維工業試験場
医療、介護、福祉、商工業など多岐の分野にわたり、県内企業や大学と共同して、地域伝統の繊維素材を用いたオリジナル製品の開発に取り組みました。製品試作、性能試験、改良を重ねて開発された製品は、その独創性や地域性の高さが評価され、各種メディアに取り上げられました。自ら開発に携わった製品が社会からの注目を集めている事実を目の当たりにし、自らの業務が社会に結びついていることを再認識するとともに、社会への影響力の高さを実感しました。
(2)群馬産業技術センター
県内企業が工業製品を製造する際に発生した不具合品について、その不具合の原因を探るため、機器分析による問題解決に取り組みました。問題解決に向けたアプローチとして、走査型電子顕微鏡やフーリエ変換赤外分光光度計などの分析装置を用いて不具合品の特徴(外観、化学構造、性質など)を見いだし、企業からの聞き取り内容を踏まえて総合的に考察を行いました。問題解決に至った際には、企業から再発防止策を講じられることに対する感謝の言葉を頂いたことがあり、今後の製造体制の改善に貢献できていることを実感しました。
(3)県営ワクチン接種センター運営課
群馬県は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、県内2箇所に県営ワクチン接種センター(県央ワクチン接種センター及び東毛ワクチン接種センター)を設立しました(令和4年6月をもって終了)。私は東毛ワクチン接種センターの運営において、県民からの相談対応のほか、ワクチン接種の予約管理、報道対応に携わりました。新型コロナウイルスに対する社会の動きが時々刻々と移りゆくなか、ワクチン供給トラブルに見舞われたことも少なくありません。そうしたとき、5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)に基づいた事実確認を着実に行い、冷静に現状を整理した上で、リスクを最小限にとどめるための的確な対応をする先輩職員の姿勢に深く感銘を受けました。本業務を通じて、危機が差し迫った状況のなか、最大限の業務効率を生み出すためのノウハウを学ぶことができました。
5 入庁前と入庁後の印象
化学職であることから、研究や分析が業務の中心だと考えていましたが、実際には窓口応対や届出審査などの事務のほか、事業場への立入検査や、河川水質・地下水質の調査などの現場業務もあり、想像以上に幅広く専門的でした。
6 今後の目標、これから挑戦したいこと
群馬県の豊かな環境を守るため、これまで培った研究や分析の経験を活かして、水質管理(上・下水道)や廃棄物処理の業務のほか、異動を通じて環境保全施策の立案などにも携わり、環境行政に貢献していきたいです。
7 群馬県職員を志望した理由
高校生の頃から、将来は地元である群馬県で仕事をしたいという思いがありました。大学生の頃に県外へ出たことで、空気が澄み、水資源が豊かな群馬県の魅力を再認識し「地元で」から「地元のために」仕事をしたいという思いになりました。さらに、大学で学んだ理学(化学)の知識を活かし、群馬県のために広く貢献できるのは化学職であると考え、化学職を志望しました。
8 受験時に心がけたこと
筆記・論文試験では、受験対策のテキストを繰り返し勉強しました。
面接試験では一問一答の型にとらわれず、面接官と対話することを心掛けました。自分の長所・短所、これまで培った経験のほか、入庁後に取り組みたい仕事について、話の流れを意識して面接官に伝えられると良いと思います。
9 未来の後輩へ
県の化学職は、環境を守る仕事や、県内企業を支援する仕事など、配属先によってさまざまな業務があります。
何事にも果敢に挑戦する志を持ち、一緒に頑張っていきましょう。
河川の水質検査を行っています