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獣医師1(食肉衛生検査所・森田 聡志)
食肉衛生検査所 森田 聡志
掲載内容については、令和7年2月現在の情報です。
1 現在の仕事
管内の食肉処理施設での牛、豚のと畜検査や、食鳥処理施設で鶏の食鳥検査および監視業務を行っています。われわれ県の獣医師が検査し、合格した安全な肉が店舗に商品として並ぶことになります。
私は、輸出食肉検査係として、牛肉の輸出に関してアメリカ、EU、カナダ、シンガポール、タイ、メキシコ、香港などの衛生証明書を作成する業務も行っています。国によって検査基準が違うので、条件に合っているかどうか確認して、指導を行うこともあります。
また、細菌、病理学、生化学などの検査業務も担っています。
1日のスケジュール(例)
時間 | スケジュール |
---|---|
8時30分 | 始業、と畜検査 |
12時 | 昼食 |
13時 | と畜検査 |
14時 | 書類確認(検査所) |
15時 | 書類作成 |
17時15分 | 終業 |
2 現在の職場の雰囲気
職員の大部分が獣医師なので、何か困ったことがあっても、先輩が適切にサポートして教えてくれ、安心して働ける職場です。
3 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
令和4年度 |
現所属 |
「1現在の仕事」のとおり |
4 県職員の仕事の魅力・やりがい
食肉の検査は県職員の獣医師でなければできない業務ですから、食の安全に貢献している実感が持てます。
また、学生のときには教科書に載っている写真でしか見たことのなかった病変などを、実際に見られることも、勉強になりますし、感動することもあります。
海外への輸出業務は、確認漏れなどがあると税関でストップしてしまうので責任が重大ですが、その分やりがいにもなっています。
5 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
(1)と畜検査
関東有数の畜産県であり、牛・豚・鶏の処理頭数が多いので、1年目は検査をするのも大変で先輩職員に助けてもらっていましたが、3年目になり検査に慣れ、対応できるようになりました。
(2)FSIS(米国農務省食品安全検査局)査察
2024年5月にアメリカ政府の査察があり、査察時に牛の内臓検査や残留物質モニタリング検査のデモンストレーションを担当しました。査察が終わったとき、「よくわかった。衛生的に業務をしてくれて感謝している」と声をかけられて、とてもうれしく印象に残る業務でした。
6 入庁前と入庁後の印象
父が群馬県の公務員獣医師でしたので、どのような職場か、どのような仕事なのかについて一通りの知識はありましたが、実際に職に就いてみるとその業務の責任と専門性の高さに驚きました。
また、大学でHACCPについて学んでいましたが、施設の監視業務にはさらに専門的な勉強が必要だということがわかりました。
※HACCPとは、食中毒菌汚染や異物混入などの「危害要因」をあらかじめ「把握」し、原材料の入荷から製品の出荷に至るすべての工程の中で、それらの危害要因を除去(又は低減)させるために「特に重要な工程を管理」し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。
7 今後の目標、これから挑戦したいこと
入庁以来異動経験はありませんが、公務員獣医師として他部署に配属された際にもさまざまな衛生業務を担えるように、情報収集とスキルアップに努めています。
また、獣医師の管轄外ではありますが、狩猟免許の取得を目指して勉強しています。今後は野生動物の検体を集めて研究することにも挑戦したいです。
8 プライベートの過ごし方
自分の興味のあることの調査研究をしています。
平日もジムに行ったり外食したりと充実した日々を送っています。また、休日は登山をしたり、バイクでツーリングをしたりしてリフレッシュしています。
9 群馬県職員を志望した理由
祖父母が牧場を経営していて獣医師が身近な存在だったことに加え、父が県の公務員獣医師としてこの食肉衛生検査所で働いていたことから、自分も同じように衛生的な業務に携わりたいと志望しました。
日本で初めてアメリカ向け輸出の認定を取得した施設が所管にあるのですが、その認定を取るときに父がここで働いていました。その後、EUなどさまざまな国の認定が増えていますが、食肉の衛生管理に関しては群馬県が一番だと思っています。
10 受験時に心がけたこと
教養試験用の公務員のテキストを一通り勉強しました。
論文対策としては、群馬県の公務員試験の過去問を読み、県が実施している政策や取組についても学びました。
面接試験に関しては、特に練習や対策は行っていません。自分の思ったことや熱意を伝えるように努めました。
11 未来の後輩へ
群馬県は畜産が盛んなので、多くの経験や勉強ができると思います。
公務員獣医師は、群馬県はもちろん日本や世界の食の安全のために働いている実感が持てる職場です。経験豊富な先輩職員や上司がしっかりとサポートしてくれるので安心して仕事ができると思います。一緒に食肉の安全を守りましょう。