本文へ
表示モードの切替
印刷

【3月19日】国宝(美術工芸品)の指定について(文化財保護課)

 国の文化審議会(会長 佐藤 信(さとう まこと))は、令和2年3月19日(木)に開催される同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、4件の美術工芸品を国宝に、37件の美術工芸品を重要文化財に指定すること、また、1件の美術工芸品を登録有形文化財に登録することについて、文部科学大臣に答申されました。
 この国宝の新指定の中には、本県出土の下記の考古資料1件が含まれています。
 今回答申を受けた本県出土文化財の一部は、4月21日(火)から5月10日(日)まで東京国立博物館本館(東京都台東区上野公園13-9)にて、特集「令和2年新指定国宝・重要文化財」展で公開されます。また、答申を受けたその他の文化財は、群馬県立歴史博物館に常設展示しています。
 

 1 答申が行われた本県出土の文化財(国宝(美術工芸品))

・考古資料の新指定
群馬県綿貫観音山古墳出土品(ぐんまけんわたぬきかんのんやまこふんしゅつどひん) (所有者:国(文化庁保管))
※群馬県立歴史博物館に長期貸与中

2 文化財の概要

1 名称

群馬県綿貫観音山古墳出土品(ぐんまけんわたぬきかんのんやまこふんしゅつどひん)

2 所有者及び住所

所有者

国(文化庁保管)(群馬県立歴史博物館に長期貸与中)

収蔵展示

群馬県高崎市綿貫町992-1 群馬県立歴史博物館

3 時代  

古墳時代

4 概要

【6世紀後半の東国を代表する出土品】
 本件は群馬県綿貫観音山古墳(ぐんまけんわたぬきかんのんやまこふん)の出土品一括である。内容が多彩で有力地域首長の社会的地位・財力と対外活動の一端を示す、東日本の古墳出土品を代表する極めて学術的価値の高い資料である。
 綿貫観音山古墳(史跡観音山古墳)は井野川右岸の河岸段丘上、高崎市綿貫町及び台新田町(だいしんでんまち)に所在する。6世紀後半に築造された前方後円墳で、全長97mを測る。埋葬施設は後円部に開口する横穴式石室(よこあなしきせきしつ)である。古墳は昭和43年に発掘調査が行われた。昭和48年には国指定史跡となり(指定名称は史跡 観音山古墳)、昭和51年度~53年度に史跡整備のための発掘調査が行われた。昭和57年には副葬品一括が重要文化財に指定され、平成15年には埴輪を主とした未指定品一括が重要文化財に追加指定された。
 本件で特筆すべきは、石室の副葬品に銅水瓶(どうすいびょう)や獣帯鏡(じゅうたいきょう)、金銅馬具(こんどうばぐ)など多種多様な副葬品があり、朝鮮半島や中国大陸と深いつながりを持つ資料が多数含まれることである。
 銅水瓶は国内最古の水瓶で、古墳出土でほぼ完形品であるのは本件のみである。胴部が卵形をしている点が特徴的な王子形水瓶(おうじがたすいびょう)で、中国北朝の北斉(ほくさい)代の貴人の墓である庫狄廻洛墓(こてきかいらくぼ)出土のものと類似点が多い。獣帯鏡は百済(くだら)の武寧王陵(ぶねいおうりょう)出土の獣帯鏡と同型鏡(どうけいきょう)である。鉄冑(てつかぶと)は頂部に突起が付いた独特な形をしている。国内で製作された冑(かぶと)とは異なるもので、朝鮮半島で類例がある。この他にも鉄地金銅張心葉形鏡板付轡(てつじこんどうばりしんようけいかがみいたつきくつわ)や金銅心葉形杏葉(こんどうしんようけいぎょうよう)、金銅歩揺付飾金具(こんどうほようつきかざりかなぐ)などの馬具、銅三累環頭大刀(どうさんるいかんとうたち)は、朝鮮半島・新羅(しらぎ)で多数の類例が知られている。これらは有力地域首長である綿貫観音山古墳の被葬者と中国・朝鮮半島との直接的な関係性を示す可能性がある。
 この他にも国内で生産されたとされる金銅鈴付大帯(こんどうすずつきおおおび)や装飾付大刀(そうしょくつきたち)、銀装刀子(ぎんそうとうす)なども装飾性が豊かで、高い金工技術に裏付けされた製品である。
 墳丘中段の平坦面と墳頂からは、量・種類ともに豊富な埴輪が出土した。これらの埴輪は当時の儀礼・習俗等を理解する上でも貴重な資料である。
 帽子を被り胡坐(あぐら)を組んで合掌している男子埴輪は、石室出土の金銅鈴付大帯とよく似た大帯を身につけていることから、被葬者自身を表したものと考えられている。また、一つの台座に三人の女子が正座した女子埴輪は他に類例がない。これらの人物埴輪は、当時の儀礼の場面を表現したと推定されている。
 以上、綿貫観音山古墳出土品は、東日本の古墳出土品の一括として、内容の多彩さ、遺存状態とも他に例のない優れたものであり、古墳時代の東国社会を考究する上で極めて高い学術的価値を有する。

用語解説

獣帯鏡:霊獣や神仙の像を配置した鏡。
鉄地金銅張心葉形鏡板付轡:鉄地に金銅板を張った鏡板が付いた轡。轡とは馬の口に含ませる金具で、鏡板とは轡の両端に付ける金具。心葉形とはハート形のこと。
金銅心葉形杏葉:金銅製の杏葉。杏葉とは鞍をつなぎとめる紐などに付ける飾り。
金銅歩揺付飾金具:馬を飾り立てるための金具。歩揺とは花びらの形をした、揺れる飾り。
銅三累環頭大刀:柄の先端に銅製のC字形の3つの環が連結した飾りが付いている大刀。
 

〇出土品の展示

群馬県立歴史博物館
〒370-1293 高崎市綿貫町992-1
開館時間:午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日
※月曜が祝日・振替休日の場合はその翌日
※年末年始、展示準備期間等
※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、2月29日(土)~3月26日(木)は休館です。その後の予定についてはホームページ等でご確認ください。

〇史跡観音山古墳石室の見学

史跡 観音山古墳
〒370-1207 群馬県高崎市綿貫町1752
4月~10月:午前9時~午後5時   11月~3月:午前9時~午後4時  
・年末年始を除いて毎日可能です(見学無料)
・石室見学受付は閉所の30分前まで。
・個人見学の場合、申し込みは不要ですが団体見学の場合は申し込みが必要です。
・石室以外はいつでも自由に見学できます。
 ※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、3月9日(月)~3月26日(木)まで石室見学を中止しています。その後の予定についてはホームページ等でご確認ください。

5 指定基準(抜粋)

考古資料の部
国宝
重要文化財のうち学術的価値が極めて高く、かつ、代表的なもの

6 写真 (提供:群馬県立歴史博物館)

写真1 群馬県綿貫観音山古墳出土品の画像
写真1 群馬県綿貫観音山古墳出土品
写真2 群馬県綿貫観音山古墳出土品(銅水瓶・獣帯鏡)の画像
写真2 群馬県綿貫観音山古墳出土品(銅水瓶・獣帯鏡)
写真3 群馬県綿貫観音山古墳出土品(銅水瓶(中央)、金銅歩揺付雲珠・辻金具(左)、金銅花弁形鈴付辻金具(右)、金銅心葉形杏葉(前))の画像
写真3 群馬県綿貫観音山古墳出土品(銅水瓶(中央)、金銅歩揺付雲珠・辻金具(左)、金銅花弁形鈴付辻金具(右)、金銅心葉形杏葉(前))
写真4 群馬県綿貫観音山古墳出土品武器・武具類の画像
写真4 群馬県綿貫観音山古墳出土品武器・武具類
写真5 群馬県綿貫観音山古墳出土品のうち形象埴輪(1)の画像
写真5 群馬県綿貫観音山古墳出土品のうち形象埴輪(1)
写真6 群馬県綿貫観音山古墳出土品のうち形象埴輪(2)の画像
写真6 群馬県綿貫観音山古墳出土品のうち形象埴輪(2)

このページについてのお問い合わせ

地域創生部文化財保護課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-4684
FAX 027-243-7785
E-mail bunkaho@pref.gunma.lg.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの一部(@pref.gunma.lg.jp)を画像化しております。